最終的には、心の働きの脳内メカニス?ムについて述べていきます。
記憶力
記憶の原理?A
信号が流れた神経回路では
信号の伝達効率が上がる
ニューロンの回路が変化して記憶ができる。
また電車と線路の例えで考えてみる。
電車の流れを変える方法として、三つを考えてみた。
「1.新たな路線を作る」
「2.別の路線との乗換駅を新たに作る」
「3.車両を増やす」
3は路線そのものは変化していないが、通過する車両の数が変化する。
1と2を実現するためには大工事が必要だが、3については少ない負担で実現できそう。
これをニューロンに当てはめると
「1.新たにニューロンを作る」、
「2.新たにニューロンどうしのつなぎ目(シナプス)を作る」、
「3.信号の伝達効率をあげる」の三つとなるだろう。
脳にとっても1や2は負担が大きそう。
実際、現在では3の「信号の伝達効率のアップ」が基本的な記憶の原理だと考えられており、これに付随して1と2も生じうる。
3の鍵を握っているのはニューロンどうしのつなぎ目「シナプス」だ。
実は1949年の段階で、カナダの心理学者ドナルド・ヘッブが重要な”予言”を行なっている。
「あるニューロンから次のニューロンにくりかえし信号が伝えられた場合、それに関係したシナプスでのみ伝達効率が上がる」というものだ。
つまり、伝達効率のアップは、でたらめに起きるのではなく、信号が流れた回路だけで起きるというわけだ。
ヘップの主張が正しいことは、1973年に実験で確かめられた。
ニューロンを伝わる信号は電気である。
うさぎの脳の海馬という部分のニューロンをくりかえし電気刺激すると、そのニューロンのシナプスの可塑性は実際に存在したのである。
つまり ニューロンは
、記憶にとって不可欠と考えられている 「回路を変化させて、さらにそれを維持する能力」を持っていた
のである。
この現象は 『LTP(Long Term Potentiation:長期増強)
と名付けられた。
以後、LTPの研究は精力的に進められ、LTPが起きやすいネズミは記憶・学習能力が高いことが確認された。
また、ネズミに薬剤を投与してLTPが起きないようにすると、そのネズミの学習能力が落ちた。
こうしてLTPと記憶が密接に関係していることを裏付けるデータが次々と積み上げられ、脳科学者の多くがLTPを記憶の基本的な原理だと考えられるようになったのである。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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2019年02月28日
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