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2007.04.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
20歳を過ぎたあたりから、おなかがすこぶる弱い。
女性は便秘症の人が多いそうで、姉も母も
究極の便秘症である。姉などは10日間排出しなくても
平気だそうだ。私の場合は半日が限度で、丸1日も
ためようものなら、顔色が悪くなる。それ以上なら、
気分も体調も顔色も脳の働きも病人のそれになる。

どうしてなのか、と疑問に思ったのが22歳のとき。
胃が痛くなると、食べたものの出現も早くなる。
腸だけの問題ではないことが薄々理解できた。

ある朝、その日は授業が午後からだったので、
学校に出勤した私は、事務長に病院に行きたいと
告げた。担任としての務めはきちんと済ましていたので、
不本意ながら事務長は了承してくれた。

病院で胃腸の不調を訴えたが、医者は
「胃薬を出しますから、様子を見ましょう」
病院通いをする余裕はない。
「朝を抜いてきています。レントゲンを」
そう言うと医者は“仕方ないなぁ”という表情をし、
「若い人の症状は一過性のものが多いんだけどね」
と言いながら、看護婦にレントゲンの準備を指示した。
レントゲン室に入った私は、ガラス越しに見える医者の
マイクを通した指示に従って、撮影を終えた。

結果を示しながら医者が言った。
「悪いですねぇ」
若かったので、さすがに「ガン」を心配したりは
しなかったが、「悪い」という単語は緊張を強いた。
「瀑状胃ですね」
「バクジョウイ?」
「奇形です。原因はわかりません。先天性なのか、
後天性なのか。生涯治らないのか、自然に治るのか」
「治すのには、手術が必要ですか?」
「治す手段はありません」
「え……」
「一生つき合う覚悟でいる方がいいでしょう」
まだ22である。「一生」は長過ぎるだろう。
「どうしたらいいんですか?」
「酒と辛いもの、味の濃いものは薄めて飲み食いして
ください」
「ビールも?」
「ビールは仕方ないなぁ。量を少なくして。
ウイスキーは必ず薄めてください。それと、瀑状胃は
極度の消化不良を起こしますから、腸に負担が
かかります。慢性的な腸炎ですし、神経性の大腸炎も
あるようです。その上、極端な胃下垂で、胃と接する
大腸が、癒着して炎症を起こしています」
「……それって、胃腸すべてが悪いということ
ですか?」
「そういうことです。定期的に検査を受けるように
してくださいね」
「定期的って、どれくらいの?」
「2年間隔くらい」
絶望的になった。80歳まで生きるとしたら、
30回近くも放射能に被爆しないといけないということに
なる。

と言いながら、バリウムを飲んだのは、その後2回だけ。
カメラは1回。相変わらず悪いようだが、致し方ない。
この胃腸のおかげで必要以上に太ることもなく、
たくさん食べても、ちょうどいい塩梅の量を食べても
結果は同じという人生を歩んでいる。

毎日、大酒を薄めずに飲み、激辛の食べ物を好んで食し、
胃痛、腹痛と闘いながら、懲りない生活を続ける私は、
世捨て人となったおやじと何ら変わりない悲哀と
虚無感を漂わせていることだろう。

                      南無





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Last updated  2007.04.16 20:54:31
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