仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.09.03
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カテゴリ: 宮城
西村京太郎『東北新幹線殺人事件』(初出1982年、文庫版は光文社1983年)によると、白石蔵王駅は政治駅とされ、その決定に至る経緯が事件のモチーフにもなっている。

開業時に在来線駅と併設しない唯一の駅だった白石蔵王駅は、東海道新幹線の岐阜羽島と同様に、田んぼの中に出来た政治駅だ。新幹線建設に伴い土地買占め騒動が起きた。最初は当然、在来線の白石駅に並べて作るものと考えられ、白石駅周辺の土地が暴騰した。しかし、いざとなると新幹線は白石駅から800メートルも離れたルートとなってしまった。だが、驚いたことに、東京の大資本某興業は既にその線路に沿って土地を買い占めていた。情報が某興業に流れていたのだ。さらに、その後国鉄が、仙台と福島の間には駅は作らないと発表して線路周辺の土地はむしろ値下がりしてしまう。同様にルート情報を察知して土地を買い漁った後に落胆していた者たちから、某興業は安く買いたたいて完全に買い占めたとたんに、今度は、突然駅ができることになった。政治家を動かした某興業と国鉄に、すっかり出し抜かれたのだった。

作品の中ではこのように描き、東京の土地資本が政治家を動かして無理矢理作らせた駅だとしている。

実際の感覚として、白石に駅を設けるのならどうして在来駅併設にしなかったのか、不思議に思う。白石駅を避ける何らかの理由があったとしても、それならば東北本線と交差する場所に新駅を設けることも可能だったろう。

まちづくりの観点からしても、是非とも在来線駅と結合させるべきだったと思うのだが、どうだろうか。

■関連する過去の記事
鉄道最長の直線区間は宮城県 (2011年8月28日)





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最終更新日  2011.09.03 13:26:21
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