ニュートン別冊 ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス
心理学と治療
臨床心理学とは??A
病院、学校、鑑別所など、さまざまな場所で活躍する臨床心理学
臨床心理学が活躍する現場として次に多いのが、
学校や教育センターといった教育現場です。
![スクールカウンセラー.jpg](https://fanblogs.jp/mtshchz/file/E382B9E382AFE383BCE383ABE382ABE382A6E383B3E382BBE383A9E383BC-thumbnail2.jpg)
現在は、小学校、中学校、高校に、スクールカウンセラーとして
臨床心理士が配置されています。
最近では、幼稚園や保育園にも配置され始めたようです。
スクールカウンセラーは、いじめ、非行、不登校、
発達障害、そして学級崩壊など、
学校生活の中で生徒たちになんらかの問題が発生した時に、
生徒本人、保護者に対して心の支援を行ったり、
教員に対してアドバイスをしたり、
心の支援を行ったりします。
また、災害、事件、事故などが発生した時に、
子供を中心にその家族や教職員も含めて心の支援に当たります。
病院と教育現場だけで、臨床心理士の配属の7〜8割を占めます。
臨床心理士が配属される現場としては他に、福祉施設があります。
さまざまな福祉施設がありますが、
特に近年では児童相談所や児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設などで
虐待を受けた子供たちやその家族を対象に臨床心理士による支援が行われています。
また、家庭裁判所調査官、少年鑑別所や刑事施設配属されている法務技官(心理)など、
犯罪者にかかわる臨床心理士もいます。
家庭裁判所調査官は面接を通して、
少年の性格や家庭環境などを調べ、
処遇を判定する時の基礎資料を作ったり、
少年の心の支援を行ったりします。
法務技官(心理)も、犯罪者の処遇を決める判定資料や
更生プログラムを作ったり、
受刑者に対するカウンセリングを行ったりします。
他にも、企業の社内相談室、
EPA(従業員支援プログラム)を提供する会社に所属する臨床心理士がいます。
EPAは、従業員の相談を受けて心の支援を行うとともに、
それらの相談をまとめて企業の課題を洗い出して、
企業に提案するという役割を担っています。