inti-solのブログ

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2018.01.21
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テーマ: ニュース(96523)
カテゴリ: その他
宇宙エレベーターに挑む 総工費10兆円「理論上可能」
長さ30cmほどの鉄製の昇降機が、するするとケーブルを上っていく。その高さは約100m。2016年にドイツ・ミュンヘンであった実験は、壮大な構想への、ささやかな一歩を刻んだ。
関係者が実験の先に見据えるのは「宇宙エレベーター」だ。上空10万kmに設けた宇宙ステーションと地上をケーブルでつなぎ、何両にも連なった昇降機で往来する。
宇宙服は不要。誰でも宇宙ステーションに行き、星空観察や無重力サッカーを楽しめる。そこから月面まで小型宇宙船を飛ばせば、月の鉱物資源を発掘できる――。
「現代のバベルの塔」。そう称される構想の実現に、日本大学理工学部の青木教授=安全設計工学=が挑んでいる。~
民間企業も触発された。ゼネコン大手・大林組は11年、東京スカイツリーに続く「究極のタワー」を造るための研究開発チームを立ち上げ、翌年、「50年までに宇宙エレベーターの運用を始める」と打ち出した。総工費は10兆円、監修するのは青木教授だ。チームの石川洋二幹事は「理論上、実現は可能です」と断言した。
ただ、ケーブルに使う次世代素材「カーボンナノチューブ」を長く伸ばす技術がないなど、課題が山積みだ。それでも、青木教授は「宇宙と地球の距離を縮めたい。日帰りで宇宙観光ができる時代を引き寄せたい」と話す。

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タイトルは宇宙エレベーターとなっていますが、SFに出てくる軌道エレベーターのことですね。
長さ10万km、それも地球の重力に負けず、弛まないようにするには、きわめて強い張力が必要で、鋼鉄製ではまったく強度が不十分ですが、カーボンナノチューブならば「理論的には」強度は足りるようです。
ただ、以前にも別のテーマで書きましたが、理論上(技術的には)可能であることと、実際に(経済性、安全性を保った上で)可能であることの間には、とてつもなく大きな差があります。

そのエレベーターが物資の運搬のみか、人も乗せられるのかによって求められる安全性の程度には差があるでしょうが、万が一ケーブルが断線した場合、どの位置で切れるかにもよるけれど、数万kmの長さのケーブルが地上に降ってくる、または長大なスペースデブリとなって地球の周りをぐるぐるまわる、ということになるわけで、たとえ無人のエレベーターであったとしても、そのような事態は(安全性の面でも経済性の面でも)絶対に避けなければなりません。
ところが、今地球の周りには、無数のスペースデブリが飛び回っています。その数は、直径10cm以上のもの(登録されて追跡されている)だけで9000個、それ以下のものは、1mm以下の微細なものも含めると数百万から数千万個あると見られています。
1mm以下といったって、宇宙空間ですから、まったく減速しないし、その速度も地上における大砲の弾よりはるかに速いので、衝突すれば大変な衝撃です。現在地球の周りを周回している人工衛星にも、日々多くのスペースデブリが衝突しているそうですから、軌道エレベーターにも当然ぶつかるでしょう。それも、一度や二度では済まないはずです。

スペースデブリに対する有効な対策が講じられるかどうかで、本当に実現可能かどうかが決まるのではないかと思います。
もっとも単純に思いつく対策は、ケーブルを1本ではなく複数にすることです。これは、当然そうするでしょう。それも2本では心もとないので3本か4本じゃないかと思います。ただ、それだけで大丈夫なのかというと、多分不十分でしょう。というのは、ケーブルを複数にしておけば、そのうちの1本が切れてもエレベーター全体が断線して飛んでいく、という最悪の事態は回避できるものの、まさか一部が切れたままで運行し続けるわけには行かないでしょう。が、修理にはきわめて困難が、従って高額な費用も予想されます。
加えて、単純な事故ではなくテロなど意図的な事件に対する対策も必要です。

更に言えば、軌道エレベーターは人工衛星などに比べれば寿命は長いでしょうが、それでもいつかは寿命が来ます。まさか、10兆円もかけて寿命が20年や30年ではないでしょうが、100年後か200年後か、いつか架け替えが必要になります。そのとき、架け替えができる、または、少なくとも安全に後片付けができるだけの経済状態を保っていなければなりませんが、そんな先の人類社会の行く末を予想することは不可能でしょう。

そんなこんなを考えると、軌道エレベーター、確かに実現したら素晴らしいとは思いますが、として、「技術的には」現在確立している技術の延長線上で実現可能なものでもありますが、現実的にはまず無理だろうな、と思わざるを得ません。





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最終更新日  2018.01.21 22:00:30
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