仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2016.02.26
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カテゴリ: 国政・経済・法律
ついに今日、全国集計がでた。報道としては、まず、国勢調査人口が初めてマイナスになったことや東京集中が進んでいることが言われている。だが、東北人としては、震災の影響を含む東北の真の姿がどうだったか、だ。

今回は人口や世帯数だけなので、年齢区分別や通勤通学状況などがわからないから詳しい分析はできないのだが、それでも象徴的ながらも、かなりのことが浮かび上がっていると言えるだろう。

まず、人口減少。秋田県が全国で最高(最低)の減少率。5.8%だ。下位から、秋田、福島、青森、高知、山形、和歌山、岩手...と、東北が際だっている。このうち、福島は前回国調より大きく下がったのは大震災の影響だが、その他の県は、前回も高い減少率であったのが更に低下していることは深刻だ。

比較するに、鳥取、島根は前回の減少率よりは持ち直している。実は、東北では岩手もそうだ。秋田、青森、山形とはこの点で分かれた形だ。

次に、大震災の影響。これは複雑だ。福島県が大きく減少したのは、全町避難で人口ゼロの4町を抱えるなどの特殊事情だが、市町村単位で見れば、岩手、宮城でも激減の市町村が多い。全国の市町村で人口減少数が高いのは、北九州市、長崎市に次いで、第3位が石巻市(13590人)だ。また、気仙沼市が12位。逆に仙台市は全国7位の増加数(36199人)で、これは震災の影響と無縁ではない。宮城県全体では前回より減少率が増加したものの、減少した道府県中では、大阪、広島に次いで3番目の「好成績」だった。大震災は、津波被害地で人口減少をもたらした一方で、内陸部に人口移動と集中を招いているのである。

なお、人口減少率の高い市町村でみると(全域が避難指示区域の町村を除く)、楢葉町(-87.3%)を筆頭に、女川町(-37.0)、南三陸町(-29.0)、川内村、山元町と続く。悔しくて悲しいことだ。逆に増加率の高いのは、大和町(全国第3位で13.5%)、富谷町(全国第13位)がある。

東北の各県も、地域によってずいぶんと事情が異なるということだ。

最後に、世帯増減率について触れておきたい。沖縄がダントツで第一位。7.6%の増だ。次いで第2位が何と宮城県で、4.8%だ。以下、東京、埼玉、愛知と続く。宮城の2位はもちろん大震災の影響だろう。世帯あたり人員は、前回(平成22)の2.60から2.47と大きく下がった。

東北各県の情勢、また前にちょっとふれたが、男女比などについて、後に調べて記します。

■関連する過去の記事(平成27国勢調査関係)
福岡市の人口が神戸市を上回る (2016年2月21日)
人口の男女比の地域差を考える (2016年1月14日)
国勢調査速報と山形市の人口ビジョン (2015年12月28日)





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最終更新日  2016.02.26 22:16:49
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