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2023年03月14日
防衛装備庁が新型の標的えい航装置RM-30A1を契約
・防衛装備庁は海自向けの新しい標的えい航装置、えい航標的、えい航索を輸入品として契約した
・これら新型の導入により訓練効率やメンテナンス性、安全性が向上するだろう
・従来、標的えい航システムを担ってきた国内メーカー某社は今後、事業撤退する模様
画像引用元: 海上自衛隊, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=57299519 による
海洋事業部が長年運用していた写真の標的えい航装置RM-30Aですが、新型のRM-30A1へ更新されることになったと聞いてました。ATLA(防衛装備庁)のサイトを確認すると、昨年12月に契約されたようです。RM-30A1だけでなく、えい航標的、射撃評価装置、ハイブリッドえい航索も同時期に契約されています。
引用元: 契約に係る情報の公表(中央調達分)令和4年度 月別契約情報/随意契約(基準以上)
https://www.mod.go.jp/atla/souhon/supply/jisseki/rakusatu/index3.html
※会社名はマスクしてあります。
RM-30A1はRM-30Aの改良型で、RM-30Aと比較して以下のような特徴があります。
・油圧及び空気圧の動力系を廃止し完全電動化
・えい航索カッターの冗長化(Redundant towline cutters)
・Microprocessor Logic Control Module
【製造メーカーのbrochure】
https://meggittdefense.com/wp-content/uploads/2020/06/RM-30A1.pdf
台湾AIDC社所有のRM-30B(射撃評価装置が追加装備されている)
画像引用元: AIDC Flight Service Business Department http://www.taiwanairpower.org/aidc.html
動力系がフル電動化したことで、メンテナンスや取り扱いが容易になったことが大きいでしょう。特にRM-30Aはブレーキ系を空気圧が担っていましたので、空気圧が不足するとえい航索をカットしてミッションを中止せざるを得ませんから、その制約から解放されたことは大きいと思われます。
さらに大きいのがえい航索カッターの冗長化です。RM-30Aではカッターが1系統しかなく、もし標的えい航中に何らかの不具合が発生して制御不能になって、えい航標的が収容出来ない場合にカッターが使用出来ないと、RM--30A本体を丸ごと投棄せざるを得なかったことから、そのようなトラブルを回避できる可能性が高まります(兄弟機のAGTSのRMK-35では全く別系統のカッターが2系統あり冗長化されている)。
同時に契約されたえい航標的はMeggitt社のTLX-1 Low-level height-keeping tow targetとTRX radar augmented tow targetだと思われます。前者は今まで横浜の某社さんで契約されていた超低高度えい航標的(JAQ-50)、後者は高速えい航標的JAQ-5に当たるものでしょう。
【TRX radar augmented tow target】
https://meggittdefense.com/product/trx-radar-augmented-tow-target/
TLX-1 Low-level height-keeping tow target
https://meggittdefense.com/product/tlx-1-low-level-height-keeping-tow-target/
興味を引くのはこの契約に出てくる「ハイブリッドえい航索」です。これは一体何でしょうか。従来は「標的用えい航索」という契約品名で横浜の某社さんから調達していましたが、これに代わるものです。
標的用えい航索は近接信管の誤作動を防ぐためにケブラー材料を使ったえい航索でしたが、一つ問題を抱えていました。それは使用期限が製造後1年間しかなかったことです。そのため、使用期限内に使い切らねばならず、運用側の悩みの種となってました。もし、使わずに期限切れなんてことになれば、泣く子も黙る霞が関の〇検様に何を言われるか分かりません(w
このハイブリッドえい航索なるものは、鋼索とケブラー等の電波反射を抑制した材料を組み合わせた(ハイブリッド)ものらしく、使用期限が大幅に緩和されているものなのでしょう。
こうして見ると従来、国産化されていた標的えい航装置関連が軒並み輸入ものへと変更されているのが分かると思います。では、従来調達相手先だった横浜の某社さんはどうなるのかというと、 どうやらこの分野からフェードアウトされる方針のようです 。デルマーターゲットのライセンス供与(このライセンスを保有することが随意契約根拠になっている)に始まる同社のえい航標的の歴史もここに費えることになります(まだAGTSが残ってはいますが、あれも近い将来止めるんでしょう)。
米海軍FJ-4に搭載されたデルマーターゲット
画像引用元: U.S. Navy - U.S. Navy National Museum of Naval Aviation photo No. 1996.253.7225.006, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14814590 による
ほんと近年マル防からは多くの会社さんが去っていきますね(T_T)
・これら新型の導入により訓練効率やメンテナンス性、安全性が向上するだろう
・従来、標的えい航システムを担ってきた国内メーカー某社は今後、事業撤退する模様
画像引用元: 海上自衛隊, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=57299519 による
海洋事業部が長年運用していた写真の標的えい航装置RM-30Aですが、新型のRM-30A1へ更新されることになったと聞いてました。ATLA(防衛装備庁)のサイトを確認すると、昨年12月に契約されたようです。RM-30A1だけでなく、えい航標的、射撃評価装置、ハイブリッドえい航索も同時期に契約されています。
引用元: 契約に係る情報の公表(中央調達分)令和4年度 月別契約情報/随意契約(基準以上)
https://www.mod.go.jp/atla/souhon/supply/jisseki/rakusatu/index3.html
※会社名はマスクしてあります。
RM-30A1はRM-30Aの改良型で、RM-30Aと比較して以下のような特徴があります。
・油圧及び空気圧の動力系を廃止し完全電動化
・えい航索カッターの冗長化(Redundant towline cutters)
・Microprocessor Logic Control Module
【製造メーカーのbrochure】
https://meggittdefense.com/wp-content/uploads/2020/06/RM-30A1.pdf
台湾AIDC社所有のRM-30B(射撃評価装置が追加装備されている)
画像引用元: AIDC Flight Service Business Department http://www.taiwanairpower.org/aidc.html
動力系がフル電動化したことで、メンテナンスや取り扱いが容易になったことが大きいでしょう。特にRM-30Aはブレーキ系を空気圧が担っていましたので、空気圧が不足するとえい航索をカットしてミッションを中止せざるを得ませんから、その制約から解放されたことは大きいと思われます。
さらに大きいのがえい航索カッターの冗長化です。RM-30Aではカッターが1系統しかなく、もし標的えい航中に何らかの不具合が発生して制御不能になって、えい航標的が収容出来ない場合にカッターが使用出来ないと、RM--30A本体を丸ごと投棄せざるを得なかったことから、そのようなトラブルを回避できる可能性が高まります(兄弟機のAGTSのRMK-35では全く別系統のカッターが2系統あり冗長化されている)。
同時に契約されたえい航標的はMeggitt社のTLX-1 Low-level height-keeping tow targetとTRX radar augmented tow targetだと思われます。前者は今まで横浜の某社さんで契約されていた超低高度えい航標的(JAQ-50)、後者は高速えい航標的JAQ-5に当たるものでしょう。
【TRX radar augmented tow target】
https://meggittdefense.com/product/trx-radar-augmented-tow-target/
TLX-1 Low-level height-keeping tow target
https://meggittdefense.com/product/tlx-1-low-level-height-keeping-tow-target/
興味を引くのはこの契約に出てくる「ハイブリッドえい航索」です。これは一体何でしょうか。従来は「標的用えい航索」という契約品名で横浜の某社さんから調達していましたが、これに代わるものです。
標的用えい航索は近接信管の誤作動を防ぐためにケブラー材料を使ったえい航索でしたが、一つ問題を抱えていました。それは使用期限が製造後1年間しかなかったことです。そのため、使用期限内に使い切らねばならず、運用側の悩みの種となってました。もし、使わずに期限切れなんてことになれば、泣く子も黙る霞が関の〇検様に何を言われるか分かりません(w
このハイブリッドえい航索なるものは、鋼索とケブラー等の電波反射を抑制した材料を組み合わせた(ハイブリッド)ものらしく、使用期限が大幅に緩和されているものなのでしょう。
こうして見ると従来、国産化されていた標的えい航装置関連が軒並み輸入ものへと変更されているのが分かると思います。では、従来調達相手先だった横浜の某社さんはどうなるのかというと、 どうやらこの分野からフェードアウトされる方針のようです 。デルマーターゲットのライセンス供与(このライセンスを保有することが随意契約根拠になっている)に始まる同社のえい航標的の歴史もここに費えることになります(まだAGTSが残ってはいますが、あれも近い将来止めるんでしょう)。
米海軍FJ-4に搭載されたデルマーターゲット
画像引用元: U.S. Navy - U.S. Navy National Museum of Naval Aviation photo No. 1996.253.7225.006, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14814590 による
ほんと近年マル防からは多くの会社さんが去っていきますね(T_T)
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タグ: RM-30A1
2023年01月02日
一枚の写真
明けましておめでとうございます。
RM-30Aの記事 を投稿しようとしてネット上で見かけたものです。この写真の意味が分かる方は海空の武器関連の方のみかもしれませんが。。。
画像引用元: AIDC Flight Service Business Department http://www.taiwanairpower.org/aidc.html
台湾も中々の国ですね。イスラエル並みの創意工夫でチャレンジしています。
RM-30Aの記事 を投稿しようとしてネット上で見かけたものです。この写真の意味が分かる方は海空の武器関連の方のみかもしれませんが。。。
画像引用元: AIDC Flight Service Business Department http://www.taiwanairpower.org/aidc.html
台湾も中々の国ですね。イスラエル並みの創意工夫でチャレンジしています。
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