最終的には、心の働きの脳内メカニス?ムについて述べていきます。
ニュートン別冊 ゼロからわかる心理学
知れば知るほど面白い!心と行動の科学
から
監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス
心理学と環境
序
「犯罪の起きにくい安全な街に住みたい」
など、誰にでも住んでみたい理想の街や地域というものがあるでしょう。
実は、住民の心の状態が、
その地域の環境に影響を及ぼすことがあるのです。
反対に、地域、家、自室といった環境が、
住人の心理に影響を与えることもあります。
人の心理と環境について研究する「環境心理学」を紹介します。
人を取り巻く環境を考える
人と環境との関係性を読み解き、暮らしやすい空間を作る
心理学の中に、「環境心理学」という分野があります。
私たちの行動や心理は、周辺の環境と相互に影響し合っています。
環境心理学では、私たちが日々直面する様々な社会問題や心の問題を解決するべく、
地域や住まいといった身近な環境をいかに変えていくのかを、
心理学的な側面から研究しており、現在大きな注目を集めています。
協力:小俣謙二 駿河台大学心理学部心理学科教授
環境心理学とは、人間の行動や心理と環境との相互作用を明らかにする学問です。
環境心理学では、人間と環境を一つのシステムとして捉えます。
環境とその環境の中で生活している人どうしは、
相互に関与し、影響を及ぼしあうとする考え方で、
「人間ー環境系」とも呼ばれています。
環境心理学は、心理学の研究分野の中では
比較的新しい学問分野で、
1960年代の終わり頃にアメリカで誕生しました。
1960年代になると様々な国で、急速な近代化と産業化の影響により、
人口が密集する都市環境において、
低所得者層が集まるスラムの形成や、
大気汚染などの公害問題、騒音など、様々な問題が表面化していました。
それに伴い、都市環境の悪化が、そこに暮らす人々の心理や行動に
どのような影響をもたらすのかに関心がもたれるようになりました。
都市空間を取り巻く、このような環境問題に対する心理学的なアプローチの一つとして、
環境心理学という学問分野が成立してきたのです。
環境心理学が扱う領域は非常に広いです。
ある場所や空間を人がどのように認知するかを研究する「環境認知」、
他者との関係に応じて距離をどのように調整するのかなどを研究する「社会的距離」、
「居住空間や都市環境の密集や騒音問題」などがあります。
他にも、犯罪が起こりやすい環境を分析することで防犯に役立てることができる「環境犯罪学」や、
災害時などのストレスの影響や、回復に影響する環境要因を研究する「回復環境」など
多岐にわたっています。
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2019年07月12日
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