森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.05.30
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昨日の引き続きです。子どもの反抗期は3つに分かれます。
第1反抗期、中間反抗期、第2反抗期です。

「第1反抗期」は2歳から3歳の頃です。
そのような子どもは1歳台において「いたずら」が許容され自発性が順調に発達してきており、意欲的な子どもです。
第1反抗期の特徴は「イヤ」という言葉が多くなることです。
子どものイヤだという言葉を少なくするには、「お母さんは、○○をするとうれしいんだけどな」とか、「お母さんはそれをされるとイヤなの」などと私メッセージで対応することです。
あとは子どもまかせるのです。
すぐにいうことを聞いてくれないかもしれませんが、お母さんの気持ちは子どもに伝わります。
そして、次からの行動が少しずつ変わってきます。思いやりの心が芽生えてくるからです。

第1反抗期は「自分でする」と言って親たちの援助を拒否する言葉が多くなるものです。
それは何もかも自分でやってみようという自発性・独立心の現れですから、子どもの言葉を尊重する必要があります。
なかなか成功しないと、イライラして泣いたりします。悔し泣きです。
「ほらごらんなさい」「できもしないくせに」と非難してはいけません。
これらの言葉をあびせられた子どもは劣等感で卑屈になってしまいます。
そんな時は「この次は頑張ろうね」と、再び挑戦してみようという意欲を刺激しておくことです。

「中間反抗期」は7歳から9歳にかけてです。口答えが多くなります。
理屈の多い言葉によって反抗する状態がはっきりと現れてきます。
親にとってはなんでも反抗されては腹が立ちます。
なんでうちの子は素直でないのだろうと思ってしまいます。
しかし子どもの発達過程から見ると反抗するというのは、自己主張のできる子どもに育っているということです。
普通親は子どもが自分たちの言ったことに素直に従ってくれることを望んでしまいます。
これは子どもを親に服従させ、屈服させている状態です。
登校拒否や神経症、心身症等で悩んでいる子どもたちの過去は、親に服従する形での素直であって、自分の気持ちに素直になっているわけではないのです。

「第2反抗期」は思春期です。中学生の頃です。
この頃はアイデンティティの確立。自我同一性、性同一性の確立時期です。
つまり自分は何者か。自分はどう生きていけばよいのかを考え始める時期です。
精神的に親から離脱していく時期を迎えているのです。
それまでに親や教師から教えられたことが本当に人間として正しいことなのか。
それらを疑い始め、自分なりの考えを持とうとします。

その過程で、親や先生に言われて自分に取り入れてきた価値観を全面的に否定することから始めます。
親たちに何か言われても、明らかに不快感を現し、黙秘したり、「うるさい」と言ったりして、反抗するようになります。
親はどうしてこんな悪い子になってしまったのだろうと右往左往するかもしれません。
心配は無用です。独立心があり、自発的で責任感のある大人に成長するためにどうしても通過しなければならない関所のようなものなのです。

ここで慌てて、子どものいいなりになって甘えさせたり、命令、干渉、支配を前面に出して子どもをコントロールしようとしてはなりません。

最近、無気力、無関心、無感動、無責任、不作法の五無主義の子どもが増加しています。
これらは第2反抗期を乗り越えていなくて、自分が混乱している状態なのです。

このように見てくると年齢に応じた反抗期は、子どもの発達にとって必要不可欠なものです。
親は子どもの反抗期の持つ意味をよく理解する必要があります。
親は子どもに「かくあるべし」を押し付けるのではなく、子どもの成長を見守っていくことが大切なのではないでしょうか。
(子どもの能力の見つけ方伸ばし方 平井信義 PHP参照)





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