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2022年12月25日

令和5年度予算概要

世間はクリスマス・イブですが、ウチは浄土宗なので関係ないです(^^)

昨日、令和5年度予算の概要が発表されました。中々、興味深い内容ですので一部紹介してみたいと思います。

表紙.png

引用元: 防衛省 我が国の防衛と予算−防衛力抜本的強化「元年」予算− 令和5年度予算の概要
https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20221223.pdf

まぁ、商売柄どうしても搭載武器やUAVに目が行ってしまいますが、目についたものを一部抜粋してみます。

○ 島嶼防衛用新対艦誘導弾の研究(342億円)
長射程化、低RCS化、高機動化を踏まえつつ、モジュール化による多機能性を有した誘導弾を試作
※ RCS: Radar Cross Section(レーダー反射断面積)

Kにとって新SSMは大袈裟に言えば社運を賭けてるプロジェクトですから、残って良かったと思います。官側もMだけでないデュアルソース化を意図しているのでしょう。新SSMは様々な派生型が構想されているようですので今後楽しみではあります。

○ 多用途/攻撃用UAVの運用実証(69億円)
情報収集機能に加えて、火力及び電磁波による攻撃機能を効果的に保持した多用途UAV、侵攻部隊等の情報を収集し、即時に火力発揮可能な攻撃用UAVを取得し、運用実証を行う。

意外とバイラクタルが有望との声が聞こえてきます。高価なMQ-9よりアフォーダブルだし、実績もありますからね。

〇 リフレクタ型デコイ弾の取得(8億円)
最新のミサイルシーカ等に対しても欺まん効果が期待できる艦艇搭載用のリフレクタ型デコイ弾を供試器材として取得

これはIHIエアロさんが 英国Chemring Countermeasures社 と共同開発した 浮遊式デコイ のことでしょうか。Nulkaなどと違って安価で且つMk 36 SRBOCから射出できるのが強味でしょう。HOJ(Home On Jamming)全盛の対艦ミサイルでのソフトキルは、搭載型ECMではなく結局はデコイしか無い訳で、早急に装備化が望まれるものでしょう。しかし、Chemring Countermeasures社なんて懐かしい名前ですね(w
radar_decoy.png
画像引用先: http://www.chemringenergetics.co.uk/~/media/Files/C/Chemring-V3/documents/countermeasures/updated%20datasheets/naval%20datasheets/58684.pdf

Nulkaのプロモーションビデオ(BAE Systems Australia)


○ 96式多目的誘導弾システム(61億円)
対舟艇対戦車部隊の射撃に必要な誘導弾

これはウクライナでの経験も相まって長距離精密火力としてのMPMSが再度見直されているということでしょうか。以前構想されていたジェット化や小人数で可搬可能なシングルランチャー化にも期待したいと思います。

○ AIM−120(335億円)
F−35A/B、F−15能力向上改修機に搭載する
中距離空対空ミサイル
○ AAM−4B(119億円)
F−2及びF−15に搭載する中距離空対空ミサイル

これはF−35A/B、F−15能力向上改修機にはAAM-4Bは搭載しないということですね。将来的にAAM-4はフェードアウトしていくということです。しかしAAM-4はJNAAMやSAM-4(改)、RIM-4にしっかりと遺伝子を残しましたので、AAM-4プロジェクトは成功したと言えるんじゃないでしょうか。AAM-4のせいで航空事業部のAAMのアクティブ化が10年遅れたと言う方もいらっしゃいますけどね。問題はAAM-5がSAM化されなかったことですね。良いSAMになる素質を持っていると思われるのですが。。残念ですが、このままAIM-9X-2に置き換わっていくかもしれません。AIM-9X-2は出来が良すぎます(T_T)

○ 目標観測弾の開発(222億円)【再掲】
敵の防空網を回避及び突破しつつ迅速に目標付近に進出し、敵艦艇及び地上目標を捜索、探知及び識別して目標情報を取得するための目標観測弾を開発

正直言ってこれは良く分かりません。語呂から言うとカメラ付きの砲弾で前線観測するみたいな感じですが、タマと言っている限りは弾薬扱いということなんでしょう。ADM-160 MALDの様なものと仰っている方もいますが、確かにMALDならタマ扱いかもしれません。また、航空事業部がMALDに興味があったのも確かです(某所で聞きました)。MALDにはMALD-Vというモジュラーペイロードバージョンもあるみたいです。ただ、本年度に「目標観測弾実現のための技術的方策に関する情報提供企業の募集について」という募集が防衛装備庁で行われていたようですので、技術開発品という線が濃厚なようです。ただ、その割には全然話が聞こえてきません。

ADM-160B_MALD_-_Air_Force_Armament_Museum.jpg
引用元: By Air Force Armament Museum - www.afarmamentmuseum.com/details-adm160.html, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=84809063

<追記>(2022.12.25)
目標観測弾は令和4年度 政策評価書(事前の事業評価)の対象となっていました。それに依ると
・12式地対艦誘導弾能力向上型の開発をベースとする案
・島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究をベースとする案

引用元: 令和4年度 政策評価書(事前の事業評価)

のようで、12SSM改又は新SSMベースのようです。ミサイル間通信ではなく、地上へデータリンクするもののようなので、目標の評定やBDAに使うのでしょう。誰もが考えそうなアイテムですが、12SSM改又は新SSMもお安くはないので使い切りで考えると、コスパ的にどうなのかという気がします。

今年の更新は今回で終了です。P-1の件で一時的にアクセスが急増したりしましたが、何分色々あって人知れず細々とやってますんで、ご配慮のほどお願いします(^^)
皆様良い年越しをお迎えくださいませ。また来年もよろしくお願いします。






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