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自分ってどんな人? 知的障害者のワークショップ知的障害者の自己理解を促すワークショップがこのほど都内で開かれた。障害分野の研究者や教諭などで構成する「オープンカレッジ東京」(代表=菅野敦・東京学芸大副学長)の主催で、19~53歳の知的障害者44人が参加した。(http://oct.intelligenceworks.org/log/eid71.html) ワークショップでは、かつて全日本手をつなぐ育成会(解散)が作ったプログラムを使用。講師は開発に携わった吉川かおり・明星大教授と、元同会職員の羽村龍氏が務めた。 「まずは自分が好きなコンビニごとに集まってみましょう」。 講師のかけ声で、参加者はグループを作った。そして、具体的にどんな点が好きか問われると、参加者からは「コーヒーが安い」「からあげがおいしい」「自分の家から近い」などの意見が上がった。 羽村氏は「自分が好きなことを話すと気分が良くなり、相手と仲良くしたいと思いませんか。初対面の人とは好きな季節を話すといいかもしれませんね」とアドバイスした。 続いて、自分と他人の考え方の違いを知るクイズを行った。「お酒を飲めるのは20歳からである」という常識的な質問では、正解者が多く出た。ところが「元恋人に頻繁に電話しても良いか」「障害のある人は結婚できるか」といった質問は回答が分かれる結果となった。 また、「仕事」「友達」「夢」などについて、一人ずつ語るグループワークや、障害とはどういうものか紙に絵や文字で表現する課題もあった。 ワークショップ後、養護学校を卒業後15年にわたり工場で働いているという男性は「ちゃんと働くには、人間関係がとても大事。今回自分の好き嫌いが改めて分かって良かった」と感想を語った。 また、吉川氏は「キャリア教育は自分を理解することでもある。自分と他者の評価がかい離するとうまくいかなくなる。もっと自分の可能性を知ってもらえれば」と話した。 オープンカレッジ東京は、松矢勝宏・東京学芸大名誉教授が20年前に養護学校卒業生が社会人として生活するために必要なスキルを学べる場をつくろうと立ち上げた。高等部教育の延長ではなく、職場の人間関係や金銭管理、男女交際などをテーマに年4回開催しているという。 【福祉新聞 http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/7607 】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】障害の重い子どもの目標設定ガイド 授業における「学習到達度チェックリスト」の活用 徳永豊/編著実践を伴う企画は生活にも潤いを増していいですね。もっともっと参加できる環境が多く整うといいと思います。🌠
2015.01.31
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富山で発達障害を改善するリズムトレーニングを用いた『IMトレーニングセミナー』を2月28日に開催一般社団法人IMジャパン(http://www.im-t.jp/company/)(本社:大阪府大阪市、代表理事:美馬 章宏、以下 IMジャパン)は、発達障害を改善させる最新の脳トレーニング、『インタラクティブ・メトロノーム(IM)トレーニング』を分かりやすく紹介するセミナーを富山県砺波市で2015年2月28日(土)に開催いたします。 『IMトレーニングセミナー』http://www.im-japan.com/seminar20150228.html【「IMトレーニングセミナー」開催の背景】■IMトレーニングとは近年、ADHD、自閉症、アスペルガー症候群といった発達障害の子どもやコミュニケーションが難しい子どもたちが増加しており、大きな社会問題ともなっています。そんな中、このような障害に対して、リズムトレーニングを行い、脳内神経時計をチューニングすることで脳機能や神経発達を回復させることができることがわかってきました。このような理論を応用し、コンピューターをベースにした特殊な機器を使って、リズムトレーニングを行なうことで、脳の中にある時計を厳密にチューニングし、脳のワーキングメモリーを中心とした機能回復につなげることができるというメソッドが、インタラクティブ・メトロノーム(IM)トレーニングです。IMトレーニングは、手あるいは足に装置を装着し、機器から発せられるメトロノーム音に合わせて、簡単な課題を行なうトレーニングです。副作用の心配やケガのリスクがほとんどないことが大きな特徴です。シンプルなトレーニング動作であるが故に、さまざまな療育と組み合わせることもでき、2歳の小さな子どもでも行なえます。■世界で広まりつつあるIMトレーニングIMトレーニングは、アメリカで開発され、欧米ではすでに20,000人以上のトレーナーにより医療機関やクリニック、教育機関を中心に利用されています。2013年より本格的に日本でも普及が始まり、東京・大阪を中心にセミナーなどを行なっていましたが、この度、富山でも開催することとなりました。 講師をつとめるのはIMジャパンの専属トレーナーである仲田 有里さんと神奈川県三浦市のリハビリ施設「風の谷リハビリデイサービス」でIMトレーニングを提供している理学療法士の長谷川 由理さんです。 「まだまだ世間の発達障害に対する理解は浅く、それにより苦しんでいる子どもや保護者さんがたくさんいる。また、日本ではこのような科学的なトレーニングの知名度も低く、トレーナーもあまりにも不足している。たくさんの人にIMトレーニングを知ってもらうことで、多くの子どもたちの学びにくさや暮らしにくさが無くなれば嬉しい。」と仲田さんは語りました。セミナーは発達障害に心配や不安を抱えた保護者を対象に、どなたでも受講可能です。申し込み・お問い合わせはIMジャパンまでhttp://im-japan.com/【開催概要】 <日時>2015年2月28日(土)13:00~15:00<会場>アプリコット富山県砺波市深江1丁目144砺波駅 北口から徒歩10分。 出町小学校そば<定員>10名 <参加費> 無料詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press 【財形新聞 http://www.zaikei.co.jp/releases/226516/ 】とても興味深いセミナーですね。無料は魅力でも、定員10名とはかなり狭き門ですが。。🌠
2015.01.30
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発達障害児も共に学び「不登校ゼロ」を実現した奇跡の小学校 「不登校ゼロ」の公立小学校の映画ができたと聞いて、試写を観に行った。 舞台は大阪市住吉区にある大空小学校だ。 隣の小学校の児童数が増えすぎたことをきっかけに、2006年4月に開校した。 全校児童は約220人。発達障害のある子や、自分の気持ちを上手くコントロールできない子などの特別支援の対象は30人を超える。それでも、すべての子どもたちが同じ教室で学ぶ。 教職員は、クラスや担当の垣根を越えて、みんなで子どもたちを見守る。地域のボランティアや保護者も、サポーターとして子どもたちを支える。 校舎に貼ってあるのは、「みんながつくる、みんなの学校、大空小」。開校以来、木村泰子校長を中心に、みんなが一緒になって、誰もが通い続けることのできる学校を作り上げてきた。 そんな“誰にとっても居場所のある学校”づくりの取り組みを取り上げた関西テレビのドキュメント『みんなの学校』は評判を呼び、2013年度に様々な賞を受賞。そのドキュメンタリーを拡大する形で製作したのが、今回公開される映画『みんなの学校』だ。みんなの学校、唯一のルールは「自分がされていやなことはしない」 監督は、番組でディレクターを務めた関西テレビ報道局報道番組部の真鍋俊永さん。実は、同校の取材を始めたのは、職場の同僚で妻でもある迫川緑さんで、真鍋さんは引き継ぐ形で、本格的な長期取材を始めたという。 「(彼女は)元々、障害者の方々と関わる機会が多く、学校で障害を持った子がどのように過ごしているのかを何度か取材していました。その中で、大阪市内にこんな学校があるよと教えてもらったのが大空小との出会いのきっかけです」 10分ほどのニュース内での特集にした後、迫川さんは、子どもたちの自然で生き生きとした表情を引き続き取材したいと交渉。同じ部署にいた夫の真鍋さんが後を継いで、2012年4月から翌年3月まで、取材を続けたという。【DIAMOND http://diamond.jp/articles/-/65873 】文字数制限があるので、リンク先から先はご覧ください。これから公開される映画は先日にも触れましたが、ごく自然体の中でそれぞれが確かな成長を遂げられれば、教育目標も叶うのでしょうね。🌠
2015.01.29
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発達障害者へパソコン指導 藤沢の教室が10年◇「就労機会広げたい」 全国でも珍しい発達障害がある人たちのためのパソコン学習室「湘風舎」が、藤沢で活動を始めて10年を迎えた。身に付けたスキルを基に、地方自治体や企業の特例子会社への就職に結び付けた例も多く、実績を挙げてきた。主宰する女性は力を込める。「これまで清掃員や作業員などが中心だった障害者雇用の裾野を広げていきたい」 ◇ 平日の夕刻、1937年に建てられた藤沢市藤沢の古民家の2階は“寺子屋”へと様変わりする。1こま1時間のレッスンは最大5人まで。アットホームな雰囲気の中、少人数指導を実践している。 講師を務めるのは茅ケ崎市在住の沼田恵子さん(51)。大手自動車会社のコンピューター開発部門を経て広告代理店に転職、その後フリーでホームページ作成などを請け負ってきた経歴を持つ。 昨年12月のある水曜日、この日は小学6年の男児(12)に表計算を指導。5年生のときに横浜市戸塚区から通い始め、毎週のレッスンを楽しみにしているこの男児は、沼田さんの指導でめきめきと腕を上げ、1700人が参加した同月のパソコン入力コンクール全国大会では小学生チャンピオンに輝いた。 男児の母親は「息子はこだわりが強くて、他人の指示にうまく乗れない性格。受け入れてもらえるか心配だったが、湘風舎はその人の個性に合わせて指導してくれる」。男児も「もっとパソコンのことを知りたい」と意欲を見せる。 沼田さんがパソコン指導を始めたのは2005年、発達障害の子どもを持つ知人から相談されたことがきっかけだった。当初はグループレッスンで基礎を中心に教えていたが、口コミで評判が広がっていった。 09年には資格取得を目的とした個人指導を開始。事務処理系ソフトからグラフィック、映像・動画制作、ゲームプログラミングまで教える内容は多岐にわたり、現在は小学4年生から40代の大人まで約50人が受講している。 指導マニュアルはない。それぞれの個性に合わせ、「根気強く、焦らずゆっくり、無理強いせず、怒らず褒める」ことに尽きるという。 「パソコンは発達障害児者の自立に有効なツールの一つ」と強調する沼田さんは、理由をこう説明する。「程度の差こそあれ、会話やコミュニケーションが苦手な人が多い。非対面の方が仕事に集中し、うまく自己表現できる場合もある」 11年からは、スキルを磨いた生徒に就労機会を提供しようと、ホームページ作成の受注も始めた。また、市内の社会福祉法人に働き掛け、既存の業務のうちパソコンを使ってどの部分を障害者に担ってもらうことが可能か、提案してもいる。 沼田さんは「私がやりたいことは発達障害者の能力開発」と語る。「多くの人は周囲から理解されず、理不尽な目にも遭ってきた。それでは自信をなくしてしまう。でも、『ここは得意』という分野があると自己肯定感を持って生きられるようになり、人間性の成長につながっていく」。今後も寄り添い、その手助けをしていくつもりだ。 受講料は月4回受講で9千円。 ◆発達障害 脳機能の発達に関係する障害の総称。特定の物事にこだわる自閉症、自閉症に近いが言語の発達の遅れはないアスペルガー症候群、読み書きや計算が極度に苦手な学習障害(LD)などがある。他人との関係づくりやコミュニケーションが苦手な場合が多く、周囲から理解されにくい傾向にある。【神奈川新聞 http://www.kanaloco.jp/article/82944/cms_id/121743 】 無限の可能性を求めて、親としてはこういう取組みはなにより頼りにしたいし、うれしいことですね。🌠
2015.01.28
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発達障害の診断名を生徒らに伝えるべきか?~教育の医療化(3)学校の先生方や保護者の方々から、「診断名・障害名を伝えるべきか」という相談をうけることがあります。学校の場合だと圧倒的にクラスの子どもたちに伝えていいか、というものです。 例えば、小学校3年生のクラスを担当しているみなこ先生(以下すべて仮名)は、ADHD(注意欠陥・多動症)と診断されているまさる君とお昼の休み時間に二人でオセロをするようにしています。まさる君は、多動が著しく指示の通りにくいところがあり、クラスでも浮いた存在になっています。オセロを始めた頃から、まさる君はみなこ先生と「関係性」ができはじめ、これまでのような突拍子もない・コントロール不能な行動を起こすことがかなり少なくなってきました。ある日、クラスの子ども達数名がみなこ先生に、「どうして先生は、まさる君を特別扱いするの…」という疑問を投げかけてきます。みなこ先生は、まさる君がADHDだということを子ども達に説明すべきかどうか迷ってしまったわけです。 以前同じような状況で、保護者の了解のうえで、子どもの発達障害のことをクラスで説明したケースがいくつかありました。そのなかで、「○○は伝染病だ」とか「○○はADHD/アスペルガーだよな、病気だよな」というセリフが子ども達から聞かれ、こちらが伝えたいことがうまく伝わっていない結果になったことがありました。おそらく現場でこういう子ども達の勘違いを目の当たりにされた方も少なくないはずです。 みなこ先生は、疑問をつきつけてきた子ども達に「説明する」(伝える)かわりに「尋ねる」ことを始めました。 先生:「みんなは、先生が、まさる君にひいきしてる感じがするの?」 子ども達:「45分の休み時間にオセロやってるって、まさるが自慢してたよ」 先生:「どうして、先生はまさる君とオセロやってると思う? 当ててみてよ」 子ども達:「えーっ、わからん」 先生:「じゃぁ、みんなからするとまさる君ってどんな子ね?」 子ども達:「あー、あれさー、うるさいよ」 先生:「どんな、『うるさい』なの?」 子ども達:「授業の時席離れるし、意味ないのに走ったりするし、すぐ怒るし」 先生:「それは、みんな困ってるの?」 子ども達:「はぁ、でーじ(とても)困ってるさ-」 先生:「どうして、まさる君は授業中うるさくなっちゃったりするのかな?」 子ども達:「んーっ、授業わからんからじゃない」「まさる、幼稚園の頃から落ち着かなかったよ。昔はもっとすごかったよ」 先生:「先生はね、先月の運動会の後からまさる君とオセロやってるわけ。オセロやると、まさる君少し落ち着くってわかったわけよ。さっきの時間、まさる君席立たなかったんじゃない?」 子ども達「…だね。相変わらずしゃべるけど、席は立たない」 先生「でしょ。少しずつだけど、落ち着くようになってるし、まさる君もがんばってるわけ」 子ども達「あーはー、それでか。あいつ最近、オセロの自慢して、でーじ(とても)機嫌いいから、あまり怒らないよ・・・」 みなこ先生ほどうまくいくことは少ないかもしれませんが、これをひとつの基本形だと考えてみましょう。基本形は尋ねられた時には「説明する・伝える」前に、まずは答えを求めている本人達がある種の答えを持っていないか「尋ねる」わけです。しばしば子ども達は既に自分の言葉で「診断名」を持っているということです。まさる君の例では「うるさい」「席離れる」「走る」「怒る」等々・・・、彼らがいつも見ている具体的な行動が彼らにとっての診断名です。ここで「ADHD(という医学的診断)があるからオセロをやってるのよ」という説明をするよりも、子ども達自身がもっている診断名を活用してみるわけです。「まさる君ってどんな子ね?」という質問で彼らの「診断」を引き出し、それに対してオセロをやっているのですという説明にもっていく「やりとり」を展開していったわけです。 子ども達の中からまさる君のような子の行動を「自己チューだから」とか「甘いから」とか、行動に対してマイナスの解釈が出てくる可能性もあります。子ども達に医学的診断を説明することで、マイナスの解釈や感情が中和される可能性もありますが、逆にさらなるマイナスを生み出す可能性もあるようです。それに通常このような状況で求められるのは、解釈の方向性よりも解決策だと考えると、とりあえずの(解決への)試みに同意してもらうようなやりとりをつくっていく方が得策のようにも思えます。 子ども達は毎日自分のクラスメートと生活しているわけです。大人が思うよりも、子ども達自身がお互いのことを知っていることは不自然ではありません。行動が激しい子どもになるほど、他の子ども達は日常の経験から、その子への支援の必要性をわかっていることも少なくないようです。したがって、「診断を伝える」ということの基本形は、周りの子ども達自身が日常の経験から構築された「診断名」を引き出しながら、彼らがまさる君のような子どもにどういうまなざしを向けているかを確認することが基本になるのではないかと思うのです。彼ら自身の「診断名」は、彼ら自身がその子どもと生活をともにするにあたっての「困り感」と重複することも少なくありません。もちろん、すべてこの基本形通りにいかないかもしれませんが、試してみる価値はあると思うのです。 周囲ではなく本人に「診断名を伝えるべきか?」という問いに対しても、同じく「説明」よりも先に「尋ねる」ことから始めるとどうでしょうか。本人が自分のことをどう思っているか、困り感やつまずき感があるのか、それらの困り感・つまずき感をどのようにとらえているか・・・、こういうことが「診断」を理解する際のベースになるように思うのです。友達とうまくいかない、先生や上司とトラブルになる、仕事がうまくいかないなどの生活上の困り感。しかし本人が困り感・つまずき感を持っていても、それが親、先生、上司など「他人のせい」になっている限りは、(自分に対する)「診断」に納得するのは難しい可能性が高いはずです。 「診断」は「自分についての困りごと」に名前をつけたものと考えると、自分についての「困り」のないところには、「診断」が成立しにくいことになるのでしょう。これは心理検査でも何でも言えると思うのですが、「伝える」という行為は、伝えられる側の準備性ができていなければ、伝わるべきものが伝わらないと思うのです。伝える前に尋ねるというのは、伝えられる側の準備性を確認するという(情報共有前アセスメント)作業だと考えていいのではないでしょうか。 冒頭のみなこ先生は、結局クラスの子ども達みんなでオセロ大会をしました。まさる君もクラスのみんなとオセロを楽しみました。「勝ち負け」のあるゲームを、喧嘩や騒動なしにまさる君が楽しめたというのは、彼の大きな前進だったとみなこ先生は思いました。負けても楽しいと思える、成長の証が見えた一時だったようです。[沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/cross/index.php?id=205 ] 知名孝(ちなたかし)(NPO法人ぺあ・さぽーと理事長/沖縄国際大学人間福祉学科准教授。)できたら分け隔てなくが集団の場合はいいのでしょうね。その中で、子ども同士の助け合いが生まれたりもすれば一番なんでしょうね。🌠
2015.01.27
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<kashiko連載>自閉症の息子と生きる (4)発達障害の子どもだって褒められたい。第4回目の『自閉症の息子と生きる』では、発達障害の特徴のひとつである「こだわり」について、彼らの独特な感覚、自閉症児の心の中を見ていきたいと思います。(kashiko連載『自閉症の息子と生きる』第3回)また、初めての社会生活で起こりがちな問題行動の対応方法やコミュニケーションの取り方も具体的にお伝えしていきます。息子は3歳ごろ、自宅でのこだわりの行動が多く、家族はとても戸惑いました。たとえば、テレビの電源をつける、カーテンを開ける、夕方になったら部屋の電気をつける、犬の餌やりなど、彼の中に細かいルールがたくさんありました。食事も決まったものしか食べません...。幼いころからスイッチ類を押すことを自制できず、状況も関係なくエレベーターの各階ボタンを全て押してしまうこともありました。その一つでも誰か代わりにやろうものなら、パニック状態になり、泣きながら大暴れ...。会話のコミュニケーションが難しいため、いくら「私たちがやることもあるんだよ。」と言ってもなかなか理解してもらえない状況が続きました。 彼の中にあるルールは、誰も変更してはいけないようでした。 そこで、彼が飽きるまで、こだわりにとことん合わせることにしました。根気がいりますが、親だからできること。わたしにしかできないこと。決まったルールのことも、何度も何度もやるうちに、自然に飽きがきてブームが去ることもありました。すると、こだわりの行為自体が徐々に薄れてきて、「自分もテレビをつけるけど、ママやパパたちもテレビをつけてもいい」ということが自然と受け入れられるようになりました。泣き叫んで大暴れするようなパニックも気づくとなくなっていきました。発達障害や自閉症と一言で言っても、いろんなタイプの子どもがいます。特に、自閉症児にみられる特徴的なこだわりの行動は、子どもによって現われ方もさまざまです。こだわりの行動は、子ども自身の身の危険に関することでないことや、公共の場で周囲に迷惑になることを除けば、ある程度許容してやらせてあげてもいいと思います。あまり長い時間にこだわりの行動が続くようなときは、別の興味を引きそうなことを提案して、気を紛らわせるとすんなり終わらせてくれることもあります。息子にはいろいろな経験をさせたい、そう思って水族館によく連れて行きました。普通に考えると、子どもが喜ぶ場所です。ところが彼は、魚をみるどころか、途中で出口を求めて走って逃げてしまうのです。他の子はとても楽しそうなのに...。(続きはこちら)「かしこい」女性に「かしこく」生きるヒントを提供する情報サイト『kashiko(かしこ)』http://www.bs-kashiko.com/実際に育児中だとなかなか冷静になれないけど、私も気が付けば、いつからか、療育者として長男をみつけていたように思います。親から目線はやはり抜かりが多かったように思います。🌠
2015.01.26
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知的障害者も企業の戦力に 西彼長与・時津両地区で知的障害者の社会参加、就労支援を図る「地域をつなぐ推進会議」が17日、長与町吉無田郷の長与南交流センターで開かれ、福祉関係者や地元の企業関係者ら約70人が現状と課題に理解を深めた。 県手をつなぐ育成会(甲田裕会長)主催。日本マクドナルドのフランチャイズ企業として、長崎市内を中心に12店舗を経営するエス・ケイ・フーズの中村こずえ取締役が講演。知的障害者を積極雇用するようになったきっかけや、どんなことに気を付けているかなどを紹介。「ゆっくり教えればしっかり覚えてくれて今後40年間の戦力になる。仕事ぶりの誠実さに感動させられることもある」と指摘した。 また、地元企業のTSUTAYA遊ING時津店で働く町田崇紘さん(19)、岩崎食品で働く平野真哉さん(33)を交えたパネルディスカッションもあり、2人が仕事で心掛けていること、大変なことなどを発表した。 【編注】岩崎食品の崎は大が立の下の横棒なし【長崎新聞 http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/01/21092722016282.shtml 】今後40年後を見据えての人材育成。一つの企業にとっても採用に関しては、戦力とみなす部分の適用を重要視しているようですね。🌠
2015.01.25
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障害は個性なのか? 「発達障害=脳の個性」と捉える新たな教育法とは 多様性がある柔軟な社会がよしとされている。怒りっぽい人、忘れっぽい人、少し空気が読めない人などさまざまいるが、ひとクセある大人たちが肩を寄せ合って社会を形成している。たとえば、怒りっぽい人は熱心な人、忘れっぽい人はおおらかな人、少し空気が読めない人は自分をもっている人、といった具合にポジティブに解釈すると、人間関係が円滑にいって、せせこましい社会でも比較的、生きやすいのではないだろうか。発達障害の子どもを追いつめる学校の無理解と、その解決の糸口とは さて、少子化や教育改革などで、個を尊重した教育が進められている。伸び伸びと育つ子どもたちがいる一方で、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ディスレクシア(学習障害の一種で読み書きが困難)、自閉症など障害をもつ子どもにとっては、依然生きづらい、窮屈な環境であるのも確かだろう。障害は個性なのか。このような議論は、あちらこちらで見る。 確かに、障害をもつ子どもたちは、いわゆる「普通の子ども」とは違う面があるらしい。勉強に集中できなかったり、コミュニケーションをとるのが苦手だったり。ある程度は勉強に集中できるのが普通だ、コミュニケーションがとれるのが普通だという、今の子どもたちの平均値に照らし合わせてみれば、障害をもつ子どもたちには足りないものが目立つ。それは「負」の面である。そこで、大人は環境を整えたり、専門的な治療を行ったり、投薬したりするわけだが、『脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方』(トーマス・アームストロング:著、中尾ゆかり:訳/NHK出版)では、全編を通じて発達障害を「脳の個性」として解釈する。 断っておくが、本書は多様性という考え方をかつぎ出して、精神疾患を美化しようというものではない。「脳の多様性」という言葉は、すでに10年前から欧米で使われており、本書ではこれを科学的根拠も踏まえつつ「脳の個性」として見直すことで、それぞれの障害(ADHD、自閉症、ディスレクシア、気分障害=うつなど、不安障害、知的発達の遅れ、統合失調症、の7種の脳)を冷静に分析、理解する。そして、子どもに合う新しい教育のあり方を考えていく。 例えば、ADHDの場合は「落ち着きがない」「注意散漫」という特徴が見られることが多い。学校では、そわそわとしてときに授業中であっても立ち歩く、忘れ物が多い、衝動的に話に割り込んでくるなどの子どもは「多動」と見られる。現実問題として、授業が停滞することがあれば、手段を講じざるを得ない。場に馴染めていないのだ。しかし、場が教室ではなく、たとえば南太平洋諸島であったなら。本書によると、プルワット文化圏は500の島にわかれており、舟で島から島へ渡る能力が高く評価される。注意がさまざまにいくADHDの才能は、大洋に出たときに水平線に見え隠れする小さな島影を見つけるのに役立つだろうと推測している。障害が才能に変わり、生活に生かせるのだ。 脳の発達の遅れに起因はするものの、同年代の子どもと比べ遊び心があり、自発性に富み、ユーモアがあるとされるADHD。著者は、障害というものは生まれた時代や場所、そのときの価値観や美徳などで位置づけが大きく左右されるとしている。 とはいっても、現実は生まれた時代や場所、そのときの価値観や美徳などに一人ひとりが合わせなくてはならない。と同時に、本書が提唱するのは「障害という個性的な脳のニーズに合わせて、まわりの世界を修正すること」。ADHDの特性を正しく理解すれば、現代の都会であっても、訪問販売員、音楽療法士、新聞記者、消防士、設計士、トラックの運転手、農業従事者など、さまざま仕事に従事できるばかりか、一級の才能を発揮できるだろうと予言している。 障害をもつ人を社会にとっての「金の卵を産む鶏」に変えるのは、社会を構成する人間すべてであるという主張に、無限の可能性と希望を感じ取ってほしい。【 niconiconews http://news.nicovideo.jp/watch/nw1417263 】【新品】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方 トーマス・アームストロング/著 中尾ゆかり/訳人間誰でも生まれ持った無限の可能性を、いかに最大限に生かして社会生活を送れるかこれは昔も今も見方は変わらないのでしょうね。🌠
2015.01.24
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夢舞台へ練習に熱 県唯一の知的障害者ソフトチーム 県内の知的障害者でつくるソフトボールチーム「いわてスマイリーズ」(羽藤(はとう)嵩晃監督)が18日、今季の練習をスタートさせた。県内唯一の知的障害者ソフトチームで、2016年の全国障害者スポーツ大会での活躍を夢見る。今年の目標は、まだ果たしていないブロック予選会を突破しての全国障害者大会出場。16年の地元大会に向けメンバーの士気は高まっており、今季は練習量も増やし「岩手大会の弾みとなる結果を」と闘志を燃やす。 同日は北上市和賀町藤根の市多目的催事場で、選手16人が赤と白のそろいのユニホーム姿で練習始め。「ボールをよく見て」とコーチ陣の熱い声が響く中、寒さに負けず土の屋内練習場でキャッチボールやノック、トレーニングに汗を流した。 チームは結成4年目で、特別支援学校の生徒や一般企業、障害者サービス事業所に所属する10~60代の男女25人がメンバー。奥州市の前沢明峰支援学校講師の羽藤さん(27)が監督を務め、障害者施設の職員らが活動をサポートしている。 16年の全国障害者大会には「地元枠」がある。だからこそ、今年の全国障害者大会(10月、和歌山県)には、予選会を勝ち抜いて出場したい。羽藤監督は「当面の課題は守備力強化。打球が飛んだ時、どう動けば良いかを鍛えたい」としつつ「選手たちがスポーツを思いっきり楽しんでくれることが一番」と願う。【岩手日報 http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20150119_8 】知的障碍者のソフトチーム、素晴らしい試みですね。チームワークを培い、社会への繋がりへとして欲しいですね。🌠
2015.01.23
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<更生園虐待>防止法の理念 施設で共有欠如湯沢市が運営する障害者支援施設「皆瀬更生園 http://www.shougaikyo.com/s108-0183462729.html」で、2人の職員が知的障害者にノートを投げ付けるなどの虐待をした問題が発覚し、秋田県は近く、市に改善計画書を提出するよう指導する。2人とも20年以上勤務する40代のベテランだが、障害の特性に応じた対処法を十分に学んでいなかった。障害者虐待防止法の理念を施設として共有しようする意識の欠如が、虐待の背景にありそうだ。(横手支局・喜田浩一)<周囲にも恐怖感> 「普通の人は毎日1万歩以上も歩けない。明らかに虐待だ」。女性職員から長時間の歩行運動を強いられていた女性入所者の実態について、秋田県南の障害者施設長はこう憤る。 市などによると、この入所者は他人に迷惑を掛ける行動障害があったため、医師から以前、行動障害を起こす時間の余裕を与えないよう指導されていた。 施設は自由な時間を制限するため、入所者との間で、肥満防止名目の歩行運動と漢字の書き取りを決まり事として口頭で「約束」した。だが、こうした対応は入所者の支援計画書やケース記録に記されず、親族にも知らされていなかった。 秋田県社会福祉士会の和田士郎会長は「医師から指示されたのなら、保護者に説明して同意を得る必要がある」と対応を疑問視する。 一方、男性職員の場合は、入所者を床に伏せ倒し、頬を平手でたたいた。入所者3人に争いがあった後、興奮した1人が向かってきた際の対応だった。 県北の施設長は「平手打ちは、周囲の入所者にも恐怖感を与えたはずだ」と批判する。<甘い指導認める> 市によると、職員2人とも他の施設で勤務した経験はない。更生園として、2012年に施行された障害者虐待防止法の理念や対処法を共有してこなかった。 立ち入り調査した秋田県障害福祉課の担当者は「更生園として、技能の向上や危機管理の取り組みが不十分だった」と職員の未熟さを指摘する。「障害者が興奮した時の対処法を職員が身に付けていなかった。研修の機会が十分設定されていたのに、職員に周知されていなかった」と話す。 県障害福祉課によると、県内で虐待防止の研修会があっても、出席者が持ち帰って施設内の全職員に周知するとは限らないという。 市福祉課も取材に対し、更生園に対する指導の甘さを認めている。 秋田県知的障害者福祉協会の桜田星宏会長は「全職員や市町村が障害者の権利意識を高める必要がある」と力説する。[皆瀬更生園の虐待問題]2013年4月、女性職員が女性の入所者にノートをぶつけて頬を切るけがをさせた。この職員は同じ入所者に対し、平日は1万5000歩、休日は2万歩の歩行運動を達成できないと食事を遅らせることが複数回あった。男性職員は14年4月、男性の入所者を床に倒し、平手打ちをした。市が14年12月、検討会議を開き、一連の行為が身体的虐待、心理的虐待に当たると判断した。【河北新報 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201501/20150116_43001.html 】以前アップしたこの施設での日常化した出来事、それが当たり前になっていたかのようで、実際に更生するべきは職員だったこと、第三者の冷静な目がいつの時もどんな場所でも必要だと感じますね。🌠
2015.01.22
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人気の障害者バンド記録が渋谷で上映中 生きる尊さ感じてフィンランドで人気を呼んでいる知的障害者パンクバンドを追ったドキュメンタリー映画「パンク・シンドローム」が東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム(http://www.imageforum.co.jp/theatre/)で上映されている。「少しばかりの敬意と尊厳がほしい」「権力者はペテン師だ。俺たちを閉じ込める」。叫ぶように歌う4人の障害者の姿を通して、ありのままに生きる尊さを伝える。 バンドは、30代から50代までの4人の障害者でつくるペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト。「国会じゃ議員さんがあれこれ約束するけど毎日約束を破る」と歌う「こんな社会大嫌いだ」、「グループホームは嫌いだ。施設には住みたくねえ」と叫ぶ「カッリオーン!」など、社会問題から日常生活まで正直な思いを歌詞にし、パワフルに歌い上げる。ドイツなどで海外公演も行っている。 失敗や衝突を繰り返しながらもステージで、日常で、ひたむきに生きる4人の姿をとらえた映画は、フィンランド・アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞や山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞などを受賞している。 上映終了日は未定。トークショーもあり、ゲストは19日午後7時15分の回が法政大教授の湯浅誠さん。24日午後1時15分の回は東京農工大リーディング大学院特任准教授の坂根シルックさん、日本障害者協議会代表の藤井克徳さん。 24日午後1時15分、29日午後7時15分、2月3日午後3時15分の回は副音声付きのバリアフリー上映も行う。問い合わせは、同館電話03(5766)0114。【神奈川新聞】【カナロコ http://www.kanaloco.jp/article/82920/cms_id/121668 】神奈川から渋谷のイベントの発信、都心でのできごとが、いかに関心が深いかが分かりますね。🌠 115万アクセス達成。いつもご訪問にコメント、恐れ入ります。
2015.01.21
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自閉症では脳内の接続がひずんでいる自閉症スペクトラム障害(ASD)の成人脳には、対照者と比較して機能的な接続の増加した領域と減少した領域の両方があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。接続パターンの個々のひずみの程度はASDの行動面に見られる症状の重篤さに関連していた。Rafael Malachほかの研究者は、高機能型ASDの成人とこの障害を持たない成人対照群とで機能的画像化法によるデータを比較研究した。データ群は、“休息状態”にあった被験者について、脳領域間の接続を計測したものである。その結果、ASD成人の接続パターンに見られる個々の変動は、対照群のものよりも大きく、ASD成人では接続性の増加した領域と減少した領域の両方があることを発見した。これまでの研究ではASD を持つ人では接続性が増加するという報告と、減少するとする報告があったが、この研究はこうした矛盾を解決するものであり、個人の脳機能における重要な差異を浮かび上がらせ、障害の理解を改善する助けになるかもしれない。DOI:10.1038/nn.3919 | 英語の原文 「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。【NATUREASIA.COM http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/9694 】自閉症の研究が日々進み、より良い理解から暮らしやすい社会になるよう、成果が待たれますね。🌠
2015.01.20
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障害者施設の前施設長が性的虐待…発覚後自殺か京都府南丹市の知的障害者就労支援施設「あしたーる工房http://www.kyoto-hotheart.jp/modules/contents/index.php?content_id=272 」の50歳代男性の前施設長が、女性利用者に性的虐待を繰り返していたことが、市や府の調べでわかった。 前施設長は今月6日、自宅で死亡しているのが見つかった。府警南丹署によると自殺とみられるという。 南丹市や府などによると、前施設長は2010年頃から継続的に、2人の女性利用者の体を触るなどしていた。昨年12月中旬、被害者の家族が、居住地の行政窓口に相談。市の聞き取りに対し、前施設長は虐待の事実を認め、「毎週のように続けていた」などと説明したという。 市によると、問題発覚後、同施設を運営する社会福祉法人「京丹波福祉会」は、前施設長を1か月の停職処分とした。市と府は同施設を立ち入り調査し、再発防止や利用者の心のケアなどを指導した。【読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/20150117-OYT1T50065.html 】よりによって施設長の犯行とは・・。責任を負う立場の者が何とも愚かな失態で、利用者の心の傷は深く辛いでしょうね。🌠
2015.01.19
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「生きにくさに気づけ」 弁護士と社会福祉士が罪に問われた障害者を支援 罪に問われた知的障害者らを、裁判で判決が確定する前の段階から支援しようという動きが広がっている。被疑者あるいは被告人の担当弁護士が社会福祉士に協力を求め、本人が福祉施設などで暮らせることを「更生支援計画」にまとめる。検察や裁判所がそれを判断材料とする例も増えてきた。弁護士と社会福祉士の組織的な連携が進んだからだ。関係者の合言葉は「見えづらい生きにくさに気づけ」だ。■もう盗みはしない 「あの時捕まって本当に良かった。もう罪を犯さなくて済むから」。 神奈川県内のグループホーム(GH)で暮らす、知的障害のある太郎さん(仮名・29)はこう振り返る。 親とのいさかいから2009年に実家を飛び出し、路上生活を開始。生きるための盗みを重ね、13年3月末、スーパーで万引きした時に警備員を小突いて逮捕・起訴された。 「人懐こい若者だな」。留置所で太郎さんと初めて会った社会福祉士の牧野賢一さんはこう思った。本人の意向を受け、GHに住むことなどを盛り込んだ更生支援計画を作成。その結果、5月末に執行猶予付きの実刑判決が出た。 太郎さんは判決の出たその日に現在のGHに移った。牧野さんと会ってからわずか1カ月後のことだ。太郎さんの生育歴を関係者から聞き取り、福祉事務所などと話をつけた牧野さんの早わざが功を奏した。 太郎さんは現在、障害者の就労支援事業所に通いながら就職活動に励む。将来の希望は一人暮らしだ。「もう盗みはしない。今は夢があるから」。 本人の生育歴や将来の支援体制などを記した更生支援計画に法的な位置づけはなく、決まった書式もない。単に執行猶予や減刑を目指すものでもない。本人の生きにくさを文章化し、再出発への道筋を示すものだ。 太郎さんは知人から偶然得た情報で牧野さんとつながった。そうではなく、弁護士が被疑者や被告人の障害に気づいたら社会福祉士に協力を求める仕組みができないか----。そんな問題意識を持つ横浜弁護士会は13年から神奈川県社会福祉士会との連携を模索。14年11月に協定を結んだ。 同弁護士会は「社会福祉士には知的障害のある人との接見に同行してもらいたい。限られた時間で本人と信頼関係を築き、情報を分析して福祉施設を探し、更生支援計画を作るには社会福祉士の力が必要」としている。 県社会福祉士会は弁護士会からの要請に応じられるよう、あらかじめ研修を受けた人を登録する。その登録名簿から個別の案件ごとに弁護士会に推薦する仕組みを設けた。■変わる検察の意識 検察も社会福祉士を意識し始めた。 万引きで捕まった知的障害のある次郎さん(仮名・40代)は被疑者のまま救護施設に入所。検事は弁護士に更生支援計画を提出するよう求めた。就労に向けた見通しを気にしたからだ。 計画作成に時間をかけていると検事から督促が入った。弁護士がその後提出した結果、次郎さんは14年4月、不起訴になった。計画作成を担当した大阪社会福祉士会の宮田英幸さんは「検察が計画を重視するようになった。以前は考えられなかった」と振り返る。 検察の組織にも変化が見られる。13年4月の東京地検を皮切りに、仙台、大阪の地検が社会復帰支援室を設け社会福祉士を配置。横浜地検も15年4月に同様の体制を組む。 検察が新規に受理する被疑者は年間約148万人。そのうち起訴されるのは3割で、刑事施設に入るのは2%未満(11年)。「身元引受人がいない」「事実関係や自分の気持ちを正確に話せない」といった人は不起訴や執行猶予になりにくい。刑事司法の世界では周知の事実だ。 この点で知的障害者や高齢者は不利になりがちだ。刑事施設に入ることが更生につながるとは限らないことも知られてきた。 この問題に大阪弁護士会は先駆的に取り組み、地元の社会福祉士会をはじめ福祉団体との連携を組織的に進めてきた。それが冒頭のように神奈川などに広がっている。 ただし、社会福祉士の活動にはどこからも報酬が出ない。 被疑者や被告人段階の本人と面会する機会が限られ、判決が出るまで居室を空けて待つ福祉施設の負担も軽くはない。 そこで国や政党が動き出した。法務省の有識者検討会は14年6月、高齢者や障害者の司法アクセス権強化を提言し、公明党は同12月の衆院選公約に同様の記述を盛り込んだ。 神奈川県社会福祉士会の山下康会長は「私たちの取り組みはいずれ制度化される」と会員らに呼びかけている。■罪に問われた知的障害者らを複数受け入れている障害者支援施設「かりいほ」(栃木県大田原市)石川恒施設長の話 更生支援計画の実行にあたっては、集団生活のルールに沿った「枠の支援」だけでは不十分だ。「枠の支援」を「人と人との関係性の中での支援」に変え、一人ひとりの特長を生かして社会とかかわれるようにすることが施設職員の役割だ。 かりいほの入所者30人のうち10人が刑余者だが、私は他の20人と同様「それぞれ生きにくさを抱えた人」と捉える。問題を起こさない「良い人」にする支援はしない。本人の衝動性、盗癖といった生きにくさを認める。これはわがままを許すのとは違う。本人の安心できる居場所を作ることで他者とのかかわり方が初めて見えてくる。 大事なのは本当の意味で本人を知ること。それには時間がかかる。人手もいる。刑余者に限らず、そういうかかわりの必要な人が増えている。このことを社会全体で共有する必要がある。【Huffington Post http://www.huffingtonpost.jp/fukushi-shimbun/post_8883_b_6483840.html 】大事なのは本当の意味で本人を知ること。それはきっと親でも完全に理解することは難しいので、地域や近隣との関わりが、いかに不可欠で意味のあるということなんでしょうね。🌠
2015.01.18
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容疑者情報:知的・精神障害を通知 裁判官が弁護士に /石川 逮捕された容疑者に知的・精神障害がある場合、裁判官が必要と判断すれば、弁護士に障害があることを伝える取り組みが5日、県内で始まった。 日本弁護士連合会によると、東京や大阪などに続き全国5地域目。 検察が逮捕後72時間以内に裁判所に勾留を求める際、裁判官は添付書類などから、容疑者が障害手帳を持っているかどうかを把握できる。・・ [毎日新聞] まずは、きちんと容疑者と向き合うこと、何より大切なことですね。🌠
2015.01.17
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男児踏みつけ骨折させた疑い 男を逮捕 14日に東京・福生市で、公園で遊んでいた小学5年生の男の子が足を踏みつけられて骨を折る大けがをした事件で、警視庁は、近くに住む21歳の男を傷害の疑いで逮捕しました。 この事件は14日の夕方、福生市牛浜の「福生公園」で、小学生たちのグループが遊んでいたところ、突然男に追いかけられ、近くに住む5年生の男の子が逃げようとして転倒した際、男に足を踏みつけられて骨を折る大けがをしたものです。警視庁が捜査を進めた結果、目撃者の情報などから、近くに住む21歳の福祉作業員の男が事件に関わった疑いが強まったとして、15日未明に傷害の疑いで逮捕しました。調べに対し男は「子どもが騒がしかったので、お仕置きをした」と供述し、容疑を認めているということです。警視庁は、詳しい経緯を捜査するとともに、男に重い知的障害があることから、刑事責任能力の有無についても慎重に調べを進めることにしています。【NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150115/k10014693081000.html 】 関連記事:ヤフーニュース かなり広く大きな公園、子どもも20~30人ともなればにぎやかだったのでしょう。 「子どもが騒がしかったので、お仕置きをした」と感じ、伝えられるのに重い知的障害とは、 他にも何か原因がありそうですね。🌠
2015.01.16
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心理学で最も有名...「悲劇の患者」の伝記 『ぼくは物覚えが悪い 健忘症患者H・Mの生涯』 スザンヌ・コーキン著 H・Mは心理学で最も有名な患者であろう。 彼はてんかんの治療のため脳の一部切除手術を受け、その後新たな記憶を形成することができなくなった。 自転車に乗り、楽器は弾けても、日々の出来事や出会った人についてのエピソードの記憶が、H・Mには不得意であった。 その記憶は、手術より前の過去か、または現在の約30秒に限定されてしまった。彼は「永遠の現在に閉じ込められてしまった」のである。 彼の症例により、記憶には短期記憶、長期記憶と体が覚えた手続き的記憶があり、それぞれが異なる脳機構によることが理解された。 現代心理学・脳科学の記憶の理論は、H・Mの症例を手がかりに進展してきたと言っても過言ではない。 本書は、H・Mとして知られてきた抽象的な記憶障害者の人生を、ヘンリー・モレゾンという具体的な人物の生涯として描いたものである。 ヘンリーは27歳のとき、てんかんの治療のため発作の原発部位とされた脳の海馬とその周辺の切除手術を受けた。 幸いてんかんは治ったが、ヘンリーはその後記憶を作れない男になってしまった。 本書の40ページには、手術前のヘンリーの写真が掲載されている。美男である。 自分の身に起きた悲劇にも拘(かか)わらず、そして記憶が30秒しか持続しないにも拘わらず、研究者に協力的で礼儀正しい男であったそうだ。 著者のスザンヌ・コーキンは、研究者としてヘンリーと46年に渉(わた)るつきあいを続けてきた。 本書には、研究者としての視線と、そして著者自身は努めて抑制的であるが友人としての視線が、モザイクのように描かれている。 抽象的な症例としてではなく、人間としてのヘンリーに触れることで、読者は記憶の科学をヘンリーの伝記として学ぶことが出来るだろう。 ヘンリーは永遠の現在を楽しむことを身につけ、死について悩むこともなく、82歳の生涯を全うした。 今まさに心理学を勉強している諸君は、教科書よりもまずはこの本を読むべきである。 鍛原多恵子訳。 ◇Suzanne Corkin=マサチューセッツ工科大神経科学名誉教授。マサチューセッツ州チャールズタウン在住。 早川書房 2600円 【読売新聞】 ぼくは物覚えが悪い 健忘症患者H・Mの生涯 人生どのように生きるか、勿論色々な弊害のある中でも、何より懸命に生きる姿に感銘を受けるのでしょうね。🌠
2015.01.15
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〔舛添流子育て〕なかなか歩こうとしない龍之介 果連は、3歳のときに幼稚園に入り、3年間、そこでお世話になります。 果連が2000年の生まれで、龍之介は3年後の2003年に産声をあげました。果連は小さな赤ちゃんでしたが、龍之介は巨大な赤ん坊でした。 ところが、この男の子はハイハイまではすぐにしたのですが、1歳を過ぎても、1歳半になっても歩こうとしません。 だから、外出のときには、いつも妻が抱きかかえなければなりません。 とくに、幼稚園の送迎のときには、片腕を龍之介にとられてしまいますので、荷物などあると、もう一方の腕と手で、果連の面倒をみるという大変な状況になります。 もちろん、バギーに乗せて移動もしましたが、列車やバスなどに乗るときには、バギーがあると、かえって身動きがとれなくなるときもあります。 私も一緒に家族皆で動くときには、バギーは有効なのですが、妻1人のときは、龍之介を抱きかかえたほうが、楽だったようです。 2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会を控えて、東京をバリアフリーの街にしたいと思っています。 お母さんが、バギーに乳飲み子を乗せて、さらに幼児の手を引いて歩いているような場合に、不自由なく移動できるような街でなければなりません。そのためには、駅にエレベーターを設置したり、ノンステップバスを普及させたり、ハードの面の充実も必要です。 しかし、もっと大事なのは、周囲の皆が助けてくれることで、これこそが「心のバリアフリー」だということです。北欧では、そのような気配りを皆がしてくれます。乳飲み子を連れて移動しても、何の苦労もしないような街にしなければなりません。 コテージで急に歩き始める とまれ、すくすく成長して、重くなっていく龍之介を抱いて歩くので、私も妻も腕が太くなるのみならず、肘の関節が痛くてたまりません。家が狭い上に、家具などの調度品が多く、また本も山ほどあって、龍之介が手を出せば、すぐに何かに届きます。だから、2本足のみで歩く必要がなく、壁や家具などに伝い歩きすればよいのです。それに1歳半にもなって歩けないとなると、何か身体的障害があるのではないかと心配になってきます。 そこで、公園に連れて行って、歩かせようと何度も挑戦するのですが、全く効果がありません。 足などに障害があるような様子もありません。 幸い、言葉は他の子どもと同様に喋(しゃべ)りますし、知的な障害も見受けられません。 しかし、親の立場からは、歩行開始が遅いだけで、何かと心配になるものです。 そのような不安をかかえながら、果連3歳、龍之介1歳の年も終わりに近づきました。冬休みを、暖かい沖縄で過ごすことに決めました。沖縄には、多くの友人がおり、もう20年にもなる古い付き合いが続いています。自分の家族のもとに帰るような気分です。 ホテルのコテージを借りることにしましたが、大きな部屋で、東京のわが家とは逆で、ベッド以外にはあまり家具もありません。 龍之介は、手を差しのばしても届くものもなく、しかし、すっかりテンションがあがって、動き出します。気づいて見たら、歩いていますし、走ってもいます。家族皆で、喜んだものです。今でも、龍之介を歩かせたのは沖縄だと思っています。 プロフィル舛添要一( ますぞえ・よういち ) 1948年、福岡県北九州市生まれ。東京大学法学部卒業後、同大助手を経て、73年から78年にかけてパリ、ジュネーブに留学。帰国後、同大助教授。89年、退任。政治評論家として活躍後、2001年の参議院選挙に自民党から立候補し当選(2期)。07年8月から09年9月まで厚生労働大臣。10年4月、自民党を離党し、新党改革を立ち上げ代表に。13年7月、辞任。14年2月、東京都知事選に無所属で立候補し当選。 [読売新聞] 子どもは、環境に戸惑うこともあれば、育てられることもある。 特に障害がなければゆっくり見守ることも大切で、 いつの時も前向きな一歩が必要なんでしょうね。🌠
2015.01.14
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【ちょっといい話】帝京大主将、聴覚障害の「大塚は絶対手を抜かない」 ◆ラグビー 第51回全国大学選手権 ▽決勝 帝京大50-7筑波大(10日、東京・味の素スタジアム) 胴上げの輪の中で、生まれつき聴覚に障害を持つウイング大塚貴之(4年)が笑った。仲間のコールや審判の笛は聞こえない。他の選手の目や口の動きを見て対応。 傷が絶えない167センチの小さな体にむちを打ち、人一倍の集中力で練習に励んだ。 【スポーツ報知】 ボールタッチは少なかったが体を張り続けた帝京大WTB大塚貴之。[rugby republic] 人一倍、いや並大抵の努力ではなかったでしょうね。その笑いの中に、きっと満足感が溢れていたことでしょう。🌠
2015.01.13
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119番に音声いらず 障害者・外国人向け、20年までに実用化 総務省消防庁はスマートフォン(スマホ)で音声を使わずに消防車や救急車の手配といった119番の緊急通報ができる仕組みをつくる。 聴覚や言語に障害のある人や、外国人の利用を想定した専用アプリを開発する。 体のどこが悪いかなどの条件をスマホの画面上で選択し、消防本部に伝える方法を取り入れる方針だ。 2015年度から実験を始め、東京五輪・パラリンピックが開催される20年までの実用化を目指す。 【日経新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81833300R10C15A1CR8000/ 】 119番に限らずとも、音声を使わずに対処できる伝達方法、もっともっと拡大して欲しいですね。🌠 114万アクセス達成、ありがとうございます。
2015.01.12
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亡き家族「今も恋しい」 阪神大震災20年、遺族調査 阪神・淡路大震災で犠牲になった6434人のうち、倒壊した家屋の下敷きになるなど「直接死」した犠牲者5454人の遺族を対象に、朝日新聞社と関西学院大学人間福祉学部は心の復興について尋ねる意識調査をした。 回答者の半数以上が、亡くした家族を今も「恋しく、いとおしい」と感じていた。 震災から20年を迎える今も故人への強い思慕の念が続き、生き残ったことへの後ろめたさや自らを責める気持ちを抱いている実態が浮かび上がった。 調査では、震災で見た光景を繰り返し夢に見るトラウマ(心的外傷)反応を遺族の4割が示し、東日本大震災の報道に触れ心身への影響があった人は6割にのぼったことも分かった。 関学大の池埜聡(いけのさとし)教授(トラウマ学)、坂口幸弘教授(悲嘆学)と共同で質問票を作成、調査した。 朝日新聞社が震災当時の警察発表などから作った直接死した5454人の名簿をもとに郵送。 1019人の住所に届き、うち112遺族の127人から回答を得た。 20年前に大震災で家族を亡くしたことについて、今の悲嘆の状況を聞いた。 亡くした家族を「どうしようもないほど恋しく、いとおしく感じることがあるか」との問いに、「いつもある」と15人が答えた。 「しばしばある」の22人、「ときどきある」の30人と合わせて半数以上にのぼった。 家族の死が「いまでも信じられないと感じたり、どこかで生きていると考えたりすることがあるか」との質問には、「いつもある」と答えたのが9人、「しばしばある」が4人、「ときどきある」が18人で、合わせると4分の1になった。 これらの回答から、遺族が故人の存在を心に抱きながら、今も深くしのんでいる姿が浮き彫りになった。 「家族が亡くなり、自分が助かったことに後ろめたさを感じたことはあるか」と尋ねると、「今も感じている」と39人が回答。 多くの遺族が、生き残ったことに罪の意識を感じる「生存者罪悪感(サバイバー・ギルト)」を今も抱き、「以前は感じていたが、今は感じていない」も34人いた。 特に子どもを亡くした22人では、「今も感じている」が16人、「以前は感じていたが、今は感じていない」が4人にのぼり、配偶者や親、兄弟姉妹、祖父母を亡くした人と比べ、際立って高かった。子どもを失った親は多くが罪責感を抱き、かつ、それが長く続くことが明らかになった。(千種辰弥、佐藤卓史、野呂雅之) ■重い痛み、人生の一部 《池埜聡教授の話》 遺族は、家族を突然亡くしただけでなく、自らも命の危険にさらされる重層的なトラウマ体験をしたことがわかった。その痛みが時間によって和らげられた部分がある一方、「なぜ亡くならなければいけなかったのか」という問いを抱き、震災は今も続く人生の歩みの一部になっている。生存者罪悪感は病理的な反応ではないが、心理的な負担になる。同時に、死の意味を探求し、生のあり方を模索するエネルギーにもなり得る。遺族に寄り添うには、痛みを分かち合える社会を目指すことが大切だ。 【朝日デジタル http://www.asahi.com/articles/ASH174W9JH17PTIL00B.html 】 痛みとは、身体的なものより、心理的なものの方が、傷が深く浮き彫りにならない分、よそ様には分からないのでしょうね。 そして、回答が得られなかった多数の方々は、まだまだ語れないほどの辛さをも窺えます。🌠
2015.01.11
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犬を飼うと自閉症の子のソーシャルスキルが向上、「アサーション」の能力に効果 自閉症は個人によっていろいろな状態があり得るため、虹のようなスペクトラムがあるという意味で、専門的には自閉症スペクトラム障害と呼ばれる。 そのさまざまな状態を見せる自閉症の子どもの他者とのやりとりをスムーズにする手段として、ペットが有効であるようだ。 犬と遊ぶ効果は? 米国のミズーリ大学、獣医学部を中心とする研究グループが、その結果を自閉症関係の国際誌であるジャーナル・オブ・オーティズム・アンド・デヴェロップメンタル・ディスオーダーズ誌オンライン版で、2014年10月12日に報告している。 自閉症スペクトラム障害の子どもは外部との関係を結ぶこと「ソーシャルスキル」が不足しがち。自閉症スペクトラム障害の子どものソーシャルスキルとペットの犬との絆の関係を検討する研究を行っている。 この研究では、70人の自閉症スペクトラム障害の子どもを対象として電話調査を行い、自閉症児のソーシャルスキルを、犬を飼っている家庭と飼っていない家庭で比較した。 「感情や意見などを適切に表現する能力」 その結果、犬を飼っている家庭の自閉症スペクトラム障害の子どもは犬との結びつきが強く、また犬を飼っている家庭の自閉症スペクトラム障害の子どもの方が、ソーシャルスキルが高いことが明らかになった。 特に、犬を含む一部のペットを飼うことで、人間関係において自分も相手も大切にしながら、自分の感情や意見などを適切に表現する能力「アサーション」と呼ばれる能力が高まることが示された。 日本でも参考になる結果だ。 文献情報Carlisle GK.The Social Skills and Attachment to Dogs of Children with Autism Spectrum Disorder.J Autism Dev Disord. 2014 Oct 12 [Epub ahead of print]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25308197 【 Medエッジ http://www.mededge.jp/a/pedi/6819 】 写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。 ペットを飼うことで気持ちの安定が図れる、それは自閉症でなくても、ですね。 最近は飼い主のマナーが問われているので、飼う側のマナーもしっかりと身に付けたいですね。🌠
2015.01.10
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『みんなの学校』劇場予告篇不登校も特別支援学級もない、同じ教室で一緒に学ぶ。ふつうの公立小学校のみんなが笑顔になる挑戦。2月21日(土)よりユーロスペースにて公開、ほか全国順次公開。 ここでは、特別支援教育の対象となる発達障害のある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、みんな同じ教室で学びます。【関連情報:togetther http: http://togetter.com/li/534060 】昔は、こんな学校ばかりだったはず、いつから気難しい現場となってしまったのでしょう。初心に戻って、見つめ、、考え直したいですね。🌠
2015.01.09
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発達障害の「診断」による思わぬ副作用とは? 前回のコラム(http://www.okinawatimes.co.jp/cross/index.php?id=188)では、発達障害の診断が、1)「子どものとらえ方の変化」→「対応の試行錯誤」→「新たなる発見」→「新たなる対応」という循環をつくり出すということ、2)内科の病気とちがって、問題への「対応・対処」は生活をともにしている人たち自らの試行錯誤が大切になるということ-を書きました。学校現場での発達障害の子どもたちへの対応は、本来「診断」がなくても模索されることが望ましいのではないかという、「教育の医療化」への批判についても触れました。 発達障害の「診断」に伴ってしばしば起きることのひとつが「自責の苦悩からの解放」です。様々なマイナス行動をしてしまう我が子を目の当たりにして、親は自らの子育てをめぐる自責の念に苦しんでいることが少なくありません。他の子と同じことができないだけならまだしも、他の子に危害を加えたり、クラスの授業を邪魔したりするような行動のために学校に呼び出されることで、親としての自己評価が低下してしまうわけです。本来なら自分の一番の子育てのサポーターになるはずの、実家の両親や同じくらいの子どもを持つ兄弟からも、「あんたもう少し〇〇〇したほうがいいんじゃない」という月並みなアドバイスに遭遇して、責められているような感情に苛まれる人も少なくありません。子どもの問題行動・不適応行動は、親にとっては即自分の問題として考えてしまうものなのです。 発達障害という診断とともに、「子育ての問題ではなく、神経発達の問題」という説明(ストーリー)が提供されます。子どもの問題の原因が、「親である私の問題」から、「(神経発達という)私ではどうにもならない問題」へと変化するわけです。そして自分(の子育て)を責める感情から、徐々に解放されていくわけです。既に成人した発達障害者当事者の場合は、自分の診断を告げられることで、これまでの人生の様々な失敗や行き詰まりを、「発達障害が理由だったのか・・・」と振り返るようです。 発達障害児を持つ親にしても、成人の発達障害者にしても、自らを「ダメだ」と思う思考・感情から解放されることになるわけです。このように人生の困りの原因を自分の外の「何か」に対して求めていくような認識のありかたを、「外在化」と言ったりします。自責の念(自分を責める認識)から解放されることで、うまくいかないことの原因をクヨクヨ考えるのではなく、解決にエネルギーを注ぐことにより、人生が建設的に向かうことは多いようです。しかし、精神科医の香山リカ先生のように、発達障害をめぐるこのような「解放・免責」に反対する意見を持つ人もいます。一方、発達障害に関して多くの研究や実践を行ってきた精神科医の田中康雄先生は、支援を前提としない診断は注意すべきだとも言っています(「診断は戦略的であるべき」と言っています)。 私は「診断」や「心理検査」の共有をする(=説明する)際には、同席する家族・学校の方々と、どういういきさつで受診や相談することになったのかという話から始めるようにしています。多くの場合家庭や学校での問題行動を共有することになります。そうすることで、日常のどういう「困った行動」が「○○障害」=「診断」に相当するのかについて共通認識を持つことが第一段階だと思っています。そういう「困っていること(行動・やりとり)」に対して、とりあえずどういう「対応」が可能で、それを誰がどんなふうに「試してみて」、どのくらいの期間「観察して」、どの時期に結果を「確認する」か話し合うようにします。診断や検査結果だけを告げられるだけで、一番大切な「一緒に考える」という部分の支援をしなければ、生活をともにする人たちにとっては「診断への戸惑い」というもうひとつの困りごとが出てくる可能性もあるようです。 そのように考えると、「診断」が「支援の切符」の機能を果たしているとも考えられます。単に特別支援教育や福祉サービスなどへの「切符」という意味もありますが、周りの人たちの対応の工夫・配慮という意味も含めてです。前回のコラムのツトム君のように、診断を機に先生や保護者が「困った子ども」という見方から「支援が必要とされる子ども」へと変化することについて指摘しました。その見方・視点は、学校あるいは関係者全体で共有され、「支援」や「配慮」という共通目標のもと動いていけるための「チームワーク」がつくられていくわけです。周りのみんなで共通理解・工夫を始めることで、子どもと日常生活で接する大人(=親や先生)の支援につながり、結果として子どもの支援にもつながるということだと思います。支援に必要なチームワークづくりが円滑になるため、子ども達とかかわりの多い(学校)現場では、「診断」を求めたり、あるいは「あの子はLD(学習障害)っぽいからみんなで対応に工夫していきましょう」といったような「プチ診断的」なやりとりで、「共通理解」を進めていくということになるのだと思います。 しかし本当に「診断」はいいことだけなのでしょうか? 実はとても変な話だと思うのですが、「診断」って信じるか・信じないか(納得するか・しないか)っていうような部分があるように私には思えるのです。あまり信じすぎて、「診断」を万能化(これで大丈夫感を持つこと)してしまうと、思ってもみない展開になったりすると思うのです。 例えば、あるお母さんが問題行動著しい息子を連れ、医療機関に何度か受診しました。お医者さんに「発達障害」の診断を説明され、自らの子育ての責任論・原因論からわずかながら解放され、今後の取り組みに希望を持って自宅に戻って行きます。さっそくお父さんである夫にそのことを話すのですが、お父さんの「自分の子どもを障害者にするつもりか? それでも母親か!」という言葉に出くわす例は少なくありません。学校現場の例だと、職員会議で特別支援教育コーディネーターの先生が、ある生徒の発達障害について説明し教職員からの支援・対応についての理解を求めるわけです。すると、教職員の中から「最近の医者は誰でも診断つける」「これじゃ、成績悪いのは全部病気になる」などと異論が出たりして、先ほど指摘した「支援のためのチームづくり」とはほど遠い状況になってしまうことがあるのです。この時、コーディネーターの先生(最初の例ではお母さん)の「診断」に対する「信心」が強ければ強いほど、それを受けつけない同僚(父親)への失望や時には怒りも強くなり、結局チームとしてあるべき集団(教職員・家族)が分裂状態に陥ってしまうことさえあるわけです。 前回のコラムでも指摘しましたが、「診断」も「検査結果」もこの分野に関しては「仮説」のひとつくらいに考えた方がいいのではないかと思います。信じる(納得する)人もいれば、そうでない人もいる。結局、子どもも大人も「障害(名)」で困っているのではなく、日常の子どもの行動、もっといえばその子どもと周囲とのやりとりの悪循環に困っているはずです。朝ぐずった揚げ句に叫ぶ、給食のおかわりが一番でないと怒って給食のお鍋に唾を吐きかける、前の子の髪を引っ張る・・・など。具体的な日常の行動とやりとりに、本人も周囲も翻弄されているはずです。 診断は大切な側面もありますが、それにこだわりすぎて支援を行き詰まらせるよりは、困っている行動をどうしようか、何から試していこうか、誰がどんな役割を担って試行錯誤していこうかということへの共通理解の方がより大切なんだろうと思うのです。 ひきこもりに関するシンポと全国大会のお知らせシンポジウム形式の県民講座「ひきこもりって何?!~ひきこもる若者たちとともに~」が2月20日(金)午後6時30分から、那覇市西の沖縄男女共同参画センターてぃるるで開催されます。FM沖縄のパーソナリティ西向幸三さんをスペシャルシンポジストとしてお招きし、家族そして支援者でひきこもる若者達の現状を共有しつつ、参加者で考えていこうという企画です。参加費は無料です。 さらに県民講座の翌日からは、「第10回全国若者・ひきこもり協同実践交流会inおきなわ」が同じく、てぃるるで開催されます。ひきこもりの問題だけではなく、不登校や発達障害、貧困など子ども達をとりまく問題について、当事者・家族を含めた参加者全員で検討していこうという全国大会です。21日午前9時30分の開会式に続いて、10時からオープニングシンポジウム、午後1時~5時のテーマ別交流会、そして翌22日午前9時~10時30分はテーマ別交流会に加えて、支援者養成講座、そして家族や当事者による特別交流会が企画されています。その後、午後零時30分までにクロージングシンポジウムを行い、全日程を終了する予定です。内容の濃い企画が揃っていますので、関心のある方々は是非ご参加ください。 参加申し込みと詳細については、大会HP(http://okihikishien.it-laboratory.jp/)でご確認ください。昨年の大阪大会に引き続き、県内外から多くの参加者を見込んでいます。早めに参加手続きしていただくことをお勧めいたします。 [沖縄タイムズ http://www.okinawatimes.co.jp/cross/?id=196] 知名孝(ちなたかし)NPO法人ぺあ・さぽーと理事長/沖縄国際大学人間福祉学科准教授。確かに診断を仰ぐということは、障害名が出て安心する部分もあれば、こども本人の問題からおおまかな障害名の関知へと及び、親としては、思わぬ不安も併発していたような気がします。昔は、子どもそれぞれ、個性があっての集団生活で育ったわけで、時代の変化とともに育児も多様化しつつありますね。🌠
2015.01.08
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日銀、女性・障害者の活用強化 新グループ設置日銀は5日付で総務人事局総務課に「ダイバーシティ推進グループ」を設置した。女性や障害者の雇用をどう増やしていくかを企画立案する。当面は出産に伴って退職した女性行員の再雇用制度を整えるなど、女性のキャリア育成や仕事と子育ての両立といった課題に取り組む。日銀は企画役以上にあたる「管理者」のうち、女性の占める割合を現在の4%から2023年に10%に引き上げる目標を掲げている。【日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC05H1T_V00C15A1EE8000/ 】「ダイバーシティ推進 http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/」今や、多くの企業で取り入れていますね。🌠
2015.01.07
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ヤマト福祉財団小倉昌男賞 障害者就労現場での貢献者に第15回ヤマト福祉財団小倉昌男賞の贈呈式が12月4日に開かれ、宮嶋望・農事組合法人共働学舎新得農場代表と、佐伯康人・株式会社パーソナルアシスタント青空代表取締役が表彰された。両氏には、ブロンズ像と賞金100万円が贈られた。 同賞は、障害者就労の現場で、労働条件の改善などに貢献した人を表彰するもの。開会あいさつで、有富慶二・同財団理事長は「2団体は高い給料を払えるビジネスモデルを成功させている」と強調。障害年金と合わせれば、OECDが指摘する日本の貧困ラインの一段階上を超えると評価した。 北海道にある共働学舎では、知的障害者や精神障害者など約70人が町から無償で借りた土地で、畜産や有機野菜の栽培をしている。農産物の加工も行っており、特にチーズは世界的に認められているという。実質的な賃金は月7万円。宮嶋代表は「一人の人間としての隠された可能性を引き出していきたい」と述べた。 一方、愛媛県の青空社は、農薬や除草剤を使わずに、米や野菜など100種類を栽培。味のレベルも高いことから、中には市場平均の3倍の価格で取引されるものもあり、賃金は月5万円を超えるという。佐伯代表取締役は「一つの仕事を細かく分けることでそれぞれが一芸に秀でた職人になれる」と話した。 同財団は1993年、心身に障害がある人の自立と社会参加を目的に設立。ヤマト運輸株式会社社長などを歴任した故小倉氏が会社の役職を退いた際、個人資産を寄付して創った。[福祉新聞 http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/6981] 素晴らしい功績、今後のご活躍も楽しみですね。🌠【楽天ブックスならいつでも送料無料】人材紹介のプロが答える発達障害の人が働くためのQ&A [ 石井京子 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】福祉を変える経営 [ 小倉昌男 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】初めての障害者雇用の実務 [ 障害者雇用企業支援協会 ]
2015.01.06
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隠し続けた兄の存在…「最期をみとる」覚悟を持てた心の変化「結婚しよう」 10年前、神奈川県に住む30代の会社員、寺田智美に大きな転機が訪れた。職場で知り合った交際相手の毅にプロポーズされたのだ。 幼い頃から、自分の家庭を築くことを誰よりも望んでいた。そんな智美にとって、毅からの言葉は忘れられない瞬間になるはずだった。が、喜びよりも先に脳裏をよぎったのは不安だった。「どうしよう…」 智美は毅に、父のいない環境で育ったことだけは伝えていた。しかし、両親が離婚したことや、母の美幸からネグレクト(育児放棄)されていたことなど、まだ打ち明けていない幾つもの家庭の事情があった。 中でも、知的障害を持つ2つ上の兄、宏の存在は、10代後半から友人や上司にも存在自体を隠し続けてきた最大の「秘密」だった。母に背中押され 智美が幼い頃から、兄は独特の存在だった。ぶつぶつと意味が分からない言葉を繰り返し、嫌なことがあると突然「ワーッ」と大声を上げた。手を落ち着きなく上下に動かし、しきりに拍手をする。夜はあまり眠らず、何かつぶやいたり、テレビゲームに没頭したりする姿を覚えている。智美の父、敏夫は家族4人で暮らしていた頃から家に生活費を入れなかったため、家計を担っていた母は、飲食店での仕事で家を空けていた。智美には母親らしいことはほとんどしてくれなかったが、決められた生活でなければパニックに陥ってしまう兄のことには、人が変わったように関係機関への相談などに奔走していた。 事実、兄に関する相談のため、母は兄と智美を連れて月に数回、児童相談所を訪れたが、家に不在がちで智美に十分な食事さえ準備できていないことは、一言も口にしなかった。 「母はそういう状況になっていることを人に言うのは恥ずかしいことだと感じていたんだと思う。兄に関してはなりふり構わないのに。兄にばかり構っていてずるいと思っていた」 智美は思わず母に「普通の家に生まれたかった」と感情をぶつけたことがある。返事はなかった。 智美が小学3年のときに両親が離婚すると、母は女手一つで子供2人を育てようとした。だが、やはり負担が大きく、半年で断念した。兄はそれ以来、障害者施設に入っている。 智美はやがて兄の存在自体を隠すようになり、毅にも「兄弟はいない」と説明していた。そんなときの、毅からのプロポーズ。「隠し通せない。でも、言ったら結婚できないかもしれない…」悩む間にも、毅の両親にあいさつに行くことになるなど、結婚話が進んでいく。焦りを募らせる智美に「言った方がいい」と背中を押してくれたのは母だった。思い切って両親の離婚のこと、兄のことを一気に打ち開けると、毅の返答は「なんだ、そんなことだったの」。毅の両親も受け入れてくれた。理解を生かして 施設に入る兄と最近会ったのは約1年前。母にも「年に1回は会いに行って」と頼まれている。 兄は体調の良い時は智美の娘に興味を示し、「よろしく、よろしく」と繰り返すが、無視することもある。かつて「何でいるんだろう」と疎ましく思った兄の存在だが、次第に受け入れ、周囲にも話せるようになった。 時には「実はうちも…」と家族に障害者がいることを打ち明けられることも。かつての自分と同じような境遇の人たちがいることを知った。30代になった今は「障害者の家族の気持ちを自分は誰よりも分かると思う。これを生かしていきたい」と前向きに捉え、職場でも障害者をサポートする役割に手を挙げた。 智美は言う。「障害は特別なことではない。どういう症状かを知れば、障害者は怖い存在ではないことが分かるはず。職場などで受け入れることが、障害者への理解につながるのでは」 兄にばかり愛情を注いだかに見えた母も、もう60代と高齢だ。「母が死んだら、兄の身内は私だけ。兄の最期をみとるのは私しかいない」。そんな覚悟を持てるようになった。(文中はいずれも仮名、敬称略) ■被虐待者は乳幼児4割超 虐待者は実母が突出 厚生労働省が集計している児童相談所による虐待対応件数は、被虐待者の対象を「18歳未満」としている。厚労省が被虐待者を「0~3歳未満」「3歳~学齢前」「小学生」「中学生」「高校生・その他」の5つに区分して集計したところ、平成25年度で最も多かったのは小学生で、2万6049件(約35%)だった。 これに、3歳~学齢前の1万7476件(約24%)、0歳~3歳未満の1万3917件(約19%)が続く。学齢前の乳幼児を合計すると、全体の4割超に上った。 一方、虐待した側をみると、実母が4万95件(約54%)で最多。実父(2万3558件、約32%)の約1・7倍だった。また、実母が再婚した相手や内縁の夫などを含めた「実父以外の父」も4727件(約6%)と一定の割合を占めている。 ■ご意見・体験募集 産経新聞社会部では、家族を取り巻く問題について、読者の方々からご意見や体験を募ります。手紙・はがきは〒100-8077(住所不要)産経新聞社会部「家族」係へ。FAXは03・3275・8750。Eメールはnews@sankei.co.jp。 【産経ニュース http://www.sankei.com/premium/news/150104/prm1501040027-n1.html 】家族が増える時、一つの人生の転機が訪れた時でも、自分の指標を持って生きることが大事なんでしょうね。🌠
2015.01.05
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「足音に一目惚れしました」目や耳に障害持つ人たちの“恋バナ”を聞いてみた好きな人の名前を見るだけで言い様のないときめきが体内を駆け巡った…。そんな初恋の頃も今は昔。大人になるにつれて、恋愛は複雑になる一方だ。“好き”というシンプルな感情だけでは、事が進まないのが現実である。そこで今回、目や耳に障害を持つ方々に、彼らの“恋愛エピソード”を聞いてみた。おそらく一般的には知られていないが、豊かに恋をし愛を育む彼らの一面は、きっと恋愛における初心を思い出させてくれるだろう。 「足音にね、一目惚れしたんですよ。」 視覚障害を持つ中田さん(仮名、男性)は、次のように語ってくれた。「目が見えないとね、『どうやって人のことを好きになるんですか』って聞かれたことがあるんです。でもね、目が見えなくても一目惚れするんですよ。外見がわからないのになぜ?と思われるかもしれませんが、相手の足音を聞いて、僕は人のことを好きになったことがあります。足音には、その人の性格が出ます。せっかちな人、おおらかな人、丁寧な人、優しい人、怒りっぽい人なんてことも、足音を聞けばなんとなくわかります。目が見えないぶん、音を聞き分けることに慣れてるんでしょうね。声を聞かなくても足音を聞けば誰か言い当てられますよ。僕が好きになった人は、すごく丁寧で優しいということがわかる足音でした。だから、話す前から彼女のことがすごく気になっていました。今でも付き合っていますが、やっぱり彼女の足音が好きです。近くに来ると安心するし、嬉しい気持ちになります。」 ●「ふたりにしか分からない感覚は、ふたりの関係を強くするんです。」 聴覚障害を持つ大島さん(仮名、女性)は次のように語ってくれた。「私は耳が聞こえないので、どんなものに音があるのか知りません。昔、駅のエスカレーターに差し込んだ窓からの光が、まるでエスカレーターを降りているように見えたことがありました。そのときに私は、“トントントン”と音がしたと思ったんです。人が階段を上り下りすると足音がするでしょう? それと同じように、窓からの光も音を立ててエスカレーターを降りているように感じました。そのとき、私は彼氏と一緒にいました。彼も、私と同じ聴覚障害を持つ人間です。後で分かったんですが、彼も私と同じように『光が音を立てている』と思っていたそうです。そう思っていたことをお互い打ち明けたとき、他の人には分からないふたりだけの秘密を共有したような気持ちになりました。ふたりだけにしか分からない感覚で繋がったというか、絆がもっと強くなったような気がしたんです。」繊細な感覚を持って丁寧に恋をする彼らは、筆者に対して次のようにも語ってくれた。「生まれたときから見えない(聞こえない)ことがふつうだったので、不便だとか不幸だと思ったことはないんです。むしろ、まわりに“かわいそう”と言われることで“かわいそうな人”にされている気がしています。私たちは障害を持ちながら、ふつうに恋をして楽しく生きているんですよ。」恋愛というのは、好きな相手とただ一緒にいるだけで満たされ、嬉しくなり、幸せを感じられるもの。というのは“きれいごと”になってしまうかもしれないが、ただ一緒にいるなかで自ら何かを発見し幸せを感じている彼らの話を聞くと、プラスアルファを求め過ぎて“贅沢”になってしまっている自らの恋愛観を省みるという人も少なくないだろう。積極的に相手の良いところを発見しようとする彼らの恋愛における姿勢に、学ぶところは大きい。(文/しらべぇ編集部・河津愛美)[ DMM.com http://dmm-news.com/article/906703/ ]思えば私もお婿さん選びは足元とハンカチだったような気がします。どこに視点を置くか、逆にどこを見られているか、普段から気を付けたいと感じる年頭ですね。🌠
2015.01.04
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PM2.5が子どもの自閉症の原因に、妊娠後期の影響が特に強いこれまでの研究から、子どもの自閉症の原因として、環境汚染物質が挙がっていたが、中でもPM2.5の大気汚染の影響が大きいようだ。 ハーバード大学の公衆衛生学の研究グループが、環境と保健分野の国際誌であるエンバイロメンタル・ヘルス・パースペクティブズ誌で2014年12月18日に報告した。妊娠前や妊娠後には影響がない 自閉症のリスクを高める要因として、「遺伝」「大気汚染」があると分かっている。 妊娠期間中、生後間もない時期の赤ちゃんが大気中の環境汚染物質にさらされると危険が高まる。今回、さらにPM2.5について突っ込んで調べている。 研究グループは、1989年からの米国人女性看護師健康調査2の対象となった約11万6000人を対象として検証した。 全米50州の中で、研究対象となった女性の子どもの中で、自閉症と診断されたのは245人だった。自閉症ではなかった子ども1522人と比べた。 収集したのは、妊娠中の居住地のデータと全米のPM2.5による大気汚染のデータ。PM2.5の程度が上がるほど影響強く 結果、妊娠中、特に妊娠後期においてPM2.5が、子どもの自閉症と関連があると分かった。 PM2.5にさらされる量が少ない人から多い人まで4分割した場合、1段階多くなるたびに危険度は1.57倍高くなっていた。妊娠の前後9カ月に同じ住所に住んでいる女性の場合だ。 妊娠前の9カ月、妊娠後の9カ月については関連がほぼなかった。 妊娠中については、妊娠後期ではPM2.5の程度が1段階上がるごとに1.42倍高まった。妊娠後期が特に自閉症に影響を及ぼすと見られた。 より大きな粒子PM10-2.5と自閉症との間にはほとんど関連がなかった。 日本でもPM2.5がよく問題になる。妊娠中、注意報などが出ているときには、外出を控えたり、室内の空気を正常化したりする工夫をした方が良さそうだ。 文献情報Raz R et al.Autism Spectrum Disorder and Particulate Matter Air Pollution before, during, and after Pregnancy: A Nested Case–Control Analysis within the Nurses’ Health Study II Cohort.Environ Health Perspect. 2014 Dec 18 [ahead of print]http://ehp.niehs.nih.gov/1408133/ [Medエッジ http://www.mededge.jp/a/gyob/6419]環境汚染は、もはや世界問題です。もっと深刻に取り組んで欲しいテーマですね。🌠
2015.01.03
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ネグレクトに耐え、手にした「宝物」 身勝手な父…死の間際、家族の縁感じる「別れの夢」神奈川県に住む30代の会社員、寺田智美の朝は、決まって目の回るような忙しさから始まる。 平成26年12月。空に夜の気配が残る午前5時半に起き、小学2年の長女、梓(8)と自分の弁当作りに取りかかった。アニメキャラクターをかたどる「キャラ弁」とまではいかないが、手は抜きたくない。30代の夫の毅と梓を見送った後、自転車で次女の藍(3)を保育園まで送り届けて、ようやく出勤だ。 努力家だが少しルーズな梓、まだトイレがうまくできない藍。手を焼くこともあるが、梓が月に3、4通くれる手紙を読むと、心がほどける。 「ママへ。だいすき。長いきしてね」 かつて「普通の家族」をどれほど渇望しただろう。家族を裏切った父、子供の私を放置した母…。 智美が児童虐待の一つ、育児放棄を意味する「ネグレクト」という言葉を知ったのは、22年7月末。大阪市で3歳の女児と1歳の男児の遺体が見つかったことを伝えるテレビニュースを目にしたことがきっかけだった。後に殺人罪で有罪が確定した20代の母親は同年6月上旬、自宅に2人を閉じ込めて外出。2人は同月下旬に餓死した。 「これだ」。自分もネグレクトを受けていたと、智美が認識した瞬間だった。今の家族は、置き去りにされた部屋で孤独に耐え、涙した幾つもの夜を経て、やっと手にした「宝物」だ。普通じゃない 父の敏夫は営業職に就いていたが、給料を酒とパチンコにつぎ込んでいた。智美が物心つく頃には、母の美幸が夜、飲食店で働き、生計を支えていた。 智美が6歳になる頃、父に愛人がいることが分かった。父は相変わらず家に生活費を入れなかったが、母は離婚しなかった。智美の2つ上の兄、宏は知的障害者だった。「あんな父でも兄のために必要だと考えたんだと思う」。智美は当時の母の心情を推し量る。母は父に「せめて夜だけは家にいるように」と言いつけ、夕食を作り置きしては働きに出た。しかし、父は片付けすら面倒なのか、決まって智美と兄を近くのファミリーレストランへ連れて行った。誰も手をつけない夕食はゴミ箱行きだ。 ビールを飲む父を見ながら、智美が食べるのはいつもハンバーグ。野菜を食べることはほとんどなく、見る間に太っていった。 智美が自分の家庭を「普通ではない」と感じるようになるまでに、そう時間はかからなかった。 父は食事を与えてはくれたが、頭の洗い方や歯の磨き方、食生活のバランスといったことは何も教えてくれなかった。不在の母に代わり、洋服などの洗濯は父に頼むしかなかったが、放置されることもしばしばで、臭いを気にしながら同じ服を着たこともある。 「普通の親がやってくれることを、自分の親は何もやってくれなかった」 小学校に入学し、プールの授業を前に実施されたギョウ虫検査。同級生に配られた検査結果の用紙には黒い文字が印刷されていたが、智美だけは茶色の文字だった。「なぜだろう」。卵が検出されたのだ。 頭髪のシラミ検査も、同級生は担任が調べるだけなのに、智美は保健室の先生に入念にチェックされ、結局、シラミが見つかった。同級生にうつしてしまい、白い粉の駆除薬をしばらく頭にかけられていた。 「当時は幼いから、恥ずかしいという気持ちまではいたってないけど、なんで自分だけ違うんだろう、とは思っていた。今思うと、恥ずかしいですけど」 中でも、定期的に回ってくる給食当番は気が重かった。洗濯してもらえず汚れたままの白衣を見た同級生に「寺田さんに配(はい)膳(ぜん)されるのは嫌だ」と言われ、牛乳配りばかりしていた。臭くないか、不潔じゃないか。常に人の目を気にするようになった。 小学3年の頃には歯石がたまって歯茎が腫れ、歯周病に。その後も虫歯が7本あることが分かり、現在も痛々しい治療痕が残る。20年ぶりの夢 父はやがて、夜も週5日は家を抜け出し、愛人の元へ行くようになった。夜中に智美が目を覚ますと、静まり返った一軒家には兄と自分だけだ。 幼い智美はたまらなく不安になり、夜起きては泣き出した。「大丈夫?」。異変を察した近所の人が顔を出してくれることも。「子供をほったらかして親は何してるんだ…」。そんな両親への非難も聞こえた。 「親をかばいたいけど何も言えず耐えていた。自分が親に見捨てられているって思いたくないし、認めたくないから耐えるんです」 小学3年で両親は離婚した。父を残し、智美は母と兄と家を出た。なんとなく、もう父と一緒に住めないことは分かっていた。最後の日の父の記憶はない。 3年前、父方の叔父から父が亡くなったと知らされた。聞けば、離婚後に職を失い、郷里に戻った父は、晩年まで両親の介護に明け暮れていたという。 ふびんに感じた。 ファミレスに連れて行ってくれたこと、家でともに過ごした時間…。無責任だが怒られた記憶のない父には「不思議といい記憶しか残っていない」という。その後、憎しみと愛情がないまぜとなり、多くの葛藤を抱えることになる母への思いとは対照的だ。 実は叔父からの連絡の半年前、20年ぶりに父の夢を見た。「智美」と自分の名を呼ぶ声は、かつての懐かしい記憶のままだった。 「死ぬときのお別れに来たのかな。今となっては最後の日に『元気でね』と話してあげればよかった」。家族の不思議な縁を感じた。(文中はいずれも仮名、敬称略) ◇ ともに過ごした月日の分だけ、涙があり、笑顔がある。家族って何だろう。人口減少社会を迎えた今、その大切さを伝えたい。時に「鎖」に縛られ、傷つきながらも、新たな「絆」を育もうとする人たち。第1部は「虐待」を乗り越えた2組の家族に焦点を当てる。児童虐待は23年連続で増加 7万件を突破 児童虐待の相談件数は増加の一途をたどっている。全国の児童相談所(児相)が平成25年度に対応した児童虐待の件数は前年度比で10・6%増の7万3802件。調査を始めた2年度から23年連続で増加しており、初めて7万件を突破した。5年前の約1・7倍、10年前の約2・8倍と増加率も高い。 件数は児相が18歳未満の子供に関する被害連絡を受け「虐待」として対応したもの。社会的な関心の高まりに加え、厚生労働省が25年、虐待を目撃したきょうだいも「心理的虐待」を受けたとして対応するよう通知したことも背景にあるが、虐待そのものも増えているとみられる。 自治体別では大阪府が全国最多(1万716件)。神奈川県(9838件)、東京都(5414件)、千葉県(5374件)、埼玉県(5133件)と続いている。ご意見・体験募集 産経新聞社会部では、家族を取り巻く問題について、読者の方々からご意見や体験を募ります。手紙・はがきは〒100-8077(住所不要)産経新聞社会部「家族」係へ。FAXは03・3275・8750。Eメールはnews@sankei.co.jp。[産経新聞 http://www.sankei.com/premium/news/150102/prm1501020028-n1.html]寺田智美さん(仮名)が長女から贈られた手紙。「だいすき」「長いきしてね」という言葉が並ぶ(蔵賢斗撮影)家族を取り巻く背景には、10家族あれば、10通りのホームドラマがあるのでしょうね。🌠
2015.01.02
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世田谷一家殺害事件の特番で犯人像の核心つく質問に「ピー音」28日放送の「世紀の瞬間&未解決事件3時間スペシャル」(テレビ朝日系)で、事件の核心に迫るであろう部分がピー音で伏せられ憶測を呼んでいる。同番組では、2000年12月30日に起きた「世田谷一家殺害事件」について、元FBIプロファイラーのマーク・サファリック氏が来日して、5日間に渡るプロファイリングを通し事件の真相に迫った。事件発生から14年が経過しようとする12月上旬に来日したサファリック氏は、事件現場や犯人の行動、遺留品、周辺での目撃情報など手がかりになるであろうあらゆる情報の収集や検証をし、犯人像を特定していった。サファリック氏は、犯人は被害者家族の誰かと顔見知りであった、メンタル面で問題を抱えている、強い怨恨を持っていた、と次第に犯人像を固めていった。番組後半、サファリック氏が犯人像に結びつくであろう核心をついた質問を、被害者家族の妻・宮沢泰子さんの姉・入江杏さんに直接訊いた。サファリック氏は、自身が考える犯人像を入江さんに丁寧に説明したうえで、被害者家族の誰かが恨みを買い、犯人が恨みを晴らす唯一の方法が、家族全員を殺害することだったと説いた。これに対し入江さんは、恨まれている節はなかったと感じると応え、さらに金銭や男女関係のトラブルも一切なかったと話した。しかし、この後放送では「サファリックの質問。それは犯人像の核心をつくものだった」とナレーションが当てられ「○○○へ行ったり。そのような接点は考えられますか?」と、サファリック氏が質問した○の部分の音声にはピー音が、さらにテロップでは「重要な見解」と記され伏せられた。入江さんが「考えられないでもない」と答えると、ナレーションが入り「サファリックの質問で伏せられた部分には特定のキーワードが含まれるため放送は控えるが」と、伏せた理由を説明した。さらに入江さんが「礼くんの発達障害を気にかけて…」と続けた場面で、その先の発言が伏せられた。ナレーションでは、「具体的な発言のため放送を控えるが、入江さんには思い当たる節もあるという」と、説明があった。そして、サファリック氏は入江さんに「犯人の奇妙な行動は私が過去に取り扱ったケースの行動データと一致します」と、語り犯人像の特定に自信をみせた。番組ではサファリック氏のプロファイルによる犯人像を「1つの可能性として警視庁に伝える」ことや、番組エンディングは事件の特捜本部の連絡先を映し出して情報提供を呼びかけた。[livedoor http://news.livedoor.com/article/detail/9628886/ ]残忍な事件から14年、この番組の伝えたかったこと、今更ながらに考えさえられますね。🌠
2015.01.01
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