inti-solのブログ

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2018.02.06
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カテゴリ: 戦争と平和
「フルスペックの集団的自衛権」は必要だ
国会で安倍首相が「第9条2項を変えることになれば、書き込み方でフルスペック(全面的)の集団的自衛権が可能になる」と答弁して、石破茂氏の提案する第2項の削除案を否定した。これに対して石破氏は「集団的自衛権を何でもやりますなんて、党として決めたわけでない」とし、第9条2項の削除が全面的な集団的自衛権の行使容認につながらないという。~

常識的に考えて、自衛権に制限をかけて自国が安全になることはありえない。集団的自衛権の限定行使についての「5党合意」では「存立危機事態に該当するが、武力攻撃事態等に該当しない例外的な場合における防衛出動の国会承認については、例外なく事前承認を求めること」となっているが、北朝鮮からミサイルが飛んできたとき、国会で審議していて間に合うのか。

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例によって、池田信夫のくだらぬ論考です。
9条の改憲には、安倍の案であろうが石破の案であろうがわたしは反対です。ただ、そのことはそのこととして、集団的自衛権で「防衛」と名を冠すればなんでも認める、というのは異常なことであり、そんなことによって自国がより安全になることなどありえないと私は思います。

だいたい、どんな侵略戦争も「防衛」と称して始まるものです。戦前の日本は「高度国防国家」と自称していましたが、その実態は中国に対する侵略国家でした。
だから、戦後の日本は武器使用の3要件として、「我が国に対する急迫不正の侵害がある」「これを排除するために他の適当な手段がないこと」「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」という厳しい条件を付してきたのです。
池田は「北朝鮮からミサイルが飛んできたとき、国会で審議していて間に合うのか。」などと使い古されたデマゴギーを叫んでいますが、日本の領土に向かって飛んでくるミサイルを迎撃するのは個別的自衛権の問題であって、集団的自衛権とは関係ないし、「武力攻撃事態」であることは明らかです。
しかし、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」分かりやすくいえば米国に対する武力攻撃は、「存立危機事態」には当たるでのしょうが、日本に対する武力攻撃ではありません。それに対して、「それは日本に対する攻撃だ」とみなして反撃すること(集団的自衛権の行使)を認める「平和安全法制」自体に問題があると私は思います。ましてそのようなことを「緊急だから」と国会の事前承認もなく、政権の恣意的に反撃をことが許されてよいとは思えません。そのような安易な武力行使は、国民をより巨大な危険へと陥れる可能性があります。

戦前の日本を例に挙げましたが、あからさまな侵略戦争を「防衛」と称することは、何も日本の専売特許だったわけではありません。ベトナム戦争での米国のあからさまな侵略、中米・カリブへの干渉、あるいは旧ソ連のハンガリー、チェコ、アフガニスタンへの介入、これらはいずれも「自由主義陣営の防衛」「社会主義陣営の防衛」と称して行われています。世界のどの国も、「侵略は悪」という認識は共有しており、自国の振る舞いは侵略ではない、という体裁を欲するからです。

現在の日本は、戦前とは違い、単独の判断、単独の軍事力で外国を侵略する能力は幸いにしてありません。その代わり、米国の判断、米国の軍事力の補完として、「集団的自衛権の行使」と称する実質的な侵略に加わる可能性が、非常に高くなってしまいました。日本政府は、およそ米国の世界戦略に公然と異を唱えたことはありません。が、それでも、集団的自衛権は違憲とされていた時代は、海外で戦争に日本が参加することだけはありませんでした。
集団的自衛権が認められていたら、日本はベトナム戦争に参戦していたかもしれません。そうすれば、米軍や韓国軍のように、非戦闘員や民間人の虐殺に日本も関与する事態が起こっていたかもしれない。もちろん、自衛隊(そのような場合、もはや自衛隊ではなく日本軍という呼称だったかもしれませんが)にも多くの死傷者を出したに違いありません。あるいは、湾岸戦争や、泥沼のイラク戦争に、後方支援ではなく最前線の戦闘部隊を送っていたかもしれません。お互いに多くの戦死者を出した上に、イスラム国の主たる憎悪の対象が日本になっていたとしても、不思議ではありません。
安倍の言う、そして池田がそれに追従する「フルスペックの集団的自衛権」なるものは、実際にはフルスペックの対米従属でしかありません。米国の世界戦略に、「後方支援」だけでなく、いわば弾除けとして最前線に立とう、ということです。
そのようなことが、日本の「国防」「安全保障」の役に立つとは、私には思えないのです。一部の国家主義者が溜飲を下げるだけで、一般国民の平和と安全を保つことには、百害あって一利なしです。まして、そのようなことを、国会での議論すら経ずに、時の政権の独断で決めてよいはずがありません。





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最終更新日  2018.02.06 09:00:04
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