仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.08.14
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カテゴリ: 宮城


各駅停車の旅で眺める風物はさまざまな連想を呼ぶ。一つ前の瀬峰は、ホームのローマ字駅名がフランス語風だ。スミーヌ。次の梅ヶ沢はドイツ語的。ウンメガザヴァとでも。

それはともかく、梅ヶ沢駅のホームは静かだった。瀬峰駅から梅ヶ沢駅に至るあたりは、丘陵部を切り開いて線路が敷かれているため、駅も閑静なのだ。そもそも何故ここに駅があるのだろう。駅間距離も意外と近いが、無理して設けるほどの必然性も感じられない。

この梅ヶ沢駅は、一体「どこに」あるのか。鉄道の旅で通過するとしても、車で駅に行こうとすると、いざどこからどう道をたどっていくか思い浮かばない。もとより宮城県北部の東北本線は奥羽街道からはずれて特殊なルートをとっていることもあるが、それでも瀬峰や新田は何とか車で行ける。しかし、梅ヶ沢だけは、どうやって駅に行けるのか、よほど地図を丹念にみないとわからない。

そこで、地図をもとに先日ついに訪れた。瀬峰駅前から県道を北上。信号を右折して県道は佐沼方向に向かうが、道はそのまま上り坂となって丘陵部を駆け上り、切り通しとなった東北本線を眼下に跨ごうとする。そのオーバーパスする直前に、普段は気にも留めない細い道に左折して入り込んでみる。舗装はされているが、鬱蒼と繁る木々に囲まれたズバリ山道だ。

しばらく北に向かって道を進むと、開墾地のような水田と畑の丘陵に出る。山道なのだが実は、切り通しの東北本線と概ね平行に走っており、それが証拠には1キロほど進むと、道路右側に実にさりげない踏切が登場する。これを渡って(東方向に)道を進むと、新田第二小学校や長沼に出るようだが、いったん道を戻って、ふたたび例の併走山道を北に進む。やや線路とは離れてくるが、丘の上の風情のある辻を右に(東に)折れて線路方向に降りていくと、新生園踏切に出る。実は、さきほどの辻を踏切方向とは逆に(西に)進むと東北新生園に至るようだ。

さて、丘の上の辻から新生園踏切に降りていく道も、段々の水田と数軒の農家が見える、実に穏やかな東北の農村風景だ。踏切を渡るとまた山道が続くが、両側に家屋が並び出す。街村の中に駅に降りる取り付け道があり、駅にたどり着くことが出来る。この十字路付近には駅前簡易郵便局などもある。駅には数台の車が停めてある。通勤客のものだろうか。

駅からもどって一本道の街村をさらに東に行くと、やっと平坦部に降りて県道に出くわす。これを北に行けば本線をガードでくぐって、築館や新田駅方面に行くことが出来る。

なお、私は敢えてなるべく鉄道に近い山道を選んで瀬峰側から入って新田側に抜け出てみたが、もし梅ヶ沢駅へのアクセスを的確に案内するなら、県道佐沼登米線(瀬峰から佐沼に至る)の、上述した東北本線オーバーパス部分を過ぎてしばらく行ってから左折して「駅前集落」に行くルートが良いようだ。

■関連する過去の記事
秘境駅ランキングと東北 (10年8月22日)





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最終更新日  2011.08.14 13:42:24
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