まず、写真をご覧ください。
(画像引用 www.soneningyo.jp)
五月人形の兜(かぶと)を上から見たものです。
穴が開いていますね。
子供が遊んで壊してしまったのでしょうか?
いいえ、これは
天辺の穴(てへんのあな)。
そう、日本の兜は、てっぺんに穴がありました。
今回はこの「天辺の穴」についてのお話です。
大穴が開いていたのは限られた時代
・平安〜南北朝時代にかけて見られる
・穴のサイズは、 時代とともに小さくなっていく
・源平合戦のころの天辺の穴が一番大きい
・着用時、そこから 「あるもの」 を出した
(出典 平治物語絵巻・信西巻 絵第四段)
(なんか出てる!!)
穴から出したのは「烏帽子(えぼし)」
・烏帽子は 薄い絹製あるいは黒漆を塗った紙製の被り物
・身分、時代、周辺環境に応じて様々なタイプが存在
・兜の下につけたのは 「萎烏帽子(もみえぼし)」
・普段は垂らしたり折り曲げたり、 改まる時は立てて着用
(出典 members3.jcom.home.ne.jp)
マゲを人に見られるとNGな時代だった
・平安時代以降 「人前で頭をさらしたら恥ずかしい」
・当時の絵巻物では室内や就寝時、病床でも烏帽子着用
・ 武士の兜着用は戦闘時のみ 。陣中では烏帽子だった
・戦闘時は穴から マゲ+烏帽子をだすことで兜が安定
(出典 http://homepage3.nifty.com )
防御上の弱点でもある
・穴があることで 兜の全体的な強度そのものが低下
・組み討ちのとき、 指を掛けられ引き倒される
・ 頭頂部が無防備 になる
(画像引用 ja.wikipedia.org)
(このピョコン加減がなんとも)
兜着用者たちも無防備さを自覚
・「常に錣(しころ)を傾けよ、いたう傾けて 天辺射さすな 」
・ [訳] 「常に兜の錣を傾けよ、傾けすぎて 兜のてっぺんを射られるな 」
(出典 平家物語 巻四・橋合戦)
(あ、あぶない)
そして縮小へ・・・
・マゲを結わなくなると穴は縮小
・ 通気孔として機能 するため、完全には消滅しなかった
・六つほど 小さな穴を開けるだけ のパターンも生まれた
(出典 甲冑製作私記)
・・・というわけで、子供の日にむけて
兜にまつわるお話でした。
「そこ攻撃されたらどうなの」 と思ってしまいますが
「烏帽子を出す」という機能を優先させたところに
武士の美学をかんじますね・・・。
ということで、語呂合わせしておきましょう。
「烏帽子( えぼし )」「天辺の穴( てへんのあな )」
なので
「 ええ帽子 、 てえへん!穴! 」
「不良品じゃないか!!」
「いえお客様それはあの、そうだ天辺の穴ということで・・・・」
「ポカッ!」
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