森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.01.09
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先日クローズアップ現代プラスを見た。夫婦喧嘩が子供に与える影響についてだった。
それによると、 DVと呼ばれる直接的な暴力行為よりも、口論による夫婦喧嘩が子供の扁桃体、海馬、一次視覚野の萎縮を起こすことがわかっているそうだ。
それらの器官が正常な働きをしなくなっているのである。機能障害を起こしているのである。
それらの器官が全く機能しなくなると、恐ろしいものを見ても、怖がるという感情が湧き起こっらなくなります。たとへば、蛇を恐れていた人が、平気で蛇をつかみに行くようなことが起こります。
機能障害は、その1歩手前です。正常な働きが阻害されているのです。

扁桃体は、 一時視覚野などから送られてくる感覚情報と海馬や大脳新皮質からの記憶情報を統合して、情動として出力していると考えられています。不快感、怒り、恐怖などを感じると、戦うかその場から離れるか瞬時に判断して、自分の身の安全と精神的安定を保っているのです。
役割を果たすと、偏桃体などの興奮状態はすぐに収まります。
そうした器官が正常な機能を果たさないと、一方では極度の緊張状態が持続することになります。
それは成長したのちに様々な弊害となって表面化してきます。
中学生ぐらいになると、イライラして、少しのことできれたりするようになります。
他方では、無気力、無関心、無感動になって、意欲ややる気が失われてきます。
それが、うつ病の発症などにつながっていきます。

普段どこの家でも繰り返されている口喧嘩がひどくなったり、継続していると、自分たちが不快な思いをするだけではなく、子供の脳の機能に重大な損傷をひき起こしているということは由々しき問題です。

最近は女性も外で働く機会が増えてきました。男性の収入だけで生活が成り立たなくなっているのです。
そんな状況の中で、近所のつきあい、家事や育児などを女性が一手に引き受けるということになると、そのストレスは大変なものです。
結婚当初は夫を立てて追随していた女性でも、つい「なんで私がここまでしなければならないの」という気持ちになります。
これに対して、夫が家事や子育てはどこの家でも妻の役割だと思っていると、夫婦はすぐに対立関係に陥ります。
その上、夫がつきあいだと称して夜遅くまで飲み歩いたり、日曜日にパチンコやゴルフや釣りに出かけていると、最悪の状況になります。これがひどくなると家庭内別居状態になります。
夫は妻を思いやり、よく話し合いをして、仕事以外の諸問題は少なくても半々ぐらいには役割分担をする必要があります。亭主関白を押し通す人は、もはや結婚する資格がないといえるかもしれません。

夫婦はもともとそれぞれの人格を持った他人です。
性別、性格、趣味、好き嫌いも違います。だから常日頃対立するのはごく自然なことです。
だから自分の意見を言い合うことは避けて通ることはできません。
そうしないということは、夫婦関係が支配、被支配の関係になっているかもしれません。
そういう姿を子供に見せるよりも、絶えず意見の衝突を子供に見せつけているほうがいいと思います。
ただ不快感を払しょくするために感情的になって、相手の人格否定をすることはダメなのです。
夫婦が話し合いによって妥協点を探して交渉しあっている姿は子供にとっともプラスになるはずです。
夫婦は二人で協力して家計をやりくりし、親戚や近所付き合い、子育てをしなくてはなりません。
お互いに意思の違いを認めたうえで、自分の意思を押し通すところは押し通し、妥協するところは妥協しながら生活していくしかないのです。

森田理論では、決して相手を自分の思い通りにコントロールしようとしてはならない。
自分の「かくあるべし」を相手に押し付けてはならないといいます。
そのうえで、自分の意思は「純な心」「私メッセージ」などを応用してできるだけ相手に伝えていく。
また配偶者の気持ちや意思も、先入観や決めつけで判断しないで、一旦はよく聞くようにする。
二人の間に埋めがたい溝があれば、少しでも溝が埋まるように話し合いをしていく。
最終的には不満足であっても妥協点を見つけて折り合いをつけていくしかないのである。
その反対の道を歩むことは、知らず知らずに子供に悪影響を与えていることを忘れてはならない。






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Last updated  2024.04.07 12:42:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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