inti-solのブログ

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2009.07.25
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トムラウシ岳の遭難事故について、この日記でも何度か取り上げてきました。現段階で推定できる原因は

16日悪天候にもかかわらず予定通り避難小屋を出発したこと
明らかにその日の目的地に到着できないペースと思われるにもかかわらず、早々に引き返さなかったこと
そもそも予備日がなく、日程に余裕がなかったこと
参加者の体力にも、余裕がなかったこと
亡くなった方の装備・雨具に不備があったらしいこと
最初に動けなくなった人が出た段階で長時間停滞したことで、他の参加者にも低体温症が広がったこと
救助要請が遅れたこと
(おそらく)救助要請や日程変更を極端に嫌う会社の体質があったこと

などの点が指摘できるかと思います。
基本的には、ガイドとツアー会社の不備と判断ミスと思われます。その責任は今後追及されていくことになるでしょうし、追及されなくてはなりません。
ただ、何度も書くように、会社やガイドの責任が追及されても、失われた命は戻ってきません。客だガイドだと言っても、自然の猛威は相手をえり好みしてくれるわけではありません。
客だから連れていってもらう、という立場は、多分山登りでは通用しないのだと思います。

さて、私は1990年頃から山登りをしています。何度か職場の同僚と一緒に山に登ったことはありますが、ほとんどの場合は単独行です。最初から単独行だったので、自分にとっての山登りはそういうものだと思っています。

山登りの内容としては、ごく初歩的です。岩登りとか沢登りはせず、一般縦走路を歩くだけ。冬季も登りますが、厳冬期は八ヶ岳の硫黄岳や北八ヶ岳の山々など、ごく初歩的な雪山しか登りません。そういう意味では、限りなく「なんちゃって登山者」に近い存在です。

たいていの登山口には登山者への注意書きがあって、その中には、「単独行はやめましょう」などと書いてあることもあります。遭難対策という意味では、単独行はあまり歓迎されません。実際、単独行のデメリットは、万が一の場合(体調が悪くなった、怪我をしたなど)の場合に頼れる相手がいないということに尽きます。ゴールデンウィークや夏山シーズン、秋の連休や年末年始の人気コースだったら、他の登山者はいくらでもいますから、万が一の場合に急を告げることくらいは不可能ではありませんが、ちょっとでも時期を外れれば、登り始めから下山してくるまで他の登山者には誰にも会わなかった、なんてことはいくらでもあります。
当然、単独行で何か起こっても、(よほど特殊な、悪意に基づくような例は別にして)誰の責任も問えません。全て自分で責任を負うしかない。

単独行のメリットは、何と言っても日程を自由自在に決められる、ということに尽きます。山に行くも中止するも自分次第ですから。ただ、かつて登山者の御用達であった中央線の急行「アルプス」は、自由席が中心だったので、行くも行かないも直前に決めることが可能でしたが、現在は快速「ムーンライト信州」や夜行バス「さわやか信州号」いずれも全席指定なので、予約をした時点で日程が拘束されてしまうようになってしまいましたけど。

単独行は先に進むも引き返すも全て自分の自由です。ただし、無理して先に進んで、事故を起こして動けなくなっても助けてくれる人はいませんから、そういう意味では慎重になります。基本的には、天候が悪いときには早々に予定を変更することが多いです。しかし、20年近くも山登りをしていると、時々ひどい天候に直面することがあります。前の日記に書きましたが、稜線上の絶壁の縁で、突風が吹き荒れ(断崖絶壁側が風下)とても立って歩くことなどできず、大きな石をつたいながら、四つ足で歩いたことがあります。顔に当たる雨粒が痛い(だって、もの凄いスピードで横から降ってくるから)、ザックカバーはいつの間にか吹き飛ばされて、なくなりました。
もっとも、冬山で森林限界を超える稜線上は、基本的にいつでも台風並の暴風です。
しかし、稜線上でそんな凄まじい突風が吹き荒れているときでも、森林限界より下の樹林帯はそよ風が吹いているだけです。樹木の力は偉大だと、このときほど痛感することはありません。だから、基本的には暴風の時はできるだけ速やかに樹林帯に逃げ込むに尽きます。というわけで、私は厳冬期の雪山で森林限界上を終日行動するような山登りはできないのです。

単独行では、歩くペースや休憩の取り方も自分で好きに決められますから、結果的には結構脚力を発揮しやすいように思います。他人のペースに合わせるのは、疲れるものですから。これも単独行のメリットです。

単独行だと自然の息吹が近くに感じられます。まったく1人で夜を越すのは特に面白いものです。ただし、これは人によって好みが別れるでしょうが。そんなの怖い、と思う人もいるでしょう。(私は好きです)
東京都の最高峰雲取山に、ある時期毎年冬に登っていたことがあります。いつも山頂の避難小屋に泊まるのですが、たいてい他に登山者はなく、小屋独り占めです。眼下には、夜、大東京の光の海が広がっている、その光景をたった1人で眺めるのは、実に印象的でした。

ただし、冬山の単独行は、トレースがついていないことがあります。私も何度かトレースのない冬山で難渋したことがありますが、まず、ラッセルで体力を消耗する(私が単独で行く山は、ラッセルというほどの積雪ではないのですが、積雪30cmだって、1日歩けば大変な消耗です)、それに道がよく分からないので右往左往する、だから、途中で時間切れになって引き返すことはよくあります。

全ての判断も、それに伴う責任も自分にある、そのことによるデメリットもあるしメリットもありますが、私は単独行はやめられないなあ。(山の中での判断に自身が持てない人にはお勧めしませんが)





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最終更新日  2009.07.25 09:19:23
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