inti-solのブログ

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2018.06.23
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カテゴリ: 音楽
「アンデスの家ボリビア」

福岡さんは、日本で最初(おそらく)のアンデス音楽グループ「ロス・コージャス」を1973年に結成(当初は「コンフント・フォルクロリコ」という名前だったそうです)、また並行してケーナをはじめとするアンデス・フォルクローレの楽器の輸入販売を手がけておられました。
わたしが初めて買ったケーナは、東武百貨店の楽器売り場で買った、アルゼンチンのアルノルド・ピントス製作のケーナでしたが、これを人前での演奏に使ったことはなく、人前での演奏に使った最初のケーナ、それにサンポーニャ、チャランゴ、ボンボ、要するにギター以外の楽器はすべて、福岡さんのお店で購入しました。1991年から92年ころのことです。


福岡さんのお店で購入した楽器です。


チャランゴ。ボリビアのレネ・ガンボア工房製です。
チャランゴは弦が10本もあって張力が高いうえに、一般的にボリビアの高地と比べて日本の夏は高温多湿であること、ボリビアの楽器の接着技術に難がある場合が多いことなどが原因で、ブリッジが剥がれる事故がよくあります。わたしが過去所有していたチャランゴ系の楽器は全部で4台ですが、そのうち3台はブリッジが剥がれました。唯一、このチャランゴだけが、25年以上無事故です。


サンカ(中低音域のサンポーニャ)、トヨ(最低音域のサンポーニャ)、ケーナ、ケナーチョです。実はマルタ(一番使用頻度の高い中高音域のサンポーニャ)も福岡さんのお店で購入しましたが、新しい楽器を買った後、バラバラにして予備管にしてしまったので、現存しません。サンカも、この後2組新しい楽器を購入したため、この楽器は、今は時々練習で吹くだけです。しかし、トヨは未だ、この一組しかもっていません。もっとも、滅多に外で使うことはありませんが。


ケーナとケナーチョ。いずれも、ボリビアのアハユという製作者の作です。この楽器(小さいほうのケーナ)で、わたしはアルゼンチン式の調律・運指からボリビア式の調律・運指へ乗り換えました。


アハユ-ボリビア91とあります。ただ、わたしが購入したのは92年だったように記憶しています。
ケーナは2008年に新しいものに乗り換えましたが、ケナーチョは2015年まで使っていました。ケーナは15年、ケナーチョは23年使ったわけです。ケーナは、長く湿気を吸い続けて、内側がグズグズになってしまいました。


そして、ボンボ、毛の生えたままの生皮を張った大太鼓です。これは、福岡さんご自身の製作です。
80年代頃まで、動物の生皮の日本への輸入は検疫の問題で難しかったようです。唯一認められていたのは、来日公演を行う音楽家が「自らの演奏のために」持ち込むことだけ。そのため、ラテン系音楽の来日公演を手がけている 「ラティーナ」(当時「中南米音楽」)誌 (楽器・レコード販売も行っていた)が、フォルクローレグループの来日公演を企画する際、余分に何台かのボンボを持ち込んで、それを販売していたのですが、来日公演が頻繁にできるわけはなく、演奏用というタテマエである以上、一度に10台も20台も持ち込めるわけもないので、ごくわずかな数の販売しかできなかったようです。
そこで、福岡さんは自分でボンボの製作を始めたわけです。
というわけで、わずかな「ラティーナ」ルートを除くと、福岡さん製作のこのタイプしか、当時の日本でボンボを入手する術がありませんでした。だから、一時期は日本のフォルクローレグループが使っていたボンボの大半は、福岡さん製作だったのではないでしょうか。学生のサークルはほとんどこのボンボを使っていたはずです。

しかし、いつ頃からか検疫の規制が緩和され、90年代には日本でも普通にボンボが輸入できるようになっていたようです。一方福岡さんは健康上体力上の問題から(ボンボの胴体の製作は大変な力仕事だし、福岡さんはかなり以前から健康状態はあまりよくなかったと聞いています)、ボンボの製作ができなくなってしまいました。
おそらく、ですが、このボンボは福岡さんが製作した中でもかなり最後の頃のものだったのではないかと思います。1990年代後半には、福岡さんのお店でもご自身で製作したものではなく、ボリビアから輸入したボンボを扱うようになりました。


ロンロコ(低音用の大型チャランゴ)。これは福岡さんのところで購入したわけではありません。1994年にラパスのクラルケン・オロスコ(グルーポ・アイマラのチャランゴ奏者としても著名)の工房で買ったものですが、日本に持ち帰ったとたんにブリッジが剥がれました。オロスコが気を利かせたつもりで、ブリッジが剥がれないようにとねじ止めしたのですが、まったく意味なし、効果なし。前述の、私が持っていたチャランゴ系の楽器4台のうち3台はブリッジが剥がれた、という中の1台です。
で、福岡さんに修理していただいたのです。


ブリッジにはねじ穴を埋めた跡があります。それ以来20年以上経ちますが、以降ブリッジがはがれたことはありません。

福岡さんは以前より入退院を繰り返しておられ、最近はお店の営業も不定期だったようです。最後に直接お会いしたのは 2014年11月のミスティの結成25周年コンサート のときでしたが、そのときにはすでに在宅酸素のボンベを手に引いて、鼻からチューブを入れておられました。
その後、昨年春に「ロス・コージャスの軌跡」というCDを製作されて、わたしのところにも送っていただきました。おや、元気を回復されたのだな、と思っていたのですが・・・・・・。



↓チャランゴを弾いているのが福岡さんです


もちろん、すぐにお礼状を出しましたが、それが福岡さんとの最後のやり取りとなってしまいました。
75歳だったそうです。ご冥福をお祈りします。

余談ですが、ロス・コージャスが日本で最初のアンデス・フォルクローレのグループとすれば、そのケーナ奏者である東出五国さんは日本で最初のケーナ奏者ということになります。実は、わたしの中学の先輩です。(と言っても、初めてお会いしたのも、中学の先輩と知ったのも、後年のことですが)


ケーナに魅せられ41年(2012年時点で)、つまり今は47年。あと3年で50年ですね!!
と言いつつ、私も初めてケーナを手にしてから32年、だんだん人のことは言えなくなってきました(笑)ただ、わたしはひとりで吹いていただけの期間が長いので、人前で演奏するようになってからは、まだ26年くらいですけど。





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最終更新日  2018.06.24 07:30:22
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