inti-solのブログ

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2012.09.21
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カテゴリ: 災害
もう半年以上前ですが、富士山が噴火した場合の危険性について、記事を書いたことがあります。

富士山は噴火するか

そのときの私の結論としては、富士山はいつ噴火しても不思議ではないけれど、噴火による人的な被害はそれほど多くはないだろう(昨年の東日本在震災ほどではない)、ただし、日本の東西を結ぶ大動脈に被害が及ぶ可能性があるので、その場合は、経済的な被害は深刻かもしれない、というものです。
ただ、この記事を書いた当時は、ひとつ考慮していなかった条件があります。
それが、今日の記事のタイトルである「山体崩壊」です。

山体崩壊とは、読んで字のごとく、山そのものが崩れ落ちてしまうことです。噴火だけでなく、地震が原因で起こる場合もあります。
噴火を原因とする山体崩壊の起こった典型的な山がこれです。

磐梯山(猪苗代湖側より)
福島県の会津磐梯山です。猪苗代側から見ると、このように整った成層火山の形に見えます。
しかし、反対側の裏磐梯から見ると。

磐梯山(裏磐梯から2)
中腹から下がざっくりと抉り取られていることが分かります。この噴火は今から124年前、1888年に起こり、477名の犠牲者が出たそうです。このとき噴火による土砂崩れが長瀬川を埋め尽くしたことで生まれたのが、桧原湖など裏磐梯の湖沼群。

富士山の場合も、噴火そのものはともかく、それによって山体崩壊が起こってしまうと、これは相当の被害が出る可能性があります。しかも、最近の調査で富士山の直下に活断層があると考えられるようになっています。地震でこの活断層が動けば、仮に噴火がなくても山体崩壊が起こる可能性がある。現在、火山の噴火はおおむね事前に予知できますが、地震はなかなか予知できないのは周知のとおりです。

世界的に見ると、地震を原因とする山体崩壊としては、ペルー・アンデスのワスカラン(6768m、ペルーの最高峰)の例が有名です。1970年のアンカシュ地震で、ワスカラン北峰が氷河もろとも崩壊、50kmも離れた麓のユンガイの町は、当時の人口約18000人のうち、生存者がわずか300人(Wikipediaスペイン語版による。英語版によると、生存者92名)という大惨事になりました。

もうひとつ可能性があるのは、積雪期に噴火した場合、雪が解けて泥流となって谷を流れ下る危険です。火山泥流(ラハール)と呼ばれます。
1985年、コロンビア・アンデスのネバド・デル・ルイス火山が噴火した際は、山頂付近の氷河が溶けて麓まで一気に流れ下り、23000人の犠牲者が出ました。この火山泥流は、100km近い距離を流れ下っています。(アルメロは約40kmの位置)

富士山には氷河はありませんが、11月から6月までは積雪があります。太平洋側に位置する山なので、積雪量は日本海よりの高山に比べればそう多くはありませんが、それでも4月頃にはだいたい2メートルくらいにはなります。これが噴火によって一気に解けて泥流となった場合、大変な被害が想像されます。
むしろ、溶岩などは流れ下ってきたとしても速度は遅いので、逃げる時間の余裕があります。火砕流や火災サージは、猛スピードだし、高温なのできわめて危険ですが、富士山の場合は、ハザードマップから判断する限り、人口密集地にまで火砕流が届く可能性は低そうです。一方、火山泥流や、山体崩壊による岩雪崩は、時速100kmを超えるような猛スピードで、かつ御殿場市や富士市の人口密集地に迫る可能性があります。

それらのことを考え合わせると、富士山の噴火(宝永噴火や貞観噴火クラスの規模)による人的被害を「たいしたことはない」と書いた先の記事は訂正の必要があるかもしれません。






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最終更新日  2012.09.22 00:30:33
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