inti-solのブログ

inti-solのブログ

2013.08.07
XML
カテゴリ: 政治
※実は、操作を誤って元記事を削除してしまいました。バックアップから再度掲載します。

【月刊正論】 亡国の「失言」バッシング狂騒曲
そして保守政治は何も言えなくなる…(産経新聞政治部編集委員・阿比留瑠比 月刊正論9月号)
政治家の武器は何といっても「言葉」である。政治家は言葉を駆使して国民に自らの政策や政治信条を訴え、理解と支持を広げなくてはならない。したがって、地位や影響力のある政治家が、自らの発言に十分気を配る必要があるのは言うまでもない。
(中略) 
ここまでを前置きとし、これを前提に本題に入りたい。結論から述べれば、メディアの多くは「左派・リベラル」の政治家の失言には優しく忘れっぽい一方、「保守系」の政治家のそれはとことん追及する傾向がある。
これは甚だ不公平であるが不思議でも何でもない。戦後ずっとメディアの主流が「左派・リベラル」で占められてきたのだから、むしろ当然のことである。
そして、ずっとそんな偏向した「言論空間」の中に閉じ込められてきた国民の側にも、なんとなくリベラル系の失言を容認してしまう癖がついている気がする。
最近でこそ、この偏りはほんの少しだけ是正されてきた。ただ、それでもやはり、大きな方向性は変わらない。

リベラル派の場合…
リベラル派で親中・親韓の政治家である鳩山由紀夫元首相は6月、北京市内で開かれたフォーラムでこんな発言をした。
「(日本が降伏に当たって受諾した)ポツダム宣言の中で日本が守ることを約束したカイロ宣言は『盗んだものは返さなければならない』としており、中国側が(返還されるべき領土の中に尖閣諸島が)入ると考えるのも当然だ」
元首相ともあろう者が、日本の領土・領海を狙う中国の侵略意図に同調したまさに超弩級の失言、いや暴言である。
そもそも条約でもないカイロ宣言は「法的効果を持ち得ない」(外務省)というのが我が国の立場であり、鳩山氏の主張は全く筋が通らず、中国を利するだけだ。
「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」
刑法81条「外患誘致」はこう定めている。その初の適用例が鳩山氏となってもおかしくないぐらいの無責任発言だったが、メディアの扱いは小さなものだった。
あるいは百歩譲ってメディアにとっては、この万人が認める不世出の愚か者の言葉を大きく取り上げないことこそが良識の発露だったのかもしれない。
だが、当時はまだ民主党籍のあった鳩山氏に対する民主党執行部の対応も生ぬるかった。海江田万里代表は記者団にこう述べた。
「民主党の主張とは大きく異なる。首相を経験した立場もある。その立場をよくわきまえた発言をお願いしたい」
また、細野豪志幹事長は談話を発表して「看過できない」「無責任な発言」などと批判し、「今後こうした国益を損なう発言がないよう厳重に申し入れる」と述べたが、2人とも鳩山氏の処分には一切言及しなかった。
さらにメディアの側にも、こうした微温的な民主党の対応を厳しく指摘する姿勢はみられなかった。本来は「党籍剥奪」ぐらい求めてしかるべきだったろう。
リベラル派で親中・親北朝鮮の政治家である野中広務元官房長官が、尖閣諸島をめぐって「領有権問題棚上げの日中合意があった」と発言した際も同様だ。これも国益に反した「妄言」と言えよう。
野中氏によると、昭和47年9月の日中国交正常化から間もないころ、箱根で開かれた自民党田中派の研修会で、田中角栄首相(当時)がそう講演したそうである。
だが、不特定多数の人が聞いた講演の中身が、今まで外部に一切出なかったという時点で不自然であり、眉唾ものだ。
当時、「棚上げ合意」などなかったことは日中交渉や首脳会談に立ち会った外務省幹部らが証言しており、野中氏の発言は中国側の言い分を代弁したものにすぎない。
この野中氏の発言を唯一の根拠にして、鳩山氏はその後、「棚上げ合意は歴史的事実だ」と言い出すに至る。親中派が中国に操られ、協力して日本の国益を損壊しているようにしか見えないが、やはりメディアは野中氏に優しかった。野中氏を積極的にテレビ番組に招き、言いたい放題語らせるテレビ局もあった。

保守系の場合…
それでは、保守系の政治家の「失言」はどう扱われるだろうか。自民党の高市早苗政調会長が6月に党兵庫県連の会合で、東電福島第1原発事故に関して次のように述べた際のことを思い起こしてほしい。
「事故を起こした福島第1原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない」
この発言に対し、与野党とメディアから一斉に批判が集中した。

ーーー

例によって例のごとく、ネトウヨ新聞のネトウヨ記者(いや、記者のふりした政治運動屋)阿比留瑠比がお約束どおりのことを書いています。
この記者(もどきの政治運動屋)は、マスコミが左派・リベラル派の失言に甘くて、保守派の失言に厳しいと、そう信じているようです。私の見るところ、イデオロギーをもっとも露骨に前面に出す新聞は産経新聞であり(そのこと自体は必ずしも悪いことではない)、また、保守派にとことん甘く、左派・リベラル派にとことん厳しいマスコミの筆頭もまた産経新聞であるように思えるんですけどね。何しろ、2009年に自民党と一緒に「下野なう」するくらい、自民党との距離感がない新聞ですから。

実際にはマスコミの大勢は、保守派の失言に厳しく左派リベラル派の失言に甘い、などということはまったくない。そうではなく、時の政権に対しては厳しく、政権の外にいるものに対しては甘い(というか、どうでもいい)という傾向は確かにあります。
でも、それは当然の話でしょう。政権の中枢にいる者と野党の政治家、まして政界を離れた人間で、責任の重さが同等であるはずがない。
実際のところ、民主党政権の時代には民主党の政治家、特に閣僚に対するバッシングは非常に厳しいものがありました。「法相は2つの言葉を覚えておけばいい」の柳田法相と、「放射能付けてやる」発言の鉢呂経産大臣は辞任に追い込まれました。失言とは違うけど、蓮舫議員の「2番じゃダメなんですか」も相当叩かれた。私の見るところ、鉢呂大臣の「失言」は、ほぼ事実無根だし、蓮舫の「2番じゃダメなんですか」という発言(質問)も、特に問題発言ではないと思うんですけどね。「2つの言葉を覚えておけば」発言は、確かにちょっと問題ですが。

で、その時代に野党であって自民党の麻生や安倍は、マスコミから失言を叩かれたことがあるか?
ないでしょう。
今、安倍首相が靖国に参拝するかどうかが注目されています。しかし、安倍は前回首相を退陣して以降、毎年靖国神社に参拝していたようですが、それは新聞の片隅にべた記事で乗る程度の扱いです。自民党がまだ与党だった時代ですら、首相を辞任した一議員である安倍の参拝を大きく報じる新聞はなかった。当たり前の話です。

阿比留瑠比は、鳩山由紀夫元首相や野中広務元官房長官の「失言」を追及しないマスコミはけしからんと思っているようですが、現時点で首相でも閣僚でもない、どころか議員ですらない一民間人の発言が、現役の閣僚や首相の発言と同列の重さであるはずがありません。

「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」刑法81条「外患誘致」はこう定めている。その初の適用例が鳩山氏となってもおかしくない

いや、充分におかしいです。外患誘致という罪名を言論の自由を抑圧する手段として使おうとするような言説を、新聞記者ともあろう人間が行うとは・・・・・、いや、なんちゃって新聞記者の政治運動屋だから関係ないのか。

で、私は鳩山の発言の中身自体には同意しません。しかし、野中広務の、尖閣諸島をめぐって領有権問題棚上げの日中合意があった、という発言については、そのとおりだと思う。産経新聞は(現在の日本政府も)棚上げ合意を何とかして「なかったこと」にしようと必死ですが、当時棚上げ合意があったことは秘密でもなんでもなく、そもそも当時の時点で広く報道されていたことです。
以前の記事でも紹介したことがあります。



この記事中で1979年5月31日読売新聞社説を紹介しましたが、そこには「尖閣諸島の領有権問題は、1972年の日中国交正常化の時も、昨年夏の日中平和友好条約の調印の際にも問題となったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。つまり、日中両国とも領土主権を主張し、現実には論争が"存在"することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。」と書かれています。

さらに、この記事を受けて、当ブログの常連Bill McCrearyさんが、 この社説の前日(1979年5月30日)に行われた国会審議での園田外相の答弁 について指摘しています。

「わが方は歴史的、伝統的に日本固有の領土である、こういうことで、これは係争の事件ではない、こういう態度、中国の方は、いやそれは歴史的に見て中国の領土である、日本と中国の間の係争中の問題であるという差があるわけであります。そこで北京の友好条約締結のときに、トウ小平副主席と私との間で、私の方から話をしまして、尖閣列島に対するわが国の主張、立場を申し述べ、この前の漁船のような事件があっては困る、こういうことを言ったところ、向こうからは私の主張に反論なしに、この前のような事件は起こさない、何十年でもいまのままの状態でよろしい、こういうことで終わったわけです。
その後中国のトウ小平副主席が日本に来られたときに、共同会見のときにたな上げだという言葉を初めて使われ、わが方は依然としてわが方の領土であることは明白であるといういきさつがあるわけでありますけれども、少なくとも日本と中国の友好関係の現状からしまして、この前のような、漁船団のような事件は起こさない、二十年でも三十年でもいまのままでよろしいということは、わが方から言えば現在有効支配しているわけでありますから、ことさらに中国を刺激するような行動、これ見よがしに有効支配を誇示するようなことをやれば、やはり中国は国でありますから、自分の国であると言っているわけでありますから、これに対して異論を出さざるを得ないであろう。そうでない状態が続くことを私は念願しております。
 したがって尖閣列島についてはわが国の領土ではあるけれども、こういういきさつがあるから刺激しないように、付近の漁民または住民の避難のため、安全のためにやむを得ざるものをつくるならば構わぬけれども、やれ灯台をつくるとか何をつくるとか、これ見よがしに、これは日本のものだ、これでも中国は文句を言わぬか、これでも文句はないかというような態度は慎むべきであるということを終始一貫議論をしてきた経緯があるわけであります。」


「棚上げ」という単語は使っていませんが、現状固定でお互いに事を荒立てないで解決は先送りする、つまり事実上棚上げ状態であることを、外務大臣が自ら国会答弁で認めているのですから、これは公然たる事実という以外にありません。
現在の日本政府や産経新聞にとっては、なかったことにしたい歴史かもしれないけれど、歴然たる事実なんだから仕方がありませんし、その公然たる事実を指摘した野中広務の発言は、失言でも何でもないのです。

※ただし、ここでいう棚上げとは、どちらが実効支配するか、という結論を棚上げしたわけではない点には留意が必要です。あくまでも、 日本が実効支配している、という現状のままで解決を先送り する、という意味での棚上げですから、日本が実効支配している既成事実を放棄すべきだ、という話にはなりません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.08.10 06:58:26
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: