inti-solのブログ

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2009.07.18
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実は、昨日の晩東京を出て北アルプスに向かったのですが・・・・・・・・
何故か、もう帰宅しました。
新穂高温泉から双六岳~三俣蓮華岳と回るつもりだったのですが、すごい土砂降りの中歩き出したのですが、ゴアテックスの雨具が古くなってきて、防水が切れてきた+表面が汚れで目詰まりして湿気が籠もるようになってきたため、全身ずぶ濡れ状態。登山靴の中もずぶ濡れ。気温はそんなに低くなかったのですが、稜線上に出ると気温も低いだろうし風も強いし、とにかくこんな状態でテント張っても、ただただ惨めで悲惨なテントライフだし、明日も天気悪い予報だし、というわけで、結局引き返してしまいました。
何となく、大雪山の事故のことも頭をかすめました。

新しい雨具と登山靴を買うことにします。登山靴は11年、雨具は多分12~3年使っています。いい加減寿命かも。

というわけで、大雪山の遭難事故のニュースです。



遭難計10人死亡 大雪山系トムラウシ山・美瑛岳

北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)で登山客らが相次いで遭難した事故で、北海道警は17日午前までに10人の死亡を確認した。18人が遭難したトムラウシ山では17日午前までに5人が自力下山し、道警などのヘリに13人が収容されたが、8人が死亡した。このツアーとは別に男性登山者1人が死亡して見つかった。6人が遭難した美瑛岳では17日未明、1人の死亡を確認した。北海道警は二つの遭難事故について業務上過失致死容疑でツアー会社側に対する捜査を始めた。(中略)
このパーティーが歩いたコースは、旭岳温泉から入山し、旭岳やトムラウシ山を2泊3日で縦走する「健脚向けのコース」。トムラウシ山はこの時期、花の山として人気があるが、山が奥深く、体力、精神力がないと登れないとされる。14日から16日にかけては雨や風が強く、気温も下がり、登山者の体力を奪ったとみられる。参加者の一人は「風が吹き荒れていたが、ツアーは計画通り出発した」と話している。(中略)
札幌管区気象台によると、14~16日、道内は低気圧が通過し、大雨が降ったり強風が吹いたりした。トムラウシ山の標高2千メートル付近の16日午前9時の気温は6~7度だったと推測されるという。帯広測候所によると、山頂付近では16日、20~25メートルの強い風が吹いていたといい、同気象台は「体感温度はさらに低かったのでは」とみている。(後略)
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私も、大雪山周辺では、旭岳と富良野岳に登ったことがあります。大雪「山」と言いますが、大雪「山脈」と言った方が良いのではないかと思うくらい広大な山です。「富士山で山の高さを知り、大雪山で山の広さを知る」などと、よく言われます。
報道によると、旭岳温泉を出発し(おそらくロープウェーで姿見の池に出たものと思います)、旭岳を経由して白雲岳避難小屋に1泊、忠別岳、五色ヶ原を経由してヒサゴ沼避難小屋に1泊、そこからトムラウシに向かおうとして遭難したようです。この長大なコースを、ヒサゴ沼避難小屋までは落伍者なく来ているようなので、ある程度以上脚力のある登山者ばかりだったことは間違いありません。

ただ、この人数で避難小屋を頼りにしたコース取りは疑問を感じます。私だったら、たとえ避難小屋宿泊を前提としていたとしても、テントを持っていくでしょうね。なぜなら、行ってみたら避難小屋がいっぱいだった、という事態が考えられるし、避難小屋までたどり着けない事態も考えられるからです。
せめて、ツェルトはもっていなかったのでしょうか。(私は、営業山小屋利用あるいは日帰りのときは、必ずツェルトを持ちます)あるいは、避難小屋利用でもシュラフか(夏山にはシュラフは持ち歩かないとしても)シュラフカバーくらいは持っていたはずです。
動けなくなったとき、シュラフカバーとツェルトにくるまっていれば、かなりの人が助かったのではないかと思うのですが。夏とは言え、セーターはもっていなかったのでしょうか。
とは言え、まさかみんなゴアテックスの雨具は着ていたはずですが、ゴアテックスといえども万能ではない、ということですね。古くなってくるとゴアテックスの薄い皮膜が破れて浸水するようになったり、あるいは撥水性が失われたり表面に土などが付着して、換気能力が低下して蒸れるようになったりします。そうすると、ゴアテックスの雨具を着ていても、中がずぶ濡れということは起こり得ます。(私の雨具が、まさしくそうなってしまった)

※追記 テントは持っていたようです。
http://www.asahi.com/national/update/0718/TKY200907170469.html
によると、5人はテントを張って野営したようです。このうち何人が亡くなったかは分かりませんが。

もう一つ、遭難した日にヒサゴ沼避難小屋を出たときは大変な強風で、「こんなので大丈夫なのか」と不安に思った登山客もいたようです。別の報道によると
「雨と風で体感気温は相当低く、リュックカバーが風で吹き飛ばされ、岩にしがみついて四つんばいで歩くような状態だった」
という証言もあります。どの程度の風雨か、ある程度想像がつきます。
私も、南アルプスの農鳥岳近辺で、夏場そういう事態に出会ったことがあります。稜線上で片側が絶壁になっているところで、突風が吹き荒れ(断崖絶壁側が風下・・・・・・)とても立って歩くことなどできず、大きな石をつたいながら、まさに四つ足で歩きました。雨のつぶてが顔に当たると痛いのです。ザックカバーに気を使う余裕なんてなくて、いつ吹き飛ばされたのかも分かりません、気が付いたらなくなっていました。基本的にはそういう時は引き返すのですが、そのときはそこを突破しないことには下山できなかったので、強行突破するしかありませんでした。
多分、長く山登りをしていれば、かなりの人がそういう事態に直面したことがあると思います。というか、夏山でそこまでの強風は珍しいですが、冬山ではかなり当たり前です。

その状態で、何故小屋に停滞するか、あるいはせめてトムラウシは諦めて下山する(ヒサゴ沼避難小屋からは化雲岳を経て天人峡に下山するルートがある)選択が取れなかったのかと思います。

追記 ただし、標準コースタイムで見て、天人峡へ直接下るルートも7時間弱かかり、トムラウシを越えてトムラウシ温泉までの8時間強と大差のないロングコースです。やはり停滞がベストだったと思われます。

どうやら、後続の団体客が翌日宿泊の予定で、どうしても避難小屋を空ける必要があったというのが真相のようですが(そのために、場所取りでガイドが一人小屋に残っています)、事実とすると、この会社は避難小屋を自らの営業のために私物化していた、とも言えますし、営業の都合で客を暴風雨の中に追い出した、とも言えます。いずれにしても、山では日程や予定通りには行かないことがある、ということを前提にしないツアー運営だったように思えてなりません。

報道によると、一行は朝5時半に避難小屋に出て、最初の落伍者が出た北沼付近にたどり着いたのが昼前だそうです。ここまで6時間以上の時間がかかっています。登山地図によると、このルートの標準タイムは2時間半です。登山地図の標準タイムなんてアテにはなりませんが、それでも、その倍以上の時間がかかっているというのは、明らかに登るのが無理な状態です。

私はほとんどの登山が単独ですが、職場の同僚と一緒に山に登ったことも何度かあります。
単独の時は自分の意志が全てですから、「もう引き返そう」と思えば、いつでも引き返すことが出来ます。ところが、団体の時はどうしても他の人に引きずられます。自分自身は体力的に限界でも、あるいは技術的に無理でも、「登りたい」という人がいると、それに引きずられてしまうことがありがちです。それに、他人に依存的になってしまう。自分一人なら自分でルートを確認して地図を見なければ始まりませんが、団体だと「誰かに付いていけばいい」になってしまう。

単独登山にはデメリットもありますが、こういう場面では団体のデメリットもあるように感じます。客に対してガイドの数が圧倒的に少ない(それでも、私の知る限り、今回のツアーは客に対するガイドの数は、このようなツアー登山の中ではかなり多い部類だと思います)ので、ガイドとはぐれてしまうと、個々の登山客は容易に孤立して、身動きできなくなってしまったのかもしれません。





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最終更新日  2009.07.19 00:46:15
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