音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年08月15日
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 1982年の『アメリカン・フール』で名声を得て、さらに1985年の 『スケアクロウ』 のヒットも飛ばし、30歳代半ばを迎えたジョン・クーガー・メレンキャンプ(John Cougar Mellencamp,現在のジョン・メレンキャンプを名乗るのは1990年代に入ってからのこと)。後から振り返ってみると、若々しい勢い、若さからくる怒りを押し出すだけで済まされない状況に陥っていたのかもしれない。同世代のブルース・スプリングスティーンの同じ頃(1984年の 『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』 の後は間が空いて、1987年に内省的な 『トンネル・オブ・ラヴ』 を発表している)と同様、自分自身の中にある種の行き詰まり感みたいなものがあったのではないだろうか。

 前作『スケアクロウ』および同じ年に開催したファーム・エイドの辺りから、彼の中にはアメリカの地方の苦悩、都市の発展の一方で見放されていく田舎を代弁するような立場が目立ち始める。詞だけではなく音楽面でもそのことは影響し、カントリーやフォークに寄った音を好むようになっていった。1987年発表の本盤『ロンサム・ジュビリー(The Lonesome Jubilee)』は、そんな彼の変化がよく繁栄されたアルバムだと言える。

 シングルとしては、1.「ペーパー・イン・ファイアー」と5.「チェリー・ボム」が10位内に入るヒットを記録したが、アルバム全体を見渡してみると、上記のようなメッセージと音楽両面での傾向がより顕著に見えてくるように思う。そうした観点で筆者の気に入っているナンバーをいくつか挙げてみると、まずは、2.「うちひしがれて(ダウン・アウト・イン・パラダイス)」。トリビアな感じの話で申し訳ないが、この曲のイントロが個人的には非常に気に入っている。6.「ウィ・アー・ザ・ピープル」や8.「ハード・タイムズ」は、アメリカ社会とその中の庶民を代弁したような詞がとりわけ印象的である。9.「ホット・ドッグとハンバーガー」は、差しさわりのないタイトルとのどかな音に包まれてはいるが、インディアン(ネイティヴ・アメリカン)の犠牲に成り立った国のあり方に疑問を差し挟む。

 このような音楽を発表していくことは、大衆的でマスな人気取りに背をそむけるようにすら見えるかもしれないが、“若者”から“おじさん”へと移行する年齢を迎え、音楽をやる意味、歌を歌う意味を考えての転換だったのだろう。この傾向は次の作品の 『ビッグ・ダディ』 (1989年)でいっそう強まっていくことになる。



[収録曲]

1. Paper in Fire
2. Down and Out in Paradise
3. Check It Out
4. The Real Life
5. Cherry Bomb
6. We Are the People
7. Empty Hands
8. Hard Times for an Honest Man
9. Hotdogs and Hamburgers
10. Rooty Toot Toot

1987年リリース。




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[枚数限定]ロンサム・ジュビリー +1/ジョン・クーガー・メレンキャンプ[SHM-CD]【返品種別A】






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Last updated  2016年08月15日 16時20分36秒
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