森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.02.10
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少年非行を専門にされている弁護士の高橋一郎さんのお話です。
非行を犯す少年たちは我慢する心が不足している。
我慢できる子供は母親と父親が躾の中で身につけさせる必要がある。

3歳までの子供のしつけは特に母親の役目だと思います。
子供の年齢と成長に応じ、日常の挨拶、身の回りの始末、歯磨き、洗顔をはじめ、子供にしなければならないこと、してはならないことをきちんと教え、それを守らないときは、しっかりと叱ることが必要です。しかし、母親のしつけは母性本能が強いため、どうしても甘やかす傾向になると思われます。
母親は子供が3歳を過ぎたら、子供との距離を次第に置いていくべきです。
子供を溺愛したり、甘やかしては絶対にダメです。

ここからのしつけには父親が参加することが欠かせません。
我慢する心を作るのは、母親の協力を得た上での父親の役目です。
そのためには子どもにとって父親がえらくて恐ろしい存在であることが必要です。
すなわち父親に権威がなければ歯止めがかからず、子供には我慢する心はできません。
もちろん父親が、いくら自分で子供相手に威張っていてもダメです。
だから母親は、 「お父さんはえらくて怖い」 「いつもは優しいが悪いことをすると怖い」ということを教えこむことです。

子供に我慢することを教えるのに1番良い方法は、子供が欲しがるものをむやみに買ってやらないことです。親が子供に物を買ってやらなくても、子供はみじめではありません。
子供は単にその時、そのものが欲しいだけで、子供がみじめというのは大人が勝手に考えることです。
もちろん、夫婦で相談して、子供の成長に役立つものは、子供が5つ要求したら1つくらいは買ってあげてもよい思います。
そして、買ってあげる時も、子どもが指折り数えて待つようにさせ、すぐに買い与えてはいけません。

子供が欲しいと言えば、すぐに何でも買い与えてしまう親がいます。どういうことになるのでしょうか。
子供はすぐにそれに飽きてしまい、またすぐ別のものを欲しがります。
それを続けると、一回でも買ってやらないと、子供はお店の中でも泣いてバタバタと暴れ要求するようになってしまいます。
つまり、自分の要求は何でも通る、両親の言うことなど聞かないで、我慢など全くしない子供に成長するだけです。
がまんできる子どもは、父親がちょっとした小さいことを継続することで可能となるのです。

次に父親は子供が小さい時ほど、必ずその場で叱らなければなりません。
特に子供が幼い頃、子供が目の前で行った悪いことに対して叱るのです。
後で母親から聞いて、昨日のことや前のことを叱っても無駄です。

非行を犯した少年のほとんどが、親に叱られたこと、特に父親から叱られたり、さらには体罰を与えられたりした経験がないのです。父親がこどもから離れていて、母親任せになっているのです。
子どもが言うことを聞かないことがあって、父親が子供を叱ったならば、母親は「だからダメと言ったでしょう」 「 2人で謝りましょうね」と言って、子供と一緒に父親に「お父さん、ごめんなさい。もうしません」と謝る形をとることです。
そして、父親が「そうか。よし、わかったか」 「お前はやはり私の思った通り良い子だ」と子供を褒めてやればそれで決まりなのです。
そのような繰り返しが、さらに父親をえらくて恐ろしい存在にするのです。

ところが、現状は全く逆です。母親は子供に対し、父親をえらくて恐ろしいなどと教えるどころか、 「お父さんみたいにならないようにしなさい。お父さんは勉強もできなかったので、万年平社員で、また家庭も顧みず、酒ばかり飲んでいる」などと話し、父親の権威を否定してしまっています。
これでは父親がえらくも恐ろしい存在ではなくなり、子供は我慢するどころか、何でも思い通りにやり、ついには非行に走ってしまうのです。

よく、子どもが問題行動を起こすと、父親が母親に向かって、 「お前は今までどういう教育をしていたのだ。子供の教育は全部お前に任せていたのに」と叱責することがあります。的外れな発言です。
こういう父親は子供の教育に関しては、仕事で忙しいのを理由にして放棄していたということです。
本来子供のしつけや教育は、母親と父親が一体となって協力して取り組むべき課題です。
特に我慢のできない子供は父親によって作り出されると言っても過言ではありません。

考えてみると、私の場合も、父親は留守がちで、子供の教育については母親に任せきりでした。
その結果として、社会的に迷惑をかけるような本能的な衝動的な欲望に対して、制御機能が働かない大人になってしまった。
また、自分の思い通りにならないことや腹が立つときなど、我慢することができなくて、その気持ちをストレートに相手に爆発させてきた。そしてそれまでに積み上げてきた人間関係を簡単に壊してきた。

今思う事は、 「やってはならないことは絶対にやらない。やらなければならないことは、どんなに辛い事でもやるという子供を育てるのだ」という信念を持って、親が子育てにのぞんでいるかどうかが、その後の子供の行く末を左右してしまうのだと思います。
(続・親学のすすめ 、高橋一郎 、モラロジー研究所 244ページ参照)





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