ミルク信仰。
ありがたや〜、牛乳様。
違います。
違うんです。
まずは、こちらの画像をご覧ください。
沖縄県南城市で撮影されたものです。
(画像引用 琉球新報)
画面中央、恰幅の良い「何者か」が
行列を率いていきます。
この、笑みをたたえた仮面を被っているのが
「ミルク神」
なのです。
わかった!牛乳の神様なんだね!
と思ったあなた。
ブッブーです。
この写真が撮られたのは沖縄県。
前回の記事「ジーマーミー豆腐を推理せよ!」
https://fanblogs.jp/huun/archive/150/0
を思い出してください。
沖縄では本土の母音が
O ⇒ U
に変換されるのでしたね。
そば(s O ba)⇒すば(s U ba)
ことば(k O t O ba)⇒くとぅば(k U tw U ba)
などがよい例です。
してみると、沖縄の言葉は逆に
U ⇒ O
の法則を適用すれば、本土の言葉になるはずです。
ミルク(mir U ku)⇒ミロク(mir O ku)
ミロク・・・ミロク・・・みろく・・・
弥勒菩薩 (みろくぼさつ)!!!
(画像引用 Wikipedia)
・・・ん?
でも、似ていませんね・・・。
ミルク神は、本当に弥勒菩薩なのでしょうか?
まずは、ミルク神のルーツを調べてみましょう。
実は、このミルク信仰、沖縄だけのものではありません。
台湾や東南アジアにも似たような風体の神様が存在します。
そして、いずれも弥勒菩薩とは似ても似つかぬお姿です。
むしろ、
布袋様(ほていさま)
に似ています。
(画像引用 ichi-online.com)
布袋様と言えば、七福神の一人。
そして、 実在の人物 でもあります。
すなわち、唐代に活躍した僧・布袋和尚こそ、その人。
その布袋様、死の直前、こんな偈文を残しました。
彌勒真彌勒 分身千百億(弥勒は真の弥勒にして分身千百億なり)
時時示時分 時人自不識(時時に時人に示すも時人は自ら識らず)
(出典 景徳傳燈録)
つまり
「弥勒には分身が千百億ある、
時代時代に姿を現すが人はそれを知ることがない」
このことから、
「布袋和尚は弥勒菩薩の化身だったのだ!」
という伝説が生まれます。
布袋和尚が活動したのは明州。
現在の浙江省寧波市あたりです。
ゆえに、
「弥勒=布袋説 」は中国南部を中心に
東南アジア各地へと伝播していきます。
だから、沖縄における「弥勒(ミルク)」は
布袋様の恰好をしているわけですね。
ちなみに弥勒菩薩は非常にスケールの大きい仏様なので
別の機会に掘り下げてみたいと思います!
・・・というわけで、今日の語呂合わせは
「 弥勒 」=「 布袋 」 なので
「 ミー、ロック 掘っていい ?」
でいきましょう。
何て、やる気のある外国人労働者なんだ!!
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