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[1] 読書日記 雷の音のせいで、変な時間に目が覚める。 今はそうでもないが、起きたときは外は嵐といった風情だった。 再びの眠気も特に訪れなかったので手近にあった、 三並夏 「平成マシンガンズ」(河出書房新社) を読了。 この一週間、特にレビューを書きたいとも思わせない可もない不可もない、毒にも 薬にもならない本ばかり読んでいたので、私的に久々のヒットという感じ。 そうそう世の中にはこんなにも読みやすい本というものもあるよね、と思い出させ てくれた。 作者については、15歳(中三)での文藝賞(低年齢の受賞者が多いこの賞らしい) 受賞という若さにどうしても目がいってしまうので、とりあえず今後の作品を読んで 判断したい。 希望として、この三年以内に二冊くらいは読んでみたい。
2007年03月30日
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[2] 読書日記 一冊目が面白かったので、続いて、 平坂読 「ホーンテッド!2」(MF文庫) を読む。 ★ 前作と較べて、アクションと小ネタと、18禁度が増量。 ★ 前作と較べて、主人公の世界観やキャラクターの必然性などが大幅減量。 ★ 前作と較べて、物語的な面白みが消失。空回り度が凄まじい。 ★ 前作と較べて良いものやら悪いものやら……。総合判断としては、ガッカリとしか。
2007年03月26日
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[1] 読書日記 読んでいて、「西尾維新以降」を強く感じさせられた、 平坂読 「ホーンテッド!」(MF文庫) を読了。 ★ (「戯言」 - 殺人 + 「ダブルダウン勘繰郎」) × ラブコメ = この作品 ★ アンフェアな一人称叙述トリック(言っても問題ないでしょう)が、見事にキマッて る。(「暫定的エピローグ」の方もだけど、特に「便宜的本編」の方でより一層。) 叙述トリックをこういう使い方をしながら、笑って許される作品に仕上げている手腕に は脱帽。 ★ とにかく作者に圧倒され、翻弄される。 今まで読んだライトノベル(乏しい経験ながら)の中で、1,2位を争うくらい好き。
2007年03月20日
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[1] 読書日記 「今日読んだ本の中では、これだろう!」と、読書レビューを書いていると無視でき ない、ネタにせずにはいられない本、 岩月謙司 「女は男のどこを見ているか」(ちくま新書) を読了。 男根主義的発想もしくは幻想に基づいて書かれている本。 筆者が真に語りたかったのであろうと思われる後半部は別として、前半部は会話のネタ にしやすいし、このフィルターを通して世界を見てみるのも面白い。ただし、女性や女権 論者の人が、必ずしも楽しいかどうかの保証はない。 例えば、 <夫婦仲が悪く、心が満たされていない母親は、娘の幸福に嫉妬する> その理由は、 <母親は、娘と同性であるがゆえに「女の幸せ」「女の悦び」とは何かを知っていま す。だからこそ、自分の得られなかった幸せや悦びを同性の娘が得ていないかどう か気になるのです> その結果、その娘は <楽しいことほど、怖くてできな>くなってしまう。 <母親の嫉妬に狂った顔を見るくらいなら、楽しいことをしないほうがマシ>だから。 そして、<親が嫉妬しない程度の悦びだけを得ようとする>、 <大きな悦びを避けてしまう>、 <あくまでも無意識>に。 しかも、<幸せを避けることで実家で生き残ることができたという成功体験がバック にある>ので、<幸せを避けることが良いことだと>も思っている。 このような現象を筆者は、<「幸せ恐怖症」>と呼ぶ。 「幸せ恐怖症」の症状として、 <一番したいことをせずに、二番目か三番目にしたいことをするようになる>。 <恋人選びも同様です。一番好きな人とつき合うと悦びが大きくなるので、五番目くら いに好きな人を恋人にする> <楽しいと感じた時に、わざと機嫌の悪い態度をとった>り、<幸せの予感がした時、 ぶち壊そうとしたりします> <たとえば、彼女にとって、ディズニーランドのスターツアーズが一番の楽しみだった としましょう。他の乗り物に乗っている時は楽しそうでも、スターツアーズに来た途 端、気分が悪くなるのです。吐き気がしたり、頭痛がするのです。人によっては、ス ターツアーズに乗った後で、こういう症状が出ることがあります。怒りっぽくなった り、悪態をついたりするのです> <ただし、本人はまったくの無自覚ですが> などを挙げ連ねていく。 そして、 <「幸せ恐怖症」は総量規制ですから、不幸になるネタは恋愛とは限りません。 仕事でミスをして自分を不幸にしてもいいですし、友人とトラブルを起こして不幸 にしてもいいのです> <無意識だけど意図的にミスを犯すのです。本人は本気でミスしたことを悩みますが、 実は、意識できないだけで意図的な行為です> <たとえば、パソコンのキーボード近くにコーヒーカップを置く、というようなこと です。気をつければ大丈夫ですが、でもうっかりすると、こぼしてしまいます。 こういう危険なことを無意識だけど意図的にやるのです> と続けていく。 ここまで結構引用しまくりましたが、まだまだ書き足らないくらい。 まあこんなわけで、私同様に人に語りたがり屋の人には、お薦めしたい一冊。前半は。 当然、セクハラ発言的エロ小噺が好きな人にも、お薦め。
2007年03月19日
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[1] 読書日記 ポップな作品を急に読みたくなり、 ヴィルジニ・デパント 「バカなヤツらは皆殺し」(原書房) を読了。 カバーイラストは、カネコアツシで、 <さあマニュのご登場だ。 ピンクのレインコートにオレンジ色の髪。 これはヘアカラーがうまくいかなかったせいだ。 顔にはオレンジ色がかかったファンデを厚塗りして、 パールピンクの口紅にブルーのマスカラ。 こういうケバイ格好がマニュにはぴったりハマっていた。> <「しっかし、いい音だったね、ほんとに。 なんだかあたし、撃つの慣れてきたよ、カッコもさまになってきたと思うし。 ちょっと、高速には乗んないでよ、怖いから。 ケーサツに追われたら逃げ道ないじゃん」 「どっちにせよ、カーチェイスになったらあてにしないでね、 あたしにはムリだから」 「またそんなバカ言って。 ここまで来てまさかカースタントで負けるつもり? どうせ失うものなんかなんもないんだから、 こうなったら最後の瞬間までアクセル踏んでちょうだいよ……」> <「そうだね、ファッション小物の店を襲おう。 この楽しみを長続きさせるためなら、何でもやろうよ。 ホテルに泊まるのはこれが最後ね。 これからは普通の家に行くんだ」 「あてがあんの?」 「ない。 最初に通りがかった家でいいよ。 そこに入って、撃って、泊まると」 「サイコー」> <ナディーヌは銃を出した。 後は体が自然に動いた。 深呼吸して、もう子供から目を離さなかった。 だだをこねるききわけのない子供。 銃身は今や自分の体の一部となり、手の先で輝いていた。 子供の顔の真正面につきつける。 引き金を引く直前に、老婦人が悲鳴を上げた。 それはまるでナディーヌのソロの始まりを告げるドラムロールのようだった。> といった内容の、バイオレンス・ロードノベル。 ガーリーな「テルマ&ルイーズ 」というよりも、「下妻物語」。 サイコー。
2007年03月15日
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[1] 読書日記 乙一で弾みがついたので、久々にライトノベルを読書。 久々といっても、この一ヶ月以内には何冊か読んでいるので、最後に読んだ時から すればさほどの時間も経ってはいないのだが、最近海外ミステリばかり読んでいたの で、翻訳独特の文体からのギャップで、隔たりを感じてしまった。 在原竹広 「桜色BUMP シンメトリーの獣」(電撃文庫) 在原竹広 「桜色BUMP II ビスクドールの夢」(電撃文庫) を読了。 多くを書くとネタバレになるので、<「……これは、警察が解決できる事件なのか?」> と登場人物が尋ねてしまうようなミステリである、とだけ。 ネタバレO.K.な人には、うえお久光の「悪魔のミカタ」の類書と言った方が分かり易い。 「シンメトリーの獣」は本格ミステリで、「ビスクドールの夢」はハードボイルド風の 探偵小説の趣。 「シンメトリーの獣」の解決の道筋はミステリとして面白かったが、状況が無限定なの で他の解決も許しそうに思える。提出される謎も、不可能犯罪でも何でもないので、本格 ミステリとしては、やや薄口な感を否めない。 地の文は、描写というより、全てが説明。 それに作者の声が大きすぎて、読んでいて結構目障り。 更に、一つのシーンの中で視点がコロコロと移るので、人物の動きが活発になってくる と、読み辛い。 と言いながらも、続編にあたる「腐敗の王」や「隣人」も一括購入後、積んであるので、 現在進行形で読書中。ただ翻訳調の文体や、けれん味たっぷりで大掛かりな小説が恋しい 気持ちと相俟って、そろそろ挫けるかも……。
2007年03月14日
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[1] 読書日記 乙一 「ZOO」<1>(集英社文庫) 乙一 「ZOO」<2>(集英社文庫) 同名の単行本の中で映画化された作品と、漫画家・古屋兎丸との対談を収めた「1」と、 それ以外の作品及び単行本未収録作品1本を収めた「2」といった構成の、短編集。 二冊あわせて、2時間程度で読める。
2007年03月12日
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[1] 読書日記 <企業スパイは、アップルパイやシボレーと同じようにアメリカ的なものだ。 なぜ、アメリカが経済大国になったか、知っているかね? 一八一一年にフランシス・ロウエル・カボットという北部の男が英国にわたり、 英国のもっとも重要な機密を盗み出したのだ 繊維産業の礎石となった、カートライト式力織機だ。 これが我が国に産業革命をもたらし、 現在のような巨大な国家をつくりあげることになったのだ。 すべては、たったひとつの産業スパイ行為からはじまった> 邦題ままの、企業スパイを題材とした犯罪小説、 ジョゼフ・フィンダー 「侵入社員」<上>(新潮文庫) ジョゼフ・フィンダー 「侵入社員」<下>(新潮文庫) を読了。 自社のCEOに弱みを握られた為に、ライバル社へのスパイを命じられた男の物語。 カタカナ表記で、訳注つきの、専門用語や実在する固有名詞が頻繁に登場するが、軽妙 でユーモラスな語り口のおかげで読みやすい。 スパイ小説や、犯罪小説というよりも、コミックなユーモアミステリに近いノリで、重 くない。 主人公のスパイ活動に伴うサスペンスであり、苦悩であり、葛藤、そして来るべき審判 の日へと向けてのカウントダウンとその後に待ち受ける結末、と読みどころの多い作品で 楽しめた。
2007年03月01日
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