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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ パチンコ屋のテーマが初演奏される(1900年= 神戸の観艦式=)。◆ 昨日、エヴァ・アンナ・パウラ・ブラウンと結婚したアドルフ・ヒトラーが夫婦揃って心中。結婚した二人を労農赤軍がモスクワへ新婚旅行に招待させようとしたが、そうはさせじと遺言によって二人の遺体は徹底的にローストされた(1945年)。◆ ポケットに入るサイズのラジオをソニーが発売。ポケットに入らないと言う苦情に対しては、ポケットをラジオに合わせれば良いとした(1960年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月30日】月面着陸に挑んだispace、CEOが振り返る13年の歩み =前節==ForbesJapan / テクノロジー_宇宙 / 2023.04.28 / 露原直人 | Forbes JAPAN編集部日本発の宇宙スタートアップ企業「ispace(アイスペース)」が挑んだ、民間企業として初の月面着陸。2022年12月11日に打ち上げられた月面着陸船は、日本時間4月26日未明に着陸体制に入ったが、その後通信が途絶えた。詳しい原因を解明すべく、解析を進めているという。今回の挑戦に至るまでには、長く険しい道のりを歩んできた。ispaceの前身は、合同会社「ホワイトレーベルスペース・ジャパン」。オランダの「ホワイトレーベルスペース」の日本支社として2010年に設立され、日欧チームで、月面探査レース「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」の優勝を目指していた。日本はローバー(月面探査車)を、欧州はランダー(月着陸船)を製作するという役割分担をしていた。しかし2013年、欧州のチームがレースから脱退することになり、ホワイトレーベルスペース・ジャパンは組織変更で「ispace」を設立。「HAKUTO」というチーム名でGoogle Lunar XPRIZEに独自参加を続けた。ただ、その後も別の協業チームの離脱が起きるなど苦戦を強いられ、ispaceもレース中止に追い込まれた。そうしたなかでも2017年には大型の資金調達に成功し、今年4月には東証グロース市場へ上場した。ispace代表締役CEO&Founderの袴田武史(はかまだ・たけし)に、1. 創業まで(〜2010年9月)2. 創業から5年目まで(2010年9月〜2015年8月)3. 6年目からIPOまで(2015年9月〜2023年4月)各期間のターニングポイントを聞いた。ターニングポイント /1 : 結婚式で月面探査レースを知る幼い頃から宇宙への憧れを抱いてきた袴田は、日本とアメリカの大学で航空宇宙工学を学んだ。卒業後は、外資系のコンサル企業に就職したが、そこでの勤務が後のスタートアップ経営にも影響を与えたという。 「『コンサルで経営の勉強をしたんですか?』とよく聞かれますが、それよりはスタートアップを経営するためのガッツを得たと思います。コンサルは小さな会社で、僕が8人目くらいの社員でした。顧客のコスト削減が仕事で、削減額の何パーセントかが自分の給料になるという環境だったんです」転機が訪れたのは2009年。友人の結婚式で「Google Lunar XPRIZE」出場を目指すチームのメンバーと出会ったのだ。同レースはGoogleが主催で、月面を500メートル以上走行し、高解像度の画像や動画データを地球に送信したチームが約2000万ドル(約26億円)の賞金を獲得できるというものだった。その時点では、まだ袴田の決心はつかなかったが、翌2010年の1月にチームが来日し、イベントを開催。そこで宇宙ロボット研究者である東北大学の吉田和哉(よしだ・かずや)教授に出会うと、意気投合し、参加を決意した。ターニングポイント /2 : 探査車開発に専念することを決めるチームとしての目標はただ1つ。「Google Lunar XPRIZE」での優勝だ。袴田はその目標実現に向けてチームを率いることになったが、「経営者になるなんて考えたこともなかった」という。当時のチームは、袴田と吉田を含め4人。最終的に袴田が代表として手を挙げたのは「いちばん忙しくないから」という理由だった。「平日の2日と週末の2日を使い事業をやりたい」と勤務先の社長に話すと、快く承諾を得られたという。「ただ、起業家と言えるほどの覚悟は持っていませんでした。リスクは取らない形で始めたし、失敗しても仕方ないかなという気持ちもありました」メンバーは次々に集まった。皆がGoogle Lunar XPRIZEでの優勝という明確な目標に向かい、ボランティアとして参加するメンバーも多くいた。土曜日には袴田の自宅にメンバーを集め、2〜3時間、目標と課題について共有した。後にボランティアから社員となった人間もいて、人材採用に困ることはなかったという。一方で、資金調達は門前払いの連続だった。製品もなければ、民間企業で月に行ったという先行例もない。そうしたなかで、どうにかスポンサー企業から協賛金を得ることはできないかと考えた袴田は、実にアナログな策に打って出た。「『スポンサーになってもらえませんか』と大企業の社長宛てに手紙を100通ぐらい書きました。お断りがほとんどでしたが、実際に2〜3人にお会いすることができ、契約をとることができました」この時の契約成立はわずかだったが、後に「あの時の手紙がきっかけ」としてスポンサーになる企業もあったという。しかし、壁は再び立ちはだかる。2013年、ランダー(月着陸船)の製作を進めていた欧州のチームが資金難により解散することになったのだ。ランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を両方開発するのに必要な資金は約50億円。ただ、その時点では資金調達はできても10億円、というのが袴田の推測だった。 「10億円でできることは何かと考えたんです。まず、ランダーの開発はしないと決め、他社に借りることにしました。もちろん自社でつくるという選択肢もありました。でも欲張らなかった。両方やっていたら、資金が集まらずに事業は頓挫していたでしょう」さらに製作を進めていたローバーの軽量化にも取り組み始めた。 「ローバーは1キロ増えるだけで1億円以上コストがかかります。重量を1キロにすれば人件費などを含めても10億円で収まるだろうと考えました」資金調達を行うため、袴田はコンサルを退職してispaceを設立。実際に10億円の調達にも成功し、米アストロボティック・テクノロジー社のランダーに相乗りすることも決まった。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/30
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ ライト兄弟の初飛行に先立ち、二宮忠八が烏型飛行器(プロペラ式模型飛行機)が飛行に成功(1891年)。以降、金なくスポンサー無きままに開発断念・・・・・。◆ おめでとう!五目並べはオセロに進化した(1973年)!!◆ シンボリルドルフが天皇賞で優勝を飾って五冠馬となり、「第2のシンザン」と呼ばれることに(1985年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月29日】動き出した日本のIR 世界におけるその実態 =後節==Wedge REPORT / 2023年4月24日 / 池上重輔 (早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授) 本来は日本のマーケティングの中核を担うはずのDMO(デスティネーション・マーケティング・オーガナイゼーション。最近はデスティネーション・マネジメント・オーガナイゼーションとも呼ばれる)は、地域のマーケティングを担う組織だが、マーケティングのプロフェッショナルが全国のDMOにいるわけではない。 観光庁が最近DMO向けのマーケティングガイドブックを発行したのが現状である。IRを通じて国際競争の激戦区の中でマーケティングを学び、そこから伝播させて日本の観光マーケティング力を高めるような意識が今こそ必要なのではないだろうか。 解いておくべき2つの誤解 IR と言うとどうしてもカジノのみに目が行きがちだが、MICEをどのように運営するかという観点は極めて重要であり、日本のポジションを改めて世界で構築するのにも役立つことを忘れてはいけない。MICEは企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったものである。ホテルや会議室、その他の設備も必要であるが、それ以上に構想力や企画力を含めたソフト力が重要である。 ソフト力を考える際に2つの誤解を解いておく必要があるだろう。一つは未だに日本がアジアでは圧倒的な経済力を持つ魅力ある地であるという認識であり、もう一つは日本のビジネスが低調なために海外のビジネス客に向けてウリになるものがないという認識である。 この矛盾した2種類の極端な見方はどちらもある部分あっているが、ある部分不正確である。確かに日本の経済的な位置づけは1980年代、90年代に比べて低下してきており、フォーチュン500や時価総額ランキングでは劇的に日本の地位は低下している。何も工夫せずに海外からビジネス客が会議や研修旅行に来るわけではない。 MICEに来る企業の顧客層はもちろんアクセスや設備・利便性などを選択基準にしてはいるが、それ以外にも付加価値を常に考えている。日本のMICEにおける魅力はさまざまな展開が可能であり、例えば日本の食は海外のビジネス客にも一定の吸引力を持ちうる。 筆者が所属するビジネススクールは海外のビジネス幹部の訪日研修を受け入れているが、中国を含むアジア圏、欧州、米国からの引き合いは増加している。それぞれの客層によって来日ニーズは多少は違うが、ロボティクスの適用、ホスピタリティの実践、ファミリービジネスや長寿企業に関して学びたいというニーズは継続的に存在する。 加えて言うならば海外におけるビジネスの価格帯と日本における価格帯の差も常にウォッチしておく必要があるだろう。特にビジネス教育において、海外では高品質のものには多くの日本人が想定している以上の価格を払う傾向がある。例えば 欧米のトップクラスのビジネススクールは、企業向けの研修に1日1000万円以上を課金するのが平均的となっている。安くて良いもの・良いサービスを提供するパラダイム(考えから)からそろそろ脱却する時期であろう。 IRがいくつもの課題を抱えているのは事実だが、開業するのであれば日本が発展するためのパラダイム変革を促すきっかけと位置づけてポジティブな波及効果をもたらしてほしい。「脱亜」できない日本の受難...海を渡って飛んでくる、隣国の黄砂やミサイル=NewsWeek_ Superpower Satire(China) 風刺画で読み解く中国の現実 2023年04月24日/ ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)ポストコロナの北京で先日、過去最悪レベルの黄砂が発生した。その一部が風に乗って日本に運ばれ、夕刻の空がいつもより黄色く染められた。その様子を見ながら、感慨深く思った。日本はどうしても「脱亜」できないのだ、と。「脱亜論」は明治時代の思想家・福沢諭吉が1885(明治18)年に新聞の社説で書いたものだ。その内容は以下のとおりである。西洋文明ははしかの流行のようなもので、防ぐ方法はない。ただし不幸なことに、近隣の中国や朝鮮などの国はその西洋の近代化文明を拒否し、昔のまま何も変わらない。こういった進歩を停止したアジアの隣国が西洋文明を受け入れるのを待つよりも、さっさと欧米列強の仲間に入ったほうがよい──。近現代の日本は、確かに脱亜の道をまっしぐらに進んできた。政治体制も、科学技術も、生活スタイルも、そして論理的な思考方法までも欧米文明と抱擁する先進国になった。だが、それでも本当の意味での脱亜は一向にできていない。冒頭の黄砂はその一例だ。日本は引っ越しができない。日本がアジアのオアシスなら、隣の中国や北朝鮮など独裁政権の国はまるで砂漠のような存在である。隣の砂漠をなくさなければ、黄砂、そしてミサイルはいつでも飛んでくる。囲まれたオアシスだけがいつまでも無事でいられるはずはない。かつて天安門広場で発生した民主化運動は、中国を専制国家という砂漠から民主主義のオアシスに変身させる絶好のチャンスだったが、残念ながら失敗した。その後、アメリカや日本を含む民主国家は対中関与政策を実施した。貿易や投資を通じて中国を欧米の価値観に取り込み、徐々に民主化しようとしたのだが、経済が飛躍的に発展した結果、中国は独裁をかえって強化した。関与政策、つまり砂漠の緑化計画は完全な失敗に終わった。隣国の砂漠を根治できないと、黄砂はいつでもはるばる海を渡って飛んでくる。地政学的な脱亜ができない日本は、これからどうやって民主主義のオアシスを守りながら、隣国の黄砂やミサイルを防ぐことができるか。ミサイルが日本に落ちてからでは遅いのだ。ポイント : 脱亜論1884年にソウルで起きた親日派クーデターの失敗に失望した福沢諭吉が執筆した。当時は話題にならず、1980年代に歴史教科書問題が起きるとアジア侵略の論理として注目された。 : 黄砂中国語で沙塵暴(シャーチェンパオ)。中国大陸内陸部のゴビ砂漠や黄土高原で風によって巻き上げられた土壌・鉱物粒子が飛来する現象。過放牧や農地転用、森林減少が原因の1つとされる。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/29
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ 有名人が産まれる特異日。この日産まれたのには秀吉を苦しめた朝鮮人・孤独好きなアメリカ大統領・ポルトガルを長らく統治した経済学者・女の絵で有名な二科会のドン・神を証明しようとした不完全性定理で有名な数学者・名簿でユダヤ人を救おうとした方・イラクの血生臭いヒゲの親父・平和の船でワイワイやろうと言い出した張本人等々・・・・・◆ スイスへ逃亡中のベニート・ムッソリーニがパルチザンからリア充ぶりを指弾され、爆発させられる。(1945年)◆ ダグラス・マッカーサーが「僕は死にましぇん。ただ消え去るのみです。」と言い放ち、日本を去って美しい国に帰還(1952年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月28日】動き出した日本のIR 世界におけるその実態 =前節==Wedge REPORT / 2023年4月24日 / 池上重輔 (早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授) 2023年4月14日に 政府は日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)の実現に向けて、 大阪府と大阪市の整備計画を認定した。大阪・関西万博の会場となる夢洲の約49万平方メートルに、カジノ(約6.5万平方メートル)や三つのホテル(計約2500室)、国際会議場を整備する。 29年秋~冬頃の開業を目指し、国内外から年間約2000万人の来場者を見込むという。初期投資額は約1兆800億円で、うち建設関連は約7800億円を見込んでいる。日本におけるIRの推進に向けての動きはメディアの報道を追っていただければ良いと思うが、 IR の実態はマクロ面においてもミクロ面においてもあまり知られていない。もしくは誤解が多いように思われる。IRとギャンブル依存症の世界的現実 まずマクロ面から確認すると、海外のIRは世界の優秀な人材を引き付け、交通インフラをグローバル基準に押し上げ、国際会議や展示会などのMICEやエンターテインメントを含めた観光産業を活性化して、大きな経済効果とイノベーションを生み出す場となっている。 米国のネバダ州、ニュージャージー州、コネチカット州、カナダ、英国、ドイツ、フランスのモナコ、 オランダ、オーストリア、豪州、フィリピン、 マカオ、 シンガポール、韓国、南アフリカなどで IR ・カジノ施設が存在する。そのすべては観光振興、財政への貢献、雇用創出を目的としているが、ネバダ州、オランダ、フィリピンなどは違法賭博の排除を目的としてIR を設置している。公的なカジノを運営することによって違法賭博を削減するということも可能であることは理解しておくべきだろう。 ギャンブル依存症を懸念する意見は常に聞かれるのだが、シンガポール国家賭博問題対策協議会は、11年と14年の数値を比較し、IR導入後は依存症患者などの割合が2.6%から0.7%へ減少していると結論付けている。ただし 週に1回以上ギャンブルする人の割合が68%から83%へ増加したこと、ギャンブル依存症患者のギャンブル開始年齢が低年齢化したことも報告されている。 またマカオ大学ゲーミング研究所が03年と07年に15~64歳のマカオ居住者を対象にギャンブル依存症調査を行った結果、03年の問題賭博推定有病率が4.3%から、07年に6.0%になり、1.7 ポイント増加したと報告している。 しかし、16年には依存症対策の効果で2.5%に低下している。日本はこうした依存症対策の海外から広く学んでおく必要がある。「伝統ある」英国カジノから学ぶこと カジノを持つ国は10カ国以上あるが、英国のカジノでは、貴族の社交場的な会員制を継続していることも多く、文化の伝承を目的にしている面もある。大阪は主にはシンガポールからノウハウを学ぶことになっているが、日本の特徴を考察するならば、英国のカジノの現実を学んでおく必要があるのではないか。 ここで、英国のカジノで実際にディーラーやフロアのマネージャーを経験してきた人物からのヒアリングを基に英国で最も歴史あるカジノ「Grosvenor Casino」でどのような現場運営が行われてきたかを共有したい。 カジノは24時間運営なのだが、カジノによって顧客の最大滞在可能時間は異なる。英国カジノでは最大滞在時間は14~24時間だが、それを超えると一回カジノから出なくてはいけない。筆者が話を聞いた人は、朝6時から午後2時までで勤務しており、夜のイメージが強いカジノが昼の12時ごろからにぎわっていたことに最初は驚いたという。 英国のカジノがギャンブル依存症に関して、必ずしも体系だった仕組みを提供しているわけではないのだが、会員登録をした顧客には全員にIDが付与されており、顧客がどの程度の期間に、どのくらいの頻度で来訪し、どの程度お金を使ったかということはメンバーシップカードと連携されて全て補足されている。また、その顧客がどの程度の資産を持っているかということを登録する場合もある。 カジノの方で顧客の状況を勘案し、カジノ側が問題ありそうだと判断した場合には声をかけ、カウンセリングする専門家もいる。依存症で危険と判断した顧客を例えば半年程度の出入り禁止にするという措置も取られる。 ポイントは、メカニカルに行うのではなく〝一定の経験を持ったプロフェッショナル〟がトラブルシューティングから顧客対応の判断まで行うことである。日本でも、いかにそうしたプロフェッショナルを早期に育成するかという点が重要になるであろう。 どうしても箱物の設備や、ルールの整備などに目が行きがちだが、サービス業の要点は人材である。現場における担当者も重要だが、いかにプロフェッショナルのマネージメントを育成するかが最も重要な課題になるのである。カジノ業界の共通言語は英語なので、インバウンド客向けの人材を海外から読んでくることは可能であるが、日本人のプロフェッショナルを育成することで、日本独自の戦略を構築することも可能になってくる。世界を見た人材育成とマーケティング戦略の重要性 英国のカジノで特徴的なのは、その会社・組織の中に人材育成の仕組みを持っている点であろう。 あまり経験のないディーラーを数カ月で一定のレベルのリーダーに育成し、その中である程度資質あるものはフロアのスーパーバイザーに任用し徐々に育成していく。 会員制のカジノは顧客も経験豊富な場合が多く要求水準も高くなりがちである。こうした顧客に対応できるようなディーラーやスーパーバイザー、マネージャーを育成していく中でカジノ業界全体の水準が上がっていくのである。 IR間の国際競争が厳しくなる中で日本のカジノの国際競争力を心配する声もあるが、それゆえに米国以外の中国やマカオでもエンターテインメントサービスを経営してきた経験豊富なMGMリゾーツのようなIR事業者と提携し、どのように場の魅力を構築し、海外へプロモーションするかを学ぶ必要があるだろう。 実は、日本は大手メーカーも含めて、海外のマーケティングが必ずしもうまくはない。観光においてもマーケティングの必要性は語られてはいるものの、どのようにマーケティングを組織能力として学ぶかまだ明確な解を持っていない組織がほとんどである。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/28
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ 「よ(4)いつ(2)な(7)」ということでロープデーだが、「し(4)に(2)な(7))」とも読めることから暗に首吊り自殺を薦めているのかも??◆ 金大中が朴正熙をあと一歩のとこまで追い詰めるが敗北(1971年)、恐れを為した朴は側近を使って2年後に仕返しする。◆ 4年前まで塀の中で臭い飯を食っていた黒人の爺さんが、長らく白人が我が物顔で支配していたアフリカ某国の支配者となる(1994年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月27日】大谷翔平に学ぶ 憧れの存在を「超えて行ける人」の思考力=ForbesJapan / スポーツ-2023.04.23 / 戦略非言語研究家 日野江都子Official Columnist 先日のWBCは、その様々な瞬間が後世に残る大きな実績と希望になった。日本のチームの優勝、そして、選手たちのカッコつけない感じ。そして、やはり大谷選手の存在だ。特筆すべきは決勝・アメリカ戦直前のかけ声「憧れるのをやめましょう」だったと言える。文言だけでなく、声音、表情、そこに向かう姿勢すべてにおいて、「超えていく人」のそれだったと、今改めて映像で振り返って再認識させられる。正に世界を背景として生きている、今の時代の申し子のようなその在り方、そして声出しだった。その声出しと映像をもう一度見てほしい。https://twitter.com/i/status/1638324724655886336“僕からは1個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか。まあ野球やっていれば誰しもが聞いたことがあるような選手たちがやっぱりいると思うんですけど。今日1日だけは、やっぱ憧れてしまったら超えられないんでね。僕らは今日超えるために、やっぱトップになるために来たので。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ行こう!”勢いはある。しかし、力みはない。余計な力が入らないことで、試合に全力を注げるのだろう。また、「憧れ」という、状況によっては思考や判断の呪縛ともなりかねない切り口でチームメイトを解放するスイッチを入れた。自らにも言い聞かせたのだろう。そうすることで、余計なことを考えたり迷ったりせず、試合に全精神を集中できるのだ。選手たちの「迷い」の数が激減した人が一日に行う決断の数は大小取り混ぜ最大3万5000にものぼる。これは、ケンブリッジ大学のBarbara Sahakian氏の研究で言われていることだ。その点においても、大谷選手の声かけは有効だった。試合時における日本チームの選手たちがしなくてはならない決断(迷い)の数が激減したと言っても過言ではない。人は迷った瞬間にひるむ。その瞬間スキができ、弱気にもなる。同時に「決める」というストレスを毎回抱え、それが積み上がっていく。この声かけは、迷いを払拭し試合に使えるエネルギーへと変える行動だった。当然、選手のパフォーマンス向上にもつながったのだ。「憧れ」と尊敬は違う何より重要だったのは、上下関係を重んじる日本文化の残念な面が出やすく、足を引っ張るであろう“憧れ”を「外していいんだ」と、サラりとかつ真摯な姿勢で発したこと。日本チームの選手たちもさぞ心が軽くなったことだろうと想像する。この言葉には、大谷選手自身の、米国での選手生活の中での実体験がこもっていたはずだ。憧れを“やめる”ことは、相手を尊敬しないことではない、ましてや貶めることなどでもない。憧れと尊敬は違うのだ。ましてやスポーツの世界では、相手を選手として尊敬しているのであれば、全力で立ち向かわなければかえって無礼だ。勝負がつき結果が出る世界に身を置くのであれば、どちらが勝っても良い。恐縮して力を出しきれず、相手を勝たせたところで相手も不本意。舐めているのか?と思われ、本当は一番評価してもらいたい憧れの相手から、失望されるだろう。そんなことで勝って世間に讃えられても、その勝利の価値など当人たちは感じられない。特に様々な勝負に向き合い全力で戦ってきた一流選手たちであれば、誇りを持てる自分の勝利としてカウントしない。後味の悪い試合としてお蔵入りにしたい気持ちになるかもしれない。また、見ている観客たちも、軍配は上がったけれど、その勝者が一つも成長できなかったことはわかるだろう。社会的に影響力の高いスポーツであればあるほど、選手たちが試合本番で対戦相手に「憧れをやめること」はとても大事なのだ。だからこそ、尊敬する相手には全力を出し切って向かっていくべき。その為に今は、憧れを捨てようということだったのだ。ところで、大谷選手の発言の根源には、アメリカを始め世界で不可欠とされている「DEI(diversity多様性、inclusion包括性、equity公平性)」の中でも「公平性」が強く存在しているのではないだろうか。公平性は、相手への尊重がなければ成立しない。そして望ましくは相手からも尊重が得られてこそ、感謝を伴って強固なものとなり、信頼も生まれて良い関係性として育っていく。その証拠に、Fox Newsでアレックス・ロドリゲス選手らからのインタビューで答えている大谷選手は、彼らへの敬意や感謝を示しているし、ロドリゲス選手たちも大谷への尊敬を表している。自分を大きくも小さくも扱わない大谷選手の声出しの言葉は、アメリカのソーシャルメディア上でも「史上最も礼儀正しい鼓舞」と評されている。 彼の語り口に常に存在しているのは、大袈裟ではない真摯な言葉。従来注目を浴びてきた声の大きい人や、ドラマティックな発言の人とは種が異なっている。どちらかというと“静かな人”に近い印象さえある。彼の凄さは、野球の才能も当然のことながら、怯えない、力んでいない、自分を過剰に大きく見せない、喋りすぎない、うるさくないこと。そして、大きな体と親しみを感じる顔つき、そのままの自分で、ごく自然に人の輪の中に入れるというところなのだろう。彼が話している時の表情や姿、その口から発せられる言葉のてらいのなさや屈託のなさから、自分を大きくも小さくも扱わず、ただそのままの大きさで、自分や自分たちのこと、そして、相手へのことを語れる人なのだろうということが受け取れるのだ。ご本人がそれを意識しているか否かは定かではない。しかし、そのようなことはどうでも良い。無意識にそれができるのであればなおさら素晴らしい。そして、その意識が今回日本チームの選手たちに伝わり、「憧れをやめましょう」の言葉をカッコイイと感じた人たちがその言葉に憧れて広く伝わっていった。そう、興味を持ったり気づいたりする入口こそ「憧れ」であっていいのだから。米国の野球を報道するメディアで見かける大谷を賞賛する言葉のひとつが伝説上の動物「ユニコーン」だ。起こり得ないことを起こす人という意味である。今回のWBCで、彼は確実にその伝説にさらなるストーリーを書き加えた。これからも気負うことなく伸びやかに、前へ上へと進んでいく姿を、世界中の人々に見せ、憧れさせ続けてほしい。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/27
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ パブロ・ピカソ『ゲルニカ』のモチーフをナチスが手掛ける(1937年)。◆ 国鉄の労働組合が私鉄・バス・タクシーを巻き込んでストを打つ(1966年=戦後最大の交通ゼネラル・ストライキ)。この時の威力に慢心したのか8年後に同じ手を使ったがブーイングを浴びる破目に。◆ ウクライナはキエフの近所にある原子力発電所が火事になり、全世界が放射能による迷惑を被るばかりか大量の放射脳を発生させる結果に(1986年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月26日】猛進で「ネット検索」は死語になる? SEOにもたらした衝撃=ForbesJapan / テクノロジー_AI /2023.04.24 / 田中 森士 | Official Columnist 株式会社クマベイス代表取締役CEO昨年11月、米オープンAIがAIチャットボット「ChatGPT」を発表して以降、毎週のように重要なニュースが流れてくる。今年3月に最新の大規模言語モデル「GPT-4」がリリースされると、ChatGPTの性能は著しく向上。APIを活用したサービスも最近は毎日のように発表されている。ChatGPT(およびGPT-4)は、間違いなくSEOコンテンツ制作の常識を塗り替える。人間が書いたものと遜色のないクオリティーのコンテンツを作ることも可能となった。コンテンツの流通量は間違いなく爆発的に増える。今後SEO業界はどう変わっていくのだろうか。ChatGPTでSEOコンテンツを企画してみた筆者はGPT-4のリリース直後、コンテンツ制作への活用可能性について調べるため、ChatGPTの力を借りてのSEOコンテンツ企画を試してみた。SEO分析ツールAhrefs(エイチレフス)を活用し、様々な分野のキーワードを抽出。それらのキーワードを用いたSEOコンテンツの企画について、ChatGPTに依頼した。以下は、「航空券」「格安」というキーワードを用いた、ChatGPTによるSEOコンテンツの企画である。まず、タイトル案をいくつか出してもらった。タイトル案1:格安航空券の見つけ方:旅行好き必見のお得な予約テクニックタイトル案2:格安航空券ガイド:予算に優しい旅行プランの作成方法タイトル案3:格安航空券の活用術:安くて快適な旅行を実現するコツタイトル案4:格安航空券で旅をもっと楽しもう!:賢い予約方法を徹底解説タイトル案5:お得な格安航空券の見極め方:節約旅行の始め方次に、上記のタイトル案1を用いた記事の構成を書き出してもらったタイトル:格安航空券の見つけ方:旅行好き必見のお得な予約テクニック1.はじめに / ・旅行を楽しむための格安航空券の重要性 ・コンテンツの目的と概要2.早期予約のススメ / ・早期予約のメリット ・航空会社の割引制度やキャンペーン3.LCC(ローコストキャリア)の活用 / ・LCCとは何か? ・LCCのメリットとデメリット ・おすすめのLCC航空会社4.比較サイトやアプリを使った航空券検索 / ・便利な比較サイトやアプリの紹介 ・効率的な検索方法と比較ポイント 5.ショルダーシーズンや曜日を利用する / ・ショルダーシーズンとは何か? ・曜日や時間帯による違い ・お得な旅行時期の選び方6.マイルを活用した格安航空券の取得 / ・マイルの基本知識 ・マイルを貯める方法 ・マイルで航空券を購入する際の注意点7.SNSやメールマガジンでキャンペーン情報をチェック / ・航空会社や旅行代理店のSNSアカウントの活用 ・メールマガジン登録のメリット ・キャンペーン情報の活用方法8.まとめ / ・お得な格安航空券の見つけ方のポイント ・これらのテクニックを活用した旅行の楽しみ方極めて自然だと感じる。さらに、これらの構成の一部を原稿化してもらったところ、全く違和感のない文章が出てきた。キーワード抽出の作業を除けば、ここまでで10分もかかっていない。AIが書いたものかどうか判別は困難もちろん、内容に誤りがないかの入念なチェックは不可欠だが、すでに実用レベルにあると感じる。SEO視点で構成や文章を作成してもらっているわけで、検索エンジンフレンドリーな作りとなっている。現時点ですでに、人間が書いたのかAIが書いたのか、一般ユーザーが見ても分からない品質のコンテンツ制作も可能だ。検索エンジン側が、AIによるコンテンツであると判断することも困難であろう。これらの理由により、すでにコンテンツ制作に活用している企業やSEO会社は多いと筆者は考える。これからさらに精度は上がっていくだろうし、GPT-4の後継もいずれ登場するはずだ。既存のいわゆるSEOコンテンツは、無限に、かつ自動的に生産できるようになる。ネット上には、大量のSEOコンテンツがあふれる。決して、10年後の話ではない。今のAIの指数関数的な進化スピードを見ると、数カ月おきにフェーズが変わってもおかしくない。ディストピアにも思えるこの近未来。しかし、SEOコンテンツの意義について、考えるきっかけを与えてくれたという意味では、歓迎すべきことかもしれない。膨大なコンテンツであふれる、その先に起こることSEOコンテンツが巷にあふれるようになったのは、何も最近のことではない。もう何年も前から、SEO会社はクラウドソーシングプラットフォームを活用し、SEOコンテンツを大量生産してきた。報酬が1本数百円など、コストを極限まで抑えた案件も現れた。当然、品質が高いとはいえないコンテンツも多数混じってくる。それでも、検索流入数という分かりやすい指標があるため、企業はこぞってSEOコンテンツをウェブサイトに掲載しつづけてきた。ところが、コンテンツの受け手は、何を読んだかは覚えているが、どのウェブサイトで読んだかは覚えていない。なぜなら、横並びの無機質なコンテンツが増えすぎたからだ。コンテンツ制作者やコンテンツ配信者の顔が見えない、人間味のないコンテンツが大半である。これではユーザーとの関係性構築は難しい。中長期的には何の意味もないと考えるのは、筆者だけではないはずだ。そもそも、検索エンジンの方を向いた施策が誤りなのだ。ユーザーと向き合った上でコンテンツ制作にあたるのが、本来のマーケティングのあるべき姿である。SEOという単語はミスリードを生みやすい。企業はユーザーの悩みをストレスなく解決するコンテンツを目指すべきである。いずれにせよ、世の中にSEOコンテンツがあふれる状態は避けられない。一方、これから遠くない将来、「検索行動」自体が減少していくと筆者は考える。場合によっては死語となる可能性すらある。AIがあらゆる悩みに一瞬で答えてくれるのであれば、しかも回答の精度が高いのであれば、ブラウザで検索する必要性に乏しいからだ。AIはこれからも指数関数的な進化を続け、世の中は膨大な数のコンテンツであふれる。そして長い目で見ると検索行動はなくなっていく。企業はついにこれまでのやり方を変える時が来た。大量生産型のSEOコンテンツではなく、ユーザーに刺さるコンテンツを。検索流入ではなく、ユーザーに確実にコンテンツを届ける仕組みづくりを。一度立ち止まってこれらを真剣に議論せねばならない。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/26
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ アフリカの付け根に運河が出来、アフリカが奴隷をかき集める寄港地から植民地として徹底的に搾取する対象へと変わる切っ掛けになる(1854年=スエズ運河が竣工)。◆ 現憲法施行下で第1回目の総選挙、日本社会党がチャンピオンになるけど全議席の1/3すら取れず以後の展開はお察し下さい(1947年)。◆ シンガーソングライターの尾崎豊が盗んだバイクで冥界へと走り去った(1992年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月25日】中国のウクライナ和平案の狙いは何か?Wedge_Onliune 【世界潮流を読む 岡崎研究所論評集】 2023年4月24日 / 岡崎研究所 ノルウェーの元外交官で中国専門家のベッケボルドが、3月21日の習近平のロシア訪問での中国のウクライナ和平提案について、グローバルサウス(南半球を中心とした途上国)、欧州および戦後のウクライナとの関係で中国の立場を強化するという隠された意図があると米国外交専門メディア「フォーリン・ポリシー」で論じている(4月4日付け‘China’s ‘Peace Plan’ for Ukraine Isn’t About Peace’)。要旨は次の通り。 中国の12項目のウクライナ和平提案は戦争を終わらせるロードマップとしては抽象的過ぎる。むしろ、米国に対抗するための外交上の情報発信として見るべきだ。中国は、特にグローバルサウス、欧州および戦後のウクライナの3者との関係で立場を強化することを狙っている。 第一に、中国はグローバルサウスに対して、将来の平和の担い手として自らを提示する目的がある。中国は、グローバルサウスの多くの国が、ウクライナ戦争を西側とは違った解釈をしており、ロシア寄りで早期の交渉による戦争終結を望んでいることを知っている。 第二に、中国の和平提案は、欧州との関係をリセットしようとする試みの一部である。中国は、米国の経済的なデカップリングと安全保障上の対抗関係への政策転換を永続的なものと考えているが、ロシアが最大の課題である欧州については、米中関係において完全に中立となる見込みはないとしても、「単に米国の路線に従うことだけが、唯一の選択肢ではない」とリマインドし続けるであろう。 欧州の指導者は、習近平がプーチンに戦争を止めさせる上で何ができるのか、また何をする気があるのか、現実的に理解することが必要である。一部の欧州国政府は、北京をモスクワから引き離すことができると考えているかもしれないが、それは、あり得ないシナリオである。 第三に、中国の和平提案は、戦後のウクライナの復興において自らを位置付ける努力の一環であり、中国は、ウクライナ復興を支援し役割を果たす用意があると明言している。中国にとっては、ウクライナ復興支援は、欧州全体に対する中国の関与を強化するものとなろう。 結局のところ、中国がウクライナ戦争に平和的な解決をもたらす能力は限られている。しかし、中国の和平提案が戦争終結に役に立たないとしても、中国が失うものはない。逆に、中国は、西側とグローバルサウスの間に楔を打つことができる。そして、戦後の復興支援への関与を含むこの提案が欧州との関係を改善するのに資するのであれば、極めて大きな成果だと言えるであろう。* * * この論説は、中国のウクライナ和平提案を中国の外交政策全体の中で位置付けており、また、ウクライナ問題および中国に対する欧州の見方を代表するものとして参考となる。 ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始してちょうど1年目の2月24日に、各国政府が声明や新たな対ウクライナ支援策を発表した。各国の声明は国際法違反を犯し続けるロシアを糾弾する語句が随所に見受けられるのに対して、「ロシア」という単語が抜けた声明を発表した国が韓国である。 中国の第一の狙いであるグローバルサウスに対して平和実現の担い手としての中国の役割をアピールすることについては、ウクライナ和平提案においても穀物の輸出の促進が謳われており、特に戦争により生じた経済的困難を解決する上で南の諸国からの期待が追い風になっている。この論説では、提案が実を結ばなくても中国は失うものは無いとしているが、西側としては、グルーバル・サウスの期待感を中国がより責任感を持ってウクライナ和平に取り組むような圧力に転換したいところだ。 第ニ点の中国が和平提案を欧州連合(EU)との関係改善に活用しようとしているとの見方は注目に値する。中国側に米国との関係悪化を埋め合わせる意味でもEUとの関係改善の強い動機があり、EU側にも経済面での中国との協力が自国経済の活性化にもつながることから、相互に必要とする余地がある。従って、EU側としては、関係改善と引き換えに、中国がウクライナ問題に対してよりバランスの取れたアプローチを行い、ロシアに影響力をかけるよう交渉の余地があるかもしれない。ロシアに対する抑止となるか? 中国の12項目の和平提案には、国連憲章の原則や国際法の順守、主権、独立、領土保全の支持(第1項)、停戦のための敵対行為の停止(第2項)、和平交渉の再開(第4項)、人道的危機の解決(第5項)、民間人の保護(第6項)、原子力発電所の安全、(第7項)、核兵器の不使用(第8項)、穀物輸出の促進(第9項)といったロシアの更なる侵略行為や残虐行為を抑止する効果を持ち得る条項が含まれている。 これらの部分をベースに、例えば、習近平がウクライナ側の言い分も聞くべくセレンスキーと会談すべきこと、あるいは、第1項の趣旨からすればロシア軍の撤退を要求すべきことなど、中国側に要求することが、間接的にロシアに対する抑止的効果を持つかもしれない。 第3点は、ウクライナの戦後復興において中国の役割を確保する狙いがあるとのことであるが、そのような状況が来るとすれば大変結構なことだ。ウクライナとしては、中国の資金援助や投資を受け入れても、EU加盟や安全保障についての考慮は変わらないであろうから、それが中国の復興支援と両立するのであれば大歓迎ということであろう。 EU側としては、中国批判派のバルト諸国やチェコと云ったメンバーもいて、対中関係改善に一枚岩ではないが、フランスやドイツは、米国のデカップリング(分断)政策とは一線を画し、中国との経済関係の継続と引き換えに、中国に対しウクライナ問題に対するより中立的なアプローチを要求するのであろう。 同時に、戦略的自律という建前論と中国との冷戦構造を求めないとして、中国との信頼関係の構築に努めようとするようであるが、EU内でのコンセンサスや北大西洋条約機構(NATO)における米国依存という現実との間でのバランス、更には、中国の人権問題の扱いなどにも気を遣う必要があり、西側同盟とG7(主要7カ国)の協調の枠内で進めてもらう必要があろう。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/25
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ 桜木町駅近くで人間の国電焼き106人前一丁上がりとなる(1951年=国鉄桜木町電車火災事故発生)。なお22年経った同じ日にこの一件で恨み骨髄な連中が、国鉄の労使紛争に絡んで報復(首都圏国電暴動)に走った。◆ ジミー・カーターが支持回復へとイランにデルタフォースを投入するが、慣れない作戦が裏目に出て自滅する(1979年)。◆ アメリカでスペースシャトル「ディスカバリー」打上げ。軌道上でハッブル宇宙望遠鏡を放出(1990年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月24日】「ウイルスは研究所で生まれた」── いまだ「機能獲得実験の証拠」がタブーな理由とは?=NewsWeek_ Opinion / 2023年4月21日(金) スティーブン・クエイ(医師・科学者)後にSARS-CoV-2と呼ばれることになる新型コロナウイルスを私が最初に認識したのは、2019年12月下旬のことだ。 中国で未知のウイルスが出たというニュースを偶然聞いて、その翌日には武漢市中心医院のある症例報告を目にした。その家族は父親と母親がかなり珍しい症状の肺炎を患っていた。息子は症状が出ていなかったが、肺のレントゲン写真には全く同じ病変が写っていた。同院の艾芬(アイ・フェン)医師は、すぐに新型のコロナウイルスだと気が付いた。人から人へ感染すること、無症状の場合もあることが分かったが、誰も警告に耳を貸そうとしなかったと彼女は主張している。20年1月にこのウイルスのゲノムを初めて見たとき、私はかなり厄介なことに気が付いた。タンパク質が切断されたフーリン切断部位(FCS)があったのだ。 FCSはウイルスをヒトの細胞に感染しやすくする遺伝的特徴で、SARS-CoV-2に関連するそれまでのコロナウイルスには見られなかった。自然界ではSARSウイルスにFCSが確認されたことがないため、研究者は実験室でウイルスにFCSを人工的に作り、その効果を確かめてきた。私の知る限り、論文として発表されている全ての研究で感染力、伝染性、病原性のいずれか、またはそのうちの2つ以上が高まっていた。生物兵器の話はタブーSARS-CoV-2では、自然感染に見られる特性は今に至るまで1つも発見されていない。このウイルスが過去に例のある種類のスピルオーバー(異種間伝播)だという見解を裏付ける証拠も、私は1つも知らない。私の見解では、このウイルスは自然感染というより、研究所の事故の結果として起こる状況にはるかに似ている。実際、私は20年末に行った分析で、SARS-CoV-2が研究所由来である確率を99%と判断した。当時はテレビやラジオの取材を数多く受け、米連邦議会でも証言したが、左寄りの主流メディアからは呼ばれなかった。私は研究者として査読付きの論文や報告書を390本、執筆してきた。20年には私だけでなく、同じような指摘をしていた研究者も学術誌に論文を送ったが、データの是非を検証されることもなく却下された。その後、私の論文は査読されるようになったが、学術界はこの種の研究への関与を拒否していると感じた。やがて彼らは「SARS-CoV-2が研究室から生まれたことを示す査読済みのデータはない」と公に主張するようになった。思うに、学術界は情報の門番として非常に不道徳な方法で、研究所由来のウイルスであるという情報の侵入を阻止してきたのだろう。私は15年にコロナウイルス感染症の治療法に関する特許を取得しているが、評論家からは現役のコロナウイルス専門家ではないというコメントも頂戴した。私の研究結果の正当性が証明されていないことは残念だ。このウイルスは数百万人の命を奪った。情報の門番や、権力の座にある一部の人々は、必ずしも道徳的に仕事をしているわけではない。とはいえ、わずかながら雪解けは始まっているようだ。SARS-CoV-2の感染が研究室から始まったと推測することは許容範囲になったが、今のところ、ウイルスの感染力などを高めるための「機能獲得実験」によって操作された証拠があるという主張はタブーだ。生物兵器開発プログラムの一部ではないかと話題にすることも容認されていない。機能獲得実験のリスク一方で、世界中の研究所から米国立衛生研究所(NIH)のジェンバンク(ヒトゲノムの解読結果を公開しているデータベース)のシステムに登録された遺伝物質を私たちが調べたところ、3種類の機能獲得実験が行われている証拠が見つかった。既に致死率が30%を超えているMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス、致死率39%のインフルエンザウイルス、致死率が最大70%と推定されるニパウイルスを使った実験だ。 私は、この種の研究の将来を予測するのに役立つと思われる数学モデルを作成している。現代社会と、人類の健全な存在のために必要不可欠な機能(食料、エネルギー、医療システム、消防・警察、清潔な水の供給など)について、何が起きるとこれらの要素が個別に、あるいは集団的に機能不全に陥るかを予測するモデルだ。その際、ウイルスの致死性と感染力という2つのパラメーターを用いて、私たちが想定するような形で文明が滅びるかどうかをこのモデルに予測させる。これらの予測を2次元の地図上でモデル化し、文明が今から200年前、300年前、500年前のレベルに後退すると思われる地域を表示させるつもりだ。私の予想では、文明が後退するとみられる地域で、今まさに人々が活動していることが示されるだろう。 現時点の推定では、致死率が約10%以上でSARS-CoV-2と同じくらいの感染力を持つウイルスによって、文明が数百年間沈黙するとみられる。私は機能獲得実験にはメリットがないと考えており、強固な制限を設けるべきだと主張している。完全に禁止するのは不可能だろうが、ほとんどの実験には非致死性の代替手段があるはずだ。気候変動のような問題では市民が100%関与して、政府に行動を起こすように働きかけている。機能獲得型のようなウイルス研究も、私たちが行動を起こさない限り、今後数十年の間に人類を崖っぷちまで追い詰める。こうした研究が続けば、私たちが生きている間に、今回の新型コロナより恐ろしいウイルスが登場するだろう。何も変えようとしなければ、Xデーは時間の問題だ。【関連記事】武漢研究所、遺伝子操作でヒトへの感染力を強める実験を計画していた https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/09/post-97147.php 武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得実験 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/09/post-97147.php 武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得実験を行っていた https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/2-361.php 「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型コロナの始祖ウイルスを「発見」! https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96453.php 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/24
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ ウィリアム・シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』初演。エリザベス1世が観劇した(1597年)。&so、250年後の豊国、京都御所建春門前に公家の学問所・学習院が開設され、講義を開始。学習院の歴史が始まる。◆ 円=一周=360°から1ドル=360円の固定相場にすることが決まる(1949年)。◆ 終戦後もウクライナで生活していた元日本軍兵士上野石之助が63年ぶりに一時帰国(2006年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月23日】日本人が「ジャニーズの夢」から覚めるとき =後節==NewsWeek_ Opinion / 2023年04月15日(土) / 取材記者の妄言多謝 西谷 格私たちに今できることジャニーズ事務所に対して大手メディアが自動的に忖度し、報道機関としての役割を時に放棄すらしてしまうのは、組織的な問題や構造的な問題もあるのだろうけど、結局は「ジャニーズタレントに人気があるから」に違いない。私自身、ジャニーズタレントの出演していたドラマを楽しみに見ていたこともあるし、カラオケで十八番にしている曲もある。容姿だけでなく、発言や態度なども含めてかっこいいと思うこともある。テレビに出ていると、つい見てしまう。でも、今後はなるべく、不用意に拍手や声援を送るのはやめようと思う。もちろん、現在活躍しているタレントたちには何の罪もない。むしろ性加害を受けていた被害者である可能性が高いとも言え、かえって応援した気持ちにもなる。だが、所属タレントを応援すればするほど、ジャニーズ事務所は権力を増し、性加害は「なかったこと」にされてしまう。そのような構造になっている以上、申し訳ないけれど、もう無邪気に応援することは私にはできない。また、所属タレントのなかには社会的影響力が非常に大きい者や、ニュースキャスターとして社会に注意喚起するような立場の人もいる。喜多川擴氏の性暴力を一種の必要悪として我慢し黙認してきた彼らは、被害者であると同時に加害者と利害が一致しているという、複雑な立場にある。それでも、性暴力を有耶無耶にする組織に所属していることは、紛れもない事実だ。そうした人々が企業のアンバサダーを務めることに私は少々違和感を覚えるし、ニュース番組で性犯罪について伝えたり語ったりすることなどできるのだろうか、とも思う。『売れるためには権力者からの性暴力を受け入れなくてはいけない』という考えは明らかに歪んでおり、その価値観のなかで生きているタレントたちを応援することは、たとえどんなに功績が立派でも、結局は業界内の腐敗を進行させることになる。所属タレントが出ているテレビ番組があれば、チャンネルを変える。CMに出ていれば、その商品はなるべく買わない。徹底することは難しいが、少しずつ意識してみてはどうだろう。それが私たちに今できることだ。ジャニーズ事務所は報道機関からの取材に対し「コンプライアンス順守の徹底」、「ガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存」など、木で鼻をくくった定型文のような返答を繰り返している。性加害については一切触れず、問題から目を背けて「なかったこと」にしようとしている。それはまさに、15歳のカウアン氏に性加害を行った後、喜多川擴氏が性的行為などまるで「なかったことのような雰囲気」で過ごしたのとよく似ている。ジャニーズ事務所とその所属タレントたちが、喜多川擴氏の性暴力問題を「なかったこと」にする以上、私たちは彼らに「さよなら」を言わなくてはいけない。この問題は結局のところ、芸能界やメディアの問題である以上に、私たち自身に投げかけられた問題なのである。喜多川擴氏が生んだ「夢」カウアン氏は会見で、「僕の願いですけど、やっぱり全員出て来た方がいいなと思っていて」と語っていた。私もその呼びかけに微力ながら勝手に「MeToo」と応えたいと思う。私の場合はそこまで深刻な被害ではないかもしれないが、性別を問わず、性暴力をなくしたいという思いは同じだ。私は例えば20代の頃、顔馴染みになったバーで中高年の男性店主から、ある時帰り際に突然下着のなかに無理やり手を突っ込まれ、陰部を触られたことがある。冗談半分のような雰囲気だったし笑い話にしても良いようなことではあるが、不快な出来事として今も記憶に残っている。この程度のことは、よくあることなのかもしれない。でも、だからこそ性別や程度を問わず、性被害を公表することを殊更に特別視する必要はない。喜多川擴氏から性加害を受けた元ジャニーズJr.の人々が、すぐ声をあげるかは分からない。だが、ジャニーズ事務所の権力は全盛期に比べると明らかに低下しており、今後もその傾向は続くだろう。主力タレントの離脱が続いており、事務所の抱える問題について語ることは、以前ほどタブーではなくなったように見える。アイドルは、夢を売る仕事と言われている。少年たちへの性加害を繰り返していた喜多川擴氏は、数多くのアイドルを生み出し、人々を夢見心地にさせる天才だったに違いない。彼の生み出した夢には、人々に希望と勇気を与える美しい夢と、卑劣でおぞましい悪夢の二つがあった。私が小学生の時に初めて聞いたジャニーズの曲に、こんな一節があった。夢は止まらない 何処までも――。いや、そろそろ目覚めなくてはいけないだろう。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/23
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ 大相撲二月場所五日目で観客の多くが焼け出される破目になったので、この日を限りに千秋楽とする(1806年=文化の大火)。◆ ドイツ軍が塩素消毒をしようとしたところ、手違いで敵のフランス軍が大ダメージを被る(1915年=イーペルの戦い、史上初の大規模毒ガス攻撃)。◆ 日本人にとっての「アメリカの翼」がパンアメリカン航空からユナイテッド航空に代わる(1985年)。パンナムが機材・従業員・各種の権利をユナイテッド航空に売却したのである。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月21日】習近平政権が持つ毛沢東思想と打倒米国の集団思考 =後節==Wedge_Onliune 【チャイナ・ウォッチャーの視点】 2023年4月17日 / 樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授)集団思考の陥穽 とはいえ、第3期習政権が「断固として敗れることはなく、向かうところ敵なし」の状態で進むとは思えない。国内的には日常生活にまで及ぶ締め付けに対する不満が燻り反発・混乱が起こる可能性は否定できそうにない。国外では当然のように反中の動きが激化するだろう。だが敢えて指摘しておきたい点は、習家班のメンバーが同じ時代を同じ政治的環境で過ごしてきたゆえに、習国家主席を含む彼ら一同が集団思考に陥る危険性である。 歴史上の多くの独裁国家で見られたように、国の運営に変調を来し頓挫や危険が生じると政権中枢に疑心暗鬼が生まれ、その時々に想起する個人的な感情や猜疑心に振り回され、軌道修正を試みることなく、頑なに正しことを進めていると信じる。あるいは信じたかったことに起因する数多くの失政が重なり、国民の政権離れを引き起こす。 このような集団思考の弊害が、習政権3期目の前途に待ち構えているように思える。であればこそ、習政権3期目を見極めるキーワードは集団思考ではなかろうか。 それにしても、である。ここまで巨大化した、いや巨大化させてしまった中国を世界に取り込む術は容易にはみつかりそうにない。主要7カ国(G7)の首脳がサミットと称して短期間集まり喧々囂々と〝白熱の議論〟を戦わせようとも、中国を震源とする国際社会の不安要因が低減し、緊張が緩和に向かうとも思えない。それゆえに当分の間、世界は〝現代化した毛沢東の亡霊〟と対峙することを覚悟しておくべきだろう。日本人が「ジャニーズの夢」から覚めるとき =前節==NewsWeek_ Opinion / 2023年04月15日(土) / 取材記者の妄言多謝 西谷 格ジャニー喜多川氏による未成年への性加害問題が、ようやくNHKと全国紙で報じられた。元ジャニーズJr.でミュージシャンのカウアン・オカモト氏が会見しニュースになったわけだが、ここに来るまで本当に長かった。1999年に週刊文春が報じて以降、後追い記事はごく少数の雑誌媒体に限られ、新聞は裁判結果を最小限に取り上げただけ。テレビは完全無視を貫いた。結果、およそ四半世紀にわたって喜多川擴(ひろむ)氏による未成年(文春によると被害者には12歳も含まれている)への性加害は「なかったこと」にさせられていた。ところで、ジャニー喜多川氏の本名は、喜多川擴(ひろむ)という。「ジャニー喜多川」という通名があまりに有名なためニュースでもそう呼ばれているが、本コラムでは敢えて本名を使ってみたい。というのも、「ジャニー喜多川」や「ジャニーさん」という通名を使った時点で、すでに相手の土俵に一歩引きずり込まれている感じがするからだ。かの人物は、喜多川擴という名の一人の日本人男性に過ぎない。「ジャニー(Johnny)」という英語由来のニックネームには、彼が特別な人物であるという尊称のような響きがある。そもそもジャニーはジョンの愛称であり、性暴力加害者に対して親しみを込めた呼び名を使う必要はない。喜多川擴氏による未成年への性加害が長い間「なかったこと」にされていたのは、彼が芸能界で絶大な権力を握り、メディアに強い影響力を行使していたためと言われている。具体的には、カレンダーや広告、番組出演などを材料にしていたという。出版業界では、今年は大手を含む9社が1部2700円ほどのジャニーズタレントのカレンダーを販売した。人気グループはそれが20万部も売れるらしいので、単純計算で売上は5億4000万円にもなる。カレンダー以外でもジャニーズが表紙を飾る雑誌や出版物は多数あり、決して敵に回すことのできない相手である。テレビや新聞にとっても、喜多川擴氏の性加害問題を報じることで、所属タレントに出演してもらえなくなったり、タレントの出ている広告を取り下げられたりするリスクがあるという。少なくとも「リスクがある」と感じさせ、忖度をさせている時点で、ジャニーズ事務所によるメディア支配は十分に成功していたと言える。博報堂が制作する雑誌『広告』の「忖度宣言」広告代理店・博報堂が制作する雑誌『広告』最新号では、ジャニーズ事務所についての対談記事『ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか』の末尾に以下の文言が掲載され、注目を集めた。「本記事は、ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています。」『広告』編集長のnoteによると、広報室長と編集長の間ではギリギリの攻防があったという。また、記事中の対談者である批評家の矢野利裕も同じくnoteで削除に至った経緯を説明している。「ジャニーズ事務所に配慮しています」とわざわざ記述することは、通常の記事や出版物ではあり得ないことだ。この一文を読んで、ジャニーズ事務所が喜ぶとは思えない。彼らとしては「公正中立を重んじ、特定の団体への配慮はしていません」などと言いながら、陰でコッソリ配慮されることを一番望んでいる。黙って削除すれば良いものを、堂々と「忖度宣言」を出している編集長は、ジャニーズ事務所から見れば物分かりが良くないワルイコである。広報室長は忖度宣言など掲載したくなかったはずだが、それでもギリギリOKしたのは、博報堂が広告を出稿する側であり、他のメディアに比べれば、ジャニーズ事務所に対して多少は強い立場にあるからだろう。新聞もテレビも雑誌も、ジャニーズ事務所を怒らせるのが怖くてたまらない。だから、先方が嫌がりそうな文章は、読者や視聴者には内緒で積極的に消しにかかる。あるいは、そもそも書かない。そうして「なかったこと」にする。メディア業界で働く多くの人が、読者に内緒でコッソリ忖度するなか「私たちはジャニーズ事務所に忖度しました」と自覚して読者に公表するのは、今できる範囲の精一杯の誠意とも言える。忖度病が進行した状態の人や組織は、ついには忖度しているという自覚すら失ってしまうからだ。幸いというべきか、本コラムを掲載しているウェブ媒体『Newsweek日本版』を運営するCCCメディアハウスはジャニーズ事務所との利害関係があまり強くないようで、カウアン氏の会見の全文文字起こし記事などを掲載している。当然、本コラムについてもジャニーズ事務所に対して特段の配慮はしていないはずだ。少なくとも、私はしていない。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/22
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ デイリー・メール紙が某外科医の撮ったイタズラ写真をネッシー出現!と大々的に報道(1934年)、世界はトリック写真であったと撮影者が白状するまでの60年間騙された。◆ 特捜検察は政府の都合がいいことしか捜査してはならない、と言うことを一般国民に知らしめた日(1954年=造船疑獄で犬養健法務大臣が指揮権を発動)。◆ 任天堂によって、新型兵器『ゲームボーイ』が発売される(1989年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月21日】習近平政権が持つ毛沢東思想と打倒米国の集団思考 =中節==Wedge_Onliune 【チャイナ・ウォッチャーの視点】 2023年4月17日 / 樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授)安全・公安部門の「改革」の背景には、昨年11月に北京や上海など大都市の若者が「習近平退陣」を求めて繰り広げた「白紙運動」と呼ばれる反政府運動に対する強い警戒感が指摘されている。おそらく今後も習政権批判・共産党独裁反対の声は間欠的に起こるであろう。だが国家機構上、経済・金融から安全・公安部門まで、習国家主席による一元支配体制が貫かれた事実は決して軽んずべきではないはずだ。 1976年9月の毛沢東の死に際し、中国共産党中央委員会、中華人民共和国人民代表大会常務委員会、中華人民共和国国務院、中国共産党中央軍事員会は連名で「全党、全軍、全国各民族人民に告げる書」(以下、「告げる書」)を発表し、「毛主席は中国共産党、中国人民解放軍、中華人民共和国の創立者で英明な指導者である」と位置づけた後、「われわれは断固として毛主席の遺志を受け継ぐ」と宣言している。 今回の全人代で承認された一連の「改革」で注目すべきは、「告げる書」が強く訴えた「毛主席の遺志」の冒頭を飾る―――それだけに最重要事項であるはず――「党の一元化指導を強化し、党の団結と統一を固く擁護し、党中央の周囲に緊密に団結する」が達成されていると考えられる点である。であればこそ毛沢東の死から47年後、習国家主席は「断固として毛主席の遺志を受け継」いだと見なすこともできるだろう。世界に示し始めた習近平の権威 3月の全人代以降、習政権は活発な外交活動を展開する。 3月中旬のウクライナの和平提案や国際安全保障案を軸とする「対外政策」的文書の発表を皮切りに、習国家主席発議によるサウジアラビアとイランとの両国関係復活(3月10日、中国で発表)、習国家主席のロシア訪問(3月20~22日)、中米ホンジュラスとの国交樹立(3月26日)、習国家主席とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の電話会談による大規模経済交流の実現(3月28日)、ウクライナのゼレンスキー大統領による習国家主席のウクライナ訪問要請の公表(3月28日)、馬英九台湾前総統の訪中(3月27日~4月7日)、林芳正外務大臣訪中(4月1~2日)、さらには訪中したマクロン仏大統領に対する厚遇対応(4月6~8日)まで。 このように3月から4月初旬にかけての動きを列記しただけでも、個々の外交活動の狙いはともあれ、それらが究極的には中国包囲網を軸に対中強硬姿勢を強める一方の米国への対抗策に収斂することは誰の目にも明らかだろう。まさに全ての標的はワシントンへ、であろう。そこで思い浮かぶのが「赶美(米国に追い付け、追い越せ)」の2文字である。 1958年、毛沢東は社会主義国家を一気に建設すべく半ば現実を無視し、強引に「大躍進政策」を打ちだしたが、その際、全土に「超英赶美」の大号令を掛けた。当時、一国の鉄鋼生産量が経済力であると見なしていたと思われる毛沢東は、世界第2位の鉄鋼生産量を持つ英国を超え(「超英」)、首位の米国を凌駕すること(「赶美」)を目指した。 それと言うのも、世界のトップクラスの経済力を手に入れることで目の上のタンコブであったソ連を押しのけ、超大国アメリカに肉薄し、やや大袈裟に表現するなら「毛沢東の中国が担うべき世界史的使命」を誇示することを狙ったわけだ。 中国は胡錦濤政権末期の2010年、実質国内総生産(GDP)で日本を抜き去って世界第2位の経済大国に躍進した。「超英」ではないが、「超日」を実現させたことで毛沢東の見果てぬ夢の一部を実現させたのであった。 であるなら次は〝我が手〟で「赶美」の達成をと、習国家主席が野望を抱いたとしても強ち不思議ではないだろう。なにせ彼は毛沢東を神と崇めて育った世代――この世代を筆者は「完全毛沢東世代」と名付ける――のトップランナーなのだ。政権中枢の多くは「毛沢東世代」 ここで改めて習家班について考えてみたい。 それは、昨年秋の第20回共産党全国大会を経て3月の全人代で確定した習近平政権3期目の中核――首相の李強(1959年生)を筆頭に、全人代常務委員長の趙楽際(1957年生)、政治協商会議主席の王滬寧(1956年生)、中央書記書常務書記の蔡奇(1955年生)、国務院副総理の丁薛祥(1962年生)、中央規律検査委員会書記の李希(1956年生)など。いわば習国家主席(総書記)を戴く側近集団の別名である。 彼らは共に幼少期から10代半ばの多感な時期を文革(1966~76年)の渦中に過ごし、毛沢東思想という培養器のなかで思想的に純粋培養されたていたわけだから、心の奥底に毛沢東信仰が深く刻まれていたとしても不思議ではない。ならば後に「大後退の10年」と否定された文革であったとしても、やはり彼らにとっては「わが青春に悔いなし」であるはずだ。おそらくこの世代は、成人以後に文革を体験した一時代前の江沢民や胡錦濤の世代とも、物心つく頃には対外開放が動き出していた「七〇後」と呼ばれる1970年代生まれ以降の世代とも違い、以下のような中国像を描いていることは十分に予想できる。 ―――「(建国から)20数年来、わが国各民族人民は毛主席を首(かしら)とする党中央の周囲に堅く団結し」、「『断固として中国を改造する』という高邁な気概を胸に天と戦い地と競い、自然改造闘争においても輝ける戦果を獲得した」 「われわれは既に偉大なる勝利を得た。だが今後の任務は艱難極まりなく更に偉大である。わが国人民は偉大なる領袖である毛主席の偉大なる領導を持ち、中国共産党という領導の核心を持ち、さらにマルクス・レーニン主義路線を持つがゆえに、断固として敗れることはなく、向かうところ敵なしである。われらの目標は必ず達成されなければならない」(『祖国的好山河』(上海人民出版社 1973年)――外国メディアから「経験不足」「イエスマン集団」「お小姓集団」などと批判されようが、習家班は習国家主席を「首」として、第3期習政権の目標達成に向かってまい進することだろう。その先に、大胆にも「超鄧赶毛(鄧小平を超えて、毛沢東に追い付き追い越す)」の4文字が思い描かれているかもしれない。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/21
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★◆ 中国から頂戴した客寄せパンダで賑わう上野動物園に見習い、東京国立博物館もフランスから借りたモナ・リザで客寄せを実施(1974年)。因みに、日本と中華人民共和国が北京で日中航空協定に調印。◆ ソ連が領空内に無断で入ってきた大韓航空機をスパイと認識、有無を言わさずバキューン!!する(1978年)。◆ 朝日新聞が、沖縄で地元ダイバーが珊瑚に「KY」とサインしたと報道したが、後日記者自らがサインした捏造報道だった事が判明した。朝日新聞の未来の"空気を読む"先見性を象徴した出来事である(1989年=朝日新聞珊瑚記事捏造事件)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月20日】習近平政権が持つ毛沢東思想と打倒米国の集団思考 =前節==Wedge_Onliune 【チャイナ・ウォッチャーの視点】 2023年4月17日 / 樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授) 昨秋の第20回共産党大会から始まった人事の季節は、3月初めの第14回全国人民代表大会で一段落した。党と政府の中核を「習家班」と呼ばれる李強首相以下の側近で固めた結果から判断して、やはり習近平国家主席にとっては満額回答に近い人事だった。であればこそ彼にとっては共産党大会も全人代も、共に「勝利の大会」であったに違いない。 中国の統治システムの根幹である党国体制に基づくなら、党と政府の枢要ポストを習家班で掌握しただけに、過去の10年間(第1、2期政権)とは比較にならないほどに強度を増した3期目の習政権は党による一元的統治を推し進めることになるはずだ。 ということは北京の権力中枢で〝驚天動地の大異変〟でも起こらない限り、少なくとも今後5年間、中国では強固な政権基盤を背景にした習近平一強体制が続き、日本はもとより、国際社会全体が習政権に率いられた中国の動きに一喜一憂し、極めて高い頻度で振り回されることを覚悟しておかなければならないだろう。 たとえば現在の国際社会における最大の不安定要因であるウクライナ戦争の帰趨にしても、好むと好まざるに拘わらず、習国家主席抜きには語れそうにない。ましてや中台両岸関係――「台湾有事」――においておや、である。習近平における「社会主義の核心的価値観」 敢えて政権3期目の目標を推し量るなら、3月の全人代の閉会演説において習国家主席が熱く語った「富強・民主・文明・調和の美しい社会主義中国式現代化強国の建設」だと思われる。だが、中国語表現に特徴的に見られる美辞麗句と抽象表現が重なっているだけに、どうにも具体像が浮かんでこない。 過去2期10年に及んだ習政権が掲げてきた「習近平新時代中国特色社会主義思想」に裏打ちされていることは間違いないだろうが、これまたゴテゴテと漢字が重なるばかりで実態がハッキリしない。そこで「社会主義の核心的価値観」というキーワードを援用して、次のように腑分けしてみた。なおカッコ内は日本語訳。・国家建設の目標=「富強・民主・文明・和諧(調和・協調)・社会の建設理念=「自由・平等・公正・法治」・国民の道徳規範=「愛国・敬業(勤勉)・誠信(篤実・誠意)・友情」 ここで厄介なのが、歴代共産党政権が好んで使う「中国式」やら「社会主義」などのお馴染みの〝接頭語〟である。 たとえば民主・自由・平等・公正・法治などにしても、西側が説く「普遍的価値」とは違っているだけではなく、それよりも優れていると確信している風が色濃く感じられるばかりか、ご都合主義的な色合いが強いだけに、やはり具体像は捉え難い。「中国式」の3文字は「中国式民主」からはじまって「中国式法治」まで融通無碍で、じつに不可解・身勝手で扱い難い。 また習国家主席は中国トップの立場から、国際社会に向かって「全人類共通の価値」として「平和・発展・公平・正義・民主・自由」の理念を掲げるが、ここでも「中国式」の3文字で巧みにコーティングされていることを忘れてはならない。 このように共産党式修辞法の解読は簡単ではないが、敢えて習国家主席の狙いを忖度してみるなら、習政権3期目の目標は内政面では「富強・民主・文明・調和の美しい社会主義中国式現代化強国の建設」であり、外交面では「中国式」の「全人類共通の価値」を基盤にした国際社会の再編となろうか。断固として受け継ぐ毛沢東の遺志 2月1日、中国国家発展改革委員会は修正「国家以工代賑管理弁法」(8章52条)を公布した。その28条では「人力を基本とし可能な限り機械の使用を避け、民衆を労働者として組織し、可能な限り専門家集団に頼らない」ことを求めている。 28条に関し、共産党地方幹部の汚職を助長する一方で、農民酷使につながるとの批判が聞かれる。確かにそうだろう。 だが28条を敢えて〝素直〟に読んでみると、条文の行間から「自力更生」「為人民服務」「専(専門知識)より紅(政治的自覚)」といった文革華やかなりし頃に盛んに喧伝された毛沢東思想の神髄が透けて見えてくる。つまり「人力を基本とし可能な限り機械の使用を避け」(=自力更生)、「民衆を労働者として組織し」(=為人民服務)、「可能な限り専門家集団に頼らない」(=専より紅)となるわけだ。 こう見ると、国家以工代賑管理弁法の制定過程で毛沢東思想が働いたと考えるのは強ち思い過ごしとも思えない。 2月末に開催された共産党2中全会において習国家主席(総書記)が提案した「党と国家機構改革計画」が承認され、同大会後に発表されたコミュニケでは「党と国家機構の改革の重要性と緊急性を十分に認識せよ」と強調している。2中全会での承認事項は、直後に開会された全人代に提出され、承認を得て、実施に向けて動き出した。 一連の「改革」によって、従来は国務院総理(首相)に委ねられていた国務院(政府)は総書記の直轄機関に組み込まれる。かくて経済・金融政策は習家班の面々が取り仕切り、安全・公安部門は党の直接指導下に置かれることとなった。 安全・公安部門の「改革」の背景には、昨年11月に北京や上海など大都市の若者が「習近平退陣」を求めて繰り広げた「白紙運動」と呼ばれる反政府運動に対する強い警戒感が指摘されている。おそらく今後も習政権批判・共産党独裁反対の声は間欠的に起こるであろう。だが国家機構上、経済・金融から安全・公安部門まで、習国家主席による一元支配体制が貫かれた事実は決して軽んずべきではないはずだ。・・・・・・・・明日に続く・・・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/20
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 百戦錬磨の鋼鉄の霊将にして朝鮮民族の輝ける英雄、偉大なる将軍様の父にして親愛なる総書記の祖父でもある同志、金日成首領様が誕生なされた素晴らしき日(1912年)。&so、タイタニック号が沈没した日でもある。☆ 日本の千葉県は浦安市に千葉ディズニーランドが開業。マリオとミッキーマウスとの、熾烈なアイドル同士の競争の幕開け(1983年)。なおマリオは1996年にアイドルの座を後継者へ譲った。☆ オウム真理教の予告デー。この日、新宿全域で厳戒態勢が敷かれパニックに(1995年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月15日】「ロシアは中国の植民地になる勢いだ」──CIA長官= NewsWeek_Column_2023年4月13日 ジョン・フェン/ウクライナにおける軍事作戦はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「壮大な戦略的失敗」だった──ウィリアム・バーンズCIA長官は11日、ヒューストンのライス大学ベーカー公共政策研究所で行なった講演でそう断じた。ロシアは経済的な生き残りのために中国頼みを加速させることになると、バーンズはみる。「ロシアは(戦場で)多大な人的・物質的損失を出しているだけではない。特殊部隊や指揮官が屈辱を味わい、ロシア軍の弱体ぶりが白日の下にさらされたばかりか、ロシア経済もまた制裁と貿易制限、1000社を超える西側企業の大脱出による長期的ダメージにあえいでいる」「戦争初期におけるプーチンの狙いはNATOを分断し弱体化させることだった」と、バーンズは指摘。「だが、現実にはNATOの結束はかつてなく強まり、新たにフィンランドが加盟し、スウェーデンも後に続こうとしている」支援疲れに期待する勘違い「ロシアはエネルギー資源と原材料の輸出などで中国頼みを加速させていて、このまま行けば中国の経済的植民地になりかねない勢いだ。こうした状況をすべて勘案すると、ロシアのウクライナ侵攻はプーチンの壮大なるオウンゴールとしか言いようがない」ジョー・バイデン米大統領はロシアがウクライナ侵攻に向けて着々と準備を整えつつある2021年11月、元駐ロシア大使のバーンズを2021年11月にモスクワに派遣し、侵攻計画を断念するようプーチンを説得させた。だがバーンズが持ち帰ったのは、プーチンは既に決意を固めているとの情報だった。侵攻開始後1年と2カ月近く、これほど苦戦を強いられても、プーチンは自らの誤りを認めようとしないと、バーンズはライス大学で語った。「プーチンはウクライナの抵抗をねじ伏せ、西側に支援疲れを引き起こせると信じている。持久戦になれば勝てると思い、西側にもそう思わせようとしている」と、講演の冒頭でバーンズは述べた。「自分がウクライナに執着しているほど、西側はこの国を重視していないと踏んでいるのだ。私のみるところ、(短期に決着がつくという)侵攻前の読みと同じくらい、この読みも間違っている」西側がロシアとの経済的デカップリング(切り離し)を進めるなか、ロシアは損失を穴埋めするため対中貿易に望みを託してきた。中国は格安価格になったロシアのエネルギー資源に飛びつき、2022年の中ロの貿易額は前年比35%近く増加。2024年までに2国間の通商規模を2000億ドルに拡大するという目標を予定より早く達成できそうだ。中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は先月モスクワを訪れ、プーチンと2030年を目処とする経済協力の拡大で合意した。これにより金融、技術、農業、宇宙開発などの部門で、中国企業はロシア市場に優先的に進出できることになった。合意にはロシアが人民元による決済を増やすことも含まれる。ベテランの中国ウォッチャーによれば、この合意でプーチンが得たのは政治的な見返りだ。ハーグの国際刑事裁判所から戦争犯罪で逮捕状が出された直後に習の訪問を受けたおかげで、プーチンは中国が仲介するウクライナ和平に前向きなゼスチャーを国内外に示せた。崩壊不可避?ウクライナに負けたロシアを待つ3つのシナリオ【アニメで解説】 https://youtu.be/RoZtVUq6IMY あいまいな習近平、限界を試すプーチン「今回の会談で、習率いる中国とプーチン率いるロシアの協力関係が深化したのは確かだ」と、バーンズは述べた。両首脳はロシアのウクライナ侵攻の数週間前にも会談を行い、「無制限」のパートナーシップを宣言。しかし中国はロシアのウクライナ侵攻を直接的に非難することを避けてきたため、プーチンは習にどの程度協力の意思があるのか半信半疑で、繰り返し限界を試してきた。今のところ中国はロシアに対して実戦用兵器を供与することは控えており、見かけ上の「ウクライナ和平案」を提示する一方、プーチンがちらつかせる核の脅しに対しては距離を取っている。「中ロのパートナーシップは決して侮れないし、両首脳とも本気で協力するつもりだが、少なくとも今のところは無制限と言えるほどの信頼関係はない」とバーンズは語った。CIAの「最大の長期的」な監視対象は中国だと、バーンズは以前に述べている。「習近平の中国は(国際社会の)テーブルに就くだけでは満足せず、その場を仕切りたがっている」 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/15
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 南軍の連中を許してやってくれと南部出身の一役者が大統領に直訴するものの、観劇の邪魔だと言われてブチ切れて銃弾をお見舞いした(1865年=リンカーン大統領暗殺事件)。☆ 三原脩が、南海ホークスとの因縁からかギャラリーを飛び出して相手の一塁走者に拳骨を一発お見舞いする(1949年=三原ポカリ事件)。☆ 1969年-文京区本郷兄弟決闘殺人事件(超エリートの兄弟が・・・・)発生。 &so、バングラデシュで天から重さ1kgもの氷の塊が降ってきて、90人以上がデッドボール(1986年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月14日】中国の属国と化すロシア 「戦後」も依存は続くのか= WEDGE Infinity 《世界潮流を読む》 岡崎研究所論評集 : 2023/04/10 岡崎研究所 アレクサンドル・ガブエフ(米カーネギー国際平和財団ロシア・ユーラシアセンター所長)が、3月18日付の英エコノミスト誌に、「ロシアの中国依存はプーチン後も続く」と題する寄稿をし、ロシアの中国の属国化時代を予想している。 習近平が3月20日に国賓としてロシアを訪問する。ロシアは両国間の対等性を示そうとするだろうが、広がる両国間の力の差は隠せないだろう。 プーチンは、ウクライナ攻撃を米国支配への反乱、ロシアの完全な主権への跳躍にしようとしている。しかし現実は異なる。開戦後13カ月、ロシアは、経済的にも外交的にも中国にますます依存している。2022年、ロシアの輸出の30%、輸入の40%を中国が占めた。ロシアのドル・ユーロへのアクセスが西側制裁下にあるので、この貿易の大きな割合が中国元で決済されている。西側がロシアの天然資源への依存を低める中、この依存は今後も増大する。 今のところ、中国はロシアへの経済梃子を強めることで満足しているが、今後中国は政治的譲歩をより多く求めるだろう。中国はロシアに機微な軍事技術を共有することを求めうるし、北極海や中央アジアでの中国の存在感は高まるだろう。 ウクライナ戦争によって、中国は3つの理由で、ロシアの最も影響力のあるパートナーになっている。第1に、中国のロシア商品の購入増大はプーチンの戦時財政を満たしている。第2に、中国はロシアの兵器の部品や工業機械への半導体の代替不可能な源泉である。 最後に、ロシアは、米国の世界的敵対者である中国を助けることがバイデン政権のウクライナ支援に復讐する最も良い方法であると考えている。これが機微な軍事技術の共有やその他中国の軍事力を助けることがもはやタブーではないように見える理由である。 ロシアにとっての悲劇は、プーチンが政治から引退した後でさえ、中国の「大君主」に従属する巨大なユーラシア独裁制が生き残るという事である。数年後、西側はロシアに経済的に依存することをやめ、代わりに、中国はロシアの輸出の大半を受け入れ、ロシアの金融は中国の通貨である元に釘付けられよう。 西側との結びつきを再建し、この中国の支配から這い出るためには、ロシアは戦争犯罪人についての責任追及、賠償、併合した領土の返還についてのウクライナの要求を満たさなければならない。これはプーチン後でも、ほぼあり得ないシナリオである。ロシアの中国への属国化が予見可能で、利益も多いように見える。* * * このエコノミスト誌の論説は、カーネギー国際平和財団ロシア・ユーラシアセンターのガブエフ所長が書いたものであるが、ガブエフはロシアの事情に精通し、かつ中国のユーラシア政策にも詳しい人である。 ガブエフは、ロシアが今後中国の属国になるだろうと予見している。ウクライナ戦争を受けての情勢の発展の中で、ロシアの中国属国化は、大いにありうる事態である。ガブエフは、プーチンが退場した後も、たとえロシアが民主化した場合にも、ロシアの中国属国化は続くと見ている。 ガブエフが言うような情勢が出てくる蓋然性は大きいと考えられるが、そのような情勢は極めて望ましくないとも考えられる。特に、プーチン退場後に民主化した場合にも、ロシアは中国の属国であり続けるとのガブエフの判断には大きな疑問がある。 情勢判断においては、希望的観測は排除すべきであるが、ウクライナ戦争後の情勢の進展によっては、ロシアの民主化や欧米諸国との関係改善の可能性もあると考えられる。その理由は、ウクライナ戦争は平和協定ではなく休戦協定でいつか終わるが、ウクライナが国家として生き残ることは休戦ラインがどこになるかにかかわらず、今の時点で明らかであると思われるからである。繁栄する「兄弟」を見た時、ロシア人は何を思うか おそらく、生き残ったウクライナは、欧州連合(EU)に加盟することになるだろう。ウクライナは人権が尊重され、法の支配がある民主国家になり、その経済は奇跡的に回復する可能性さえある。EUで1人当たりの国民所得が最も低い国はブルガリアであるが、ウクライナの一人当たり国民所得は戦争前でブルガリアの半分であった。EU 諸国への出稼ぎだけでも経済の高度成長はできるだろう。 ロシア人とウクライナ人はプーチンが言うような一つの民族ではないが、よく似た兄弟民族である。民主化し繫栄するウクライナを目の当たりにすれば、ロシア人が何故われわれは自由でもなく、貧しいままなのかと疑問を持っても不思議ではない。ここにロシアが民主化するきっかけがある。 それに中国のジュニア・パートナーでいることに誇り高いロシア人が甘んじるとは考え難い。ロシアの歴史を巨視的にみると、欧化論者とスラブ主義者が政権交代してきたように見える。 ガブエフの論は、そうなる蓋然性が高いとは思うが、ロシアの今後には別の発展もありうると考えて、政策展開を考えていく必要があるだろう。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/14
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 東京は下谷に日本初の喫茶店「可否茶館」が開店(1888年)。「そういう訳でこの日は喫茶店の日と言うことになっているのです」。☆ ソ連領内に踏み込んだナチスが、ソ連領内カティンの森でポーランド将校4,000人の遺体を発見と報じる(1943年)。当のソ連は「見つけたナチスのエクストリーム・自作自演」と否認していたが、数十年経って「ヨシフ・スターリンと政治局の決定で実行された」と言って認める。☆ 北朝鮮が人工衛星「光明星3号」の発射に成功するが、偉大なる将軍様の思想を理解できない人々が多過ぎて衛星打ち上げの確認ができなかった模様(2012年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月12日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋ロシアが戦争に勝てていない理由は、プーチンの「矛盾」にある= NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/――ロシアの戦意・士気について。現在の銃後の雰囲気をどう捉えていますか。ヒトラーを倒した大祖国戦争的な空気には到底なっていないように見えるのですが。■河東 (ロシア大統領ウラジーミル・)プーチンの支持率は表向き今でも70%以上あるんですが、実感はどうか。戦争だ戦争だと言って大変なことになっているとわれわれは思いがちなんだけれども、日本の戦前を思い出すと......って、僕まだ生まれてなかったけれども(笑)、勉強してみると日華事変が起きた頃は、国民にとって戦争は遠いところで行われていたと思うんです。その前の満州事変はもっと遠いところにあった。自分たちに響くものじゃなかった。生活面からも経済面からも。ロシアは今そういう感じではないかと思います。遠いシベリアの、少数民族の自治体のほうからたくさん兵隊に取られていて、モスクワやサンクトペテルブルクの大都市から徴兵されている兵士は少ない。物もほとんどなくなってない。西側のものは並行輸入で勝手に仕入れてきちゃうんだけれども、それで店には並んでいる。だからまだ生活にはそんなに響いてない。ただ、じわじわとは響いていますけどね。■小泉 プーチン自身がこの戦争を戦争と呼ぶことをかたくなに拒否していて、特別軍事作戦ですと。法的にも戦時体制を発令していないわけです。本当に国家存亡の日になったときに発動する戦時令という法体系があるんですけど、これも出してない。動員はするけど、限られた数の人間だけを動員する部分動員であると。総動員という規定もあって、こちらは人間をたくさん動員するだけではなくて、社会や経済を全部戦時モードに切り替える......みたいな措置もあるのですが、それはやってない。おそらくそれはプーチンが、ある程度民意に支えられた独裁者であるからなんだと思うんです。来年の大統領選はやる気らしいので、ここで国民に決定的に不人気な政策は取りにくい。戦時下なんだと思わせないようにやっている部分も結構大きいんじゃないかと思っているんです。ここにおそらくプーチンの矛盾があって、この戦争ってやらなきゃロシアが滅びるような、差し迫った戦争ではない。だから全てを戦争に動員するような覚悟がプーチン自身にもないし、国民にもない。そうであるが故に、戦争指導のやり方が非常に中途半端なものになってしまって、全てを懸けて抵抗してくるウクライナになかなか勝てない。そういう構図がずっと続いている。となるとこの先、勝てはしないんだけど、ずっとウクライナに対して嫌がらせを続けるかもしれない。「傷つける力」という考え方が安全保障にあるんですけど、傷つけ続けて、失血死させる、あるいはもう傷ついてうんざりして音を上げるのを狙っていく。もしこの春の東部攻勢でロシア軍が決定的な戦果を上げられなければ、こういう戦略に切り替えようとするのではないか、という感じがしますね。■河東 そういうなかで西側がやりすぎるとそのロシアの国内世論をかき立てちゃうわけですよね。プーチンも(セルゲイ・)ラブロフ外相も、この戦争はロシアじゃなくて西側が仕掛けてきたんだと言い始めた。プロパガンダです。そういうことをラブロフがインドで言ったら居並ぶ聴衆にあざ笑われた。ロシアの国民も同じで、これは西側が仕掛けてきた、ロシアという祖国を守るための戦争だという当局のプロパガンダにはまだ納得してないでしょう。でも西側が本当に仕掛けてくると、そこはまた危ないことになると思います。■小泉 西側が仕掛けるっていうのはその場合どういう事態ですか?■河東 アメリカ軍の兵士が現場に出てくるとか、そういう状況でしょう。■小泉 やっぱそれは確かにアメリカも絶対回避したいと思うでしょう。ロシア人の本当の防衛意識に火付けてしまったときって、手付けられないじゃないですか。第2次大戦におけるソ連の頑張りというのは本当にみんなよく知っているわけだけど、それは絶対にしたくない。ただ戦車を送ることは決めたので、米軍が出て行かない範囲内でまだ支えることはしっかりやるんだろうと思います。戦争が始まった直後に、アメリカの(シンクタンク)アトランティック・カウンシルの安全保障専門家たちがリスクを取ることのメリットと、どのぐらいまでやるのかについてマトリックスを作っています。例えば米軍の部隊を送ることはしないけど、武器援助をポーランドで受け渡すんじゃなくて、西部リビウに直接アメリカの輸送機を降ろして渡すということを象徴的にやってみせる。リビウ・ランディングシナリオです。同じジャベリン対戦車ミサイルを1000発渡すのでも、ポーランド側で渡すのではなくて、ウクライナ領内側まで持っていって渡す。これは一種のエスカレーションで、そこまでやった場合に果たしてロシアの世論がめちゃくちゃ沸騰するかどうか。そのぐらいまでだったら、私はロシア人をそんなに怒らせず、なおかつ非常に象徴的なデモンストレーションとなる可能性があると思うんです。送る武器の種類だけではなくて受け渡し方も、これから何らかのエスカレーションがあるかもしれない。■河東 アメリカ国内では、事をどんどん先に進めようという勢力とウクライナはもういいかげんやめようという動きの2つがあって、どうなるのか分からないです。前者のほうは、ワシントンのいろんなロビイストたちがウクライナに兵器をもっと出すという方向で動いている。そういうことをやるロビイストたちの数が2倍ぐらいになったと言います。彼らはウクライナのために無料でやっている格好にして、法律的な縛りをくぐって、実際にはアメリカの兵器会社から報酬をもらっている。止めるほうの動きについて言えば、やはり(ドナルド・)トランプが大統領に復活するかどうか。非常に大きなブレーキになりますよね。まだ可能性は残っている。ロシアは当然それを意識に入れているでしょう。■小泉 別にトランプでなくても、トランピアン的な人物であってくれればいいわけですよね。一番しっちゃかめっちゃかにしてくれるのはトランプなんでしょうから、ロシアにしてみれば2016年の再現は考えるでしょう。来年は大変です。ロシアもアメリカも大統領選。台湾も総統選。本来、実はウクライナも大統領選なんですけど、戒厳令を出しているので、おそらくやらないだろうとみられています。もしそれでもやるんだとなった場合には、ロシア、アメリカ、ウクライナという戦争に関わる全部の国が大統領選挙に......。※対談記事の抜粋を最初から読む(第1回:小泉悠×河東哲夫・超分析「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」: 当ブログ/虎子の誇顧 3192_ 04月08日 URL_ https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202304080000/ )。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/13
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ サムター要塞をバルサン=サムター要塞の戦い=しようとしたつもりが火責めになってしまい、南北戦争が起きる(1861年)。☆ 長らく使われていた丸ビル原器に代わり、霞ヶ関ビル=高さ147メートルで当時日本一=原器が単位として採用される(1968年)。☆ ジンバフェ政府が自国の紙幣に0を付け足す余裕が無くなったため、紙幣の発行自体を止めてしまう(2009年=ジンバブエ・ドルの無期限発行停止)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月11日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋プーチンの恥部を知っている男、ガバナンスが失われつつあるロシア= NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/――今回の戦争では、ロシア軍が私兵団を使っているのが1つの特徴です。エフゲニー・プリゴジンの民間軍事会社ワグネルしかり、チェチェン共和国の首長ラムザン・カディロフの民兵組織しかり■河東 ロシアではワグネルが有名ですが、アメリカの民間軍事会社では最近まで「モーツァルト(・グループ)」という会社がウクライナで活動していました。モーツァルトはもう「死んでしまった」(改組で改名した)のですが。ロシアに話を戻すと、ほかにもいくつか民間軍事会社があります。カディロフもプーチンの信任の厚い男でチェチェンの兵士をウクライナにずいぶん送り込んでいますが、このカディロフが最近、首長を辞任したら自分も民間軍事会社をつくりたいと言ったんです。エネルギー関係の会社が私兵企業を立ち上げてもいる。そういうのを見ていると、90年代の荒れに荒れたロシア情勢を思い出してしまう。あの頃は金持ちのオリガルヒ(新興財閥)たちがそれぞれ武装警備隊を抱えていて、車列で追い越し競争をし、負けたほうが後から追いかけていって殴り込むような、戦国時代みたいなことをやっていた。私兵企業に注目しているのは、そういう混乱した状況がまた起きるのではないか、中央のガバナンスが失われた状況が現れつつあることの兆候ではないか、と思うからです。ロシア人はいま経済的に若干困ってきて中国から個人でいろいろな物を仕入れてはインターネットで販売している。彼らは昔、個人で中国へ仕入れに行き、北京の街中でリヤカーを引いて安宿に戻り、ロシアに帰国しては販売していたのですが、それが今はインターネットで近代化されている。また、最近は路上の露店──キオスクと言いますが──で、みすぼらしい金属製の店をまた復活させる動きも見られます。民間軍事会社と一緒で、ガバナンスが失われた状況が現れつつあるんじゃないか。■小泉 本来は、暴力を独占できていることが近代国家の要件として非常に大きいはずです。90年代のロシアで、その暴力の独占がかなり崩れたというのは河東先生がおっしゃるとおりだし、それがもっと極端な形になったのが(同じ頃に内戦に陥った)ユーゴスラビアだったわけです。あの時のユーゴスラビアの状況を見たイギリスの政治学者メアリー・カルドーは、「ここにおいて近代的な戦争ではない新しい戦争の形が起きている」ということを言いだした。今のロシアがそこまで行っているとは感じないものの、軍隊以外のさまざまな連中がなぜか自動小銃やロケット砲を持って戦い、1つの都市を落とそうとしている。しかも、軍隊の制服組と民間軍事会社を仕切っているプリゴジンは仲が悪い......。やはりこれは近代国家の戦争ではないと思います。中世の戦争。領主1人につき従者は何人で、何日までは戦闘に従事せよ的な、帝国的な秩序の中での戦争です。ただ、プーチンはこれで全部グダグダになって構わないというようなヤワな男ではなく、プリゴジンが成果を上げてドヤ顔をしだすと、抑えにかかる。最近はワグネルがロシア軍から砲弾を供給してもらえないとか、政治の中枢でもプーチンから遠ざけられつつあるとか、いろいろな話が飛び交っています。軍にはっぱをかける材料としてプリゴジンは便利だったが、あまり調子に乗るなよ、というところもあるのでしょう。かといって、プーチンは昔からの仲間を完全には切り捨てられない。それは温情ではなく、昔の彼の恥部をたくさん知っているからなんです。プリゴジンに関して言うと、公式のストーリーでは刑務所から出た後にサンクトペテルブルクでホットドッグの屋台を始めて大成功したことになっています。ところが、10年前の(ロシアの独立系新聞)ノーバヤ・ガゼータを見ると、プリゴジンの本業はサンクトペテルブルクの闇カジノだった。当時の闇カジノ撲滅委員長であったサンクトペテルブルク副市長のプーチンに取り入って、ウチのカジノだけはお目こぼしをしてくれというような関係を築いて、親しくなっていった......ということがその記事には書かれていた。どこまで本当か分かりませんけど、サンクトペテルブルク副市長で、対外経済委員会や闇カジノ撲滅委員会の委員長だったプーチンが、当時相当な利権の上で悪いことをしたのは、周辺状況から明らかなわけです。その時のことを知っている人たちというのは、遠ざけはしても完全にたたきつぶせないでしょう。でなければ、本当に口封じをするしかなくなってしまう。このプリゴジンとプーチンの変な共生関係というのは続くんじゃないでしょうか。※対談記事の抜粋第6回:ロシアが戦争に勝てていない理由は、プーチンの「矛盾」にある 河東哲夫×小泉悠 に続く。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/12
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 3で割り切れない、あまつさえ整数で4分割もできない不便な単位系が公式にゴリ押しされる(1921年)。がしかし、反対運動により施行は無期延期に。☆ ダグラス・マッカーサー元帥がハリー・S・トルーマン大統領によって更迭(1951年)。日本のトップが美国政府のさじ加減で何時でも任免できる前例となる。☆ ガッツポーズの日。「鷹の団」に所属していた当時の鈴木石松が、百人斬りをなしとげた際(1974年)にこのポーズをした事から、マスコミによってこう呼ばれるようになった。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月10日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋目すべき変化「ゼレンスキーが軍事に口出しし始めた」= NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/――戦争のディテールについて伺いたい。小泉さんは先ほど、クリミア奪還のためには最新型の戦車が必要だとおっしゃいました。ドイツのレオパルト2、イギリスのチャレンジャー。いずれもウクライナに供与され現在訓練中ですが、この最新戦車はこの戦争を変える「ゲームチェンジャー」になるでしょうか。■小泉 私はあまりゲームチェンジャーという言葉が好きではないんです。この戦争でますます好きじゃなくなった(笑)。新兵器が入って戦況が変わるということはあまりない。野球で考えれば、草野球チームに大谷翔平を連れてきたらどうなるか。あまりにもアンバランスすぎます。バッテリーの相性があって、守備陣がいて、監督の采配があって、コーチ陣がいて......と全体で戦うわけです。ウクライナへの兵器供与については、どういう能力が与えられ、ウクライナ軍がどういう能力をつくれているのか、という観点で分析したほうがいいと思っています。そういう意味で別にレオパルト2であってもなくてもいいんです。きちんとした性能の第3世代戦車がまとまった数入ってきて、それをロシア軍の攻撃を受ける恐れがない場所でしっかり訓練をする時間が取れる。それにより3個戦車旅団をつくれれば、ロシアの南の防衛線にくさびを打ち込む十分な力になる。後は、できればその戦車旅団を支援する航空戦力。特にロシアの防空システムを制圧できる能力を持った戦闘爆撃機がまとまった数必要です。そしてロシア軍の火力発揮を制約するために、相当(ロシア軍陣地の)奥の地域をたたける射程の長い火力。これらが3点セットでそろって、さらに、それなりに訓練できた兵隊が何万人かいれば、これこそゲームチェンジャーです。おそらくウクライナ軍はこういう能力を近々持とうとしており、今その準備中だろうと思います。それが本当に効果を発揮できるかどうかは、ロシア軍をどのくらい弱らせられるかということと、バフムートの戦いでウクライナ軍自身が弱ってしまわないようにすること。この2つが肝要で、その意味でも今のバフムートの戦いは非常に注目される。ただ最近、これも独ビルト紙が報じていますが、バフムートを守るかどうかでゼレンスキー大統領と(ウクライナ軍のワレリー・)ザルジニー総司令官が対立しているという。ザルジニーが言っているのは「別にバフムートを守らなくてもよくない?」ということですね。バフムートを守るのが苦しいから、早く放棄して、防衛線を引き直して、(ロシア軍に)消耗を強いるんだったらそこでやればいいという話なんですよ。だけどゼレンスキーは、バフムートが落ちることの政治的意味を重視して撤退を認めず、むしろ増援をつぎ込んでいる。3月6日の会議で一応、この方針をザルジニーと陸軍司令官の(オレクサンドル・)シルスキーに認めさせているんです。もちろん戦争は政治目的に奉仕しなければいけないから、最高司令官であるゼレンスキーに従う義務が軍にはあるし、そこで反逆せずにきちんと従うザルジニーは偉い。けれども、この1年間はゼレンスキーが軍事にあまりうるさく口出ししないで、軍事のプロたちに任せていたからうまくいっているところもあった。一方、プーチンはかなり細かいところまで口を出していて、これがロシア軍の足を引っ張っていると言われている。ゼレンスキーがそういうことを始めると、これまでの有能なウクライナ軍であり続けるだろうか、と怪しくなってくるわけですよ。もちろん政治指導者の介入が絶対駄目ということはないですし、政治指導者のほうが軍人より正しいことを言っている場合も往々にしてあるので、一概には言えませんが。■河東 小泉さんがテレビで先日おっしゃっていた、西側の戦車が重すぎてウクライナの橋を渡れないという話は面白いと思いました──鉄道で持ち込むかもしれないけれど。いずれにしても100台にも達しないような戦車で、局面が変わるほどのことはできないんじゃないか。日露戦争で(日本は)軍艦から長距離砲を外して高地まで引っ張り上げ、旅順港のロシアの軍艦をやっつけた。同じように西側の戦車も、長距離砲の代わりに使うかもしれない。それからもう1つ注目しているのは、今回の戦争の初期にロシアの戦車は西側のジャベリンという携帯型(対戦車)ミサイルでずいぶんやられたんですが、そのジャベリンをロシア側がずいぶん鹵獲(ろかく、接収)した。東ウクライナのロシア軍がジャベリンをかなり持っているようです。そうすると、西側の戦車がジャベリンにやられるんじゃないか。射程距離の面で駄目かもしれませんが。■小泉 今回、西側が供与する西側製戦車の数は確かに限定されているんです。レオパルト2に関しても、1月25日の段階で80両、2個大隊分に落ち着いてしまったし、アメリカは縮小1個大隊分31両のエイブラムスしか出さない。イギリスもチャレンジャー2を14両。どうもしょぼいんですけど、一応レオパルト2とアメリカのエイブラムスが予定どおり出てくれば、3個戦車大隊編成の1個戦車旅団がつくれる。さらに言うと、チェコがT-72を90両分出す。ポーランドもT-72の独自改良型であるPT-91を含む60両出す。計3個戦車旅団。ちょっと小ぶりですけど、第3世代戦車による戦車旅団を3つつくれる。先ほど河東先生が、戦車を長距離砲に使えばいいとおっしゃいましたが、旧式のレオパルト1を100両以上ドイツなどが出します。これは歩兵部隊の直協(直接協同)支援になると思います。あるいは埋めて陣地にしてもいい。必ずしも当初望んだとおりではないけれども、それなりの数の機甲戦力がウクライナに入る。ウクライナにとっては100点満点でなくても、今年攻勢を1回やれますかと言われたら、できるかもしれない。※対談記事の抜粋第5回:プーチンの恥部を知っている男、ガバナンスが失われつつあるロシア 河東哲夫×小泉悠 に続く。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/11
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ インドネシアのスンバワ島が超特大の屁をこいたため、世界から夏が無くなる(1815年)。☆ 豪華客船『タイタニック』がサウサンプトンからニューヨークに向けて最初で最後の航海に出発(1912年)。YMOメンバーの祖父が数少ない乗客生還者の一人、無論 日本人。☆ 日本の本州と瀬戸大学を結ぶ「瀬戸大学連絡橋」が供用開始した。略称は「瀬戸大橋」。JR瀬戸大学線の児島-瀬戸大学間も同日開業。同年3月13日上映の感動映画『生還トンネル』とあわせ、「一本列島」という名死語も生まれた(1988年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月10日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋ロシア・CIA・親ウクライナ派、ノルドストリーム爆破は誰の犯行か= NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/――次にお尋ねしたいのは、昨年9月のバルト海底のガスパイプライン「ノルドストリーム」爆破の問題です。最初はロシアがやったんじゃないかと当然思う。その後、米軍あるいはCIAが実行したという情報が出ましたが、3月7日になって米ニューヨーク・タイムズ紙が、親ウクライナ派の犯行だったという見立てを書いています。この事件についてはどう分析・評価しますか。■小泉 昨日(編注:3月10日)の独シュピーゲル誌に、親ウクライナ派が爆破のために使った工作母艦みたいなボートの写真が載っていましたが、まるで普通のプレジャーボート。本当にこれであのパイプラインを爆破するような爆薬を運んでいけるのかと思いましたけれど、まあ、でも本当であってもおかしくはない。跳ね返りの連中がやったのであれば、政治的効果をきちんと計算せず、「ウクライナのためと思ってやったけれど、完全に政治的には逆効果だった」という可能性はなくはないと思います。ロシア犯行説と同じように、現状あまりはっきりした物証がないのでどちらとも言いにくい。■河東 ピュリツァー賞も受賞したアメリカの調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュが2月8日に、それまでノルドストリーム爆破について調査してきた結果を自分のブログで発表しています。アメリカが大統領の肝煎りで海軍と諜報機関に担当させ、ノルウェー海軍も引き込んでやったと。これが本当だとすると、非常に大きなマグニチュードを持つ。なぜかと言うと、(ロシアの国営企業)ガスプロムの持ち物ではあるがドイツも資金を出しているパイプラインを、アメリカが同盟国ドイツに無断で爆破した。確かに以前からアメリカはドイツに、このパイプラインはやめろ、ロシアに過度に依存するなと言っていた。ところがドイツは原発をやめたこともあって、このパイプラインがなければエネルギー政策が成り立たない、とメルケル政権の時に強行した。それだけの経緯があるのに(ドイツに言うことを聞かせられないことで)議会の圧力を受けたバイデン政権が爆破を実行した──ということになるからです。もし本当であれば、ドイツの(オーラフ・)ショルツ首相にとっては辞任ものです。彼の政権であるときに爆破されたわけだから。辞任しないのであれば、対米関係を見直す方向に行かなければいけない。米独関係、米欧同盟、NATOの全部に関わってくる問題になる。ドイツの国内情勢も混乱します。だからか、アメリカのほうは(ニューヨーク・タイムズが)親ウクライナ派がやったんだという情報を3月に報道した。ドイツはドイツで、小泉さんが言うように(シュピーゲル誌が)親ウクライナ派の跳ね上がりか何かが船でやった、その船を見つけたと言っている。アメリカであれドイツであれ、ハーシュ記者の情報を否定するために一生懸命情報を流しているという感じがしますね。■小泉 その話は確かに面白いんですが、今回の戦争に関してハーシュが言っていることは極めて陰謀論的な話が多い。ノルドストリーム爆破の話も、これ単体で読むととても説得力がありますが、私はやや眉唾ものだという気がしています。仮にアメリカが本当にやったのだとすると、露見した場合のリスクがあまりにも大きい。米欧同盟の関係性であるとか、せっかくウクライナ支援に本腰を入れ始めたドイツのショルツ政権が崩壊するとか、大きなハレーションがあるわけです。それをそこまで分かってやるアメリカなのか。アメリカの国防大学にショーン・マクフェイトという人物がいます。元は米陸軍の軍人だったけれど、民間軍事会社に移り、その後、国防大学で教授になったという経歴の持ち主です。彼の本を読むと、汚い秘密工作とか暗殺とか、容赦ない無差別攻撃とか、要するにアメリカも「お行儀のよいこと」ばかりしていたら勝てないというんです。おそらくこれは、戦いに勝つという点では正しい。だけど、アメリカが汚いことばかりするようになれば誰も付いてこない。彼は軍人だから戦闘に勝つことを考えるが、アメリカという国全体がモラル・ハイグラウンド(道徳的に優位な位置)に立つことに意識が向かない。ハーシュが言うように、今回の爆破がアメリカの工作だとすると、極めてショーン・マクフェイト的です。もしも本当にそうだとすれば、結果的にそれは、暴力闘争では勝っているが全体的に負けているんじゃないか。非常に視野の狭いアメリカになってはいないかという心配を、一同盟国の国民としては思いますね。■河東 そのとおりです。最近サウジアラビアとイランが外交関係回復で合意しましたが、アメリカはそうやって政治的にも、また(ドナルド・)トランプ以降特に顕著なのですが、モラル的にも足場を失いつつあるのかもしれない。そういうなかで(5月に)日本はG7サミットの議長をやらなければいけない。※対談記事の抜粋第4回:注目すべき変化「ゼレンスキーが軍事に口出しし始めた」 小泉悠×河東哲夫 に続く。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/10
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 室町幕府の初代~三代の将軍様の木像が、獄門さらし首にされるイタズラが発生(1863年)。別の幕府とは言えども余りにも不敬とのことで、以後こうしたイタズラが起きない様に新撰組が結成される切っ掛けとなる。☆ 戦後初の民間航空機という栄誉に与ったもく星号が突如三原山へダイブ(1952年)。米軍の関与も噂されるが検閲により削除。また30年近く後にはタンカーが米軍の潜水艦に当て逃げされて沈没(1981年)。おまけにこちらの結末も以下略。☆ イラクの首都バグダートにアメリカ軍が乗り込むが、肝心の親玉が見つからなかったのでよく似ていた銅像を引きずり倒して憂さを晴らす(2003年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月09日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋戦争の焦点は「ウクライナ軍のクリミア奪還作戦」へ= NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/――今後、作戦の展開がどうなっていくかが1つの大きな焦点です。ウクライナ軍はクリミア半島の奪還を目指すでしょうか。■河東 クリミアが今、実際には一番大きな問題だと思います。ロシア軍がクリミアを守るための補給路が非常に「細く」なっている。主として2本あるのですが、1本は(昨年10月に)爆破事件があったケルチ海峡の橋。あれはまたいつ爆破されるか分からない。もう1本はクリミアの西のほうから陸路、陸橋を伝っていくのですが、そこに行くまでにはウクライナの南端をロシア軍が獲(と)らなければいけない。しかし(11月に)ヘルソンから撤退したことで占領地域はかなり失われている。その結果、クリミアに武器や兵士を持ち込むためのルートがずいぶん危うくなってきた。とすると、ウクライナ軍は春になったらクリミアを獲るために仕掛けるかもしれません。盛んにそう報道されています。■小泉 私もクリミア奪還の可能性はあると思っています。政治的に2014年の(クリミアとドンバス地方を奪われた第1次ウクライナ戦争前の)所まで国境を戻すという断固たる意志の表現にもなるし、プーチンのロシア国内向けの正当性に大打撃を与える効果も期待できる。昨年8月以来、ゼレンスキーは「クリミアを取り戻す」とはっきり言っていますから、視野のどこかにはあると思います。ただし、ヘルソン州の東側、またはザポリッジャ州を取り戻さないと、(ウクライナ軍は)クリミアを攻めるルートがない。そのため、まずウクライナ南部の領域を奪還できるかどうかが注目点になります。それをやるには、まず東部でロシア軍の激しい攻撃を耐え切る。なおかつその耐え切る過程で2つのタスクがあり、1つはロシア軍に対して出血を強要することです。なるべく多くの兵力を集めさせ、そこで損害を出させる。もう1つは、自分たちの損害は抑えて、来年の春以降の反攻に使うための予備戦力を保持する。これは結構難しいタスクです。今、ウクライナは「バフムートでは7対1でロシア側に損害を強いている」という言い方をしている。イギリスの報告書などは5対1ぐらいではないかと言っているが、本当にこれらの割合が正しいならば、そのタスクが達成できる可能性がある。今年の初め頃からロシアの軍事専門家たちは、ウクライナが3個軍団を新しく再編中なのではないかと警戒しています。軍団の編成は国によって違いますが、1個軍団は複数の旅団・師団から出来ていて、(ウクライナの場合)2万5000人くらいの編成。この2万5000人編成の軍団3つを西部で再編していると言われています。ここに西側から入るレオパルト2戦車などでてこ入れができれば、今年の春は間に合わないが、夏以降に大規模な攻勢に出ることは考えられる。その先にクリミアまで狙いに行く能力が残っているかどうかは物理的な軍事力との相談になりますが。■河東 クリミアで付け加えると、問題なのは(半島南西部にある)セバストポリの軍港です。ロシア海軍の黒海艦隊にとっては、米軍の真珠湾のような主要な軍港。そこをウクライナに獲られると本当に痛いし、もしそういう状況になったらプーチンが何をするのかが1つの注目点です。そこで核を使うかもしれない。■小泉 セバストポリの軍港はもちろん非常に重要ですが、いつ失われてもおかしくないこと自体はロシア側も認識している。(クリミアのロシア編入以前は)リース協定が更新できるかどうかはその時の(ウクライナの)政権によったわけです。ロシアはヘッジ策を考えていて、黒海の自国側のノボロシースクに新しい海軍基地を造っており、これが大体完成している。セバストポリの基地のために核を使うかというと、そこまではやらないのではないか。ただ、セバストポリという街の歴史的な重みや政治的な象徴性は間違いなくある。あそこが落ちるのは断じて政治的に容認できない、とプーチンが考えることはあり得る。※対談記事の抜粋第3回:ロシア・CIA・親ウクライナ派、ノルドストリーム爆破は誰の犯行か 河東哲夫×小泉悠 に続く。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/09
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ ギリシアのとある離島で一百姓が裸婦像を掘り当てる(1820年)。早速アーン♥♥のオカズにしてたところ、当局にボッシュートの破目に。 150年後の本日、東京にて裸体を披露、豊国の独身男性がアーン♥♥。☆ 小田急沿線の山林に玉川学園が開校、最初の授業は校舎の建設だったとか(1929年)。☆ アイドルの岡田有希子がビルの屋上へと登って地上へダイブ(1986年)。文字通り永遠のアイドルとなり殉死の風習までもが復活。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月08日】=ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」= NewsWeek_Column_2023年3月29日(水) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/昨年2月のウクライナ戦争開戦から1年が過ぎた。この1週間、モスクワではウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席が、キーウではウォロディミル・ゼレンスキー大統領と日本の岸田文雄首相が会談したが、その間も各地で戦闘は続いている。政治解決への努力が続く一方、両軍共に一歩も引かず、この戦争の帰趨を決定付ける大きなファクターは結局は軍事力であるようにも見える。この1年、多くのメディア出演をこなし、正確な情報分析と分かりやすい解説で高い信頼を得てきたのがロシアの軍事・安全保障を専門とする小泉悠氏だ。一方、ロシア公使やウズベキスタン大使を歴任し、ロシア情勢に造詣が深いアナリストが河東哲夫氏。実は小泉氏が専門家として脚光を浴びる前、まだ「軍事オタク」だった頃に見いだしたのが河東氏で、今から10年以上前、小泉氏を外務省に分析員として推薦したという関係にある。旧知の2人は、今どのようにこの戦争を議論し分析するか。3月11日に東京で行われ、専門家の知見と洞察がぶつかり合った「超分析」対談を2週連続でお届けする。(聞き手は本誌編集長・長岡義博。近日ニューズウィーク日本版YouTubeチャンネルで動画を公開予定) ◇ ◇ ◇――お2人には戦争開始直後の昨年4月、ニューズウィーク日本版ウェブサイトで対談してもらいました(記事はこちら:【河東哲夫×小泉悠】いま注目は「春の徴兵」、ロシア「失敗」の戦略的・世界観的要因を読み解く)。今も戦争が終わる気配はありませんが、本日は、この1年の総括と今後の展望をディテールにこだわって議論・分析していただきたい。昨年の対談では、「この戦争はどのように終わる?」という質問に対し、河東さんは「停戦したとしても、ウクライナは中立国の地位を周囲から保障してもらいながら軍備を維持するだろう。そうすれば、10年後にまた同じようなことが起きるかもしれない」と答えています。小泉さんは「この戦争はすぐには終わらない。プーチンは戦果があればそれに乗じて戦争を続行するだろうし、負けていればやめるわけにいかない。落としどころが定まらないまま、ずっと戦闘が続くイメージがある」と分析されている。小泉さん、この分析を振り返ってどうですか。■小泉 われながら当たったと思います。ロシアはもちろんウクライナも、旧ソ連の中の大国でそれなりの国力があり、軍隊の規模も大きい。旧ソ連15カ国の中で2ケタ万人以上の軍隊を持っている国は、この両国しかない。そこにお互い動員をかけたり、外国から武器を調達したりしながら戦っている。どちらも簡単に、純軍事的に音を上げる状況ではない。この戦闘をやめるとすれば政治決断しかないが、河東先生が昨年おっしゃっていたように、(ウクライナには)どこかでやめてもロシアがまた同じことを繰り返すという恐れがある。あるいは、ここでやめたら(2014年以降、ロシアに奪われた)2割の国土を永久に取り戻せないという恐れがある。プーチンからすると──そもそも彼の戦争目的はよく分からないわけですが──2021年7月の論文(「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」)に彼が書いたように、ウクライナを取り戻さなければいけないという思想に本当に取りつかれているとしたら、明らかに現状は不満足なんだと思うんです。ウクライナの領土も主権も、まだ全然影響下に収められていないと思っている。こう考えると、能力と意思がある以上は戦闘が続くと考えるべきだったでしょうし、同じことがこれから先にも言えるのではないか。――河東さんはいかがですか。■河東 昨年の2月24日、ロシア軍の勢いをテレビで見て「ゼレンスキー大統領は危ないかな」と思ったんだけれど、ロシア軍は緒戦でつまずきましたからね。あれを見て、戦争は長引くだろうと考えました。もしもロシアの敗色が濃厚になれば、ロシア国内の安定性自体も危うくなるだろうと思いましたが、今のところまだその状態にはなっていない。小泉さんに付け加えれば、戦争は長引くだろうし、仮に停戦しても、ロシアだけじゃなく、ウクライナのほうも仕掛けてくる可能性がある。■小泉 確かにここで中途半端な停戦をした場合、ウクライナ側にも失地回復に向けた動機を残してしまうということは考えられる。今回の戦争で明らかになりましたけど、ウクライナ側も血の気が多いんですよ。だから、もしウクライナが軍事的に優位な状況で停戦したが、領土的に野心がまだ残っているような状態だった場合、ウクライナから停戦破りに行ってしまう可能性は排除できない。その意味でも、今は主に軍事的なフェーズですが、どこからか外交・政治のフェーズとして停戦をどう設計するかを詰めていかなければ、どちらにとっても危ないと感じます。※対談記事の抜粋第2回:戦争の焦点は「ウクライナ軍のクリミア奪還作戦」へ 小泉悠×河東哲夫・超分析 / に続く。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/08
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ ベートーヴェンが民衆のために戦った革命の英雄に捧げた革命の英雄を僭称した権力欲の山師をdisる交響曲を発表(1805年)。☆ 戦艦大和、沖縄県へ決戦の活躍の雄姿を見せる間もなく米軍の戦闘機にボコられて海の藻屑に(1945年)。☆ 手塚治虫のノンフィクション漫画『豪腕アトム』が、月刊誌「幼年」で掲載開始(1952年)。&so、ジャパニメーションの代表格『機動戦士ガンダム(初代)』、起動する(1979年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月07日】「調停者」を装いながらロシアの侵略を放置する習近平 =後節=世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 2023年4月3日 岡崎研究所 習近平は何を目的にロシアに赴いたのか。習近平とプーチンの二つの共同声明(戦略的関係と経済関係に関するもの)が公表されたが、これらの退屈な共同声明を交渉するためにロシアを訪問したとは考えられない。しかし、習近平がプーチンに何を内密に語ったのか、特に、ウクライナ戦争について何を語ったのかを知る術はない。 そういう事情はあるが、ウクライナの戦争について、従来の中国の立場から一歩踏み込む(例えば、殺傷兵器の供与)ことは控えたように見える。 推測の域を出ないが、習近平は西側に対する共通の憤りを軸とするロシアとの連携の確認・強化を今回訪問の一義的目的に据えたのだろう。プーチンを政治的・経済的に支えることを明確にすることで、プーチンを満足させたように思われる。 3月22日、習近平のロシア訪問の意義を外相の秦剛がメディアに説明しているが、彼は「今日の世界の主たる矛盾はいくつかの諸国が言い募っている『民主主義と権威主義』の対決にあるのではなく、むしろ発展と発展の封じ込めの闘争にある」として、それ故にこそ中国とロシアが戦略的調整を強化することに価値がある、と述べている。 この発言が「米国に率いられる西側諸国はわれわれを全面的に封じ込め、抑圧し、そのことが我々の発展に前例のない厳しい試練をもたらした」との3月6日の習近平の全国政治協商会議における発言の延長線上にあることに疑いはない。偽りの調停者、中国 ウクライナ戦争については、共同声明の該当部分の英訳が中国外交部のウェブサイトに掲載されているが、それは、国連憲章の順守を言いながら、ロシアの侵略を放置して中国がロシアの陣営にあることを印象付ける一方、中国が偽りの調停者であることを示すものである。 戦況が膠着したまま推移すれば、中国は現在の立場を維持し得ると思われ、中国はそれが中国の利益にかなう選択だと考えるであろうが、ロシアが屈辱的敗北でなくとも劣勢に立つ場面を想定し得る状況に変化すれば、中国は改めて決断を迫られるであろう。プーチンは体の病気ではなく心の病気?──元警護官が明かす奇行の数々= NewsWeek_Column 2023年4月5日(水) ジョン・ジャクソン最近までクレムリンで警護を担当し、ウラジーミル・プーチン大統領と直接接していた人物が、4月4日に公開されたインタビューでプーチンに関する秘密を明かした。この人物の名は、ゲレブ・カラクーロフ。2009年にロシア連邦警護庁(FSO)に入り、プーチンの警護官の1人として勤務。大尉にまで昇格したが、ウクライナ侵攻に反対して2022年にトルコのイスタンブールに逃れた。カラクーロフは、ロンドンに拠点を置き調査報道を手がける「ドシエセンター」に対し、自身の任務はプーチンが直接行う通信を暗号化することだったと述べた。カラクーロフは、13年間にわたったFSO勤務中、国内外を訪問するプーチンに180回以上同行したと言う。ドシエセンターは、カラクーロフのさまざまな書類が本物であることを確認したと報じ、カラクーロフについて、「最近西側に逃れたロシア情報部員の中で、最も高位の人物」だとしている。ただし、カラクーロフがプーチンについて述べた内容について、ニューズウィークでは独自にその信憑性を確認することはできなかった。カラクーロフの話はプーチンの極端な性格を示唆するものだ。たとえば「プーチンはいまだに新型コロナウイルス感染症を極度に警戒」しているという。プーチンは今も人との接触を避け、多くの時間を「シェルター」と呼ばれる私邸で過ごしている。今も「自己隔離」に近い状態を貫いているというのだ。巨大な「電話ボックス」持参大変なのは身辺警護のカラクーロフたちだった。「行事の前にはいつも2週間の隔離生活を送らなくてはならない。たとえその行事がたった15分か20分であってもだ」「2週間の隔離を済ませ、条件を満たした要員がプールされている。彼らは『クリーン』として、プーチンと同じ部屋で職務を行うことが許された」プーチンはテクノロジーを嫌悪している。カラクーロフはプーチンが携帯電話を使う場面を見たことがなく、インターネットも使っていないと証言した。「大統領は、自身の側近だけから情報を受け取っている。つまり、情報の真空地帯で暮らしている」外国訪問の際には「電話ボックス」を持っていく。高さ約2.5メートルもあるキューブ状の「大きな」構造物だ。エンジニアのカラクーロフによれば、その中にはワークステーションと電話が入っていて、この中であれば外国のスパイに盗聴されずに外部との通信が可能だった。最近のカザフスタン訪問の際には、防空壕の中でも通信できる仕様を求めたという。暗殺を恐れるプーチンは、正確な居場所を隠すために複数の私邸を持っているが、そこに設けられた執務室はどこもまったく同一のデザインになっているという(どこで写真を撮られても居場所を特定されないためだろうか?)。ただしカラクーロフは、メディアで広く報じられているプーチン重病説は信じていないと述べ、プーチンは定期的に健康診断を受けていると付け加えた。「同年代の人と比べて健康状態は良好だ」カラクーロフは、ウクライナ侵攻は主権国家に対する違法な攻撃だと批判する。そして、自身がかつて所属したFSOの元同僚たちに、ウクライナでの戦争に反対し、命令に従うのをやめるよう呼びかけた。「我々の大統領は、戦争犯罪人に成り果てた」 (翻訳:ガリレオ) 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/07
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 1868年-五箇条の御誓文発布。14年後、御誓文は立憲政治の実現を公約したものと信奉する板垣退助が遊説先で斬りつけられる。板垣が「板垣死ストモ自由ハ死セズ」と叫んだ事で一躍有名に。なお板垣は命に別状はなかったが、「自由さん」はのちに死亡(1882年)。☆ 児玉清が手の平を広げてアタックチャンス!と呟くクイズ番組が放映開始(1975年)。☆ 旧制四高漕艇部員11名が琵琶湖で練習中に突風で遭難・死亡(1941年)。「琵琶湖哀歌」が女学生の必須唱歌に。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月06日】中国にすがるプーチン 習近平の〝思うがまま〟か? =後節== WEDGE REPORT 《プーチンのロシア》 2023年3月28日 佐藤俊介 (経済ジャーナリスト)/経済で圧倒的な差 経済規模で米国とほぼ比肩しつつある中国の存在は、欧米や日本からの経済的な封鎖状態に置かれたロシアの命綱となっている。しかしそれは、共産主義国家として中国の手本であったソ連・ロシアが今、完全に中国の格下のパートナーに成り下がったことを意味する。 そもそも約4000キロメートルに及ぶ国境で接し、人口規模で圧倒する中国に対してロシアは長年、慎重な関係を維持してきた。人口が希薄で経済が崩壊状態にあったシベリアや極東地方が中国の圧力にさらされれば、中国の経済圏に飲み込まれてしまうのが明白で、社会的にも中国の強い影響下に置かれてしまうからだ。 しかし、14年のクリミア併合以降、ロシアは中国との関係強化を余儀なくされていった。中国やインド、ロシアなど新興経済国で構成する「BRICS」を重視する姿勢を示すなど、〝多極化〟を旗印に新興国と強調するという立場だったが、実態は中国の国際的な影響力の強さを借りて、自国の孤立を糊塗する思惑がある。こうしてロシアは警戒していたはずの中国と接近を続けた。ロシアの足元を見られての交渉 プーチン氏は21日の会談では、中国が提唱する「一帯一路構想」と、ロシアが主導する「ユーラシア経済連合(EAEU)」の連携強化などを訴えたが、中国側は内心、「何を言っているんだ」との思いだったかもしれない。EAEUは旧ソ連諸国で構成されているが、発足当初から実態が脆弱で、さらにロシアによる旧ソ連国家のウクライナへの侵攻で、その先行きが一層不透明になっているからだ。プーチン氏は、自らの手で自分の足元を突き崩しながら、中国との関係をアピールしている姿が垣間見える。 中露関係の現実を、象徴しているかのような場面もあった。21日の会談でプーチン氏は中国への天然ガス輸出について触れ、新たなガスパイプラインの敷設計画について「われわれは〝事実上〟すべての項目で合意した」と語った。「事実上」ということは、実際には最終合意していないことを意味する。 欧州方面へのガス輸出が困難になったロシアは、新たなパイプラインを通じて対中輸出を拡大させる構えだ。しかし中国側は過去のパイプライン輸出の案件でも、ロシアに大幅な値引きを要求してきたとされ、それが両国間の合意の遅れを引き起こしていたと指摘されている。 ウクライナ侵攻以後の現在も、欧州に代わって莫大な規模の天然ガスや原油を中国、インドなどが購入しているが、各国は価格でロシア産燃料を買い叩いているとされる。新たなパイプラインでの対中輸出をめぐっても、中国がロシアにさらに踏み込んだ割引を要求し、価格面で折り合っていない可能性がある。中国からウクライナへの接近はない ウクライナのゼレンスキー大統領は3月、日本のメディアに対するインタビューにおいて、中国からの会談要請は来ていない事実を明らかにした。軍事侵攻の手を止めないロシアと、ロシア軍の撤退を求めるウクライナの立場が余りにも異なり、和平仲介はめどがたたないのが実情で、中国が現時点で両国の間に割って入るメリットをどこまで見いだしているかは分からない。 和平仲介・対露接近という餌につられて、ロシア側が中国に有利な条件で経済案件を飲まされているのだとしたら、プーチン氏は自らの手でロシアを中国の術中に陥れていることにほかならない。「調停者」を装いながらロシアの侵略を放置する習近平 =前節=世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 2023年4月3日 岡崎研究所 3月23日付の英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、「危険な友情」と題し、習近平のロシア訪問を総括し、ウクライナ戦争に関して、中国は確固としてロシアの陣営にある印象を強めたが、これは中国にとって危険な路線であると論じている。 習近平のモスクワ訪問は「友好の旅」だと中国は呼んだ。習近平が彼の「親愛なる友」であるプーチンとの2日間の会談は内密に行われた。その中で、習がプーチンに彼のウクライナ戦争を終わらせるよう圧力をかけた形跡はほとんどなかった。中国は確固としてロシアの陣営にあるとの印象が強まった。 3月21日の中露共同声明は、ロシアがウクライナから撤退しウクライナの国境を尊重することを要求せず、北京の「ポジション・ペーパー」にある停戦の呼びかけを繰り返すことさえしなかった。共同声明は、国連憲章の「目的と原則」は遵守されねばならないと述べるが、「いかなる国の領土保全または政治的独立に対する武力の行使」も慎むべきとの条項のロシアによる違反を非難することをしなかった。 戦術的には、ウクライナへの西側からの増大する武器供与により、プーチンが戦争に勝てる見込みはほとんどない。よって、北京には敗者の側に立つか、泥沼の闘争においてロシアと大義を同じくして組むかの可能性しか残されていない。 外交的には、中国は不誠実のように見える。ロシアとの共同声明は全ての諸国に対して「平和、開発、公正、正義、民主主義、自由」の価値を前進させるよう呼び掛けている。この種の唱道は無神経に聞こえる。 経済的には、中国が、ロシアが西側の顧客に売ることができなくなった石油とガスの主要な買い手となり、両国は更に密接な関係にある。 中国がロシアに殺傷兵器を提供するかは不明確なままである。そのような行動は北大西洋条約機構(NATO)側に深い敵意を生じさせるものであることを中国は理解しているに違いない。しかし、中国は半導体のような軍民両用の物資をロシアに供給している。 習とプーチンが昨年宣言した「限界のない」連携は常に不均衡であった。ウクライナ戦争によってロシアはより中国に依存することとなった。 北京にとってより賢明な進路は、ロシアの侵略から公に距離を置き、ウクライナで勝つことはできないことをプーチンに理解させることである。習の現在の路線は西側との緊張に油を注ぎ、最大の貿易相手とのデカップリングを加速させるだけである。・・・・・・・・・明日に続く・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/06
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 明治天皇が東京へ御遷幸されそのまま留られたことから、東京奠都を公式に発表(1869年)。このため京都は現在に至るまで東京と並ぶ首都の座にある。=東京奠都は“天皇の東京滞在中は太政官を東京に置く”ことのみを決定=☆ 広島の川のほとりにドーム屋根のモダンな建物/広島県産業奨励館が建つ(1915年)。30年後に原子爆弾を落とされて、記憶遺産と化すとは当時誰も予想し得なかった。☆ 毎年の如く現れる怪人と戦う集団の第1作目が放送開始(1975年)。&so、危険なモンスター「もんじゅ」が敦賀市で目を覚ます(1994年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月05日】中国にすがるプーチン 習近平の〝思うがまま〟か? =前節== WEDGE REPORT 《プーチンのロシア》 2023年3月28日 佐藤俊介 (経済ジャーナリスト)/ 中国の習近平国家主席が3月20日から3日間、ロシアを訪問した。その内容から鮮明に浮かび上がったのは、ロシアが米国への対決姿勢を強める中国の〝手駒〟に成り下がった実態だ。 ウクライナ侵攻で膠着する戦況を打開できず、欧米諸国の経済制裁網に囲まれるロシアは中国への依存度を一層強めざるを得ない。一方で、軍事的に劣勢にあるロシアに中国は過度な肩入れをせず、和平の仲介役を演じることで、国際社会で求心力を高める舞台としてウクライナ侵攻を利用している印象すらある。 ソ連時代は共産主義陣営の盟主として君臨し、中国を指導する立場にあったロシアだが、プーチン氏が主導したウクライナ侵攻により、その立場は完全に逆転した。打開できない戦況 「2つの共同宣言は、ロシア・中国関係の特別な性格を反映している」「われわれの関係は歴史上、最高のレベルにある」「私と習国家主席は常に連携している。首脳会談だけでなく、国際行事、電話、オンラインでも、互いの関心事項を話し合っている」 21日、モスクワでの公式会談後に会見したプーチン大統領は、ロシアが中国といかに深く連携しているかを並べ立てたうえで、貿易、エネルギー、農業、輸送、衛生、スポーツなどの分野を一つ一つ挙げて、中国との関係強化が進んでいると強調してみせた。これに対する習氏の発言は、両国関係の発展を歓迎する内容だったが、プーチン氏より簡潔で、プーチン氏の〝前のめり〟ともいえる姿勢が鮮明だった。 昨年2月にウクライナ侵攻に踏み切ったプーチン政権は、1年以上たった今も、戦況を打開できないままでいる。年初には軍制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長を総司令官に据える異例の人事に打って出たが、東部戦線でロシア軍が攻略の焦点としていた要衝、バフムトは今も陥落できていない。その他の前線でも現時点では目立った戦果は上がっておらず、長かった冬も過ぎ、本格的な春を迎えようとしている。 ウクライナに対する主力戦車の供給を決めるなど、欧米諸国が相次ぎ軍事支援のギアを上げるなか、米国のオースティン国防長官は2月中旬、ウクライナ軍が「ウクライナ軍が春ごろに反撃を行うと予想している」と明言していた。ウクライナ陸軍のシルスキー司令官も3月23日には、バフムトでの作戦でロシア軍が消耗していることを受け「ごく近いうちにわれわれはこの機会を利用する」と発言。本格的な反撃が間もなく始まるとの見通しを示した。ロシアが危機感を抱いていることは間違いない。ロシア・中国の姿勢にずれ ロシアが苦戦を続けるなか、中国政府は今年の2月24日、「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する12項目からなる文書を発表した。各国の主権の尊重を掲げる一方で、ロシアによるウクライナ侵攻への批判はせず、ウクライナ側が求めるロシア軍の撤退にも言及していないという極めてロシア寄りの内容だった。 主権の尊重を訴えているにも関わらず、侵略した側のロシアを非難せず、ウクライナの領土の回復も要求しない中国の提案にウクライナが応じる可能性は極めて薄い。それでも形式的にでも和平を訴えることで、中国政府は〝仲介者〟としての立場を国際社会にアピールできる。 中国は3月、7年にわたり断交状態にあったイラン、サウジアラビアの外交関係の正常化を極秘裏に仲介し、成功させた。同月には各国の政党指導者らを招き、米欧型の民主主義体制とは異なる、中国独自の近代化の方式を世界に普及させる方針も表明するなど、米国との対立姿勢を鮮明にしている。 ウクライナ侵攻でロシアを直接的に批判しない姿勢を維持する背景には、米国と対峙するうえで、ロシアとの連携は維持した方が得策と考えている可能性がある。習近平がキングメーカー? ただ、そのようなロシアに対する中国の姿勢は、両国がすでに、対等の立場にはないことを鮮明に映し出している。 習氏は20日にモスクワに到着し、プーチン氏と非公式の会談を実施したほか、21日には公式会談を行った。20日の会談は夕食をともにしながら約4時間実施されたが、冒頭のあいさつでプーチン氏は中国が2月に公表したウクライナ侵攻をめぐる文書について「詳しく検討していた。ぜひ議論をしたい」と述べており、この場でウクライナ情勢が集中的に協議された可能性が高い。会談の全容は明かされておらず、詳細は不明だ。 20日の会談では一方で、習氏のある発言がロシアメディアの注目を集めた。3期目に入った習氏に対してプーチン氏が祝福の言葉を述べたところ、習氏は「ロシアにおいては来年、大統領選挙が実施されることを理解している。ロシアは大統領閣下(プーチン)による強力な指導のもと、ロシアは大きな発展を遂げた。ロシアの人民は、大統領閣下を強く支持するだろう」と発言した。 プーチン氏は、今年2月に発表した年次教書で2024年に大統領選を実施する方針を明らかにしていたが、プーチン氏自身は出馬を明確に表明してはいなかった。この習氏の発言についてロシアのペスコフ大統領報道官は「習氏は、プーチン氏が大統領選挙に出馬すると言明したわけではない」と火消しに回ったが、ロシアメディアは習氏の発言に強く注目した。 図らずも、中国のトップがロシアの内政の行方について言及し、〝キングメーカー〟のような役割を担ったことに、ロシアの指導部は内心穏やかではなかったに違いない。経済で圧倒的な差 冒頭に紹介したプーチン氏の発言に見られるように、ロシアは中国との経済関係強化をことさらにアピールする。米国に対峙する中国と蜜月だとアピールし、国際的に孤立していないと強調する狙いがあるが、同時に浮かび上がるのは、両国の圧倒的な力の差だ。 ロシアの国内総生産(GDP)は現在、1.7兆ドルだが、中国は17兆ドルで、約10倍の差がある。人口規模でもロシアの1.4億人に対して中国が14億人と、同様の差がついている。 中国とソ連の間で国境紛争が起きていた1970年ごろは、ソ連のGDPは中国の約5倍の差があったとされ、経済力は圧倒的にソ連が優位だった。その立場は、その後のソ連経済の停滞とロシアの発展の遅れ、一方の中国の急激な経済成長で、完全に立場が逆転している。 経済規模で米国とほぼ比肩しつつある中国の存在は、欧米や日本からの経済的な封鎖状態に置かれたロシアの命綱となっている。しかしそれは、共産主義国家として中国の手本であったソ連・ロシアが今、完全に中国の格下のパートナーに成り下がったことを意味する。・・・・・・・・・明日に続く・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/05
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 遠山の金さんが北町奉行に着任。刺青を入れた不良が町奉行になるのは前代未聞の快挙(1840年)。水野忠邦の抜擢によるのだが、海賊ドレークがエリザベス女王からナイトの爵位を受けるた(1581年)史実は凄い。☆ かたや、先月起きた婦女暴行殺人事件の容疑者として出っ歯の植木屋の親父が逮捕され、瞬く間にスケベの代名詞となった(1908年)史実などは・・・・・。☆ 全世界のパソコンばかりかITシステムの構築・果てはインターネットまで多大な影響を与える元凶が、大学をドロップアウトしたビル・ゲイツとポール・アレンの2人によって創立(1975年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月04日】「最低」選手だった栗山英樹がなぜ世界一の監督になれたのか =後節=『栗山魂』(栗山英樹著)、『スカウト物語』(片岡宏雄著)ほか= WEDGE REPORT 《スポーツ名著から読む現代史》 2023年3月29日 中島章隆 (元毎日新聞運動部長・論説委員)/ <23歳からのスイッチヒッター転向は、無謀なことなのかもしれない。逃げ出したくなるぐらいの練習が待っているだろうし、ひょっとしたらモノにならないかもしれない。でもな、と僕は思うのです。(略)僕がプロになることだって、普通に考えたら難しいことでした。(略)難しいことを難しいと言ったら、何もできない>(『栗山魂』111頁) そこから猛特訓が始まる。<とにかくバットを振って、振って、振りまくりました。手のひらにマメができ、マメが潰れて血だらけになっても、練習量を減らすことはできません。2年目のシーズンをスイッチヒッターとしてスタートするためには、左で打つ感覚を秋季キャンプでつかんでおくのは必須です。痛みでバットが握れなければ、バットと手をテーピングでぐるぐる巻きに固定して練習を続けました。ご飯を食べる時のハシも、左手で使うようにしました>(『栗山魂』112~113頁)病魔との闘い 1軍と2軍の往復が続いた2年目の5月、原因不明の病魔が栗山を襲った。<その日はイースタンリーグのゲームがあり、ゲームは最終回を迎えていました。僕はセンターの守備位置につき、外野手同士のキャッチボールをしていると、いきなり目の前がグルグルと回り始めたのです。ボールが二重にも三重にも見えて、足元が左右にグラグラと揺れる。すぐに吐き気にも見舞われました。>(『栗山魂』115頁) 異変はその後も予告なしに栗山を襲った。最初は週に1度ほどだったが、やがて頻度が高まっていった。 シーズン終了後、大学病院を受診した。診断は「メニエール病」という、原因不明の病気だった。2度の長期入院を経て、症状は軽くなったものの7年間の現役期間中、メニエール病が完治することはなかった。 病気の不安と闘いながらではあったが、スイッチヒッターとして定着し、外野守備も俊足を生かして存在感を高めた栗山は、年ごとに1軍の出場機会を増やし、入団6年目の1989年には125試合に出場、犠打はチーム最多の37をマーク、初めてのゴールデングラブ賞を受賞した。 プロ野球選手として、これから絶頂期を迎えようとしていた7年目、またも不運が栗山を襲った。何かと栗山に目をかけてくれた関根潤三監督に代わり、野村克也氏が新監督に就任した。 野村は「アットホームでぬるま湯体質につかっていた」チームの体質を根底から変革するため、大幅なメンバーの入れ替えを図った。野村の目に、病気治療のため春季キャンプの参加が遅れた栗山は「旧体制」と映ったのか、急激に出場機会が減った。名将・野村とは異なる考え方 栗山は、7年目のシーズン限りで引退を決断した。そのことは親しいトレーナーにしか伝えていなかった。 現役最後となった試合は10月10日の横浜大洋戦(横浜スタジアム)。九回1死後、監督から「次の打者の代打で行くぞ」と指示され、準備をしていたが、前の打者が内野ゴロ併殺打でゲームセット。栗山の「現役最後の打席」は消滅した。 野村監督と栗山の相性は良くなかったようだ。余談だが、野村は後に日本ハムの監督に就任した栗山について、著書でこんな酷評をしている。 <最近はどういう基準でプロ野球監督を選んでいるのだろうと首をかしげたくなることが多々ある。北海道日本ハムは昨年、評論家の栗山英樹を監督に迎えた。私は栗山の監督就任の話を聞いた時、正直言って「えっ、栗山で大丈夫か?」と思った。彼は監督どころかコーチの経験すらない><彼は尊敬する監督として、長嶋茂雄や戦後の知将、三原脩さんの名前を挙げていた。私の影響はないと言いたかったのだろう>(『監督の器』2013年イースト新書) では栗山は「監督」という仕事について、どう考えていたのだろうか。日本ハムの監督に就任して4年が過ぎた2015年に上梓した『未徹在』(KKベストセラーズ)の中で「「監督の役割」について考察している。 <監督は偉いという間違った認識と同様、もうひとつ誤解されていることがある。それは監督が指導者であるというものだ。大学以下の若い世代のアマチュア野球であれば、監督が指導者であるケースは多いと思う。だが、プロ野球は、そもそもアマチュアでやっていたトップレベルの選手たちが集まってくる世界であり、彼らを技術的に指導しようと思えば、もっとカテゴリーを細分化したエキスパートが求められる>と指摘したうえで、芸能プロダクションのマネジャーのように、個々の選手について「どのように努力させたら伸びるのか」「どのように起用したら輝くのか」を考えているという。(『未徹在』58頁) そのために必要なのは、選手を信じることだ。今回のWBCでも、不振に苦しんだ昨年の三冠王、村上宗隆を起用し続け、最後の最後に本来の力を発揮させた。マネジャーとして選手の力を信頼し、結果に結びつけた実例と言える。成し遂げた「最高のチーム」づくり 「監督の仕事は選手を輝かせること」。栗山は2016年のシーズンで初めて日本シリーズを制し、日本一を達成した直後に出した『「最高のチーム」の作り方』(KKベストセラーズ)の中で、1章をもうけて監督と選手の付き合い方を書いている。 自他ともに「実力最低レベル」でプロの世界に飛び込んだ栗山監督。苦しい状況を、周囲に支えられながら克服し、多くのことを学んできたからこそ指導者としても選手を信頼し、成長させるすべを知っている、ということではないだろうか。 今回のWBCで「侍ジャパン」に招集した選手全員に栗山監督は自筆の手紙を手渡したと報道されている。選手を信頼し、ともに戦うことを手紙に託した栗山監督。テスト生からプロの階段、努力で監督にまで駆け上がり、著書の書名の通り、「最高のチーム」を作り上げた。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/04
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 天目山で武田一族が滅亡する(1582年)。だが、その生き残りの子孫が一時期プリキュアの中の人になっていたところ歴史とは皮肉なものであると言う次第。☆ 全国の宗教法人をアンタッチャブルの存在とした悪法が公布された(1950年= 宗教法人法公布)。因みに、販売に自信を付けた豊田自動織機がトヨタ自動車販売を設立。世界市場を視野に入れた戦略開始はこの年。☆ 世界征服を目的としながら何故か幼稚園の送迎バスを襲う謎な組織と戦う正義のバッタ男が放映開始(1971年)。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月03日】「最低」選手だった栗山英樹がなぜ世界一の監督になれたのか =前節=『栗山魂』(栗山英樹著)、『スカウト物語』(片岡宏雄著)ほか= WEDGE REPORT 《スポーツ名著から読む現代史》 2023年3月29日 中島章隆 (元毎日新聞運動部長・論説委員)/日本中を歓喜と感動に包んだ野球の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。栗山英樹監督率いる侍ジャパンが決勝で米国を破って3大会ぶり3度目の優勝を飾った。東京での1次ラウンドから7戦全勝。しかも米マイアミでの決勝戦は、全員メジャーリーガーをそろえた米国代表の「ドリームチーム」をねじ伏せての勝利だった。 今回の日本代表は、大谷翔平やダルビッシュ有ら大リーガー4人に、昨年最年少三冠王となった村上宗隆、完全男・佐々木朗希ら国内組を融合させた史上最強の布陣といわれた。その黄金集団を一つにまとめあげた栗山監督の采配がひときわ目を引いた。 2006年の第1回大会の王貞治監督から17年の第4回大会の小久保裕紀監督まで、過去5回のWBCで侍ジャパンを率いたのは、現役時代に日本を代表する名選手だった。その点、栗山監督の現役生活はわずか7年間。実績の面で過去の4人とは大きく見劣りする。それでいながら過去の4監督以上の存在感で日本を「世界一」に導いた。 野球エリートとは全く異なる道のりを歩んできた栗山監督。苦しみ、努力を重ねてきたからこそ、指導者として必要な忍耐力や包容力を高めてきたように思える。栗山監督の足取りをたどり、「世界一」に上り詰めた背景を多くの著書から読み解いてみたい。国立大卒初のプロ野球監督 栗山監督がプロ野球の世界に飛び込んだのは1984年のことだ。教員養成を主目的とした国立大学である東京学芸大学で野球に打ち込む一方、教員資格も獲得し、文武両道に励んだ大学時代。卒業を前に、同級生が教員採用試験に臨む中、栗山はプロ野球選手を目指して西武、ヤクルトの入団テストに挑んでいた。 進路をプロ野球へとかじを切ったきっかけは、元プロ野球選手で、フジテレビの「プロ野球ニュース」のキャスターをしていた佐々木信也さんの一言だった。大学4年の春、佐々木さんの息子が在籍する玉川大学との練習試合に出場した栗山のプレーを佐々木さんが見ていた。試合後、佐々木さんに感想を聞いた時だった。 <佐々木さんが僕に視線を向けました。「キミなら、プロ野球でやっても面白いかもしれないね」。この瞬間に湧きあがった気持ちにふさわしい言葉は、30年以上経ったいまでも見つけられません。嬉しかったのは間違いないし、興奮したのも確かです。何よりも、それまで真っ暗闇だったプロ野球選手への道のりに、パパパパパッと灯りが点ったようでした>(『栗山魂』栗山英樹著、2017年河出書房新社、75頁) ヤクルトのスカウト、片岡宏雄(2021年死去)は著書『スカウト物語』(2002年、健康ジャーナル社)で栗山獲得のいきさつをこう振り返っている。<栗山は、ドラフト外で入団テストを受けて合格し、昭和59年に東京学芸大学から入団した。私としては、国立大学を卒業しているのだから、何も無理してプロに入る必要はないと考えていた。私が栗山に「無理するな。就職したらええやないか」と言うと、「どうしても野球がやりたいんです」と一歩も引かなかった。頑固な栗山を見て、まじめで一本気な男だと感じた。>(『スカウト物語』145頁)入団当初の挫折を救った言葉 こうして開いたプロの扉。だが、同期入団の新人が顔をそろえた合同自主トレ初日から栗山を待ち受けていたのは圧倒的な「力の差」だった。それまで体験したことのない挫折感に襲われた。 自信を失い、キャッチボールすらまともにできなくなっていた。シーズンが始まり、2軍戦に出場する機会ができたが、攻守に精彩を欠き、チームメートから「クリが出たら勝てない」「クリが守っているときは投げたくない」という声が出るほど。 そんな時、2軍の内藤博文監督(2013年死去)が連日、栗山の居残り練習に付き合ってくれた。上達の手ごたえがつかめない日が続いたが、ある日の練習後、内藤が声を掛けた。 <「なあクリ、プロ野球っていうのは競争社会だよな。1軍に上がらないと認められないよな。でも、オレはそんなことはどうでもいいんだよ。お前が人間としてどれだけ大きくなれるかどうかのほうが、オレにはよっぽど大事なんだ。だから、周りがどう思おうと関係ない。明日の練習で今日よりほんのちょっとでもうまくなっていてくれたら、オレはそれで満足なんだよ。他の選手と自分を比べるな」。内藤監督のひとことひとことが、身体のなかにゆっくりと染みこんでいきました。>(『栗山魂』100頁) 「他の選手と比べるな。昨日の自分と今日の自分を比べればいい」という内藤監督の言葉に力を得た栗山は、野球に打ち込めるようになり、着実に力をつけていった。2軍の最低レベルからスタートした栗山のプロ野球人生だったが、1年目の公式戦最終2試合に1軍の試合に呼ばれ、初出場、初打席(遊飛)も記録した。 そして秋季キャンプでは、右投げの内野手だった栗山にとって二つの「二刀流」への挑戦が始まる。一つは外野守備の特訓であり、もう一つが左打ちの習得だった。若松の指導で左打ちに挑戦 左打ちは、チーム随一の大打者のひと言から始まった。若手の相談役でもあった若松勉が秋季キャンプ中、栗山にこう尋ねた。「クリ、お前、トシはいくつだ」。「23歳です」と答えると、若松は残念そうに「そうか、惜しいなあ。あと3年若かったらなあ」とつぶやいた。右打ちのバッティングフォームが固まっていると、左打ちの習得は難しい、というのが球界の常識とされていた。 <23歳からのスイッチヒッター転向は、無謀なことなのかもしれない。逃げ出したくなるぐらいの練習が待っているだろうし、ひょっとしたらモノにならないかもしれない。でもな、と僕は思うのです。(略)僕がプロになることだって、普通に考えたら難しいことでした。(略)難しいことを難しいと言ったら、何もできない>(『栗山魂』111頁)・・・・・・・・・明日に続く・・・ 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/03
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 蒼天已に死す、黄天まさに立つべしを合言葉に、高位高官や宦官・外戚の専横に苦しんだ庶民がええじゃないかで大騒ぎ(184年- 黄巾の乱)。&so、オスマン・トルコが、細々と生き永らえていたローマ帝国を潰しにコンスタンティノープルを攻撃開始(1453年)。☆ 新興宗教・国家神道が皇紀2550年を記念して橿原神宮を遷座(1890年)。☆ 平成」の看板で有名なおっさんが記者に詰め寄られて数分経って、自分の頭脳がOverflowした挙句にシステムダウンする(2000年)、意識不明のままに5月14日に死去。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月02日】歓喜に沸く日本 これからのWBCと日米野球交流の未来 =後節== WEDGE REPORT 《冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」》 2023年3月24日 冷泉彰彦 (作家・ジャーナリスト)/今後に引きずる3つの懸念 2つ目は、メジャーの先発投手の問題だ。各球団は主戦級の先発投手の参加を渋り、結果的に主戦級の先発投手でWBCに出たのは、大谷選手とダルビッシュ有選手の2人だけとなった。ドジャースのフリオ・ウリアス投手もメキシコチームに参加していたが、公式戦が近づく中で球団が圧力をかけて準決勝以降での投球を禁止されている。 大谷選手とダルビッシュ選手の2人は、とりあえずWBCでの負傷ということはなかったが、仮にこの2人の4月の成績が不振になると、やはり地元ファンからの批判は避けられない。栗山監督もそうした事情はよく知った上での、球数を含めたマネジメントをしていたと思われるが、この2人には開幕とともに大きなプレッシャーがかかるというのは、いかにも酷な感じがする。 3つ目は、開催時期である。負傷の問題や、先発投手の疲労の問題を考えると、3月開催ではなく、シーズンもポストシーズンも終わった11月の開催ということが考えられる。 確かに、その方が参加しやすいという選手の声もある一方で、11月のワールドシリーズ終了後は、徹底的に休養して身体のメンテナンスをしつつ、家族との時間を大切にするというのは、米国の野球選手の重要な「権利」と考えられている。この問題も容易に解答は出ないと思われる。 もしかしたら、USAが野手中心のほぼドリームチームを組み、日本と中南米諸国のチームにも、主戦級のメジャーリーガーが参加する大会というのは、今回がギリギリの線であって、この線を守れれば上々であり、もしかしたら次回大会は一歩後退ということもあり得る。そうならないためにも広範な議論が必要だろう。世界で活躍する人材育成と日本への寄与 大会の今後とは別に、日米の野球交流の問題については、大きな希望を感じたのも事実だ。まず、大谷選手、ダルビッシュ選手の活躍については、プレーだけでなく、リーダーシップのあり方ということで、日本全国に大きな影響を与えた。つまり、先輩後輩カルチャーの中で、暴力や暴言が飛び交っていた「悪しき昭和の野球」ではなく、「リーダーの責任とは、メンバーのモチベーションを向上させること」という近代的なリーダーシップの重要性を身をもって示したのである。 もしかしたら、これは衰退の傾向が危惧されていた日本の野球文化が大きなカムバックを果たす契機になるかもしれない。サッカーやバスケットボールの台頭の中で、少子化による裾野の縮小も厳然とした状況がある中で、日本野球の反転攻勢があるとしたら、この2人が今大会で見せた「態度」の功績は大きいということになろう。 さらに言えば、この2人が他でもない日本プロ野球の出身者ということも大きい。職業野球人としての基礎を日本で作り、その上で世界で活躍しながら、日本の若手を正しい方法論で牽引する姿というのは、日米の野球交流だけでなく、文化の交流、ビジネスの交流にも応用可能な素晴らしいサクセスストーリーであると思う。 確かに金銭面では、日米野球の給与格差、ビジネスとしての格差は歴然としてある。また放映権の高騰により地上波での中継について危ぶむ声もある。そうではあるのだが、日本にはプロ野球があり、そこで育った人材はメジャーに送り出すが、WBCという国別選手権の場では、メジャーに出ていった人材も日本に戻って、若手に刺激を与えるというこの好循環は、これからも大事にしていくのが良いのではないか。金融のドミノ倒し、次はドイツ銀行か= NewsWeek_Column_2023年3月27日(月) キャサリン・ファン/今月初めのシリコンバレー銀行の破綻に端を発し、スイスの大手銀行クレディ・スイスに飛び火するなど世界に広がった金融不安で、またも大手が危険領域に足を踏み入れてしまった。今度はドイツ最大のドイツ銀行だ。ドイツ銀行の株価は先週末の24日、11%下落し、経営危機の恐れに直面している。今回の金融不安が始まった8日以降で考えると、下落幅は29%に達する。「(金融界は)さらなるドミノ倒しが起きる瀬戸際にいる。次のドミノと目されているのは明らかに(それが正当な見方かどうかはとにかく)ドイツ銀行だ」と、IGグループの主任市場アナリストのクリス・ボーシャンはロイター通信に述べた。「金融危機は完全に一段落したわけではなさそうだ」シリコンバレー銀行の破綻に続き、ヨーロッパでも大手金融機関が経営危機に陥った。3月半ば、スイスの金融大手クレディ・スイスの株価は急落。経営破綻に直面したが、その一歩手前でスイスの同業最大手、UBSによる救済買収の交渉がまとまった。ドイツ銀行の今回の株価下落は、クレディ・スイスの買収交渉の余波を受けたという側面がある一方で、金融システムへの信頼感がいまだに回復していないことを示している。欧州の金融機関の株価下落は3週目に入り、金融不安が始まって以降の下落幅は4.2%となっている。債券投資家に損失スイス政府の仲介によりクレディ・スイスが救済され、これで欧州市場は安定するだろうと当初は考えられていた。ところが影響の拡大を抑えるのは難しかったようだ。買収合意により、170億ドル分のクレディ・スイスの社債の価値がゼロとされてしまったことが、ドイツ銀行への懸念を深める要因となってしまった。2019年からの大規模リストラで持ち直していたドイツ銀行の株価は、再び下落してしまった。ストックス欧州600種指数の銘柄中、最も値を下げたのもドイツ銀行だった。次に倒れるのはドイツ銀行ではと懸念する人は多いが、一方でクレディ・スイスと同じ運命はたどらないだろうと楽観視するアナリストもいる。「ドイツ銀行の存続の可能性やその資産価値に関し、われわれは全く不安視していない。はっきり言うが、ドイツ銀行は次のクレディ・スイスにはならない」と、調査会社オートノマスは24日のレポートで述べた。ドイツのオーラフ・ショルツ首相は24日の記者会見でパニックに陥る必要はないとの見方を示し、ドイツ銀行は「ビジネスモデルを時代に合わせて徹底的に再編しており、非常に収益性の高い銀行だ」と述べた。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/02
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★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★☆ 馬鹿が馬鹿を見ても見なくてもどっちでもいい日(たいていはみんな馬鹿なことになる)。 &so、宝塚の風呂場で少女たちが桃太郎の芝居をやる(1914年)。これこそ、かの宝塚歌劇の初公演。☆ 1989年のこの日から、売り手も買い手も消費税の計算で悩まされ始まる。最初は3%だったのが次第次第に税率が上がり、今や税率が2ケタになるばかりか軽減税率やらインボイスやらで余計に頭痛の種に。☆ 平成の失われた30年の後始末をする時代の年号として令和が公に発表される(2019年)。「零和」ではなく「令和」である。大事なことなので二度言いました。言ったのは菅義偉内閣官房長官でした。【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月01日】日系人のヌートバー選手が日本社会に起こした新潮流 =後節== WEDGE REPORT 《冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」》 2023年3月21日 冷泉彰彦 (作家・ジャーナリスト)/日本社会の「ウチ」と「ソト」の感情 こうした現象の全てに共通するのは、日本の社会が「ウチ」と「ソト」を厳しく峻別する社会ということだ。否定するのは簡単だが、日本の言語と文化に染み付いている習慣だからなかなか変えられない。 例えば、「外人顔」をして「日本語が初心者」の場合は、完全に「ソト」の人だから、日本人は警戒せず客分として「もてなす」。ところが、日本語が上手になり、ほぼ完璧となったレベルになると、警戒感が出てくる。そこで敬語のミスをすると、失礼だとボコボコにされることがある。「ウチ」の世界に食い込んでくると途端に厳しくなるのだ。 テニスの大坂なおみ選手の場合は、全米などで活躍している時期は「ソトの人」だったのが、五輪の日本代表になって「ウチ」に食い込んでくると、日本人独特の警戒感が出てきてしまった。その上で、アメリカ的な権利主張をして、しかも弱さの披瀝(ひれき)が称賛されるなどという現象になると、日本の世論はとても「ついていけない」、と距離を置くようになったと考えられる。ヌートバー選手が見せた〝変化〟 こうした点から考えると、今回の野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表チームにおける、ラーズ・ヌートバー選手の異常な人気は、従来のパターンとは異なるのを感じる。 まず名前が英語であり、日本語を積極的に話さないことから、基本的には「ソトの人」の立ち位置、つまり安全圏からスタートしている。だが、そのプレーの内容が、非常にガッツにあふれており、誠実な印象も与えることが日本人の心理に「刺さった」。この異常な人気はそうとしか説明できない。 つまり、日系人を基本的には仲間と思えず、「ソト」の人と扱う一方で、日本語が上達したりして「ウチ」の世界に入ってくると途端に警戒したり、「長幼の序」の中に押し込めたりする悪習があるわけだが、ヌートバー選手の場合はそうした「ひっかかり」を上手く「すり抜けて」いるのだ。そこには、日本社会がようやく「魅力ある個人は個人として認める」ということができるようになってきた新しい潮流を感じる。 名前に関してもそうだ。ヌートバー選手の場合は、ミドルネームに日本名の「達治」を入れているが、この「達治」がそのまま日本で通用している。「タツジ」とカタカナ表記されることはないのだ。野球ファンから広がる新たな考え方 さらに言えば、いい意味でアメリカナイズされているダルビッシュ有選手と大谷翔平選手の存在が、「ウチとソトの区別なんか格好悪い」というカルチャーを思い切り拡散しており、「一人ひとりが個人として輝くこと」の素晴らしさを、日本の野球ファンに徹底的に教えこんでいるということもあるだろう。そして、日本のファンの方々も、そうした受け止めの出来る世代が中心になってきたということもある。 その意味で、今回のWBC日本チームにも、またそのファンの方々にも、これからの日本社会への希望を感じさせるのは事実だと思う。ヌートバー選手の存在は、その希望の象徴でもある。歓喜に沸く日本 これからのWBCと日米野球交流の未来 =前節== WEDGE REPORT 《冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」》 2023年3月24日 冷泉彰彦 (作家・ジャーナリスト)/今回の野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、コロナ禍後の「再開」という意味では成功だった。全日本も、USAも決して楽に決勝に進出したわけではなく、特に準決勝ではどちらも逆転劇を演じてスリリングに勝ち抜いて来ている。 決勝も、1点差の引き締まった好ゲームだった。個人としても、全日本の大谷翔平、吉田正尚、村上宗隆、USAのトレー・ターナーら、旬の選手が輝きを見せたのも大きい。 だが、このWBCの今後、そして日米の野球交流ということでは、さまざまな論点を感じるのも事実だ。日本チーム優勝の熱気の冷めないうちに、少し冷静に今後のことを整理しておきたい。米国ではいまだ関心が向いていない まずWBCの今後という点では、まだまだ、未解決の問題が残っている。というのは、まだ米国の一般の野球ファンの意識としては、WBCへの関心が向いていないということだ。あくまで自分の応援するメジャーリーグ(MLB)のチームが勝って欲しいというのが最優先事項であり、WBCの位置づけには懐疑的というのが、米国の野球ファンの平均値である。 一線級の投手には参加して欲しくない。例えば、大谷選手とマイク・トラウト選手の真剣勝負なども、「そんなことに熱心になるぐらいなら、一緒にエンゼルスを何とか強くしてくれ」というのが、アナハイムのファンの本音だろう。 その意味で、日本とは違って、米国の一般の野球のファンはあくまで冷めている。今回もその点では、一線を超えた盛り上がりはなかった。今後に引きずる3つの懸念 その一方で、今後の開催へ向けての懸念事項ということでも、3点、指摘しておきたい。1つは、ケガ人の問題だ。大会を盛り上げるにはメジャーの一線級の登場が期待される。だが、WBCで負傷したら、選手の「本業」である公式戦に影響が出てしまう。従来は、そのために球団も選手個人も、一線級の参加を渋っていたが、今回は巨額の保険をかけるということで、何とか参加が実現した。 だが、そんな中で、メッツの抑えのエースとして巨額の長期契約を結んだばかりである、エドウィン・ディアス選手の悲劇という事件が起きてしまった。ディアス選手は、プエルトリコ代表として参加したが、戦勝の歓喜の輪が盛り上がりすぎて膝を負傷し、今シーズンが絶望となってしまった。 この事件については、メッツ球団とそのファンの落胆は大きい。それだけではなく、恐らく次回のWBCへ向けて保険料の高騰を招くだろうし、一部球団と選手が参加を渋る理由となる可能性がある。・・・・・・明日に続く 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- 【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/】【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon】・・・・・ クリック 宜しく・・・・・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・
2023/04/01
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