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2015.12.12
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カテゴリ: 対中・対韓関係
「通州事件」ユネスコ記憶遺産に申請へ つくる会「世界に知ってほしい」 中国人部隊の邦人200人殺害
ユネスコの記憶遺産に中国の「南京大虐殺文書」が登録された問題で、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)は11日、2017年の記憶遺産登録を目指し、日中戦争の発端となった盧溝橋事件直後に200人以上の日本人が中国側に殺害された「通州事件」の資料をユネスコに申請すると発表した。
通州事件は1937年7月29日、北京東方の通州で日本人が中国人部隊に襲われた事件。申請する資料は、東京裁判に提出された証言や外務省の抗議声明などの公的文書のほか、当時の新聞の号外なども予定している。同会は「通州事件が忘れられている現状を意識的に変えなければならない。広く世界に知ってほしい」と訴えている。
記憶遺産の登録審査は2年に1度行われ、申請できるのは1国2件まで。ユネスコの国内委員会はすでに2017年の登録候補2件を公募の上で選定しており、それぞれ申請者である自治体などが来年3月に申請書類を提出する。それ以外の民間団体や個人も制度上はユネスコの国内委員会を通さずに申請が可能なため、同会はユネスコに直接申請する。文科省によると、つくる会の申請などで日本からの申請が3件以上となった場合、ユネスコから国内委員会に優先順位を付けるよう差し戻される。

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南京大虐殺がユネスコの世界記憶遺産に登録されたものだから、極右勢力が吹きあがっちゃって、対抗措置のつもりで通州事件を記憶遺産に申請と叫び始めたようです。この報道で気がついたのですが、「つくる会」の会長は、今は高池勝彦がやっているのですね。稲田朋美のお仲間の弁護士です。百人斬り裁判の原告側代理人の1人でした。稲田は、私の印象では弁護士としては有能とは思えないけれど、弁舌は立つ。高池は、弁護士としての能力も、弁舌の能力も疑問符がいっぱい付きます。

ま、それはともかく、南京事件は、少なくとも数万、おそらくは十数万の犠牲者が出た大虐殺事件だったわけですが、それに対抗するのが犠牲者200人の通州事件とはね。ちなみに、引用記事には「 邦人 200人殺害」「200人以上の 日本人 が中国側に殺害された」と記載されていますが、これは、完全なウソではないものの、きわめて誤解を招きやすい表現です。つまり、犠牲者200人の半分は朝鮮人でした。もちろん、当時朝鮮は日本の統治下にありましたから、当時における国籍上の区分としては「日本人」ではあったでしょう。しかし、日本統治時代の朝鮮人を、なんの注釈もなくただ「日本人」と書くことは、少なくとも現在の歴史の記述としては不正確の謗りを免れません。
そして、もう一つ、「日本人が中国人部隊に襲われた」という記述にも注意が必要です。通州で日本人(大多数は朝鮮出身者)を襲った「中国人部隊」とはどのような部隊か。何の説明もなくこう聞けば、国民党軍か共産党軍と思っても不思議はありませんが、事実はそのいずれでもありません。当時通州は、国民党政府から離反した冀東防共自治政府の支配下にあり、日本軍部隊も駐留していました。さらに、日本軍は冀東防共自治政府保安隊に将兵を派遣して、軍事訓練を施していました。
つまり、冀東防共自治政府というのは事実上日本軍の傀儡政権であり、冀東防共自治政府保安隊は、日本軍の手駒の一つだったわけです。ところが、その冀東防共自治政府保安隊が反乱を起こして通州事件を引き起こした。つまり、日本軍の飼い犬に手を噛まれた、というのが現実です。
なお、事件発生当時、冀東防共自治政府は日本の傀儡政権だけに、即座に日本側に謝罪し、当時としては高額の賠償金を支払っています。だから虐殺は許されてよい、というわけではないけれど。

歴史的経緯は以上のとおりですが、加えて、この通州事件が世界記憶遺産に登録される可能性があるか?まあ、120%その可能性はないでしょうね。相手にもされないでしょう。世界は、日本のネトウヨの思うとおりには動かないので。

ユネスコの国内委員会はすでに2017年の登録候補2件を公募の上で選定しているそうです。その2件とは、 群馬県の上野三碑 岐阜県八百津町の杉原リスト (杉原千畝のビザ発給記録)のようです。仮に通州事件が記憶遺産に申請されるとすると、1国2件までという規定からして、この2件のいずれを申請から外す、ということになります。この2件が記憶遺産としてふさわしいのか、登録される可能性がどの程度高いのかは私にはわかりません。しかし、少なくとも通州事件との比較で言えば、それよりは登録される価値も、登録される可能性も高いでしょう。もし、それら2件のいずれかを押しのけて、南京大虐殺の世界記憶遺産登録への当てつけとしての意味しかない通州事件が候補に上がるようでは、世界記憶遺産申請は、ネトウヨの政治運動に私物化されていると言われても仕方がないでしょう。





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最終更新日  2015.12.12 23:10:28
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