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2009.01.25

山形ショックか　２期連続現職敗退

(2)

カテゴリ：東北

接戦だった。現在ほとんどの票が開いているが、

吉村　320,323
斎藤　309,612

である。夕方に投票率を見たときは、前回より何ポイントか高いから、ひょっとすると最終投票率は60%台の半ばで、とすると浮動票をさらって吉村候補が優位になるかも知れない、と思っていた。私は、２日前に、

投票率52%程度
斎藤、吉村両氏とも25万から26万票程度で接戦

と一応書いたのだが（1月23日の日記）、相当投票率が上がらなければ、おそらく現職優位だろうと思っていた。最終の投票率は　65.51%　である。相当高い。前回の59.32をかなり上回った。意外だった。

そして、帰宅してから見たTVで、吉村候補当確を知った。まだ得票数は斎藤候補の方が高かったが。

帰宅中の車の中であれこれ考えていた。投票率が65%まで来れば、おそらく４万か５万の差で吉村氏ではないか、と。国政の不満が知事選の投票行動を駆り立てて、見た目は僅差ながら実態は投票率底上げによる地滑り型勝利か、と勝手に考えていた。

しかし、結局は相当の僅差だった。やはり投票率が上がったことが勝負を分けたと思う。

ちょっとだけ分析を試みる。投票率は市部で上昇した（前回から6.81ポイント上昇。郡部は4.14）が、特に、山形（8.14）、米沢（12.22）、東根（11.01）などが顕著に上昇したのに対して、酒田（-0.09）や鶴岡（0.90）などは横ばい。特に酒田は、他の市部が投票率60%台であるのに、ひとり56.48と「冷めて」いる。

これら市部の投票率の増加が、おそらく吉村氏に有利に働いただろう。そして、各市の吉村氏の得票率を見ると（選管23時30分現在の速報ファイルから計算）、高いところでは

山形市　0.57（14,688票の差）
酒田市　0.56（6,412票の差）
新庄市　0.57
寒河江市　0.55

などとなっている。逆に吉村氏の得票の低い市では、

東根市　0.35
村山市　0.44
鶴岡市　0.47
米沢市　0.48

などとなっている。やはり山形市の得票がモノを言って、市部全体では吉村氏が0.5032の得票率。３千票差。それにしても接戦だ。酒田や鶴岡の投票率が上がらなかったことからすれば、庄内の与党組織票が機能しなかったのが斎藤候補の敗因と言えるようにも思う。

ちなみに郡部計では、0.5256で、7,680票の差。西村山郡や最上郡で吉村氏が強さを見せた。この辺はある程度予想通り、だろう。ただ、思ったより吉村票が底上げしていた、と言えるかも知れない。

国政との関連はよくわからないが、麻生政権に不満な層がＮＯの意思表示に投票所に足を向けた、と言えるようにも思う。私は、国政と地方政治の位相の差から、さほど投票率は上がらないと思ったのだが、現下の経済情勢に国民県民の苛立ちは相当の強さに燃え上がっている、ということなのかも知れない。

小沢代表は、当初予算提案直後の解散を念頭にした発言をしたというが、自民党は「山形ショック」に肝を冷やしているに違いない。

そして、山形県政はどうなるのだろうか。現職の改革路線を change と謳ったから、生活者路線になるのだろうか。そして、意外とﾎﾟｲﾝﾄとなるかも知れないのが、共産党（県議会に２議席）だ。僅差だっただけに、独自候補を立てずに吉村支持をした共産の意向を無視できない。

２期連続の現職敗退。そして、２期とも、与党候補が接戦で敗れた。どうなる、山形政界。

■関連する過去の記事
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