最終的には、心の働きの脳内メカニス?ムについて述べていきます。
すこやかな人生?C
日本心身医学会名誉理事長 池見 酉次郎 (いけみ ゆうじろう)
九州名誉教授。北九州市立小倉病院名誉院長。日本心身医学会理事長。
自律調整法国際委員会委員長。国際心身医学会前理事長。医学博士。
著書「セルフコントロールの医学」「自己分析」「心で起こる体の病」「心療内科」ほか
平成三年九月十五日 放送
池見: 実は四年前に中国の北京とか上海にあります
気功のセンターから招かれまして視察致しました。
これは素晴らしい健康法で、
ただ単なる健康法でなくて、
人間の本当の生き方を教えるものだ。
そういうことで、その翌年には、筑波大学の岩佐教授が委員長で、
私どもも組織委員になりまして、中国の気功法の方を東京に招きまして、
「日中国際シンポジウム」をやりました。
そこでわかりましたことは、気功法の基本は、
禅の「調身・調息・調心」が基本なんです。
心身を調えるだけでなくて、
この気功法には東洋医学の素晴らしい英知が入っているんですね。
われわれの全身には三百六十五といわれますが、
二百から三百の経絡に添ったツボがあるんですね。
例えば、この中で、
右下の肩のところからずーっと経絡があって、
ツボがあるのがわかりますね。
井筒屋: 右腕のところですね。
池見: ええ。
こういう体表にあるツボを鍼とか灸とかマッサージで—他力でなくて
—自分でそこのところを外から刺激を与えることによって、
自律神経の支配下にある内臓の働きを調整することができる。
これを「皮膚内臓反射」といいます。
同時に脳を非常によく調える。
調身・調息・調心だけでなくて、
この体のふしぶしから自分の内界を調えていく。
それは単純な東洋の知恵なんですね。
で、宗教界では大変有名な
東大名誉教授の玉城康四郎(たまきこうしろう)先生から直接伺いましたんですが、
先生は五十年前から坐禅を実行しておられまして、
ほんとに先生は理論だけでなく行の方なんですね。
ところが今から数年前から動的な気功をお始めになっているんです。
そして気功をやり出してから感じたことには、
先生のおっしゃる全人格体—頭と心と魂と体
—全部が一体になる上で
—これはさっきのツボでお目にかけました、
肩のところにある慢性の胃腸疾患などに関係がある。
そういうツボを越野さんという
東京の気功の大家がそこを刺激するような運動をしておられた
—玉城先生もこういう方法を加えてやられましたら、
坐禅で静的にするのと動的にするのと相乗効果がある。
お互いに助け合って非常に深い。
で、禅で有名な白隠禅師が
「動中の工夫は静中の工夫にまさること百千億倍す」ということで、
「ひとり按摩」というのを考案したわけです。
ひとり按摩の動きというのが、気功に大変よく似ているんですね。
だから玉城先生もそういうことを自分で実践して発見しておられるんですね。
井筒屋: そういう動きも先生のセルフ・コントロールでは取り入れていらっしゃる?
池見: はい。そういうことです。
私どもがこの種の東洋的な心身—体から心を調える。
全心身を調える方法の基本にしておりますのは、
「自己調整法」という、自分で自分を調整する方法を使っておりますが、
そのやり方というのは、椅子に腰掛けて、顎を引いて、
背筋を立てて、足を肩幅ぐらいに開いて、
そして横隔膜呼吸をしながら、
禅の調身・調息・調心をやりながら、
両手の掌を太ももに置きます。
そうすると太ももに両手の掌に太ももの温感が伝わってきます。
それに心を静かに集めますと、
その温かみがだんだん掌のほうから、
両肘辺りに広がっていく。
足のほうも床についている床との接触感に注意しておりますと、
だんだん接触感がだんだん温かく感じられまして、
それがグッと膝辺りに上がってくる。
そうすると当然頭が涼やかになるんですね。
いわゆる「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」の状態になるんですね。
昔から東洋では「頭寒足熱」が健康法の基本だと言われております。
近頃、曹洞宗の梅田信隆(しんりゅう)管長さんにお会いしましたら、
「曹洞宗と一緒だね」と言われました。
「椅子坐禅」という坐禅法があるんですね。
これは、平成三年九月十五日に、NHK教育テレビの
「こころの時代」で放映されたものである
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2019年06月13日
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