2002年1月
神奈川県座間市での首吊り士の話から自殺について少々勉強するために自殺マニュアル関係本を物色。
その一つ。
個人的に興味深いところだけをピックアップしてみる。
ちょっと旧いのでそこは考えなくてはいけないけれども。
○はじめに
・自殺者が2年連続で3万人を突破した99年住友生命は保険金支払における自殺の免責期間を1年から2年に変更した。それでも、自殺による保険金支払いは12万件、年間2000億円に達した。
・99年アメリカで「自殺装置」を作った医師が殺人罪で対於保された。
・01年オランダで世界で初めて安楽死が合法化された。
・人の価値は
葬儀費用+慰謝料+逸失利益(自殺前1年間の年収)?(1−生活費控除率)?(67歳ー現在のんれん例に対する中間控除率)+弁護士費用ー過失相殺額
これは、6千万から1.5億円となる。
ということで99年というのは自殺を考える上で転換期だったのかもしれない。
交通事故はすでに現代では5千人を切る世界で当時に比べてますます自殺の死における比率は高まっている。
自殺による保険金は免責期間さえすぎれば支払われる。その件数は今でも12万件を下回らないだろう。
これだけの自殺大国というのが日本の現状なのだ。
死にたいという人は実際にいて、実行する人は死にたいという人のうちの10分の1にも満たないだろうが、それでも12万件もの自殺に保険金が支払われているということだ。
○死体処理
・自殺死体には検死、行政解剖が必要
・検死で死因が特定され「死体検案書」が発行されこれは病死の場合の「死亡診断書」。これがないと保険金は出ない。
・死因が特定できないと解剖、司法解剖と行政解剖だが犯罪の疑いがなければ行政解剖で10万円など都道府県によって異なる。
・自殺者に葬儀は無用!?
「派遣屋日記番外編」を作った、いながわしろうさんは葬儀社の社員ではなく派遣屋。
・自殺者の葬儀はボッタクリに注意
葬儀業者から見て一番安上がりな方法は葬儀をせずに火葬場に直行すること。遺体の運送費、棺桶、火葬費くらいしかかからない。お金がない人がよく使う手で20万円程度という。
・それでもきちんと葬儀をしてもらいたい人のために
葬儀の費用の全国平均は228万円。最多は138万円。
遺体は死んでから24時間以内に火葬することは禁止されているので、勝手に燃やしてはいけない。
ということで、死亡証明の類は火葬には必要であり、24時間は火葬できないが葬儀をしなければ20万円で遺体の処理はできる。
自殺はいいが、その後を残された人がどうすればいいのか、ということはきちんと整理をしておいたほうがいいだろう。
犯罪とおもわれるような死に方は良くないということがよく分かる。
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○社会保障
・自殺でもらえる「葬祭費」「埋葬料」
国民保険の「葬祭費」は3−7万円、社会保険の「埋葬料」はその人の月収の1ヶ月分、10−98万円の範囲で払われる。
・お父さんが自殺してももらえる遺族年金?
65歳の場合、40年?12ヶ月?1,33万円で638万円
老齢年金は80万円なので、8年以上、73以上まで長生きすれば元が取れるのが年金。
保険には入っているはずなので自殺で死んでも葬祭料などは出る。これも年収によって額が左右されるという世知辛いもの。また、年金の額をもとに遺族年金が支払われるのだが、やはりこの額は少ないのが実情。
民間の保険に入って置かなければ残された子供(18歳未満)の生活は厳しい。
○自殺未遂のコスト
・自殺未遂者が精神病患者になる仕組み
病院は商売だから全額を患者負担にすると治療費が回収できないおそれがあることを心配し、精神疾患の患者の特例事項を当てはめて申請してはどうかと勧める。精神病患者の自殺未遂であれば通常の保険が使える。
自殺は精神病患者であるがためのもの、ということで自殺未遂の治療費はでるので、これは間違いなくそういう扱いにできるであろうと思われる。周りの家族もこうしたテクニックは知っておくべきだろう。今でも使えるのかは分からないが理屈は通っている。
○自殺物件ー事故物件のこと
・父親が犯した殺人現場に半年間住まわされた息子
次の入居者が見つかるまでに4ヶ月かかったが、1万円の値下げをしたところ、事件のことは気にしないという東南アジアの留学生が現れ無事入居が決まった。
事故物件には明確な決まりはない。後から実はというネタがあればそれは事故物件と考えていいだろう。
損害補償についても最高裁の判決はでておらず、相場は過去の判例によるしかない。
ただ、事故部権を気にしない看護師や医者、外国人というパターンはあるので、それは頭の片隅に覚えておいたほうがいいだろう。
○生命保険
・自殺で年間12万件の保険金支払い
死亡保険金年間210万件のうち自殺は12万件で全体の5.7%。死因別ランクで4位であり、三大成人病に続く位置に自殺はある。
もともと95年までは3%に過ぎなかったのだ。
・青木ケ原樹海での自殺はかなり損
行方不明となると財産の売買や処分はできない。7年続け失跡宣告をしてやっと死亡したことにしてもらえるが、死亡保険金については7年間は保険料を支払い続けなければならない。平均年間保険料61万円なら430万円近くが必要となる。
・特約狙いの常套手段、交通事故死
自殺を不慮の事故に見せかけるケースには交通事故死が多い。交通事故死であれば災害割増特約が認められ、保険飢餓倍額になるうえに自動車保険も上乗せされるからかなり高額な保険金が期待できるからだ。
ということで、金で考える自殺というものもある。
行方不明となるのは自殺では避けたほうが良さそうだ。金の話もそうだが、死体にはすぐに虫がわくという話があり、ひどい状態にならないためにも行方不明はだめ。
また、災害割増特約を使う交通事故偽装自殺があるということで、運転する者はこうした輩の存在を知って置くべきだろう。車を運転するのはやはり恐ろしい。
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