inti-solのブログ

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2017.10.24
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カテゴリ: 政治
自民の大勝、小選挙区制が後押し 得票率は48%
自民党は289選挙区で2672万票を獲得し、得票率は48%だったが、議席では75%を占める218議席を獲得した。1議席を争う小選挙区制度では、第1党が得票率に比べて獲得議席数の比率が大きくなる傾向がある。今回も自民党の大勝を後押しした格好だ。
小選挙区では、希望の党と立憲民主党がそれぞれ18議席獲得した。得票数では希望が1144万票(得票率21%)に対し、立憲は485万票(同9%)。希望は候補者が多かったうえ、接戦の末に敗れたケースも相次いだことから、得票の割に議席が伸びなかったようだ。
一方、政党名で投票する比例区(全176議席)は、自民が1854万票で得票率は33%。66議席を得た。立憲も1107万票を集め、得票率は20%で37議席。希望は966万票にとどまり、得票率17%で32議席だった。
ただ、投票しなかった人を含む全有権者に占める自民の絶対得票率は、小選挙区で25%、比例区で17%。自民に票を投じた人は選挙区で4人に1人、比例区で6人に1人だったが、結果として全465議席の6割を占めたことになる。

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衆院選が終わりました。結果は周知のとおりです。
解散当日の9月28日の投稿のコメント欄で、私は
「民進党から希望の党入りを拒まれる議員が20~30人いると見られているそうですが、それに共産、社民を合計しても、小選挙区で10、比例区で40、合計50議席に届いたら、奇跡と思います。」
と書いたのですが、なんと、立憲民主党は54議席を獲得し、私が当初考えていたリベラル派全体での「奇跡」ラインに単独で到達してしまいました。これに共産党12議席、社民党2議席を足して68議席。無所属で当選した22名のほとんどは野党(非与党)系で、かつ前原、野田、弦葉、鷲尾などを除く大半が立憲民主党に近い立場なので、立憲民主・共産・社民などリベラル系グループ全体としては、80議席前後に達しそうです。これは正直言ってうれしい誤算でした。

ただ、立憲民主党と共産党・社民党はかなりの候補者調整を行ったものの、調整の付かなかった選挙区もありました。 Wikipediaの記述 によると、「全289の小選挙区のうち、249選挙区で統一候補が成立した」とのことで、逆に言うと40選挙区では統一候補が成立しなかったわけです。中でも候補者調整の付かない選挙区が多かったのは東京。全25区のうち両党の競合した選挙区が9区もありました。調整できた16選挙区の内訳は、立憲民主党7選挙区、共産党8選挙区、社民党1選挙区でした。
残る9選挙区で何故調整がつかなかったのかは分かりませんが、まったく私の想像で言うと、共産党が一方的に候補者を取り下げるばかりで、共産党側が候補を取り下げられない選挙区では立憲民主党が譲らなかったのではないか、という気がします。立憲民主党が譲ったのは、元々自党の立候補者がいなかった選挙区だけなのではないでしょうか。
この推測が正しいとすれば、今回の野党共闘は共産党の一方的な犠牲の下で成り立ったものということになります。ただし、競合した9選挙区で、共産党の得票が立憲民主党を上回った選挙区はひとつもありません。それどころか、候補者調整のできた選挙区も含めて、共産党の得票が希望の党を上回った選挙区すら、東京では一つもなかったのです(希望の党が候補を立てなかった東京12区を除く)。したがって、共産党側が一方的に譲る以外には、勝利の見込みはなかったことも確かなのです。

問題は次の選挙です。今回は、立憲民主党は急遽の結党だったことに加えて、民進党の支持母体である連合から「立憲民主党から立候補するなら支援しない」という強烈な圧力がかかったことから、立憲民主党からの小選挙区への立候補は63選挙区しかありませんでした。それ以外の選挙区の大半は共産党が統一候補になりましたが、次の選挙ではおそらくそうはなりません。立憲民主党の小選挙区への立候補者は激増するでしょうから、候補者調整は難しさを増します。共産党にとっては厳しい判断でしょうが、共産党が退く以外にリベラル派の勝機はありません。

根本的には、小選挙区制という選挙制度が致命的な害悪をもたらしている、と言うしかありません。小選挙区制の問題点は、過去に何回となく指摘していますが、冒頭の引用記事にあるように、第1党になりさえすれば、得票率よりはるかに多くの議席を占有できてしまうこと、死票率、つまり落選する候補者に投じられる票がものすごく多くなるという致命的な欠点があります。比例代表との並立制と重複立候補という多少の緩和策はありますが、それではこの欠点は補いきれるものではありません。

小選挙区制の問題点は投票率にも如実に現れています。中選挙区制で争われた最後の衆院選であった1993年の衆院選は、当時としては戦後最低の67.26%でした。その「低投票率」が「政治改革」なるものへの理由付けの一つにもなったのですが、皮肉なことに、小選挙区制になって以降、この投票率を超えたのは、2005年郵政解散と2009年の民主党大勝の2回だけです。それも、投票率7割には届いていません。中選挙区制時代には19回中14回の総選挙で投票率が7割を超えていたのですが。今回も、台風の影響はあったにせよ、史上最低だった前回衆院選をわずかに上回るだけの低投票率です。

そういう意味では、小選挙区制という最悪の選挙制度を変えることも、リベラル派陣営の統一政策にしてほしいものです。
が、このひどい選挙制度を改正するためには(他の政策課題もそうですが)、残念ながらそのひどい選挙制度の下で過半数を制しなければならない、という現実は動かし難いものです。今は、この選挙制度の下で勝つための最善の策を講じるしかないだろうと思います。





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最終更新日  2017.10.24 22:43:48
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Re:衆院選雑感(10/24)  
Bill McCreary さん
>民進党の支持母体である連合から「立憲民主党から立候補するなら支援しない」という強烈な圧力がかかったことから、立憲民主党からの小選挙区への立候補は63選挙区しかありませんでした。

当方の職場も連合系の組合ですが、組合にはってあるポスターは立憲民主党でした。上部組合の判断でしょうが、多少拙職場の組合に感心(?)しました。

それで小選挙区制度というのは本当に諸悪の根源ですね。なにしろ比例でしたら、自民党ですら1/3未満の得票率ですから。小選挙区ですら半数未満ですからお話にもなりません。

それにしても立憲民主党が比例で1,000万票以上の票を取ったというのは予想外の善戦ですが、共産党が500万票をはるかに下回る票なのは残念ですね。まあつまり前回共産党に入れた人が立憲民主に入れたということで、私もその1人ですが、立憲民主、共産、社民を合わせると1,600万票を超える票が出て、それで希望からシフトする票もありそうですから、案外日本のリベラル有権者の数も捨てたもんではないのかもです。たぶん投票先に飢えているリベラル派の有権者も多かったのでしょう。

とにかく前原と小池の不始末(小池はともかく前原を代表に選んだのは民進党議員ら関係者ですから、前原だけに責任はおっかぶせませんが)で安倍を延命させたのは論外ですが、投票率の低い小選挙区選挙というのは極悪です。まさに犯罪ものです。前原は、どの面下げて国会なんかに顔を出すんだです。 (2017.10.24 23:14:40)

Re:衆院選雑感(10/24)  
maki5417  さん
選挙は予想通りの結果でした。
立憲民主の健闘は、風や判官びいきですね。
選挙制度は多数派が決めるものですから、各党ともそれに合わせた戦略が必要でしょう。

野党共闘で成果をあげたのは、新潟です。
先週新潟に行きましたが、候補者は自民と無所属でした。
もともと旧社会党が強い土地柄で共産党は非力です。
知事選や参議院選の経験が生きたのでしょう。

それにしても保守の一部を取り込めるか、公明党を取り込めないと政権交代は難しいでしょう。
そのためにも風を起こせる魅力的な指導者の登場を期待したいですね。 (2017.10.24 23:47:14)

Re[1]:衆院選雑感(10/24)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>当方の職場も連合系の組合ですが、組合にはってあるポスターは立憲民主党でした。

おや、そうなのですか。全労連系は、職場に政党のポスターは全然貼っていませんね。・・・・・・と、それ以上のことは職場が特定されないように公開の場では書きませんが。
それはともかく、告示後、希望の党の失速と立憲民主党の躍進が明らかになったことで、連合(の中央)の対応は一変したようです。旧同盟系は希望の党を、旧総評系は立憲民主党をと、単産ごとの対応に任せたのでしょう。しかし、告示前、立憲民主党立ち上げの直後の時点では連合中央の態度はそういうものだったようです。

ちなみに、私は小選挙区は立憲民主党、比例区は共産党に入れました。

maki5417 さん

新潟、北海道、それに沖縄も左派系が強いですね。沖縄は今回4区だけ「オール沖縄」が負けてしまいましたが。
今回、立憲民主党は公明党の票をかなり喰ったのではと言われます。低投票率では組織政党である公明党が有利と言われますが、それにもかかわらず議席が減ったのは、そういう理由なのでしょう。
組織政党といえば共産党もそう言われますが、知り合いにある共産党の地方議員がおりますが、その議員は投票日の朝の時点で、台風で投票率が上がらないことを大変に危惧していました。無党派層が投票に来ないと厳しい戦いになる、という認識のようでした。そして、実際に厳しい戦いになりました。かつては組織政党だった共産党も、今は無党派層頼みのようです。

保守の一部を取り込む、共産党でさえ、限定的ながらそれに成功しているくらいですから、立憲民主党にできないはずはない、と信じたいところです。沖縄が、その典型例でしょう。 (2017.10.25 01:08:00)

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