この絵は同氏著「常設展示室」の第4篇「薔薇色の人生 La Vie En Rose」にも取り上げられています。フィクションとして「ゴッホの薔薇」はフランスから持ち帰った祖父の死後は主人公「御手洗由智」の父が譲り受け、それがどんな絵なのか全く知らなかった主人公が父のアルツハイマー症の治療費のため絵を古物商に持ち込んだ事でゴッホの絵だという事を知るという展開です。祖母がフランス人(小説では藤田嗣治のかつての恋人)でフランス語が堪能ながらフランスへは一度も行った事がなくやっとフランスへ旅行できる時間の余裕が出来てパスポートを申請に行った御手洗がパスポート発行のアルバイト職員の多恵子と職場の壁に掛けられた「La Vie En Rose」と書かれた色紙について会話を始めたところから話は始まっています。最後は一体御手洗とはどんな人物なのかという謎を残しながら、御手洗が残した国立西洋美術館のチケットで多恵子がゴッホの薔薇と対面するところで小説は終わっています。 「薔薇」国立西洋美術館・松方コレクション ガシェ
家遺族が「オルセー美術館蔵」に寄贈