森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.10.02
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「家庭と学校に活かすアドラー心理学」 (古庄高 二瓶社)にこんな話が紹介されていた。

5歳児の子供たちが箸を使って70個ほどの小豆をつまみ、別の皿に移しかえる練習をしました。
箸を使うこと自体が、 5歳の子供にとってはやさしいことではありません。
小豆は小さくて表面が滑りやすいですから、 1つ摘むだけでも大変です。
手先があまり器用でないFくんは、何度も失敗した後、 1つ目の小豆をやっとつまめたときは、きょとんとした表情をして先生を見ました。先生は黙ってうなずくと、 2つ目の小豆に挑戦しました。
ところがうまくいかず、また先生の顔を見ました。そこで先生はもう一度うなずきました。
こうして成功したり失敗したりしながら、ペースは遅いものの、徐々にできるようになりました。
他の子供よりかなり時間がかかりましたが、 70個の小豆を、別の皿に移し変えることができました。
70個が終わったときには、得意そうにしていました。
今度は70個の小豆を元の皿に戻す練習をして、とうとう、それもやり遂げました。
手先の器用な子供は、その間に3回も移すことができました。
Fくんは家に帰ってから、誰からも言われなかったのに、自分から練習したそうです。
Fくんは、箸で小豆つまむことに最初から興味があったわけではありません。
また、最初のうちはうまくいかず大変悪戦苦闘しました。
それなのに、家に帰ると、自分から練習したのです。
日ごろから努力家というわけではありません。
それなのに自分からやろうとする気持ちになった事は、大変嬉しいことです。

他の子供に比べて動作が遅いと、親はつい「何をもたもたしているの。もう○○ちゃんはとっくに終わっているのよ」ともどかしい気持ちになってしまいます。
子供はまだ未熟ですから、大人のようにはできません。
また、箸の使い方が不十分な子供は、上手な子供に比べて見劣りがします。
そういう子供を否定、非難することは百害あって一利なしです。
子供はすっかりやる気をなくし、小豆を放り投げてしまうかもしれません。

こんな時は、子供が出来るまで近くにいて見守ってあげる。
そして1つの小豆をなんとか移し替えたら、その成功を一緒に喜んであげる。
そのような態度が、子供自身の成功体験に結びつき、満足感と自信でいっぱいになる。
次第に意欲が高まり、粘り強く挑戦するようになる。
これらの行為は子供の自立にとってとても大切なことだと思います。
子供と接触する場合は、大人が「かくあるべし」を振りかざしたりしないで、今現在の子供の状態に寄り添って、子ども自身が一歩上を目指すように見守る態度が大切なのでしょう。
そしてできたことをともに喜ぶ。失敗しても「誰でも最初からうまくはできないのよ」「頑張ればそのうちできるようになるかもね」と励ます。
そうすれば子供はいろいろな能力を身につけて、次第に親から離れて自立していけるようになります。
子育てに森田理論の事実本位の生き方をぜひとも応用したいものです。





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