<個人的な評価: 10点中7.5点
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下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
Charles Dickens氏 の1861年の原作小説をもとにした3話だけのミニドラマ。
時が止ったかのような寂れた館、幽霊のような不気味な貴婦人、高慢な謎の少女、ゴシックな雰囲気が漂うが、ゴシックファンタジーというわけではなく、どちらかというと、サスペンス&人間ドラマ。
原作は知っているが実際に読んだ事はないので、先の展開が気になって、いっきに観た。
不気味な貴婦人の謎、貴婦人と少年との関係、少女の正体、少年PIPに大いなる遺産を残してくれた人の正体、謎が謎を呼ぶ展開で面白かった。
貴婦人は実は少年の実母かな?と予想してたが、赤の他人で、少年を自分のゲームの駒にするために、遊びでよくしてたに過ぎない。貴婦人Miss Havishamは、見た目も幽霊のようだが、頭もやっぱりかなりオカシイ人。過去に詐欺師の恋人に結婚式、当日に捨てられた哀しみ&恨みから、彼女の時はあの時に止ったままで、あの時を彷徨い続けている。誰も彼女を救う事ができなかったし、最後まで、誰も手を差し伸べなかったのが悲しい。最後は燃えて死んでしまった。
PIPという少年は、微妙なキャラ。最後らへんは良心に目覚めたらしいけど。
ヒーロー漫画や少年漫画にありがちな主人公タイプではなく、白、黒ではなく、グレイなキャラだ。
彼も彼で、恩知らずで高慢な面がある。
PIPを一番、ジェントルマンだなと感じたのは、彼が金持ちになった時でもなんでもなく、物語の冒頭の少年の頃、Magwitchに、パイをあげた時だ。
本当のジェントルマンとは何か。
それは、金でも地位でもないと思うな...
もちろんマナーも大切だけど。
Magwitchが、全てを仕組んだ人だってわかった、どんでん返しな展開が面白かった。
そして、なんと吃驚。
PIPは、Magwitchとも、Miss Havishamとも、Estella とも血の繋がりはなかったが、EstellaとMagwitchが実の親子だったとは...
でも、MagwitchとPIPの交流が最後らへん、なんか父息子のようだったなと。
不思議な運命のめぐりあわせ。
私が、一番、好感もてるキャラは、PIPでも、Estellaでもなく、PIPの友人の、Herbert Pocket。
かなり良い人。幸せになってほしい。
声で気づいたけど、この人、Game of Thrones のViserys Targaryenを演じてた人だね。
あと、PIPの義兄のJoe。
お姉さんの夫なので、立場的には義兄だけど、年齢差があるから、義父のような感じだね。
PIPとお姉さんとも年齢差がある。
お姉さんはPIPに対しては、けっこう意地悪で、実は血が繋がっていないと予想してたが、年齢差があるだけで、血が繋がってた。
お姉さんより、義兄のJoeが優しい人で、いつもPIPの味方。
最後まで良い人。
総合的にみて、まあまあ面白いドラマだった。
私は別に、Charles Dickens氏のファンでもないし、プライベートの面では、むしろ悪い印象。長年尽くしてくれた支えてくれた、子供も沢山産んだ正妻を捨てて、若い愛人ビッチ(女優だけど、子持ちの人の夫の愛人になっている時点でゴキブリ以下の女)と一緒になった時点で、悪質だし、彼の人間性は、どうも好きになれない。むしろ、どういう状況であれ、その事実がある時点でファンにはなれない。
どんなに才能あっても、犯罪者や動物虐待者や悪質な不倫をしている人のファンにはなれないよ。
同じ理由で、フランケンシュタインの女作者も大嫌いだし。(作家は嫌いでも作品は良作)
まあ、作家の事が嫌いでも、私生活がクソでも、作品が面白ければ読む時もあるけどね。
色んなな人生経験がある方が、ユニークな作品が書ける場合もあるし、品行方正の善人が書く物語が面白いとも限らないからね。
だが、もちろん、作品がどんなによくても、それで作家のファンになるかどうかは話は別だ。
作家のファン、作品のファン、それは別とおもっていい。
Charles Dickens氏の 原作も読んだものもあるし、映像化も、いくつか観た。
個人的に、大当たりと思うような作品はないが、この、Great Expectations、 まあまあ良かったと思うので、個人的な評価としては、10点中7.5点。