a.優れた作品に決まってるだろ、宮崎アニメの最高傑作じゃないのか、
b.パトレイバーと比べてどうなんすか、
a.絵が凄まじくきれいだ、これはどうがんばってもパトレイバーは勝てない、
b.声優とか音楽はどうなんすか、
a.音楽もシーンに合わせて的確に決まってるし、センやハクの素人っぽさをあえて残したままのやり方も実に見事だと思う、
b.あえて、演技を付けすぎないんすか、
a.中心の二人はあえて素(ス)のコトバ使いを絶妙に残しといて、その周囲はビシッとベテランが固める、
b.すると、どうなるんすか、
a.どうなるんや、どういう良さが生まれるんや、
b.こっちが聞いてるんや、
a.「七人の侍」の一節じゃないけど、「いい城にはきっとひとつある隙(スキ)」を作ったんじゃないか、この主人公二人のセリフ回しに、
b.素人風なセリフ回しなんで、観客は感情移入しやすく、自分を重ねやすくなると、そういうことっすか、
a.この映画が流行(ハヤ)ってたころ、滋賀県のとある寺院で、退屈した小学生の女子が千尋と同じセリフ回しで両親に話しかけてて、あまりにソックリなんでギョットした記憶がある、「おとうさん、おかあさん、もう帰ろうよ」、
b.そういえば、「となりのトトロ」のお父さん役も、セリフ回しが妙に素人ぽくて、おかげで映画の世界へ自然に入れたような気がする、
a.ちなみに、今なに気なく「映画」って言ったけど、いまやアニメと映画の区別もあいまいになってきたと思わないか、
b.いつごろからそうなったんやろ、
a.宮崎アニメが繰り返し映画館で上映されるようになったことが決定的なんじゃないか、
b.じゃあ子供たちのお楽しみ、東映マンガ祭りの蓄積がまずあって、その上に「となりのトトロ」の登場でついに映画とアニメの垣根が無くなってしまった、そんなとこっすか、
a.ちなみに、「となりのトトロ」公開が1988年、「劇場版パトレイバー1」が翌1989年、そして1990年、「東映まんがまつり」が「東映アニメまつり」と名称を変えてる、
b.時代が変わったんだ、ここできっと、でもしつこいようだけどやっぱり「七人の侍」と互角に張り合えんのは「劇場版パトレイバー1&2」なんすか、「千と千尋の神隠し」じゃなく、
a.どっちも横綱クラスだから、決めかねる部分は多くあるけど、ただ何でなんだろう、「千と千尋」も何回となく見直してるし、すばらしい映画と思うんだけど、「七人の侍」と競り合うって感じがしないんだ、別枠で観てるような、
b.どう違うんすか、
a.関西風な擬態語を多用しちゃいけないけど、ズシンと重い筋金(スジガネ)が一本通ってるんだ、「劇場版パトレイバー1&2」には、
b.どんな?
a.現実社会の問題、たとえば「1」ではコンピューターウイルスや環境破壊を省みない公共事業のあり方、「2」ではPKO、自衛隊、警察などの問題、そして、「1」と「2」に共通する最大のテーマは東京を舞台にしたテロの恐怖、これに比べると「千と千尋の神隠し」はテーマが弱い、とても優れた映画だけど、
b.じゃあ「七人の侍」は何がテーマなんすか、
a.重苦しい身分制度がひっくり返る爽快感だろ、農民がサムライ雇うなんて、こんな時代劇、ほかに観たことねえや、
b.そういえば、野武士軍団から農村を守りきって、最後にしんみり沈み込むのは、生き残りのサムライたちだった、
a.「今度もまた負け戦だったな」、「え?」、「いや、勝ったのはあの百姓たちだ、ワシたちじゃない」・・・これだけハッキリと農民を中心に据えた時代劇は後にも先にもこれだけだった、
b.そういえば、大手や中小零細の企業格差や力関係なんか見てると、この時代も身分制度が巧妙に形を変えながら、しぶとく生き続けてるしなあ、
a.「まあなんだって言うなりだからね、うちゃ下請けだから・・・」(劇場版パトレイバー2より)、
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カスタマーレビューにrequiem prayer氏の熱く詳細なコメントがありますので、
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