仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2022.05.11
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カテゴリ: 東北
日本三大美人の筆頭とされる秋田。秋田に美人が多いとされる根拠について。

■宇田川勝司『謎解き日本列島』ベレ出版、2020年

その1  雪国で日照時間が短く、紫外線が少ない → 美白の肌
その2  古来北アジアと交わり、ロシア人の遺伝子を受け継ぐ
その3  桃山時代末に水戸から移封された佐竹氏が旧領内の美女をみな連れてきた

その1については、ニッポン美肌県グランプリ2018(ある化粧品会社)では、1位島根、2位秋田、3位石川、4位富山。雪国に美白の女性と言えそうだが、秋田は今回の2位が過去最高で、ナンバーワンではない。
その2は、秋田の人だけに他地域にはないヨーロッパ人類似のDNAが検出されることが根拠というが、ロシア人が太平洋岸まで進出した(おだずま注:原文ママ)のは17世紀以降で現実性に欠ける。
その3の連れ去り説は、同様の話が各地にみられる。

そもそも秋田には本当に美人が多いのか。

まず、1952年から開催されているミスユニバースの日本代表や入賞してモデルや女優として活躍している約100人の出身地は、最多は東京の19人、青森、宮城、福島があるが、秋田はない。
美容関連の会社による女性体型メリハリ度ランキングでは、秋田県は44位。さらに、女子中高生の肥満度調査では全国1位だ。

では、確証がないのになぜ秋田美人というのか。

明治の終わりころに秋田には銅などの鉱山が多くあり、歓楽街には芸者など多くの女性が働いていたが、秋田を訪れた文人たちが秋田美人と呼んだことが、どうも始まりらしい。
秋田が日本一の美女と名高い小野小町の生まれた土地ということもあって、以後、秋田美人という言葉が広く定着したようだ。
秋田美人とは、ミスコンに出場するスリムな美人ではなく、純日本的な色白のポッチャリ型の女性をいうのだろう。
なお、人口当たり美容院数は全国第1位で、女性の美意識は高い。
(以上)



引用とはいえ、女性の容姿をことさらに言い立てるような表現があることはご容赦ください。そもそも女性だけに結びつけて美人という表現や考え方自体が、問題なのかも知れません。

上記に紹介した中で非常に興味深いのは、秋田には他地域にないヨーロッパ型DNAが検出されるという指摘。かつて記事にも書きましたが( なまはげと東北人の記憶を考える (10年4月27日))、男鹿半島には大柄で色白の女性がみられるといいます。
なまはげは秘密結社として世界の古代社会に普遍的にみられる文化と言われますし、他方で、なまはげの起源には漂着したロシア人が関係しているという見方もあるそうです( 秋田ナマハゲは秘密結社か 再論 (2010年5月20日))。
また、鬼とは、ロシア人など外国人がモデルだったという説もありますね。
三大美人の筆頭、などという現代の軽い物言いのように見えて、実はわれら東北人が古来世界と交流する中で形作ってきた精神文化の基層をなす一部だったりするかも。言いすぎですが。

■関連する過去の記事
日本三大美人と秋田 (2016年1月31日)
小野小町 (2011年7月23日)
秘密結社とナマハゲ (2011年6月4日)
海の民、山の民 (2010年12月25日)
秋田美人を考える (2010年12月23日)
秋田ナマハゲは秘密結社か 再論 (2010年5月20日)
なまはげと東北人の記憶を考える (10年4月27日)
秋田なまはげは秘密結社か (07年8月13日)





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最終更新日  2022.05.11 20:03:10
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