中国拳法 「八卦掌」
理由は単純。カッコいいからです
しかし残念ながら、プロの世界では評価が低いのが現状です。
打撃ならムエタイ、キックボクシング、空手など。
投げ・寝技・関節技なら柔術、サンボ、レスリング、柔道など。
そして、打撃・関節技のそれぞれを極めんとする総合格闘技の各団体。
それらが中心となって現在の格闘技業界は成り立っていますが、
古くから、それらすべてを網羅しうる武術のひとつとして中国拳法があります。
「中国拳法」と言う言葉は、
日本の武道を「日本武道」と一言で片づけてしまうようなもので、あくまでも総称です。
その種類や流派は、分派したものを含めると、
数千を超えるものとも言われており、
私達が聞き覚えのある「○○拳」というものは、その一部に過ぎません。
例えば、太極拳なら、
伝統拳として、陳家・楊式・呉式・武式・孫式・和式(かしき)・鄭子太極拳があり、
制定拳としては
簡化(二十四式)・八十八式・四十八式・総合(四十二式)に加えて剣技までもがあります。
これらに、分派した流派のようなものがあるわけです。すごい数となります。
統制が取れていないと言ってしまえばそれまでですが。
で、その一部の武術。44は「八卦掌」がお気に入りです。
代表的なもののひとつです。
千変万化な技法と縦横無尽な歩法を用いるのが特徴です。
円周上を動きながら8種類の技を練習しますが、
その技法がすべて「拳」ではなく、
開手した「掌」を用いて行われることから、この名がつけられたそうです。
そのような中国拳法の動作を
一般の方が親しむきっかけの一つとなったのは、やっぱりゲームでしょう。
バーチャファイター。今は5作目ですね。
徐々に増えてきたキャラの中でも、44が変わらず好きなのは「パイ」ちゃん。
扱いやすく、技も多彩。
スピーディな連続技が決まると 気持ちいいこと この上ありません。
そして、もうひとつ、貴重な動画を発見してしまったので、こちらもアップしておこうと思います。
あのリー・リンチェイ氏の八卦掌演武シーンです。
彼のアクションは、その多くが少林拳をベースとしており、
この映像でも構え(姿勢)は少林拳に近いものとなっているようです。
彼は、1974~1978年の中国全国武術大会で、
5回連続の優勝を果たしたほどの素晴らしい武術家です。
この連続優勝については、未だに破られていないほど、困難な記録なんです。
そのため、彼が映画の中で行うアクションはマジ本物。非常に評価が高いんです。
ただ、どの映画もカメラワークがよろしくなく、
彼の「武術」テクを「格闘技マニア」が存分に楽しむことができる映画は
少林寺(1982年)
少林寺2(1983年)
阿羅漢(1986年)
かなーと思います。
この時代の映画は、カメラワークが激しくなく、
現代の映画に比べると迫力には欠けますが、
素晴らしいブギをしっかりと堪能できます。
早くブルース・リーのように
自分の映画を自分で撮れるような俳優さんになってほしいです。