森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.09.27
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子供たちはよく兄弟喧嘩をします。
喧嘩がエスカレートするとすぐにものを投げつけたりします。
殴ったり蹴ったり力任せの喧嘩になることもしょっちゅうです。

こんな時、親はどう対応しているでしょう。
「どうして喧嘩なんかするの」 「喧嘩なんかしちゃだめでしょう」 「弟に優しくしてあげなさい」 「そんなことをして怪我でもしたらどうするの」「物を投げつけて家具などが壊れたらどうするの」
これらの対応は、親のほうに、 「兄弟はいつも仲良く遊ばなければならない」 「兄弟喧嘩は止めに入らなければならない」「暴力は絶対に止めなければならない」などという「かくあるべし」を基にして対応しているように見えます。
親が親自身の判断や解釈や結論を、子供たちに押し付けていることになります。
喧嘩をしているのだから、 「子どもは正しくない」 「間違っている」と断定し、子供の感情や考えを頭から無視し、否定しています。
しかし、子供の不適切な行為に対して、親が最初から説得したり説教したりすることは、かえって子供の心を頑なにしてしまいます。結果はいつも裏目に出てしまいます。
子供の考えを変えさせたいのであれば、別の行動や態度の方がよいという事を、子供自身が納得できるようにしなければなりません。

こんな時、森田療法理論を活用できないものでしょうか。
森田では、すぐに自分の価値判断を押し付けるのではなく、目の前の出来事に注意を集中します。
例えば次のような言い方になります。
親 「どうして兄弟喧嘩をするの」 「何か理由があるの」
兄 「だって、弟が僕の邪魔をするんだもの」
親 「どうやって邪魔をするの」
兄 「僕の作った積み木のお城を壊すんだ」
親 「それで腹が立ったんだね。その気持ちは分かるよ」
「どうしたら喧嘩しなくても、(弟は)壊さないようにしてくれると思う」

これは、問題となる事実をあるがままに認めているのです。
頭ごなしに子供の行動や考え方を否定しているのではありません。
非難や否定の言葉は出てきません。
親が問題行動の事実関係を正確に把握して、子供と一緒になって、この問題を検討し、子供とともに問題を解決しようとしているのです。
兄の弟に対する怒りや憤りを認め、それをできるだけありのままに理解した上で、子供と一緒に解決方法を探るようにしているのです。
森田理論で言うと、問題行動をしっかりと観察・認識し、そこから子ども自身が解決策を見つけるために親が援助をしているのです。こういう対応を森田では事実本位といいます。
「かくあるべし」の押し付けとは正反対の対応です。子供に問題行動が起きるたびに、親がその事実に寄り添い、その事実から解決策を考えるというように子供に接していると、その子供は事実本位の生き方を自然に身に付けてゆきます。
反対に批判、叱責、否定、拒否、抑圧の対応を繰り返していると、子供自身も「かくあるべし」が肥大した人間に成長してしまいます。 「かくあるべし」が肥大してくると、辛い人生が待ち構えています。
「かくあるべし」が強い人は、子育ての中で「かくあるべし」を乗り越えていくことを目指していくべきでしょう。
(家庭と学校に活かすアドラー心理学 古庄高 二瓶社参照)





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Last updated  2024.04.07 13:08:40
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