全30件 (30件中 1-30件目)
1
「密かに思いはじめたばかりなのに」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。041 壬生忠見(みぶのただみ)生没年不詳。平安時代中期の歌人。右衛門府生・壬生忠岑の子。父・忠岑とともに三十六歌仙の一人。改名→壬生忠実 → 壬生忠見。原文恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしかこひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか現代訳わたしが恋をしているという噂が、もう世間の人たちの間には広まってしまったようだ。人には知られないよう、密かに思いはじめたばかりなのに。
2021.11.30
コメント(23)
「私の恋心が顔色に出てしまった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。040 平兼盛(たいらのかねもり)生年不詳。平安時代中期の歌人。三十六歌仙。父は光孝天皇の曾孫。大宰大弐・篤行王。臣籍降下前は兼盛王と名乗る。官位は従五位上・駿河守。原文忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまでしのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで現代訳人に知られまいと恋しい思いを隠していたけれど、とうとう隠し切れずに隠していた私の恋心が顔色に出てしまい、恋の悩みでもあるのかと人に尋ねられてしまったよ。
2021.11.29
コメント(23)
「どうしてあなたが恋しいのでしょうか」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。039 参議等(さんぎひとし)880~951。中納言・源希の次子、嵯峨天皇のひ孫で、源等のこと。参河丹波、山城守などの官職を歴任した後、参議等の和歌は後撰和歌集に4首。原文浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しきあさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき現代訳浅茅の生えた寂しく忍ぶ小野の篠原ではありませんが、あなたへの思いを忍んではいますが、もう忍びきることは出来ません。どうしてこのようにあなたが恋しいのでしょうか。
2021.11.28
コメント(24)
「私をいつまでも愛して下さると誓った」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。038 右近(うこん)平安時代中期の女流歌人。醍醐天皇の中宮穏子に仕えた女房。元良親王・藤原敦忠藤原師輔・藤原朝忠・源順と恋愛関係があった。村上天皇期の歌壇で活躍した。原文忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかなわすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな現代訳あなたに忘れられる我が身のことは何ほどのこともありませんが、ただ神にかけて わたしをいつまでも愛してくださると誓ったあなたの命が、はたして神罰を受けはしないかと、借しく思われてなりません。
2021.11.27
コメント(24)
「風がしきりに吹きつけている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。037 文屋朝康(ふんやのあさやす)生没年不詳。平安時代前期の官人・歌人。駿河掾(じょう)。平安時代中期の歌人。六歌仙・中古三十六歌仙の一人縫殿助文屋康秀の子。原文白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りけるしらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける現代訳草葉の上に落ちた白露に風がしきりに吹きつけている秋の野のさまは、まるで糸に通してとめてない玉が、美しく散り乱れているようではないか。
2021.11.26
コメント(23)
「月はまだ空に残っているのに」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。036 清原深養父(きよはらのふかやぶ)生没年不明。清原深養父は清少納言の父・清原元輔の祖父にあたる人。古今和歌集に伝えられ、従五位下を賜る。琴の名手で晩年は京都大原に住む。原文夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむなつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ現代訳夏の夜は、まだ宵のうちだと思っているのに明けてしまったが、こんなにも早く夜明けが来れば、月はまだ空に残っているのに、いったい月は雲のどの辺りに宿をとっているのだろうか。
2021.11.25
コメント(22)
「あなたの心も昔のままですよね」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。035 紀貫之(きのつらゆき)平安時代前期から中期にかけての貴族・歌人。下野守・紀本道の孫。紀望行の子。官位は贈従二位。古今和歌集の選者。三十六歌仙の一人。原文人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひけるひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける現代訳さて、あなたの心は昔のままであるかどうか分かりません。しかし馴染み深いこの里では、花は昔のままの香りで美しく咲き匂っているではありませんか。あなたの心も昔のままですよね。
2021.11.24
コメント(27)
「これから誰を友とすればいいの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。034 藤原興風(ふじわらのおきかぜ)平安時代前期の歌人・官人。藤原京家、参議・藤原浜成の曾孫。相模掾・藤原道成の子。官位は正六位上・下総大掾。三十六歌仙。原文誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくにたれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに現代訳友達は次々と亡くなってしまったがこれから誰を友とすればいいのだろう。馴染みあるこの高砂の松でさえ、昔からの友ではないのだから。
2021.11.23
コメント(29)
「どうして花は散っていくの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。033 紀友則(きのとものり)生没年不明平安中期。紀貫之の従弟または甥。少内記、大内記を歴任。三十六歌仙の一人。古今集の選者だったが古今集が完成する前に他界。原文久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ現代訳こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか。
2021.11.22
コメント(26)
「流れきれずにいる紅葉」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。032 春道列樹(はるみちのつらき)生年?~920。醍醐天皇の頃の歌人。従五位下雅楽頭・新名宿禰の子供。延喜二十年(920年)壱岐守に任ぜられたが、出発する前に亡くなった。原文山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけりやまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり現代訳山あいの谷川に、風が架け渡したなんとも美しい柵があったのだが、それは 吹き散らされたままに流れきれずにいる紅葉であったではないか。
2021.11.21
コメント(21)
「この明るさは有明の月の光か」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。031 坂上是則(さかのうえのこれのり)生没年未詳。平安時代前期から中期にかけての貴族・歌人。右馬頭・坂上好蔭の子。官位は従五位下・加賀介。三十六歌仙の一人。原文朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき現代訳夜がほのぼの明けてきて辺りは白く明るくこの明るさは有明の月の光かと思ったが雪だった。月の光と見まがうほど あたり一面薄雪がともって明るんでいおり、ここは吉野なのだ。
2021.11.20
コメント(22)
「有明の月が残っていました」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。030 壬生忠岑(みぶのただみね)860-920。平安時代前期の歌人。三十六歌仙の一人。身分の低い下級武官。歌人としては一流と賞され、古今和歌集の撰者として抜擢された。原文有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなしありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし現代訳あなたと別れたあの時も、有明の月が残って別れの時のあなたはその有明の月のようにつれないものでしたが、あなたと別れてからというもの、今でも有明の月がかかる夜明けほどつらいものはありません。
2021.11.19
コメント(24)
「どれが白菊だか分からない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。029 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)859-925。平安時代前期の歌人・官人。一説には淡路権掾・凡河内諶利の子。官位は六位・和泉大掾。三十六歌仙。宇多朝から醍醐朝にかけ地方官を歴任。原文心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな現代訳初霜も白いので白菊の花を折ろうと思っても、どれが白菊だか分からない。初霜でまぎらわしくなっているから、無造作に折ろうとしても折れるだろうか。いずれが霜か白菊の花か見分けもつかないほどなのに。
2021.11.18
コメント(23)
「尋ねてくれる人も途絶え」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。028 源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)生年?~939年。光孝天皇の皇子・是忠親王の子供。皇族を離れ源姓を賜わる三河、相模、信濃、伊勢などの国司を歴任。三十六歌仙のひとり。原文山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へばやまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば現代訳山里はいつの季節でも寂しいが、とりわけ冬は寂しく感じられる。尋ねてくれる人も途絶え、慰めの草も枯れてしまうのだと思うと。
2021.11.17
コメント(26)
「見た事もないが恋しく思ってしまう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。027 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)藤原兼輔(かねすけ)。屋敷が賀茂川の堤にあったので堤中納言とも呼ばれた。877~933年。平安初期の歌人。藤原冬嗣の孫。三十六歌仙のひとり。原文みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむみかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ現代訳みかの原から湧き出て、原を二分するようにして流れる泉川ではないが、一度も逢ったことがないのに、その人をいつ見たといっては、恋しく思ってしまう。本当は一度たりとも見たこともないのに。
2021.11.16
コメント(28)
「美しさを失わないでおくれ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。026 貞信公(ていしんこう)藤原忠平(ただひら) (880-949年) 関白太政大臣 藤原基経(もとつね)の四男。兄・時平の早世後に朝政を司り、延喜の治と呼ばれる政治改革を行った。原文小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむをぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ現代訳小倉山の峰の美しい紅葉の葉よ、もしお前に哀れむ心があるならば、もう一度天皇がおいでになるまで、散るのを急がず、その美しさを失わないでおくれ。
2021.11.15
コメント(23)
「共に一夜の小寝葛さねかずら」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。025 三条右大臣(さんじょううだいじん)(873~932)三条は藤原定方(ふじわらのさだかた)の事。京都三条に屋敷。三条右大臣は和歌や音曲に優れ、平安時代中期を代表する政治家でもある。原文名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがななにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな現代訳恋しい人に逢える逢坂山、共に一夜を過ごせる小寝葛さねかずらが、その名に違わぬのであれば、逢坂山のさねかずらを手繰り寄せるように、あなたのもとにいく方法を知りたいものです。
2021.11.14
コメント(21)
「美しい紅葉を捧げます」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。024 菅家(かんけ)845-903 菅原道真(すがわらのみちざね)平安初期の公卿。漢学者/政治家。宇多・醍醐の両天皇に信頼され右大臣に。左大臣藤原時平たちの讒言で大宰権師に左遷され、延喜三年、九州の地で亡くなる。原文このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまにこのたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに現代訳今度の旅は急いで発ちましたので、捧げる幣(ぬさ)を用意することも出来ませんでした。しかし、この手向山の美しい紅葉をぬさとして捧げますので、どうかお心のままにお受け取りください。
2021.11.13
コメント(19)
「思い起こされ物悲しい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。023 大江千里(おおえのちさと)平安時代前期の貴族・歌人。参議・大江音人の子または大江玉淵の子。官位は正五位下・式部権大輔(たいふ)。中古三十六歌仙の一人。原文月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねどつきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど現代訳秋の月を眺めていると、様々と思い起こされ物悲しいことです。秋はわたしひとりだけにやって来たのではないのですが。
2021.11.12
コメント(21)
「嵐となるであろう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。022 文屋康秀(ふんやのやすひで)生没年不明。平安時代前期の官人・歌人。文屋宗于、文屋真文の子。官位は正六位上。縫殿助(呉服師)。六歌仙および中古三十六歌仙の一人。原文吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ現代訳山風が吹きおろしてくると、たちまち秋の草や木が萎(しお)れてしまうので、きっと山風のことを嵐(荒らし)というのだろう。
2021.11.11
コメント(25)
「とうとう有明の月が出る頃」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。021 素性法師(そせいほうし)平安時代前期から中期にかけての歌人・僧侶。桓武天皇の曾孫。遍昭(良岑宗貞)の子。俗名は良岑玄利。宇多天皇時代 三十六歌仙の一人。原文今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかないまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな現代訳今すぐに行きましょうとおっしゃったので、その言葉を信じて九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出る頃を迎えてしまいました。
2021.11.10
コメント(24)
「もう身を捨てたのと同じこと」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。020 元良親王(もとよししんのう)890-943 平安時代中期、陽成天皇の皇子。 寛平(かんぴょう)2年生まれ。 母は藤原遠長の娘。平安前期の皇族で公卿。醍醐寺に塔の心柱を施入。原文わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふわびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ現代訳あなたにお逢いできなくてこのように思いわびて暮らしていると、今はもう身を捨てたのと同じことです。いっそのこと、あの難波のみおつくしのように、この身を捨ててもお会いしたいと思っています。
2021.11.09
コメント(22)
「一生を過ごしてしまえと」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。019 伊勢(いせ)平安時代の日本の女性歌人(872年-938年頃)。女房三十六歌仙の一人。伊勢守の娘。宇多天皇の寵愛を受けて皇子を産み、伊勢の御と呼ばれた。原文難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとやなにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや現代訳難波潟の入り江に茂っている芦の、短い節と節の間のような短い時間でさえお会いしたいのに、それも叶わず、一生を過ごしてしまえと、どうして、あなたは言うのでしょうか。
2021.11.08
コメント(25)
「人目を避けて出てきてくれないの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。018 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)藤原敏行は平安時代前期の貴族・歌人。藤原富士麻呂の長男。三十六歌仙。888年五位蔵人に1年ほどで病気辞任。896年従四位下に半年ほどで病気辞任。原文住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむすみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ 現代訳住之江の岸に寄せる波の寄るという言葉ではないけれど、夜でさえ夢の中で私のもとへ通う道でさえ、どうしてあなたはこんなに人目を避けて出てきてくれないのでしょうか。
2021.11.07
コメント(24)
「屏風の絵に合わせ和歌を付けた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。017 在原業平朝臣(ありわらのなりひら)(825―880)平安時代初期から前期にかけての貴族歌人。平城天皇の孫。贈一品・阿保親王の五男の意で在五(ざいご)中将、在中将ともよばれる。原文ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとはちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは現代訳川面に紅葉が流れていますが、神代の時代にさえこんなことは聞いたことがないのですが、竜田川一面に紅葉が散りしかれて、流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは(屏風の絵に合わせ和歌を付けた)
2021.11.06
コメント(22)
「待っていると聞いたなら」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。016 百人一首では中納言行平。在原行平(ありわらのゆきひら)。平安初期から前期にかけての公卿・歌人。平城天皇の第一皇子の弾正尹・阿保親王の次男。官位は正三位・中納言。原文立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来むたちわかれ いなぱのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ現代訳あなたと別れて因幡の国の稲羽山へ行くけれども、稲葉の山の峰に生えている松のように、あなたが待っていると聞いたなら、すぐにも都に帰ってまいりましょう。
2021.11.05
コメント(20)
「着物の袖にも雪が降りかかり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。015光孝(こうこう)天皇- 仁明(にんみょう)天皇第3皇子。884年―887年在位。藤原基経(もとつね)の意向で55歳で即位。日本の第58代天皇として3年。原文君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつきみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ現代訳あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいましたが、春だというのにちらちらと雪が降ってきて、私の着物の袖にも雪が降りかかっています。それでも、あなたのことを思いながら、こうして若菜を摘んでいるのです。
2021.11.04
コメント(22)
「きっとあなたの所為に思い乱れて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。014河原左大臣 嵯峨(さが)天皇の皇子(822-895) 源融(みなもとのとおる)の事17歳で元服し家臣となって源氏の姓を受け、従一位左大臣まで出世した。原文陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくにみちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに現代訳奥州のしのぶもじずりの乱れ模様のように、心も恋の為に乱れていますが、きっとあなたの所為にこのように思い乱れているに違いありません。しのぶ(忍)福島県信夫地方で作られていた乱れ模様の摺り衣(すりごろも)
2021.11.03
コメント(25)
「今では淵のように深くなった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。013陽成院(ようぜいいん)(868~949年)は清和天皇の第一皇子。876年9歳の時父より譲位第57代天皇に即位。病気で15才で廃位、皇位を孝徳天皇に譲る原文筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬるつくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる 現代訳筑波の峯から流れてくるみなの川も、せせらぎが深い淵をつくるように私の恋もしだいに積もり、今では淵のように深いものとなってしまった。
2021.11.02
コメント(23)
「吹いて閉じてくれないか」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と百人一首の和歌の研鑽を公開してます。012僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 平安時代前期の僧であり歌人。俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)大納言・良岑安世の八男。三十六歌仙の一人。原文天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむあまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ 現代訳空吹く風よ、雲の中にあるという天に通じる道を吹いて閉じてくれないか。天に帰って行く乙女たちの美しい舞姿を、暫く地上に留めておきたいのだ。
2021.11.01
コメント(24)
全30件 (30件中 1-30件目)
1