海上自衛隊では、護衛艦のほかに輸送艦にCIWS(近接防御火器システム)が装備されています。
米国のファランクスを採用して、結構長い期間となります。
護衛艦では標準装備となりましたが、近代化でバージョンが違ってきます。
そんなCIWSの整備も大変だ!
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(1)CIWSとは何か
CIWS(Close In Weapon System)は、ミサイルや航空機など艦船を攻撃する対象目標に近距離で迎撃するシステムです。
近年では、ミサイルの他に小型水上目標など多様な目標から防御するようになっています。
海上自衛隊では米国のファランクスを、高性能20mm機関砲(CIWS)として採用しています。
図1 CIWS(米国ファランクス)
引用URL:wiki
1.1 諸外国のCIWSも面白い!
米国のCIWS採用は、1970年代に対艦ミサイルの脅威に対抗するため開発されました。
その他の国でもいろんなCIWSが開発されています。
ロシア(ソ連)では、1960年代からすでに開発が進んでいたりします。
図2 ロシアAK−630
引用URL:wiki
30mm機関砲を使用しており、破壊力が大きくなっています。
1.2 スペインのメロカは変態設計!
CIWSについても各国の設計思想が反映されていますが、中には変態設計がそのまま出てきたようなものもあります。
スペインのCIWSメロカは、変態設計の一つといえます。
図3 スペインメロカ
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Dbcaq0VVwAEfiRg.jpg
1.3 陸上に上げてみる!
米国では、CIWSの自己完結性の高さから陸上基地での防御用としての開発も行われています。
図4 C−RAM
Counter-RAMの名称で、迫撃砲やロケット弾の迎撃を行う用途で開発されています。
比較的良好な成績を収めているようで、将来的に陸上型CIWSとなるかも?!
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(2)海自のCIWSは形態管理が大変だ!
海上自衛隊でも、CIWSについては護衛艦の砲こう兵器として重要装備として管理されています。
しかし、長年に渡る装備化と近代化・オーバーホールの繰り返しで、結構形態管理が大変です。
2.1 海自のCIWSは4種類!
海上自衛隊には、CIWSに4種類のバージョンがあることはあまり知られていません。
・MK−15 ブロック0
・MK−15 ブロック?T
・MK−15 ブロック?TA
・MK−15 ブロック?TB
最初のブロック0については、導入が開始されたはつゆき型やあさぎり型に装備されていました。
図5 CIWSブロック0
引用URL:wiki
かなりの数が、ブロック?Tなどに改修されましたが少数のブロック0が残っています。
2.2 ブロックI以降は大変だ!
CIWSブロック?T以降は、むらさめ型などの新造艦に搭載されるようになりました。
さらに近代化改修により、ブロック?TA、ブロック?TBが登場してきます。
図6 CIWSの変化
引用URL:http://www.navweaps.com/Weapons/WNUS_Phalanx.php
ブロックIとブロック?TAの変化が、あまり変化しないので結構見分けにくくなったりします。
一応、砲身を支える部分が比較的簡素なのが「ブロックI、IA」であり、がっしりしたのが「ブロックIB」という見分け方になります。
(さらに光学カメラが搭載されていればブロック?TBで確定です。)
図7 CIWSブロックIB
引用URL:https://www.raytheonmissilesanddefense.com/sites/rtx1/files/2020-02/phalanx_hero_lg.jpg
2.3 最新鋭艦なのにお古のCIWSが搭載?
たまに、最新鋭艦の就役なのにCIWSお古の「ブロック?T又は?TA」ということがあります。
図8 いずも就役の時のCIWS
引用URL:https://lh3.googleusercontent.com/proxy/r2NStQE5-0KTGPZ3iOxnf3OUmnM8ox6TZig-Tjkz1ePqcfWNDg4MW8D7G_REWgJudrmEhZXPHaD7rtgEGn_rb3QoQZw_Uhano8XQfGrtoE7xz_Nxi-b3tDSH9kPj2g
何でこんなことが起きるかというと、
『金が無いからです!』
本気で建造費を浮かせるため、官給品でお古のCIWSをとりあえず乗せとけ!になります。
CIWS自体は、整備性もよいのですが一式を購入するのが結構高くなります。
護衛艦の定期検査の時に、オーバーホール品を載せ替えて使用しています。
最新鋭の「ブロック?TB」は、海賊対処派遣用に優先されるためしわ寄せが他の船に来ます。
最近CIWSの近代化改修予算が付いたので、それなりの数の「ブロック?TB」ができるでしょう。
しかし、オーバーホール品と艦載品で結構ぎりぎりです。
その余波が、CIWS搭載予定だった補給艦などに来てしまいました。
(いつになったら補給艦に搭載できるんだろう?)
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(3)いわくつきのCIWS話も!
CIWSといえば、1996年に護衛艦「ゆうぎり」が誤射で米軍機を撃墜したことがありました。
その後徹底的に調査されたものの、CIWS自体の故障はなかったということがありました。
そんな事件の後、しばらくたってからCIWS整備の話で、ゆうぎりのCIWSの話が出たことがあります。
3.1 あのCIWSはどうしたんです?
整備業務を行う会社での、懇談の際に護衛艦「ゆうぎり」のCIWSの話になりました。
当時、徹底的に分解して調査した会社の技術者に聞いてみると、
『徹底的に分解したけど、全く故障の跡が無かった』
『海幕からの指示で、当該CIWSは部品取り用になった』
調査後、再度完成させることなく部品取り用に使われたそうです。
そんななか、ホラーな話が!
3.2 なぜか故障するCIWSが・・・
部品取りで、いろんなCIWSに部品が散在してしまったのですが、その後にホラーな出来事が待っていました。
なぜか原因不明の故障が、各艦のCIWSに発生するようになりました。
各艦の修理歴や部品交換歴を調べていくと、共通した衝撃の事実が!
『全部に「ゆうぎり」のCIWSから部品取りしたやつが入ってる!』
信じるか信じないかは、あなた次第!
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たしかに「ゆうぎり」のCIWSは、確かにヒューマンエラーで決着してます。
けど、艦船補給処でCIWSオーバーホールを何度出しても、なぜか故障がでてくるんですよ・・・
(目標が早いので・・・そろそろだろう、今かけなきゃ間に合わないだろう、でまだ攻撃しちゃいけないのに攻撃命令下令)
掃海母艦うらがの76mm砲搭載や、あぶくま型のRAM搭載も確かにありましたね〜。
76mm砲については、はつゆき型の退役で余っているのにいまだに搭載されず、そのまま退役になるかという具合です。
おおすみ型の主砲搭載スペースにつては、ちょっとしたバカ話がありまして、カラオケ部屋やジムトレーニング部屋となっていました。
国際貢献用でおおすみ型を改修することになり、その区画に必要機器を押し込もうとした「電気科」と抵抗する「船体科」「誘導武器科」との間で海幕会議室で殴り合い寸前までもめた話があります。そのすきに「機関科」が所要機器をねじ込んで一人勝ちという結構おバカ話がおおすみ型輸送艦にはあります。
不吉な器材の部品取りはやっぱりするものじゃないですよね・・・
そもそも補給艦の前にあぶくま型のRAMとかうらが型の主砲とか主力艦艇でさえ
フルで積めてないのが現状ですのでお察しとしか(Ry>補給艦艇にCIWS
世界レベルでも貴重な、高速戦闘支援艦なので防御固めても損はないはずなのですがね……
話は変わりますがネットに転がってる与太話として
以前の記事にあったひゅうが型同様、おおすみ型にも3インチ主砲が
搭載される計画があって、弾庫のスペースは確保したものの未搭載となり
該当の空き部屋はカラオケ部屋になってる……との噂があるのですが
ペンギン氏も何かご存知だったりするでしょうか。
機密的な意味で返答できないのなら大丈夫です。
興味深いお話、ありがとうございます。
そう言えば旅客機ですが、その昔、アメリカ、イースタン航空401便、L1011がマイアミで墜落した際、ギャレーの部品などを同社のL1011に予備部品として転用した際、401便で亡くなった客室乗務員の幽霊が出て大騒ぎになったことがありましたね。