2024年04月20日
まだまだ使われるスパロー
■AIM-120と比べて弾頭重量が大きなAIM-7の撃破率は高い
■用途を限ればAIM-7はまだまだ有効
■アクティブレーダー誘導による高い誘導精度と大きな弾頭を持つAAM-4は良いトコ取りのミサイル
空対空兵装のIDF/AFのF-15I
画像引用元: IDF/AF @IAFsite
(画像注)
F-15のAIM-7のミサイル発射シーケンスは右前方、右後方、左前方、左後方の順なので、右前方を1発撃っている。SRMの発射シーケンスは左外側(LO)、右外側(RO)、左内側(LI)、左外側(LO)なので、これも左外側(LO)のPython5を1発撃っている。
今回のイランからイスラエルのミサイル、自爆ドローンによる攻撃はかなり高い確率でIDFが迎撃に成功しており、世界で最も高度な防空システムを有するイスラエルの面目躍如といったところでしょう。その中で印象的だったのは迎撃に向かったIDFのF-15Iが主にAIM-120ではなくAIM-7を搭載していたことです。
これは極めて納得できる話です。AIM-7を使ったのは以下の理由に拠るものでしょう。
?@対ミサイル、ドローン戦闘だったため、性能的にAIM-7で充分だった
?B高性能で且つ高価なAIM-120を温存した。
まず?@ですが、相手は反撃もせず回避機動も取らず、妨害手段も取らないミサイルやドローンです。この場合、AIM-7が能力として持たない大射程や多目標同時攻撃能力の必要性は高くありませんので、能力的に充分と言えます。
?Aは以下の違いを比べて頂ければ分るでしょう。
AIM-7: WDU-27/B, 40 kg (90lb) HE Blast-Fragmentation
AIM-120: WDU-41/B 18kg (40lb) blast-fragmentation
AIM-7の弾頭重量はAIM-120の2倍以上であり、何度も書いてますが、
SSKP(Single Shot Kill Probability) = ロックオン確率×誘導確率×任務信頼度×弾頭効果 であり、
巡航ミサイルや自爆ドローンのようにMISSION KILLではなく確実なKILLを要求される場合は、AIM-7の大きな弾頭重量による高い撃破率を期待できます。これはUSNが未だにAIM-7を使い続けるのも同様の理由でしょう。
(AIM-120は弾頭重量が小さい代わりに誘導精度を高めることにより撃破率を高めている)
AIM-7の高い弾頭効果が窺い知れる映像がありましたので、紹介します。
F-4 Phantom in Combat | Vietnam War | Mig-17 Kill with Aim-7 Sparrow
(映像注)
AIM-9を使わなかったのは背景に地面が入ってしまうため、ミサイルが地熱に引きずられるのを避けたかったんでしょう。
?Bについてはここでは割愛します。
もし、AIM-7のような高い撃破率を期待出来る大きな弾頭を備え、且つ高い誘導精度を持つアクティブレーダーホーミングの空対空ミサイルがあったら良いなと思うのは当然でありましょう。
勿論あります。 それが本邦のAAM-4です。
画像引用元: By Motokoka - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96175286
そしてそこからAAM-4は当時の航空事業部が何を求めていたかが察せられると思います。
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2023年01月07日
ATAC社
・その場合、米国ATAC社が有力候補になるだろう
・外部委託するためには解決すべき問題が多く存在する
これは全くのノーマークでしたね。やはりUP-3Dへ全面的に引き継ぐことは出来ないでしょう。元々Up-3Dは電子戦訓練支援機として要求されているので、曳航標的の訓練支援をやっていることは余り表に出したくないのです(用途外使用)。
画像引用元: 防衛力整備計画について(19ページ)
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/plan/pdf/plan_outline.pdf
となると何処の民間会社へ委託するのかですが、国内某社さんの担当へ訊いてみました。
「ウチは全然絡んでないです。」
とのお返事。連休明けに海関連に強い別の会社さんへも訊いてみますが、やはり ATAC社 の可能性が高いんじゃないかと思います。
画像引用元: By ATAC - ATAC.com, CC BY 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=106307506
この会社は1994年に設立された会社で、主にUSNやUSAFに対して各種ターゲットサービスを提供しており、ウェブサイトを見ると本邦の三沢基地内にも常駐しているようです。
ウェブサイトのMISSIONSの項目を見ると、FLEET INTEGRATED TRAININGのサブ項目があり、その中に以下のように書かれています。
Sole Provider of Target Tow for U.S. Navy forces in Japan and Hawaii
(日本 及びハワイに駐留する米海軍の標的の曳航を一手に引き受ける)
ということで、普段から日本及びハワイに駐留する米海軍に対して曳航標的によるターゲットサービスを行っているようです。さらに写真を検索してみると、保有機であるホーカーハンターに標的えい航装置RM-30Aを搭載している写真がありました。
画像引用元: An ATAC Civilian Hawker Hunter Crashes Off Honolulu; Pilot Injured During Ejection
https://crewdaily.com/an-atac-civilian-hawker-hunter-crashes-off-honolulu-pilot-injured-during-ejection/
さて、ATAC社のハンターが海洋事業部への曳航標的による訓練支援を提供するとたら、以下の疑問があります。
・ATAC社との契約はどうするのか?会社と直接又は米海軍省等の政府機関を介すのか。
・使用する曳航標的は何を使うのか?従来通り日飛さんのJAQ-5、或いはMeggitt社など他社の物へ代えるのか。
・海洋事業部の保有するRM-30Aはどうするのか?これも用廃?それとも無償貸付?
・射撃評価装置(MDI)のテレメ受信はどうするのか?
疑問だらけですが、詳細は直に明らかになるでしょう。
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2022年12月25日
令和5年度予算概要
昨日、令和5年度予算の概要が発表されました。中々、興味深い内容ですので一部紹介してみたいと思います。
引用元: 防衛省 我が国の防衛と予算−防衛力抜本的強化「元年」予算− 令和5年度予算の概要
https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20221223.pdf
まぁ、商売柄どうしても搭載武器やUAVに目が行ってしまいますが、目についたものを一部抜粋してみます。
○ 島嶼防衛用新対艦誘導弾の研究(342億円)
長射程化、低RCS化、高機動化を踏まえつつ、モジュール化による多機能性を有した誘導弾を試作
※ RCS: Radar Cross Section(レーダー反射断面積)
Kにとって新SSMは大袈裟に言えば社運を賭けてるプロジェクトですから、残って良かったと思います。官側もMだけでないデュアルソース化を意図しているのでしょう。新SSMは様々な派生型が構想されているようですので今後楽しみではあります。
○ 多用途/攻撃用UAVの運用実証(69億円)
情報収集機能に加えて、火力及び電磁波による攻撃機能を効果的に保持した多用途UAV、侵攻部隊等の情報を収集し、即時に火力発揮可能な攻撃用UAVを取得し、運用実証を行う。
意外とバイラクタルが有望との声が聞こえてきます。高価なMQ-9よりアフォーダブルだし、実績もありますからね。
〇 リフレクタ型デコイ弾の取得(8億円)
最新のミサイルシーカ等に対しても欺まん効果が期待できる艦艇搭載用のリフレクタ型デコイ弾を供試器材として取得
これはIHIエアロさんが 英国Chemring Countermeasures社 と共同開発した 浮遊式デコイ のことでしょうか。Nulkaなどと違って安価で且つMk 36 SRBOCから射出できるのが強味でしょう。HOJ(Home On Jamming)全盛の対艦ミサイルでのソフトキルは、搭載型ECMではなく結局はデコイしか無い訳で、早急に装備化が望まれるものでしょう。しかし、Chemring Countermeasures社なんて懐かしい名前ですね(w
画像引用先: http://www.chemringenergetics.co.uk/~/media/Files/C/Chemring-V3/documents/countermeasures/updated%20datasheets/naval%20datasheets/58684.pdf
Nulkaのプロモーションビデオ(BAE Systems Australia)
○ 96式多目的誘導弾システム(61億円)
対舟艇対戦車部隊の射撃に必要な誘導弾
これはウクライナでの経験も相まって長距離精密火力としてのMPMSが再度見直されているということでしょうか。以前構想されていたジェット化や小人数で可搬可能なシングルランチャー化にも期待したいと思います。
○ AIM−120(335億円)
F−35A/B、F−15能力向上改修機に搭載する
中距離空対空ミサイル
○ AAM−4B(119億円)
F−2及びF−15に搭載する中距離空対空ミサイル
これはF−35A/B、F−15能力向上改修機にはAAM-4Bは搭載しないということですね。将来的にAAM-4はフェードアウトしていくということです。しかしAAM-4はJNAAMやSAM-4(改)、RIM-4にしっかりと遺伝子を残しましたので、AAM-4プロジェクトは成功したと言えるんじゃないでしょうか。AAM-4のせいで航空事業部のAAMのアクティブ化が10年遅れたと言う方もいらっしゃいますけどね。問題はAAM-5がSAM化されなかったことですね。良いSAMになる素質を持っていると思われるのですが。。残念ですが、このままAIM-9X-2に置き換わっていくかもしれません。AIM-9X-2は出来が良すぎます(T_T)
○ 目標観測弾の開発(222億円)【再掲】
敵の防空網を回避及び突破しつつ迅速に目標付近に進出し、敵艦艇及び地上目標を捜索、探知及び識別して目標情報を取得するための目標観測弾を開発
正直言ってこれは良く分かりません。語呂から言うとカメラ付きの砲弾で前線観測するみたいな感じですが、タマと言っている限りは弾薬扱いということなんでしょう。ADM-160 MALDの様なものと仰っている方もいますが、確かにMALDならタマ扱いかもしれません。また、航空事業部がMALDに興味があったのも確かです(某所で聞きました)。MALDにはMALD-Vというモジュラーペイロードバージョンもあるみたいです。ただ、本年度に「目標観測弾実現のための技術的方策に関する情報提供企業の募集について」という募集が防衛装備庁で行われていたようですので、技術開発品という線が濃厚なようです。ただ、その割には全然話が聞こえてきません。
引用元: By Air Force Armament Museum - www.afarmamentmuseum.com/details-adm160.html, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=84809063
<追記>(2022.12.25)
目標観測弾は令和4年度 政策評価書(事前の事業評価)の対象となっていました。それに依ると
・12式地対艦誘導弾能力向上型の開発をベースとする案
・島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究をベースとする案
引用元: 令和4年度 政策評価書(事前の事業評価)
のようで、12SSM改又は新SSMベースのようです。ミサイル間通信ではなく、地上へデータリンクするもののようなので、目標の評定やBDAに使うのでしょう。誰もが考えそうなアイテムですが、12SSM改又は新SSMもお安くはないので使い切りで考えると、コスパ的にどうなのかという気がします。
今年の更新は今回で終了です。P-1の件で一時的にアクセスが急増したりしましたが、何分色々あって人知れず細々とやってますんで、ご配慮のほどお願いします(^^)
皆様良い年越しをお迎えくださいませ。また来年もよろしくお願いします。
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2022年12月09日
【速報】次期装輪装甲車(人員輸送型)の正式リリースが出ました。
https://www.mod.go.jp/atla/pinup/pinup041209.pdf
令和4年12月9日
防 衛 省
次期装輪装甲車(人員輸送型)の車種決定について
陸上自衛隊96式装輪装甲車の後継車両である次期装輪装甲車(人員輸送型)として、以下のとおり車種を決定したので、お知らせします。
1 提案者及び車種
提案者:NTKインターナショナル株式会社
車 種:Patria社製AMV
2 選定理由
・ 第1段階評価においては、必須要求事項を満たすか否かを評価し、いずれの提案車種もこれを満たした。
・ 第2段階評価においては、「基本性能」、「後方支援・生産基盤」及び「経費」について100点を満点とする加点を行い、最終的な評価点が最も高かったPatria社製AMVを次期装輪装甲車(人員輸送型)として決定した。なお、その他詳細については別添資料を参照されたい。
(参考)
○ 車種選定作業の経緯
令和4年8月29日 提案希望者に対して提案要求書手交
9月27日 提案者から提案書を受領。以後、提案内容を精査
引用元: 次期装輪装甲車(人員輸送型)の車種決定について
※外箱 箱痛み少有※ islands 1/43 陸上自衛隊 96式装輪装甲車
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2022年10月22日
That's done(雑談)
防衛装備庁、F−15緊急射出装置用部品、F−2緊急射出装置用部品を藤倉航装株式会社と契約
引用元: 防衛装備庁 契約に係る情報の公表(中央調達分)令和4年度 月別契約情報/随意契約(基準以上)
https://onl.la/42rZBA1
これはマル防から撤退するダイセルさんに代わって、 藤倉航装 さんがF-15とF-2の射出座席の御守りをするということですね。藤倉航装さんは一般の方には余り馴染みがないかもしれませんが、マル防の特に航空畑では結構お世話になる会社さんです。また、ダイセルさんにはXAAM-5の際に大変お世話になりました。
防衛装備庁、F−2JMPS機能付加を米空軍省と契約
JMPSはJoint Mission Planning Systemの略で任務計画作成用システムでWindowsベースのものです。作成したデータはDTM(Data Transfer Module)というある種のメモリーカードのようなもので、機体に取り込まれます。F-15のMSIP機もDTMを使用しますが、大昔に数が足りなくて何とかならないかと某所で相談されたのは内緒です(w
以下はDTMの参考例
https://www.mrcy.com/products/data-storage-and-transfer/avionic-storage-and-transfer-systems/DTM2-avionics-data-transfer-module
防衛装備庁、スタンド・オフ電子戦機(その3)を川崎重工業と契約
動きが早いです。新造ではなくて既存機の改修なんですな。EC-1のアビオのお手伝いをした際に、「ああ、こいつは電子戦訓練だけじゃなくて、有事の際には実戦にも投入されるんだな。」と思いましたが、もう形振り構わず前面に出すようになりましたね。相手のデータリンクを妨害するということは、EC-1の後継だけでなく、スタンドオフ通信妨害を行うJ/ALQ-7を搭載するYS-11EAの後継でもあるわけですね。
画像引用元: https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2020/html/n42203000.html
94th FS and 94th FGS makes history at WSEP 22-12
https://www.acc.af.mil/News/Article/3186034/94th-fs-and-94th-fgs-makes-history-at-wsep-22-12/
巷でF-22が1機で空対空ミサイルを28発搭載したと騒いでますが、原文見ると"the units employed 28 air-to-air missiles"となっているので、部隊単位で28発を使ったという意味だと思うのですが。。。
1機に数多くのミサイルを積みたい、又はミサイルの補給を空中で出来ないかという話は以前からあるのですが、個人的にはドローンにミサイルを搭載して戦闘機に随伴させるという方法が良いかなと考えてます。
They also demonstrated a high-level of proficiency while shooting the F-22's six-barrel, 20mm Gatling gun, and the M61A2 Vulcan at the Advanced Gunnery Target System.
引用元: https://www.acc.af.mil/News/Article/3186034/94th-fs-and-94th-fgs-makes-history-at-wsep-22-12/
Advanced Gunnery Target Systemというのが気になりますね。本邦も使っているAGTS-36 Aerial gunnery target systemとは違うんでしょうね。
AGTS-36 Aerial gunnery target system
https://meggittdefense.com/product/agts-36-aerial-gunnery-target-system/
Russia Is Using ‘Stolen’ Highway Cameras To Equip Its ‘Cutting Edge’ Orlan-10 Drones – Swedish Media
https://eurasiantimes.com/swedish-shocker-for-moscow-its-media-claims-dozens-of-stolen/
前回、Sensys Gatso社の速度違反自動取締装置をネタにしましたが、スウェーデン国内で多くの速度違反自動取締装置が壊され、内蔵の一眼レフカメラが盗まれ、それがロシアのUAVのOrlan10に使われているのではないかという記事。今回のウクライナ戦争で明らかになったのは、ドローンの尋常ではない消耗で、有人機の運用がSAMの脅威等で低調になった代わりに、ドローンが積極的に用いられているのでしょう。WW?Uは航空機の一大消耗戦でしたが、次の世界大戦はドローンの大消耗戦になるかもしれません。
Egypt, MHI, and Soryu submarine deal
https://www.tacticalreport.com/news/article/60627-egypt-mhi-and-soryu-submarine-deal
そう来たかという感じの記事。 エジプトが本邦のそうりゅう級潜水艦に興味があるとの由。通常潜水艦の市場には英米という巨大プレイヤーは入ってこないし、今後はロシアも入ってこなくなるかもしれないので、本邦も市場に隙入るチャンスは充分にある。もし、エジプトがそうりゅう級を入手したら、周辺国のみならず特に核付き巡航ミサイルを装備した潜水艦を反撃能力として遊弋させているイスラエルも余り良い感情は持たないかもしれない。
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2022年09月06日
【緊急投稿】P-1はダメな子っぽい
よく聞く話としては以下の感じ。
?@運用経費がバカ高い。
?A上記も関連して稼働率が低い
?B一部搭載機器が使えない
?C肝心のASW能力が低い
?@、?Aに関してはに機体、エンジン共に本邦でしか使われていないものであり、運用経費の増大は避け難い問題である。また、近年は落ち着いたようだが、搭載エンジンにかなり重大な不具合があり、この事業自体の継続が危ぶまれたこともあった。また、既にP-1の行く末を案じてか、某海外メーカーではP-1用のスペシャル品製造から撤退したところもあるという。
?Bについては某kytnセンセが公にした某搭載品が使えない問題が代表的。ここでは言及を避けるが、多少内部を知る人間として、他にも公になっていない問題があるんじゃないかと推察する(特に輸入品のソフトウェアが絡むモノとか)
引用元: Hunini, CC BY-SA 4.0
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JMSDF_P-1(5504)_HAQ-2_EO_IR_sensor_right_front_low-angle_view_at_Kanoya_Air_Base_April_30,_2017_02.jpg
?Cの問題が一番深刻でP-1とP-8では例え同じ目標を捉えても、P-8は立ち所に解析して答えを出すのに対して、P-1は解析出来ずにunknownとなることが多いとの由。P-1は改良型のP-1C7/BL2の調達が始まっているが、それでもP-8との差は埋められないだろうという意見が専らである。よく言われるのがシグネチャデータベースなどソフトウェア関連の出来の違いだが、P-8と比べるとハードも含めて全体的に後塵を拝しているのだろう。
さて今後のP-1だが、以下のような選択肢が考えられる 。
(a)兎に角がんばって追いつく
(b)器はそのままに、臓物をP-8のものに入れ替える。
(c)P-1はディスコンして、P-8を買う。
業界雀の間では(b)の可能性が論じられている。(c)は以前から燻っている話だが、ここまで来るとサンクコストが大き過ぎる。また、次期戦闘機までI社の仕事が切れる。(a)は恐らくどんなに頑張っても無理であろうとの判断からである。
個人的にはP-1は古い思想の下で新しい技術を使って作った機体という印象がある。そのため、P-8には出だしから後塵を拝している。ASWに限らないもっと広範な任務に活用できるなら活路を見出せるかもしれない。
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