[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2018.03.20
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今回は、幾つかのキーワードから、イエスとシエル達の関連性を調べてみたい。
先ずは、「蒼き星」に注目してみよう。

最初は、東方の三博士にイエスの誕生を知らせたという「ベツレヘムの星」かと考えたのだが、これはやはり「シリウス」を指しているようだ。
日本でも、かつては「大星」や「青星」と呼ばれていたらしい。
夜空に輝く星々の中で最も明るい恒星だけあって、世界各地に様々な伝承や名称が伝わっている。

古代エジプトでは、ナイル川の氾濫を知らせる重要な星として神格化され、女神「イシス」の化身とされた。
以前に紹介したオシリス の妻であり、ホルスの母親だ。

このイシスは「永遠の処女」であり、夫オシリスの死後、処女のままホルスを身籠ったと言われている。
また、「幼いホルスに授乳するイシス」像の造形などが「母性」の象徴となり、キリスト教では聖母マリアへの信仰に繋がって行く。
そして、マリアの息子と言えば、当然イエスだ。


(左…イシス / 右…聖母マリア)

今回の考察は「Noël(ノエル)」から始まったのだが、この「星」に注目すると、弟シエルの本名はやはり「光」を意味する「lumière(リュミエール) 」ではないか、という気がする。
「ノエル」よりも響きが可愛いし、「ベツレヘムの星」とのダブルミーニングとも取れる。
何より「lumière」には、彼が好きな「miel(フランス語で蜂蜜の意)」が隠れているのだ…(笑)。

とは言え、カノープスや他の星との関連性は見付けられなかったので、これだけでシエル達とイエスを結び付けるのは、さすがに無理がある。
ただ一つ確かなのは、カノープスからシリウスに向かって線を引いた時に、その延長線上に「双子座」があるという事だ。


では、次にその「双子」はどうだろうか。
「イエス」と「双子」に共通点など無いように思えるが…。

実は、12使徒の内の一人、聖トマスはイエスの「双子の兄弟」という説がある。
(キリスト教の異端派「グノーシス主義」では、イエスとトマスは「聖なる双子」と見做された)
そもそも「トマス(Thomas)」という名前の語源は、アラム語で「双子」を意味する言葉だ。

また、このトマスには、イエスの復活を知らされた時、「彼の傷痕をこの目で見て、その傷痕にこの指を差し入れるまでは信じない」と言い、ただ一人その復活を疑ったという逸話が残っている。
まるで、兄シエルの復活に狼狽する、今の弟の心情を物語っているかのようだ。

因みにだが、12使徒の内で聖小ヤコブと呼ばれる人物も、イエスと見分けが付かないほど瓜二つだったと言われている。
(イエスが逮捕される場面で、ユダは彼に接吻するのだが、これはイエスと小ヤコブを見分けるためだったという説がある)
ダ・ヴィンチの代表作『最後の晩餐』でも、この小ヤコブはイエスとそっくりに描かれている。


(左…小ヤコブ / 中央…イエス / 右…トマス)


その12使徒の中で最も有名な人物と言えば、やはりイエスを裏切ったユダだろう。
彼はイエスが磔刑に処された後、自らの罪を悔いて首吊り自殺するのだが、シエル達に関わる人物の中で「自殺した者」と言えば…。

葬儀屋(アンダーテイカー)

もし、彼の正体がユダであり、悔恨の念から「イエスの血脈を守りたい」という意思が生まれたのだとすれば、死神派遣協会を離脱してまでファントムハイヴ家に執着するのも納得がいく。
その対象こそがクローディアであり、その息子ヴィンセントだったのではないか…。
(彼らが死神を認識できるのも、イエスの末裔ならば説明がつく)

そう思ってクローディアの遺髪入れに目をやると、中央に描かれているものが、イエスが磔刑の際にかぶらされた「荊(いばら)の冠」に見えて来ないだろうか。

そして、それと交差するように描かれた「メビウスの輪」は、イエスの血脈が途切れる事無く、連綿と続いている事を暗示しているのではないか…。


では、イエスの血脈と英国を結び付けるものは何か…。


次回は、史実の側からファントムハイヴ家の謎に迫ってみたい。
そして(これは全くの偶然なのだが…)、この流れの中に前回紹介したステュワート家も絡んで来るのでお楽しみに。



せっかくなので、今回も補足を。
近年ではユダの裏切りに関する解釈も様々になり、決して金銭目当てで裏切った訳ではないとする意見が主流になりつつある。
興味がある人は、Wikipediaで予習してから、こちらの2本の映画を観てみて欲しい。


イスカリオテのユダ → Wikipedia【 裏切りにおける解釈


映画【最後の誘惑】… マーティン・スコセッシ監督、ウィレム・デフォー主演


映画【ジーザス・クライスト=スーパースター】… 劇団四季でも上演されたロック・ミュージカル
​ ​
(左…映画版 / 右…舞台版)


どちらも、イエスを一人の「生身の人間」として描いた問題作だ。
自らの進むべき道に迷い、これから訪れる運命(=死)に怯え、葛藤するイエス。
そして、誰よりも深く彼を敬愛し、また理解するが故に、民衆の熱狂によって「人の子」が「神の子」へと祀り上げられていく光景に戸惑うユダ。
その両者の「友情」に、マグダラのマリアの「愛」が絡みながら物語は悲劇へと向かって行く。

イエスとユダに対する印象が、随分と変わるのではないだろうか。
(ただし、当然ながら、これが真実という訳ではないので、鵜呑みにはしないように…)

【ジーザス・クライスト=スーパースター】で、イエスが死への不安を神に告白する場面に歌われる名曲『ゲッセマネ (I Only Want To Say)』。





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Last updated  2018.06.05 21:44:30
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