森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.04.23
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愛甲修子さんは、愛着の形成は胎児期から始まっているという。
そしてそのプロセスは8つありピラミッドを形成している。
一つ一つをクリアーして、次の段階に進むことができる。

1、胎児期
胎児は母親と一心同体で生きている。その命は、すべて母親に委ねられている。

2、出生期
赤ちゃんは産道を通って、子宮内から外界へと生まれ出る。臍帯を通しての胎盤呼吸から肺呼吸に変化させて、母親の胎盤から切り離されて生きていくことになる。

3、自他未分化期
赤ちゃんは養育者に抱っこしてもらい、おっぱいを飲ませてもらって、養育者と一体化した状態で生きている。

4、共感期
赤ちゃんと養育者とが同じ対象を見たり、聞いたり、味わったり、触ったりすることで、感覚器を通して共感し合えるようになる。

5、自他分化期
養育者との間に愛着の絆ができると、見知らぬ人と養育者を区別するようになる。養育者以外の人に不安を覚え、養育者に安心を覚えるようになる。

6、後追い期
養育者に急にまとわりつくようになり、後追いが始まる。

7、移行対象期
赤ちゃんは言葉によって養育者に甘えることが可能になる。
養育者の膝を基地にして、次第に行動範囲を広げていき、移行対象が養育者代わりとなって養育者がいなくなっても大丈夫になる。

8、内在化期
養育者が内在化されて、一人で過ごすことが可能になる。
(愛着障害は治りますか 愛甲修子 花風社 52ページより引用)

このような愛着の発達過程を経ることで、子供は他人への信頼感・安心感を獲得していく。
胎児から1歳6か月までの間で、母子の間で愛着の形成が滞りなく行われると、それは一生ものになる。
当たり前で簡単なことのようだが、現代社会では愛着障害を抱えて、他人に不安や怖れを感じる人が多いのである。信頼関係を気づくことができないので、他人の言動に振り回されるようになる。

愛甲さんは、愛着障害を抱えている人は、2歳から4歳の時の、第一反抗期はないという。
親に反抗するというのは、親が自分を見捨てないという確信が持てた場合にのみ可能になる。
親が心の安全基地だという発達段階を経て、初めて、第一反抗期が訪れる。
親から分離して、自立への第一歩を歩みだすことが可能となるのである。

また愛着障害を持っている人は、依存症に陥りやすいという。
母親に十分に甘えるという発達段階が抜け落ちると、甘えだけが暴走して、依存対象にしがみつくようになる。依存症はアルコール、ギャンブル、薬物、ネットゲームなど様々ある。
親子での愛着の形成の不全感が残ると、信頼という絆がないので一人ぼっちの「甘え」が不特定多数の人や物などへしがみついてあがくことになるのです。

私は対人恐怖症、社交不安障害を抱えている人は、愛着診断テスト(岡田尊司さんの愛着障害という本に記載されている)を行い、愛着の再形成を行ったほうがよいと思う。
森田理論学習は愛着障害の修復とともに行うことを提案したい。





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