仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.09.05
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カテゴリ: 雑感
暑い夏の一日、奈良市にいた私は短い時間の間で、何とか名所を回ってみたいと思案していた。旅館の親切なご夫妻が、自転車を使って良いよと言ってくださったので、用事の翌朝の5時から巡ってみた。

本当の古都散策なら、中に入ってしっかり味わって回るべきなのだが、かけられる時間も少なく、ともかくは目に見て雰囲気だけでも体験して来ようと...

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朝5時の東大寺周辺はもう鹿が歩いていて、餌やりのおじさんや早朝散歩の人たち。南大門を呆気にとられながらしばらく見上げて、奈良公園、奈良ホテル、五重塔で鐘の音を聞く。6時だったのだろう。興福寺、猿沢池は、高校の古文を思い出す。

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今度は三条通を一路西へ。都跡小学校の辺りで道を曲がって、唐招提寺と薬師寺方面へ。秋篠川沿いに、自転車道が整備されている。思ったより田んぼが多くて、散歩やジョギングの人が多いが、東大寺とは違って地元の方々のようだ。

実は、もう25年ほど前なのだが学友達と訪れたことがあった。当時は、深く歴史を探訪する気持ちも無かったが、それでも東大寺大仏殿に入り、薬師寺でも境内に立ち入って東西の塔を見上げた記憶がある。

楽しい思い出なのだが、あのとき、薬師寺に行くときに友人が停めた駐車場から、田んぼを眺めながら竹藪のようなところの脇道を歩いた思い出がなぜか印象的に記憶に残っていた。そこにもう一度身を置いてみたかった。
(1300年の歴史より25年間の小さな私感を優先する人間の小ささ。嗚呼。)

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たぶん、この辺りだったのかな、と。田んぼの中の道を、親子が散歩していた。おはようございます。薬師寺は修理をしているようで、巨大な鞘がかけられていた。

宿にもどると、もう7時過ぎ。ご主人が、古い自転車で大変だったでしょう。いやいや、本当に助かりました。爽やかな気分になりました。奈良の町、大変良かったです。

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(この写真は、一緒にがんばってくれた自転車君。背景は、県道から唐招提寺に向かう入り口。)

歴史の深みと向き合ったと言えるほどではないのだが、おそらく2度目でこれが最後かもしれない奈良のひととき、道路と田んぼと、多少の鹿の糞をみただけなのだが、自分の足で風を感じて、自分史に向き合えて良かった。これが本心だった。変わった客に見えただったろうが、宿のご主人の、仙台育英を応援していたよ、勝ってほしかったねとの言葉が、何ともうれしかった。

9時には電車の乗客となって次の仕事の地に向かったのだが、ぜひいつかまた奈良に来たい。そのときはじっくり時間をかけて、しっかり歴史に向き合いたい。そして、できればあの旅館の自転車で回りたい、と願いながら、車窓から奈良の街並みを見送っていたのだった。





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最終更新日  2015.09.06 00:19:33
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