森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.10
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小学1年生の先生の話です。
30人以上のクラスになると、もう大変で、こっちのけんかを仲裁している間にあっちでけんかが始まります。
ところが、授業参観とか運動会とか、保護者が参観においでになるときは、見違えるほどに、立派になるんですよ。
どうしてこんなにちゃんとできるのに、保護者がいないときには、できないんだろうと不思議に思っています。

また、家庭訪問をしたときに、おうちでまだまだ甘えん坊で、学校でちゃんとやれているか心配ですと、おっしゃるお母さんのお子さんは、私から見ると、学校ではちゃんとやっているお子さんだったりするのです。
逆に、お子さんのことを、うちの子はしっかりしているので全く心配していないんです。
とお話になるご家庭のお子さんが、学校で養護教諭にべったり甘えたり、すぐにかっとしたり、赤ちゃんみたいになっちゃったりするということがあります。

この現象をどうとらえるのか。学校ではやりたい放題。
家では親に柔順に従うペットのような子どもの姿です。
これは反対ではないではないか。本来は親の前ではやりたい放題。
学校ではちゃんとしているのが子どもの心の発達から見ると正常なのではないでしょうか。
どうしてこんなちぐはぐな子どもが増えてきたのでしょうか。

これは親の接し方に問題があると思います。
親が子どものネガティブ行動に対してどう対応しているのか。
その原因となるネガティブな感情に対してどう対応しているのか。
普通は叱責、否定、強制、脅迫、人格否定等が多いのではないかと思います。
子どもは親の力の前にはとても弱い存在です。
もし親から見捨てられると生きては行けなくなります。
だから自分の身体から湧き出る強い生のエネルギーを知らず知らずのうちに抑え込んでいくようになります。
親の指示、命令に合わせることを学んでいくのです。
そう対応していかないと生きていけないのだと感じてしまうからです。
そうなると自分のほとばしるエネルギーの発揮は抑えつけられて、消化不良になります。

本来家庭はいろんなストレスを解消して癒される場所です。
家庭で心身をリフレッシュして、エネルギーをため込んで再スタートをきる前線基地のようなところです。
家庭が基地の役目を果たしていないと大変なことになります。
心も体も休まることがない。家庭にいてもいつも不安で怯えているような状態です。

たとえれば、自分が戦争に行って前線で戦っています。
自分の方が不利な戦況で、一旦撤退した方がよいような場面があったとします。
少しずつ後退を余儀なくされました。
ところが後ろから上官がさがってはいけない。
もっと前に出て闘えと叱咤激励しているようなものです。
それでも、後退する人に、その後ろから鉄砲を撃ち放して威嚇しているようなものです。
自分の味方、分身を脅しているのです。そのような状況におかれるとたまったものではありません。
心のよりどころを無くした人間は弱いものです。生きていく力が急にしぼんでしまいます。
体調不良に陥ります。心身症のような状態になります。神経伝達物質のバランスが崩れます。
容易に精神状態が不安定になります。最悪神経症や精神疾患で苦しむようになります。
そうならないためには、子どものネガティブな感情をしっかりと受け入れて、安心感を持たせなければならないのだと思います。
(ちゃんと泣ける子に育てよう 大河原美以 河出書房出版社参照)





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