存在を知らないで大損する人が多い
風呂内 亜矢 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
PRESIDENT 2019年5月13日号参照
活用すれば100万円単位で得することも可能な、
国や自治体が行うサポート制度。
使わないのはあまりにもったいない!
マイホーム購入で、最大30万円
転職や失業、出産に住宅購入など、人生にはまとまったお金が必要なタイミングがやってきますが、
実はそういった個人の出費に対して、
国や自治体が金銭面でサポートしている事実を知らない方が意外と多いです。
サポート制度には大きく2つのタイプがあります。
助成金や補助金、支払いの軽減といった形で 『お金がもらえる』ものと、
税金の控除によって 『お金が戻ってくるもの』で、
いずれの場合も、しかるべき窓口で届け出を行えば
サポートを受けられる仕組みになっており、
ここでは特に働き世代の役に立ちそうな情報をご紹介します。
まずは 「すまい給付金」 です。
これはマイホーム購入時の負担を少しでも減らすために
現金を支給しようという制度で、
住宅ローン控除の補完的な位置づけになっています。
給付にあたっては床面積や収入、第三者機関の検査などいくつか条件があり、
給付額も年収額などによって異なりますが、
消費税率8%の状況下では30万円が、10%になった場合は50万円が
最高額として支払われます
(詳しくは、すまい給付金HP内にて確認可能)。
住宅関連では、マンション投資中の会社員へのサポート もあります。
東京の文京区が推進している「文京すまいるプロジェクト」では、
65歳以上の高齢者やひとり親世帯などに物件を貸すと、
物件ひとつにつき最大2万円の謝礼を受けることができます。
賃貸に出すことで上乗せの補助を行う自治体は珍しいですが、
高齢者が賃貸住宅を借りにくい状況は全国の都市部では共通の問題です。
高齢者への貸し出しについては自治体が積極的に入居者を探すケースなどもあるため、
お住まいの自治体で類する制度がないか確認してみるといいでしょう。
今後、文京区のあとを追う自治体が増えていく可能性も十分に考えられます。
続いて 出産と子育て関連のサポート 。
今や6組に1組の夫婦が受けていると言われる不妊治療は、
費用が高額なうえに保険も適用外と、
経済的な負担の大きいイメージがありますが、
「特定不妊治療助成金」 を利用すれば、その負担は軽減されます。
対象条件は、夫婦の合計所得が730万円未満、
妻の年齢が43歳未満などで、
30代の妻の場合、最大105万円までの助成金を受けられます
(初回治療で30万円+2回目から6回目までの治療で各15万円)。
ただし、妻の年齢が40歳以上になると、
給付を受けられる回数が3回に減るため、注意が必要です。
この特定不妊治療助成金に関してもっとも注目すべき点は、
2015年以降、サポートの対象に夫も含まれたことでしょう。
男性不妊の治療である精子採取に対して
1回につき上限15万円が支払われる運びとなりました。
制度の有用性が格段に高まったのは間違いありません。
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