inti-solのブログ

inti-solのブログ

2017.01.31
XML
テーマ: ニュース(96521)
小田原市“生保ジャンパー”問題、実際に着ていたという職員に話を聞くと……?
神奈川県小田原市で生活保護受給者の自立支援を担当する複数の職員が、「不正を罰する」といった文言を英語でプリントしたジャンパーを着用していたいた問題で、市は担当部署の部長以下7人を厳重注意処分とし、謝罪会見を行った。
実際に取材してみると、ある職員は「不正受給者があまりに多いことの表れだった」と話す。
「ジャンパーは、あくまで不正受給に反対するもの。中には、どう見ても健康な30代の若い男が受給を認められたりしているんです。上の人たちは直接、そういうのを見ていないからわからないんでしょうが、われわれだって納税者。腹の立つ受給者が多いのは確かですよ」(同)
ジャンパーは60名以上の職員らが一人あたり約4,000円の費用を負担して製作したもので、「文言は過激だったかもしれないけど、不正受給者が後を絶たない現状をわかってほしい。生活保護を推進する弁護士やNPO法人の連中は、不正件数が全体の2%ぐらいだとか言ってますけど、それはハッキリ不正だと認定されたものを数えただけ。実際にはその10倍以上。全体の4分の1ぐらいいてもおかしくないと感じます」(同)という。
それは驚きの数だが、実際にどんな不正がまかり通っているのか?
「一番多いのが、こっそりアルバイトしている人たち。元いた職場の仲間から仕事を分けてもらってトラック運転手を続けている男は、生活保護を受けたことで収入が倍になっていた。ブログの動画やアフィリエイトで稼いでいる人もいます。それらを見つけて指摘しても『仕事復帰に向けて、リハビリでやっただけ。金は受け取っていない』とか、都合のいいことを言って逃げられる。絶対的な証拠でもないと、まず不正認定はされないんですよ。日中からパチンコ店に入り浸り、夜はクラブで踊ったりスナック通いしているような人もいるし、こういうタイプの多くは、『持病がある』とか大げさに言いますが、見た目には健康そのもの。本人も『申請が余裕で通っちゃいましたよ』と、半ば不正であることを認めるような口ぶりです」(同)(以下略)

---

「ある職員」なる者が、本当に実在するのか、実在するとして、取材に対してほんとうにこのように答えたのか、それとも、話の断片をつなぎ合わせてこのような「コメント」が作られたのかは分かりません。本当に小田原市の職員が、このような認識を取材に対して語ったとすれば、「信じられないことだ」と、ある知人が教えてくれました。

「ジャンパーは、あくまで不正受給に反対するもの。中には、どう見ても健康な30代の若い男が受給を認められたりしているんです。」

との発言があります。取材者によって発言の一部が切り貼りされたものでないとするならば、「健康な30代の若い男」が生活保護を受けることは、「不正受給である」という認識を、生活保護を担当する職員が持っている、ということになります。
生活保護法の条文も、生活保護手帳も読んだことがない一般市民が、「健康な30代の若い男」(何で男だけ?子どもがいない限り女だって同じでは?)が生活保護を受けるなんて不正受給だ!と思うのは、仕方がないことでしょう。法律はともかく、感情のレベルでは理解できなくはないですから。
しかし、給料をもらって働いている福祉事務所の職員が、「健康な30代の若い男」の保護受給が「不正受給」だと思っているとしたら、それは、「生活保護法を何も知らずに仕事をしています」と言っているのに等しいのだ、と知人は言います。



生活保護法第4条  保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2  民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3  前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。


無差別平等なので、「困窮に至った経緯は問わない」というのが生活保護制度の基本原則です。「利用し得る資産、能力その他あらゆるものを~活用することを要件」とはするものの、「急迫した事由がある場合」は例外なのです。
だから、何らかの犯罪を犯して刑罰を受け、出所、あるいは執行猶予判決を受けて釈放されて、その足で福祉事務所に直行して保護申請、なんて例は特に珍しいものではないと聞きます。市民目線では、許し難いと思うかもしれません。知人も、最初は「許し難い」と思いながら仕事をしていたそうですが、そのうちに仕方がないと考えを変えたそうです。何故か。
「刑務所から出てきて、お金を全然持っていない※仕事もない、場合によっては住む場所もない、という人を、犯罪を犯したお前が悪い、と放置しておけばどうなります?死ぬのが嫌だったら、盗みか何か、また犯罪を犯すしかないでしょう。自業自得だから生活保護なんか受けさせないことは、結果として死者と犯罪者を増やすことになる。それは本人のためにもならないし、社会全体としても危険なことなんじゃないですかね。」ということです。

※出所者だから必ずお金がない、とは限りません。当然、保護基準より手持ち金が多ければ生活保護は受けられません。

もっとも、なかなか理念どおりにはならず、出所して生活保護を受けても、また犯罪に逆戻り、という例も少なくないようですが。知人も、驚き、あきれ、頭にきて、悲しくなるようなことはいっぱいあるよと言っておりました。

それはともかく、犯罪歴があってもなくても、仕事ができてもできなくても、「現に今」困窮していれば(つまり、「急迫した事由がある場合」には)生活保護は受けられますが、いつまでも急迫というわけにはいきません。当然ながら、充分働ける人が生活保護を延々と受け続けることは望ましくありません。
だから、福祉事務所でも仕事に就こうとする受給者のための就労支援が行われます。それを無視して、求職活動も行わず、働けるのに働かない、仕事探しもろくにしない人は、就労(求職活動)指導→指示書→弁明の機会→生活保護打ち切り、ということになるとのことです。
しかし、最終的にそうなったとしても、「働けるのに働かずに生活保護を受けていた」ことは、不正にはなりません。就労指示違反によって保護が打ち切りになったとしても、生活保護法78条による保護費返還請求はありえないのだそうです。

生活保護法第78条  不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。(2項以下略)

働けるのに生活保護を受けることは、不実の申請でも不正な手段でもないので、法78条による徴収対象にはならない、したがって、不正受給ではない。こんなことは福祉事務所の職員なら常識に属することなのだそうです。

もっとも、実際には、医者の前であそこが痛い、ここが悪いと言って、稼働能力調査に「就労不可」という回答をもらって、働かずに保護を受け続けるような人もいるようです。ただ、そういう人は、目に見える精神障害ではなくても、実際には社会的不適応で、しょうがないんじゃない、とも知人は言います。「口では仕事を探しなさい、と言うんだけど、腹の中では、もし自分が採用担当者だったら、給料がタダでも来てほしくないと思うような人って、珍しくないんだよね」と。
言葉は良くないですが、ダメ人間で他では相手にされないような人が生活保護になる傾向は否定できません。だから野垂死ね、というわけにはいかない。そういう人が犯罪に走らないためにも、生活保護で最低限の保障をするのは仕方がない、というところでしょう。

で、不正は全体の1/4という推計も、事実ならば驚きの数字です。事実なら、ね。
確かに、知人も、発覚する不正は一部だといいます。でも、実数は発覚するもののせいぜい2倍くらいではないか、とのことです。
最新の統計によると、保護世帯類型別割合は、高齢者世帯が51%あまり、障害者、傷病者世帯が26%あまり、母子世帯が6%、その他世帯が16%です。
高齢者にも障害者にも、ピンピンして働ける人、実際に働いている人は大勢いるそうです。不正もあるとのこと。ただし、割合で言えば、病気も障害もなくて若い人よりは、就労も不正もずっと少ない。当然でしょうね。だから、不正の多くは、母子世帯とその他世帯で起こります。しかし、全受給者に占める母子世帯とその他世帯の割合は22%に過ぎません。もしも全体の1/4が不正受給だとすると、母子世帯とその他世帯の全員が不正をしてもまだ足りない計算です。
どう考えてもありえないと、知人は言います。
不正受給の多くは、課税情報の照合と、金融機関の調査によって発覚するそうです。だから、勤務先が税の申告をせず、かつ給料が現金手渡しの場合(給料に限らず、その他の収入も)は、確かに不正は分からないそうです。しかし、そういう雇用先がどのくらいあるでしょうか。水商売とか、個人的なつてで雇われる零細企業、非合法な仕事には多そうですが、日本に存在する雇用の大半は、口座振り込みでしょう。
それでも、チェックをすり抜ける不正は確かにあるそうです。予想もしていなかったような人の不正が発覚したり、状況的には極めて怪しいけれど、どうしても裏が取れない、ということもあるそうです。だけど、不正の実数が発覚するものの10倍、というほどにはザルではない。

強いて言うと、住所不定者は、そういった課税データがない、氏名や生年月日を偽ったり(偽名で生活保護を受けることは、立派に不正受給になるとのこと)、ひどい場合は二重受給も直ちには発覚しにくいので、居宅生活者に比べて不正受給の割合が大幅に高くても不思議はない、とのことです。もっとも、一部の例外(山谷、寿町、釜ヶ崎など)をのぞけば、住所不定者の割合はそう高くはないし、不正が発覚しにくいのは「調査する前に失踪してしまうから」という面もあるのだそうです。

知人の話を聞いて思ったのは、この小田原の「ある職員」がもし実在して、本当にこのような趣旨の話をしたとするならば、自分では職場の弁護をしているつもりで、実は職場の対外イメージを悪くしているだけなんじゃないか、自分の感情優先で、きちんと法に基づいた仕事をしていないんじゃないか、と思ってしまいました。本当に実在して、取材に対してこのとおりの話しをしたのなら、ですけど。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.06.09 08:13:07
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: