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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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鈴木紗理奈さんが１０代の頃、ご一緒に番組に出演されていたと美輪さん。
美「それ以来だから、もう１００年ぶりくらいね☆」
江「ＴＶで観ていると、元気いっぱいというイメージの方が…」
国「なんでもやるっていう。ただ、元気の中にも実はやっぱり…
江原さんとも二年近くいますので、最初に元気という言葉が出たら、
実は違うのかなっていう…」
江「実は繊細な人が多いですからね」

【スピリチュアルチェック】
☆　自分の性格をひと言で→全力投球
☆　小さい頃なりたかった職業→歌手、自衛隊、極妻
☆　毎日かかさずすること→毎日かかさずすることは嫌いなので、ありません。
☆　好きな男性のタイプ→革命家
☆　人生の転機→上京してきたときと、父がなくなったとき。

前世のことなどを楽しみにして来られたにも関わらず
先ほどの江原さんの言葉に少し緊張気味の鈴木さん。
紗「『私、泣くかも、来んかったらよかった…』という気持ちになっています」
国「美輪さんとは、かなりご無沙汰と…」
紗「覚えてくれてるとは思わなくて、感激です」
国「美輪さんはどんな方でしたか？」

紗「もう、このまま、何もお変わりない感じです。不思議な方過ぎて
若いときはあまり理解できなかったです」
国「デビュー作品に近い状態ですよね？」
紗「そうです。東京に出てきて一番初めに出たレギュラー番組ぐらいのときで…」
国「その仕事に美輪さんが出ていたら、それは理解できないですね☆」
紗「訳がわからなかった。『やっぱり芸能界って凄い』って思いました☆」

美「あのときは、地塗り、ファンデーションくらいで
メーキャップもろくにしてなかったんじゃない？」
国「今はコンクリートを塗るときくらいに…☆」
紗「はい。今は私、ノーメイクは絶対にＮＧですから☆」
国「いまのはヒントですよ。『もう一度すっぴんで出たらどうですか？』ということですよ」
美「可愛かったわよ」
紗「絶対に嫌ですよ！絶対に嫌です」
美「そう？」

自衛隊になりたかったという夢の原点は、小学校のときに観た映画
「ターミネーター」のリンダ・ハミルトン。
紗「凄い格好いい走り方をしているのを観て『私、これになる！』と思って
それから筋トレを始めて、戦闘ものとか、『女の人がヒーローになって悪者をやっつける』
みたいなものとか、極妻の岩下志麻さんを観て痺れたり。たくましい女の人に凄く惹かれて。

実家が土建屋で、兄が三人いて、いとこも全員男で、学校に行くまで
女の子と遊んだことがなかったんですよ。だから多分
自然にそういうたくましい女に惹かれたのかなと」
国「女性で、筋肉質の人が格好がいいと思うんですか？」
紗「それと、権力のある女性☆志麻さんみたいな、男でも黙らせるような…」

国「『命（たま）の取り合いやで！』というような☆
『お花屋さんになりたい』とかという気持ちは…」
紗「もう、まったく。周りの女の子が、お花を見て『きれい』とか
『ケーキ屋さんになりたい』『保母さんになりたい』と言っても
『何を言ってるの？おかしいな』と本当に思ってました。
『子供の面倒をみるのって面倒くさい。小さい夢やな』みたいに…」

ＴＶではよく、中学、高校時代の数々の武勇伝を披露してくださっています。
紗「自分ではグレたつもりはないんですけど、好奇心がどんどんエスカレートしていって
そういう不良がやることをやったんですけど、東京に行く前が一番ひどかったですね。
中三くらいからちょっと夜遊びをするようになって、高校に入ってからはもう…。
怖いものがなかった」
国「そこから芸能界に来るんですよね？」

ひとつめの人生の転機が、高校生で一番やんちゃな時代に
事務所の社長さんに大阪でお声をかけられたこと。
紗「怖いもののなかったときだから、社長は結構見た目がいかついんですけれども
いじり倒したんです。それを凄く気に入られて『もう、来年は東京や、来い！』と言われて。

私は中学校のときから英語が大好きで凄く勉強していたので
『留学しようか、芸能界に入ろうか』と悩んでいたくらい、アメリカに行きたかったんです。
お母さんも『この子はここにいる子じゃない』と思っていたみたいで。
親に聞いても『いいよ、行っておいで』と言われたので『じゃあ、行く』と東京に」
この言葉に、江原さんは笑いながら手を振られます。

江「許してくれたんじゃなくて『このままいたんじゃ、ろくな者にならないから。
だったら東京に行った方がいい』」
紗「そうですね…。親心をいま、知りました☆」
国「でも、人生の転機は『東京に出たこと』」
紗「出てよかったと本当に思います。あのまま大阪にいたら、
飛田（大阪の歓楽街）あたりでピンクのライトに照らされていた…と思うぐらい
悪い道に足を踏み込んで出していたので。」
美「面白いわね☆」
紗「だから本当によかったと思います。東京に出てきて、人生が変わって
自分が持って生まれた性格のまま通用する世界だったので」

ふたつめの転機は、お父さまが亡くなられたこと。
紗「東京に出てきても芸能人という自覚がなくて、変わらずに遊んでいて。
お父さんが病気と聞いたときも『人が死ぬ』という実感があまりなくて
大阪に帰っても友達と遊ぶ方が面白いから実家にも寄り付かず、大勢で飲んで騒いで遊んで。

私以外の家族は、みんな毎日お父さんとご飯を食べたり、コミュニケーションを取って
思い出を作っていたのに、私だけまったく省みず…。
お父さんが亡くなったときにそれに気づいたんです。亡くなったのをきっかけに
凄くショックだったのと、それまでの自分の人生を自分で否定して。

それまでは『私の人生は間違っていない』という根拠のない自信があったんですけれど
それが全部打ち砕かれて。ちょうど仕事もうまくいっていなくて、多分
そういう気持ちになったからうまくいかなくなったと思うんですけれども
自分のこともすごく嫌いになって、それから何年も家で読書をしたり。

そのときに中学校のときに好きだった英語を勉強しようと思って英語学校に通って
誰とも遊ばず、家の中に篭っていたことが何年か続いて…」
美「何年ぐらい続きました？」
紗「２２歳ぐらいのときから、２５、６歳くらいまで続いた…。結構長かったです」

美「その間ね、『紗理奈ちゃん、何処に行ったのかしら？
全然、最近見かけなくなっちゃったけれど…いい子だったのに』と思ってたのよ」
紗「家で本を読んでました」
美「いいお勉強をしたのね」
紗「多分、そのときに凄く沈んだから、もう上がるしかなくなったんだと思います」

お父さまとあまりご一緒に過ごせなかったことを、とても後悔していらっしゃるとのこと。
紗「『何でこんなに出てくるの』というくらい、お父さんが夢に出てきて。
『よかった、生きてた。お父さん、私はこう思って、こんなことがあって、今
こんなことで悩んでいるんだけれど、どう思う？何をしたらいいの？』と聞いたら
『時間がなくて、今から行く』とどこかへ行ってしまったりとか
何も言えずに終わる夢を、もう二年くらい見ていて。

だからお父さんが死んだという実感よりも、後悔。もうしょっちゅう泣いていました。
夢を見て、起きたら泣いていて、お父さんのことを思い出して『ああ、おらへんのや…』
私がとても良くなったということを、お父さんは知らないんですよ。

ちょうど遊び呆けて仕事が上手くいっていない時期に亡くなっていて
『もうお前あかんから、諦めろ』ということもお父さんは言っていたんですよ。
今はこうやって精神状態も良くなって、真面目に
ちゃんと地に足をついて歩いている自分を見て欲しいという気持ちがあります」

国「お父さんはどんな人でしたか？」
紗「凄く格好よかったです。いつもパリッとスーツを着ていて、いい匂いをさせて。
土建屋さんで社長をやっていたので、昔は現場に出ていたんですけれど。
小さい頃はすごく貧乏で、お父さんが会社も起こしていなくて
食べる物もないくらい貧乏だったはずなのに、年がゆくに連れて引っ越す度に
家がどんどん大きくなって、お父さんもどんどん格好良くなってゆくのを間近で見ていて。
自慢のお父さんでした」

国「お父さんは何かを言うよりも、行動で…」
紗「もう全然しゃべらないです。人生で怒られたことが３回だけあって
そのときだけはまともにしゃべった。それ以外は『おはよう』と言っても
『おう』と手を上げるくらいで家を出て、釣りに行ったりしてあまり居なかったんです」

明日に続きます。

***
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