テクノ音楽が自分に合っていたというのも大きいけれども、電気グルーヴの良さはとにかく好きなように突っ走りながら進化を続けていることだと思う。正統派なテクノ、一般ウケを狙ったような曲から、澤井啓夫(漫画「ボボボーボ・ボーボボ」の作者ですね)系統のバカ丸出しで意味不明のノリ、ただの悪口や不謹慎ネタ、下ネタ全開の曲まで幅広い。
正統派:「新幹線」「バロン ダンス」「ブラジルのカウボーイ」「FLASHBACK DISCO」等
キレイ:「ポポ」「N.O.」「虹」「Shangri-La」等
澤井啓夫系統:「カフェ de 鬼」「俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ」「富士山」「お正月」「ノイ ノイ ノイ」「誰だ!」「ガリガリ君」「エジソン電」等
悪口・下ネタ:「オールナイトロング」(人生)「電気ビリビリ」「MUD EBIS」「SNAKEFINGER」等
初期から見ると、滅茶苦茶・混沌(「人生」時代〜「電気グルーヴ」デビュー当時)→その中でも強烈な個性が一部に受ける(アルバム「FLASH PAPA」〜「KARATEKA」くらいまで)。音楽が少しずつ洗練されてきて、かつチャレンジングな内容のため、ファン層が広まっていく→一時期は音楽が洗練され過ぎてきて、かつてのバカ・意味不明・混沌さがぐっと抑えられてしまう。そのため耳当たりは良く、どちらかと言えば一般受けに近い音楽となっていき、ファン層が広がる(アルバム「VITAMIN」〜「A」くらいまで)→砂原良徳脱退後、かつてのバカ・意味不明色を取り戻し、初期の電気グルーヴ・ファンを喜ばせる(アルバム「VOXXX」〜)。だいたいこんな感じだ。
万人受けはしない(むしろ一部からはものすごく嫌われていると思う)し、パフォーマンス面でのハチャメチャな部分は自分も一部引いてしまうところがあるのだけれど、音楽のレベルは相当高く、内容が濃い。坂本龍一や久石譲のようなビッグ・ネームとは異なり、いわゆる「高尚な音楽」でないため、キレイ過ぎないところに親しみやすさを感じているファンも多いと思う(自分も、坂本龍一や久石譲は苦手ではないけれど、電気グルーヴほどのめり込んで聴くことはない)。
ワイヤレス スピーカー に遊び心を!
なお、石野卓球については、ソロ活動も特筆に値する。バリバリのテクノで、電気グルーヴで見せる滅茶苦茶なノリはほとんど見られない、かなり「まっとうな」音楽。でもそこには音楽へのこだわりや石野卓球らしさが色濃く表れており、電気グルーヴとは別の意味でファンになれる。
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