これは学校の教師だけではなく、親にも当てはまる
事ではないかと思いますので、考えてみましょう。
挑発する生徒…教員にできるのは「我慢」だけか
3/11(月) 7:04配信 読売新聞オンライン
今年1月、「体罰の現場を撮影した」とされる動画がSNS上で拡散された。東京・町田市の高校で男性教員が生活指導を巡って男子生徒と口論になり、顔を殴って、けがを負わせた様子を撮影したもので、男性教員は「カッとなって暴力をふるってしまった」と説明しているという。
しかし、動画には生徒が教員を挑発する姿や撮影する生徒の笑い声なども収録されており、教員を怒らせる企みだった可能性もある。一筋縄ではいかない生徒に、教員はどう応じれば良いのか。
教員の「 怒りのコントロール(アンガーマネージメント) 」の研修などを行っている 早稲田大学の本田恵子教授に聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部 河合良昭)
■プロフィル
本田 恵子( ほんだ・けいこ )
早稲田大学教育学部教授。臨床心理士、学校心理士、特別教育支援士SV、アンガーマネージメント研究会代表。中学・高校の教師を経験した後、渡米して特別支援教育、危機介入法などを学び、カウンセリング心理学博士を取得。著書に『先生のためのアンガーマネージメント 対応が難しい児童・生徒に巻き込まれないために』(ほんの森出版)など。
早稲田大学教授 本田恵子
◆少年院で効果…教員の「アンガーマネージメント」とは?
教員が生徒指導で感情的になった時、 自分をコントロールする方法を学ぶ のが「教員のアンガーマネージメント」です。
指導中に生徒が「キレる(感情を爆発させる)」のは「二次的感情」を見せているのであって、それを引き起こす「一次的感情」が背後にあります。抱えている問題は、一次的感情を起こさせているものの中に隠されています。
親である自分も、時々感情的に子供を叱ってしまう事が
ありますから、この方法は参考になるかと思います。
例えば、教員に対して、「キレてナメたような口を聞く」生徒の場合、「キレる」という二次的感情やその行動の 裏に「大人はわかってくれない」という一次的感情 があり、なぜそんな感情になったのかを探ると、その子が抱えている本当の問題を見つけることができる場合もあります。
生徒指導の本来の目的は、それを見つけて解決することです。まずは生徒の話を受け止め、聞いてあげることから始める必要があります。
子供を見ていて思い当たるところがあります。
大体、別の要因があることが多いのですが・・・。
これを見つけることが大切なんですね。
ここに、一例が挙げられています。
◆体罰で従わせると、見えない課題がある
生徒の感情を受け止めて、話を聞くことがいかに大切か 、以下のケースを紹介します。
学校の備品を壊したことを注意され、 教員をバカにするような挑発行動をとった生徒がいました 。教員は「ナメられてたまるか」と生徒の胸ぐらをつかんで、壁に押し付けました。この時はそこで周りの教員が止めに入りました。
その後、教員が冷静になり、 生徒と向き合って話を聞くと、家庭で父親から日常的に暴力を振るわれている ことがわかりました。
生徒の本当の問題は、家庭での長年の虐待であり、生徒の一次的感情は「大人はみんな信用できない」という不信感であった可能性があるのです 。それゆえに、大人をバカにするような態度をとっていたと推測できます。
多くの場合、こういうケースではないでしょうか?
この場合の対処法は、
この教員が殴って従わせようとしたら、父親と同じで問題を悪化させていたでしょう。 このケースで教員は、「生徒の怒りは私にではなく、大人全体に対してかもしれない」と考えを変え 、生意気な態度も「無礼」と感じなくなり、 「大人を信頼できるように導き、人間性を回復させよう」と指導 を変えました。
このように認知(状況の捉え方)を変えることで、状況も大きく変わることがあります。
まず、自分の味方を変えましょう。ということなんですね。
相手をキレさせる対応
◆大声、早口で論破…NG対応は?
挑発されて感情的になると、大人は大声を出したり、早口になったり、「だからお前はあの時ダメだったんだ」などと過去からマイナス面を探し出したりしがちです 。さらには論理的に正しいことを並べ、どんどん相手を追い込んでいきます。諭すつもりが、興奮してきて、過去のマイナス面を指摘するうちに、その時の嫌な感情がよみがえるなど、 怒りはどんどん増してしまいます 。こうした行動は全てNGです。
非常に耳の痛い指摘です。
大人にもプライドがありますからね・・・。
でもそれにこだわると、碌なことになりませんね。
◆どうすればよいのか
興奮している人を相手にするとき大切なのは、まず お互いが落ち着くことです 。座るだけで、落ち着きやすくなります。
学校の場合、校長室やカウンセリング室にソファがあれば、そこに座ります。前のめりに身を乗り出して挑発する相手は、アドレナリンが出やすくなっています。ソファの背にもたれかからせて、頭を後ろにそらせるだけで興奮は軽減されるといいます。
自分も同じように前のめりにならないようにします。廊下で対応しなければならないのであれば、その場に2人で座りこんでしまいます。 面と向かって対峙しないように 、横に並ぶように座ります。
個室での指導では、ドアを開けた状態にして、テーブル越しに話すなどして、物理的に手を出しにくい状況を作ります。
興奮しているときはそれ以上話すことはせず、 時間をおいてから話し合うなどの対応も必要 です。怒りの感情は長続きしないからです。
相手のも、自分の気持ちにも「距離を置け」ということですかね?
◆“黒幕”がいるかもしれない
学校の場合、 もう一つ注意が必要なのは、挑発してくる生徒の背後に、教員を挑発して満足する“黒幕”が隠れている可能性 を疑うことです。
少年院の入所者は、悪いことをした“実行犯”ではあるけれども、それをやらせた“黒幕”が背後にいるケースが多いといいます。教室や廊下など、他の生徒の目があるところで指導していて、「どうしてこの子は引き下がらないのか」と違和感があったら、 誰か“黒幕”が控えていて、その手前、引けなくなっているのでは ——などと疑ってみる必要があります。
これは十分可能性がありますね。
親にしても「素直な自分の子が、何故、こうも反抗するのか?」
と言うことがあると思います。
そんな時は、こういう可能性を考えてみることが
非常に大事になってきますね。
こうした“黒幕”の目が届かない場所で話を聞けば、それだけで挑発的な生徒の態度が変わることもあります。
その後の対応も、大事になってきますね。
◆まず変わるべきものは…
アンガーマネージメントでは、こうした「〜べき思考」「〜ねばならぬ思考」を変えてもらいます。上記の例であれば、「うまく指示が伝わっていないのかも」「 なぜできないかよく話を聞こう 」と考えるように導きます。 気持ちを受け止めてもらい、話を聞いてもらえると、生徒にも変化が生まれます。
教員が認知(状況の捉え方)を変えることができるようになるのは簡単ではなく、相当訓練しないとできない場合もあります。しかし、 自分が認知を変える ことで、生徒を肯定的に捉えたり、未来に向かって話をしていくことができたりして、生徒が「変わった」ことを実感できる可能性があります。
相手を先に変えようとするのではなく、自分の対応方法を変える ことで、相手が好ましい反応を返すように仕向けるのが、アンガーマネージメントでは大切になります。
挑発してくる生徒ばかりでなく、注意すると引きこもる、黙り込むなど、生徒の反応は様々です 。
いずれのケースでも大人は感情の赴くままに対応するのではなく、 生徒の心理状態を理解しようとする姿勢 と対応するスキルを学ぶことで、適切な対処ができるようになると思います。
親も教師も、子供を指導する義務と責任があります。
冷静に事に対処する「アンガーマネジメント」を学ぶ必要性が
感じられる記事でした。
まず、 自分の子供に対する意識を変えてみましょう。
BY いいとこどり
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