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2017年06月29日

【落語】古今亭志ん生、桂米朝、そして桂枝雀

もっといるだろうけれど、なにしろこの三人だ。この三人の落語こそ至高だと思っている。実際寄席にいくのではなく、昔はカセットテープで聞きまくっていて、今はCDや(少ないけれど)ストリーミングサービス、DVDでの視聴。面白いものは何度聞いてもおもしろいし、笑える。
いや、実際心の底から「どうして落語を聞く人は多くないんだろう」と疑問に思う。そりゃ「番頭」とか「丁稚」とか「へっつい」とか古めかしくて馴染みのない言葉は出てくるけれど、基本的に普通に理解できる日本語だから言葉の壁も厚くない。もちろん古典芸能としての感動みたいなものはあるけれど、そういうのは置いておいてもげらげら笑えるのだ。
とは言ってもどれもこれもという訳にもいかない。志ん生がやっても大して面白くない場合も少なからずある。同じ演目でも枝雀だと面白くて米朝だとそこまで面白くないということもある。とりあえず、自分が何度も笑い転げたり、面白いと感じたものを列挙してみる。

【古今亭志ん生】
「子別れ」「唐茄子屋政談」「品川心中」「火焔太鼓」「妾馬」「後生うなぎ」「あくび指南」「黄金餅」「宿屋の富」
古今亭志ん生は、素で話しているときも落語をやっているんじゃないかというくらい天然落語家。普通に話しているだけでも面白い。「子別れ」「唐茄子屋政談」は人情ものとして、長く、面白く、かつほろりとする物語。長いのに飽きさせないのはやっぱりすごいと思う。「品川心中」はバカ話で素直に笑える。「火焔太鼓」の一攫千金は夢見ます。「後生うなぎ」はもう笑うしかない。ちなみに「黄金餅」の一節はヒトラーの演説に合成されたものがYouTubeで出回っている(出回っていた?)が、これも最高。




【桂米朝】
「阿弥陀池」「たちぎれ線香」「地獄八景亡者戯」「抜け雀」「親子茶屋」「帯久」「五光」「宿屋仇」「住吉駕篭」
弟子の枝雀がテンションを振り切って笑わせるのに対し、米朝は話にすっと引き込まれるタイプ。笑いもさることながら、「たちぎれ線香」や「帯久」のような人情ものでは心を震わせてくれる。語りがうますぎるので、何度もきくと、そっくりそのまま覚えてしまえるくらいだ。「地獄八景亡者戯」や「親子茶屋」「住吉駕篭」は、場面場面がはっきり脳裏に浮かぶほど。

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【桂枝雀】
「池田の猪飼い」「つぼ算」「地獄八景亡者戯」「七度狐」「青菜」「つる」「幽霊の辻」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」「寝床」「饅頭こわい」「口入屋」「貧乏神」「宿替え」「持参金」「時うどん」
師匠の米朝とはまったく芸風が異なる。もう少しくだけて、バカっぷりが大きくなる。「地獄八景亡者戯」は米朝とともに面白いけれど、枝雀のほうが笑いがわかりやすくていいかも。「青菜」は最初桂ざこばで聞いて、そこそこ面白いと思っていたのだけれど、枝雀で聞いてその笑いのレベルの高さに驚いた。「はてなの茶碗」のような人情ものでは、笑いながら心も揺さぶられた。米朝と同じ演目を聞き比べたことも何度かあるけれど、枝雀に軍配が上がることが意外に多かった。「阿弥陀池」「住吉駕篭」は米朝、「つぼ算」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」などは枝雀に軍配が上がる。

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落語の楽しいところって、同じ演目の聞き比べもそうだけれど、江戸落語と上方落語で同じ話を異なるタイトル、落ちは同じでもそこそこ違うストーリーでやるのものがあるのがいいですね。「あくび指南」と「あくびの稽古」とか「時そば」と「時うどん」とか。当然だけれど、方言も異なる。

最後に、自分がそうだからというわけなんだけれど、DVDよりもCDがお勧め。目で楽しむ部分ももちろんあるのだけれど、話を聞きながら頭で想像しているほうが自分ははるかに楽しい。



posted by ひえち豆 at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2017年06月25日

合計観賞時間おおよそ600時間?!アメリカ大人気ドラマ「24-TWENTY FOUR-」

Huluは解約してしまった。

通勤時間にドラマや映画を見ていたのだけれど、気がついたらApple Musicで過ごす時間が圧倒的に多くなり、Huluとのダブル料金負担がきつく感じ始めたからだ。解約するまでの間は、日米の映画・ドラマをかなり見ていた。

とは言っても、たぶん観賞の6〜7割は「24-TWENTY FOUR-」だったと思われる。シーズン1〜8までで、その日一日24時間のできごとがリアルタイムで進行していく。各シリーズ1時間×24回あり、リデンプション(シーズン6と7の間にある挿話?)が2時間だから、合計194時間にも及ぶドラマ。主人公のジャック・バウアーとテロリストとの飽くなき戦いが延々と繰り広げられている。このテーマが一貫していて、そういう意味では飽きそうなものだけれど、上院議員の暗殺計画に始まり、核爆弾や生物兵器、神経ガス等々、超ド級のテロが続き、次の犠牲者は誰なのか、誰が裏切者なのか、どのような展開になるのかまったく予想がつかないので、どんどん話に引き込まれて行ってしまう。そして、主人公のジャック・バウアーがカッコ良すぎる。

予想がつかないところも面白いのだけれど、シーズン1〜8まですべて見てしまって、結果がわかっている状況で再度シーズン1から見直してもやはり面白い。見るたびに伏線とか細かいところに気がつくようになり、それも楽しみとなっていく。字幕版を見ていたので、ついでに英語のヒアリング力もついてくる。自分は4回も見直した。CMがカットされているから、実際1本あたり45分だとしても1シーズン18時間、8シーズンで144時間。4回見たとなると600時間弱となる。一ヶ月近くをこのドラマとともに過ごしたことになる計算だ。Huluを解約するときも、最後まで心残りだったのがこの「24-TWENTY FOUR-」だ。最近、新しいシーズンも追加されたようで、主人公はジャック・バウアーじゃないみたいだけれど、機会があれば再度入会して観賞したいと思う。





なお、同じHuluで見た他の映画で、園子温監督の「冷たい熱帯魚」と「地獄でなぜ悪い」、それから沢尻エリカ主演の「ヘルタースケルター」は面白かった。Apple Musicの場合もそうだけれど、定額制サービスって、店頭だと買ってまで見ようと思わない作品と出会うことができて、それが意外に面白い場合があるから、本当にいいですね。



posted by ひえち豆 at 20:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

色褪せない「お父さんは心配症」

今の少女マンガにここまで男性向けなマンガが存在するのだろうか。
というか、過去含めこのマンガ以外にここまで強烈な作品が存在するのだろうか。

男に生まれたものの、ジャンプとかマガジン、サンデー等の雑誌はまったく買ったことがない。代わりに姉の影響を強く受けていて、なかよしとリボンを見せてもらっていた。とはいってもそこは男だからバリバリの少女マンガはさすがにきつい。「きんぎょ注意報」とか「ちびまる子ちゃん」とか、そういう類をちょいちょい読んでいた記憶が残っている。

そして、いちばん強烈な印象を残してくれたのが岡田あーみんの「お父さんは心配症」だ。コミックにして全6巻、文庫版で全4巻と大した量ではないので、一気に読み切れるけれど、今読んでも十分笑える。まったく色褪せない。読めばわかるが、かなり面白いのだけれど、アニメ化はほぼ不可能だ。ちょっとだけドラマ化はしたけれど、肝心の流血沙汰にはできないので、予告編しか見ていない。見る気もない。

誤解のないように言っておくが、最近流行り?のマンガによくある「一般人が過酷な世界に巻き込まれて云々」のような話では一切ない。そういう意味ではごく普通の世界に描かれたマンガなのだけれど、普通どこまで行っても胸倉をつかむ程度のことが、すぐ包丁で刺したり銃を打ったり鈍器で殴ったりととてつもない暴力に振り切る。ギャグマンガなので、あくまでギャグとして振り切っているので面白いのだが、未だにこれが少女マンガであることが信じられない(ちなみに、りぼんで読んでいた当時は岡田あーみんを男だと信じて疑わなかった)。

読み返してみれば、娘典子への愛と、その彼氏への(執拗で異常な)嫌がらせ、その嫌がらせに負けずに典子を愛し続ける彼氏北野、再婚お見合い相手の安井さんへの主人公の純粋な愛と、少女マンガ的要素はきちんと備えているのだけれど。それにしても・・・。

愛とか恋とかドラマとかそういう観点から見ても面白いとは思う。あとは流血沙汰のギャグへの耐性とそれを面白いと笑い飛ばせる心があれば、このマンガは受け入れられると思う。

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姉がコミック版を持っていた(今もあるかどうかは不明だけれど)のだが、自分は思い立ったときに買った文庫版を持っている。興味を持って読んでみようと思った方へのアドバイス。最初のほうは絵もややぎこちなくてギャグの強烈性も低いけれど、回を追うごとにハチャメチャになっていくので、第1巻で挫折せずに読んでほしい。もしくは第2巻とか第3巻とかから読み始めてもいいかも。



2017年06月15日

こういうのは積極的にほめるべきだと思う

キッコーマンが豆乳製品で行っているこのキャンペーン
https://www.kikkoman.co.jp/kikkoman/tounyu/dn2017/

内容だけを見るとなんてことないキャンペーンだけれど、応募しようとバーコードを集め出して、ちょっと感心してしまった。すっきりと一石三鳥。

tonyu01.jpg


【一鳥】
キャンペーンに応募できて、あわよくば景品が当たる。
これは普通。

【二鳥】
豆乳は体に良いらしいので、栄養面で期待できる部分がある。
(↓参考キッコーマンのサイト)
http://www.k-tounyu.jp/02_effect/index.html
まあ、これも普通。

【三鳥】
自然とごみの分別ができる!!これが良い。

飲んだ後、折りたたむと感謝される。
tonyu02.jpg
バーコードを集めなくてはならないので、必然的に洗う(洗わないと臭くなるし)。しかもバーコードが底にあるから、ちゃんと水で二回くらい洗い流してしまう。
tonyu03.jpg
切り取った後は、分別してゴミ箱へ。
tonyu04.jpg

パックジュースなんて、普段いちいち洗わないし、飲んだらそのままゴミ箱にぽんしてしまうのだけれど、キャンペーンに応募するついでに自然とごみの問題解決にもほんの少しだけ協力できる。あたりまえにやっている人からすれば「やっていないほうがおかしい」となるんだろうけれど。
自分と同じように感じて気持ち良くキャンペーンに応募できている人は少なくないと思う。あと、それをメーカーサイトが誇示していないところも良い。なかなか当たらないものだろうけれど、損をした気分にはならない。





うん、こういう取り組みは気づいた人が評価するべきだと思った。


2017年06月14日

エナジードリンク「BATTERY」を応援!

ステマはよろしくないので、直球で応援。

知り合いがフィンランド発のエナジードリンク「BATTERY」の仕入れ取引を始めて、ぼつぼついろんなところに営業をかけているらしく、よかったら応援してとサンプルを数本もらった。正直、味がどーたらはよくわからないのだけれど、たまに「MONSTER」でお世話になっているエナジードリンクで、この手の商品の一本あたりの単価は安くないので、ありがたくちょうだいした。

ので応援。




ちなみに、上記リンク先はその知り合いとは無関係(今はネット販売とかではなく、居酒屋の個人店に営業をかけて卸してもらったりとか細々と広める努力をしているみたい)。あくまで商品を応援。
今のところ、そこらへんの店で手に入れられるレベルにはなっていないので、ネットで買うくらいしかできないけれど、一応フィンランドでは一番売れているエナジードリンクとのことで、悪いものではなかろうと想像する。

営業って胡散臭いものも多いけれど、そんな玉石混交なイメージの中、ひたむきに頑張っている人は応援してあげたくなります。多少大げさとかあったとしてもね。
posted by ひえち豆 at 21:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2017年06月13日

石野卓球の「DJF400」

DJFシリーズは概ね良かった。ヘルだけは自分の好みではなかったけれど、クロード・ヤングの「DJF1100」なんかはかなり気に入って何度も聴いた。

「DJF125」ウェストバム  ★★★★
「DJF250」カール・コックス  ★★★ ★★
「DJF400」石野卓球  ★★★★★
「DJF750」ヘル  ★★ ★★★
「DJF1100」クロード・ヤング  ★★★★

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中でも石野卓球の「DJF400」は傑作だと思う。電気グルーヴだけでなくて、石野卓球のソロ・アルバムやこういったDJ MIXシリーズもいくつか持っているけれど、「DJF400」ほど何度も聴いたものはない。しかも、これを聴くのは必ず夜で、電車や自転車等で移動していて、かつ一人の時だけだ。

聴き込むとわかることだけれど、素材として使われている作品のほとんどが無機質で、温もりを欠く音楽だ。なんというか、暗い空間にひとり放り出されて、次々と変わっていく不思議な景色を感じながら旅をしているような気分になる。そこには人間らしい人間は一人もいなくて、表情を持たない顔や、永久に煙を吐き出しては吸い込み続けるポンプや、突き出たり引っ込んだりを繰り返す細い丸太たち、その他いろいろな場面が入れ替わり立ち替わり自分の近くにやってきては去っていく。

聴いているうちにパンドラの箱に閉じ込められたかのごとく、感情が外に出ようともがき出す。けれども箱は開かない。相変わらず場面は無機質に順番に切り替わっていくだけだ。始まったときは、不思議なことに心が躍っていたのに、このまま延々と重苦しい空間を漂っていなければならないのかという気分になってくる。心が少しずつ乾いてくる。

そして、ついに感情を呼び起こす作品がやってくる。パンドラの箱が開けられて、感情があふれ、雪崩れて景色を染める。頭の中はトランス状態のようにとろけていく。いつまでも浸っていたい、そんなつかの間のエクスタシーも、結局は場面の一つに過ぎない。途中から再び無機質な音が侵攻をはじめ、並行をたどり、最終的には飲み込まれてしまう。そのまま空っぽになった心とともに音楽は去っていく。

・・・とまあ、独りぼっちに酔いしれられるというのか、ある意味中二病な作品なのかもしれない。とにかく、聴くのはある「特別な」「動いている」「一人きりの」「夜」だ。知らない間にそのようなタイミングで聴くようになり、それ以外の場面で聴くことなどできないようになった。

当然、聴く人によって印象は異なるかもしれないけれど、共感してくれる人もいるのではないかと思う。石野卓球がどのような思いを込めて作ったのか、本当のところはわからないけれど、自分が感じたものに近いのではないかと思ったりもする。




posted by ひえち豆 at 22:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2017年06月12日

電気グルーヴの「VOXXX」

電気グルーヴの数あるアルバムの中で、最もたくさん聴いたのが「VOXXX」だ。

いちばん売れたのは間違いなく「A」で、自分がいちばん初めに手にしたアルバムも「A」だ(なにしろ「Shangri-La」と「ポケット カウボーイ」から入ったのだから)。でも、「Shangri-La」も「ポケット カウボーイ」も「A」も、手にしたときにはすでに世に出てしまっている状態だった。まあ電気グルーヴが最も売れた時期にうまく引っかかったわけだ。そこから過去の電気グルーヴにさかのぼり、聴いてはハマり、聴いてはニヤけ、聴いては首をひねりをしてきて、初めて発売を待ち望んだのが「VOXXX」というわけだ。特に砂原良徳が抜けて、石野卓球とピエール瀧の二人になって最初のアルバムということで、どのようになるのかにも注目していた。当時はBBS(掲示板)の全盛期だったから、電気グルーヴの公式サイト(・・・だったと思う)のBBSを見て、同じように待ち望んでいる人に混じってコメントを投稿していた。

先だって発売されていたシングル「FLASHBACK DISCO」と「Nothing's Gonna Change」は今までのシングルにないくらい正統派なテクノ・ポップだったが、正直キレイ過ぎて物足りなさも感じていた。

「DRAGON」「VITAMIN」「A」で曲同士が切れ目なく繋がる感動を経験していたので、次のアルバムにも同じものを望む気持ちが大きくかったから、実際に聴いてその通りになっていることがわかったときの嬉しさといったらなかった。案の定、BBSにも同じ気持ちの書き込みがあった。過去のアルバムの曲で「Stingray」「ノイ ノイ ノイ」「パラシュート」あたりも好きだったから、砂原良徳のカラーがなくなったのは少し寂しかったが、反対に思いっきり電気グルーヴのルネサンスを感じることもでき、一発で気に入った。冒頭の「こんにちは、電気グルーヴです」が流れてきたときのニヤけは今でもはっきりと覚えている。

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以下、曲の簡単な解説っぽいもの

「地獄へ堕ちろ電気グルーヴ」
 冒頭の、いわゆる「つかみ」の役割を果たす曲(?)。これで一気に電気グルーヴの世界に引き込まれる。
「愛のクライネメロディー」
 正統派テクノ・ポップ。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」とは正直あまり共通点が見あたらないように思う。パッヘルベルの有名な「カノン」と同じコードで書かれているという説も。あとで知ったことだけれど、「ウルトラリラックス」で石野卓球が曲を提供した篠原ともえがひそかにボーカルで参加しているようだ(エフェクトがかかってて正直わからない)。
「Nothing's Gonna Change」
 正統派テクノ・ポップ。ふわふわと夢の世界を飛んでいるような曲。「Nothing's Gonna Change」と歌っているのだけれど、1ヶ所だけ「Love is gonna change」と聞こえるところがあり、ちょっとドキッとする。
「FLASHBACK DISCO」
 正統派テクノ・ポップ。自然に体が踊り出しそうになる。こういう曲を聴くと、石野卓球は本当にうまいと思う。いわゆるリード・シングル。
「浪曲インベダー」
 ここらへんからおかしくなる。このアルバムのテーマ「スペース・インベーダー」の始まり始まり、という曲(?)。
「チキン・シー」
 こういうノリが電気グルーヴであり、何度か聴いているうちに笑いがこみ上げて、頭から離れなくなる。
「密林の猛虎打線」
 阪神ファンが聴いたら怒りそうな、いや、逆に笑いそうな曲(野次は愛だからね)。「ガンバレガンバレ」「きこえません!」「ガンバレガンバレ」「ごめんなさい!」。ちなみにこのアルバムが発売された年の阪神の順位は6位。
「インベーダーのテーマ」
 アルバムのヤマ場。前回も書いたけれど、こういうノリがボボボーボ・ボーボボの作者澤井啓夫の意味不明ギャグを彷彿とさせる。下手に洗練されていないところが本当に面白い。
「スッペスッペインベインベ」
 その名の通りの曲。それ以上でもそれ以下でもない。
「フラッシュバックJ-popカウントダウン」
 次の曲への繋ぎ。要するに「死者の書」はよく売れているわけだ。
「エジソン電」
 このアルバムのある意味目玉な曲。「この曲が好き!」という人は多分本物の電気グルーヴ・ファンだと思う。
「ジャンボタニシ」
 急に田舎くさい雰囲気に。聴いているとき、なぜかみんなのうたの「タニシちゃん」が思い浮かんで、混乱した。
「TKOテクノクイーン」
 正統派テクノ・ポップ。・・・と見せかけてそうでない部分も。
「TXLテクノクイーン」
 前曲の流れみたいなもの。曲を分ける理由は不明。
「レアクティオーン」
 クールダウンな曲。急に雰囲気が変わって、これはこれで面白い。
「ハロー! ミスターモンキーマジックオーケストラ」
 最後の混沌。こういう曲で終わらせるところは、いかにも電気グルーヴだ。

ちなみに、どうでもいいけれど、もちろん初回限定盤で持っています。お金のない学生時代だったけれど、無理して買って本当に良かったな〜。





posted by ひえち豆 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2017年06月10日

アンパンマンの英語がちょっと面白かった

聞き取りやすい英語のアンパンマン。



アンパンマンがムカついてバイキンマン殴っただけな内容に、ちょっと笑ってしまった。











2017年06月08日

電気グルーヴについて

「Shangri-La」「ポケット カウボーイ」との出会いからずっと電気グルーヴのファンだ。

テクノ音楽が自分に合っていたというのも大きいけれども、電気グルーヴの良さはとにかく好きなように突っ走りながら進化を続けていることだと思う。正統派なテクノ、一般ウケを狙ったような曲から、澤井啓夫(漫画「ボボボーボ・ボーボボ」の作者ですね)系統のバカ丸出しで意味不明のノリ、ただの悪口や不謹慎ネタ、下ネタ全開の曲まで幅広い。

正統派:「新幹線」「バロン ダンス」「ブラジルのカウボーイ」「FLASHBACK DISCO」等
キレイ:「ポポ」「N.O.」「虹」「Shangri-La」等
澤井啓夫系統:「カフェ de 鬼」「俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ」「富士山」「お正月」「ノイ ノイ ノイ」「誰だ!」「ガリガリ君」「エジソン電」等
悪口・下ネタ:「オールナイトロング」(人生)「電気ビリビリ」「MUD EBIS」「SNAKEFINGER」等

初期から見ると、滅茶苦茶・混沌(「人生」時代〜「電気グルーヴ」デビュー当時)→その中でも強烈な個性が一部に受ける(アルバム「FLASH PAPA」〜「KARATEKA」くらいまで)。音楽が少しずつ洗練されてきて、かつチャレンジングな内容のため、ファン層が広まっていく→一時期は音楽が洗練され過ぎてきて、かつてのバカ・意味不明・混沌さがぐっと抑えられてしまう。そのため耳当たりは良く、どちらかと言えば一般受けに近い音楽となっていき、ファン層が広がる(アルバム「VITAMIN」〜「A」くらいまで)→砂原良徳脱退後、かつてのバカ・意味不明色を取り戻し、初期の電気グルーヴ・ファンを喜ばせる(アルバム「VOXXX」〜)。だいたいこんな感じだ。

万人受けはしない(むしろ一部からはものすごく嫌われていると思う)し、パフォーマンス面でのハチャメチャな部分は自分も一部引いてしまうところがあるのだけれど、音楽のレベルは相当高く、内容が濃い。坂本龍一や久石譲のようなビッグ・ネームとは異なり、いわゆる「高尚な音楽」でないため、キレイ過ぎないところに親しみやすさを感じているファンも多いと思う(自分も、坂本龍一や久石譲は苦手ではないけれど、電気グルーヴほどのめり込んで聴くことはない)。

ワイヤレス スピーカー に遊び心を!





なお、石野卓球については、ソロ活動も特筆に値する。バリバリのテクノで、電気グルーヴで見せる滅茶苦茶なノリはほとんど見られない、かなり「まっとうな」音楽。でもそこには音楽へのこだわりや石野卓球らしさが色濃く表れており、電気グルーヴとは別の意味でファンになれる。



posted by ひえち豆 at 08:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2017年06月04日

美空ひばりだけは「別格」

正直、演歌や歌謡曲はあまり聴くジャンルではない。北島三郎は「与作」、石川さゆりは「津軽海峡・冬景色」、島倉千代子は「人生いろいろ」…と、その人の代表作くらいは知っているものがある程度だ。

でも、美空ひばりだけは別格で、そらで言える代表曲だけでも「川の流れのように」を筆頭に「東京キッド」「お祭りマンボ」「愛燦燦」「一本の鉛筆」「悲しい酒」…とニワカ程度に知っている。そして、後にも先にもこの人の上をいく演歌・歌謡曲の歌い手はいないだろうな、と思う。そのくらい完成されている。

歌がうまい人はたくさんいる。でも、演歌がうまく歌える人は限られている。演歌をうまく歌える人もまあたくさんいる。その中で演歌の一流がいる。でも、演歌の一流でさえ「歌をうたう」を超えるところまで来るとなると、かなり厳しい。美空ひばりの場合、歌をうたうことは日本人が日本語を話すごとくあたりまえのことのように思われるからすごい。日本人に対して日本語が流暢だと言うのがおかしいように、美空ひばりに対して歌がうまいというのは違和感がある。要するにその域まで来てしまっているのだ。

演歌、歌謡曲だけでなくジャズまでこなす。「恋人よ我れに帰れ」「スターダスト」を聴くと「これが『リンゴ追分』を歌っているのと同じ人か」とため息が出る。エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイに混じって流れても何の違和感も抱きそうにない。

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美空ひばりを聴くとき、そこには「歌は任せておけばよい」という安堵感がある。今のポピュラー・ミュージックのような刺激を求めるものとはちょっと違うけれども、穏やかな波の音に耳を澄ませるように、歌に身を任せることができる。

posted by ひえち豆 at 07:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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